大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第87回

2011年05月19日 13時48分50秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第87回



「今日、ギターのレッスン 無かったよね?」

「うんそうだよ。 今から帰るとこ」 その返事を聞き終わるまもなく 僕はニッコリとして 順平の腕を掴んだ。

「何? どうしたの?」

「あの時の仕返しだ」 独り言のようにそう言って 部室に向かって歩き出した。

バタフリーがこっちを見た。 

順平は 僕の方ばかり見ていて まだバタフリーに 気付いていないみたいで 「何なの」 と叫んでいる。

駆け寄ってきたバタフリーが 挨拶をした。

「先輩、今日は」 バタフリーの声に ようやく順平が気付いた。

「げ、何でコイツが ここにいるんだよ」 順平が 僕の耳元でそう言った。

「ああ、今日は」 余裕の笑顔で そうバタフリーに返事をして 順平の質問を 完全に無視しながら

「コイツ 僕と同じクラスの 野田順平っていうんだ。 僕は今から部活に行くけど 順平は今日は暇だって、じゃあね」 そう言って 掴んでいた順平の腕を離して 僕は部室に逃げて行き その後どうなったのか 気になりながらも 絶対に廊下の方を 見ないでいた。

僕にしてみれば 軽音楽クラブに 連れて行かれた時の 仕返しだった。

それに今までも バタフリーの話を 何度か順平にしていたが そんなにイヤそうな 雰囲気が無かったから「まぁいいか」 って言う気持ちもあったし 順平自身が 人間関係に強くて その反面優順不断な 優しさがあるということも 知っていたから やれたことだった。

強い順平なら 言いたいことがあれば きちんとバタフリーに 言うだろうし こんなふうに バタフリーに紹介されて 気にくわなくても 優しい順平なら 僕を責めるようなことはしないだろう。 そんな自分勝手な 確証があった。

部室の中で少し時間を潰し 基礎ばかりをやった後に そっと廊下を覗いてみた。

二人ともいない。 何処にいったのか どんな会話をしたのか 想像も付かないが そんなことを考えていても 仕方がない。

月曜日にでも 順平に聞けばいいことだ。

僕はいつもの通り 渡り廊下で練習を始めた。

その日家に帰って 最終の危険物の勉強をして 眠りにつこうかと思った時に 順平からメールが入った。

『なんて事を してくれたんだ。 あの後、名前の漢字を教えてとか メルアドを聞かれたりとかって 大変だったんだぞ。 挙げ句に 一緒に帰りましょうと 駅まで帰ったんだぞ。 責任取れ!』 という内容だった。

『ふーん、相当楽しかったみたいだね。 僕は明日危険物の試験があるから もう寝る。
 オ・ヤ・ス・ミ』 と返信しておいた。

その後も 着信音が鳴っていたが 無視して眠った。





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