大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第105回

2011年06月14日 13時47分29秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第105回



そして この日のレッスンが 終わってから聞いたのだが 何も言ってない僕が 全員の代表で 先生に「お前か」 と怒鳴られたのを 申し訳なく思って これ以上グズグズ言うのは 止めようと思ったらしい。 そして全員で「ごめんね」 と謝ってきた。

あまり工業科の連中と 比べるのは 良くないかも知れないが あの連中は 謝るということを 知らない。 やっぱり特進科、普通科ともなると 悪かったと思えば きちんと謝ってくる。 えらい違いだ。



スキー自体の練習は こうして 色んなクラスの人間が集まって 班を作ったが 民宿に帰れば いつものクラスだ。

民宿に帰って 自分の部屋に入ろうと 歩いていると 廊下をドタドタと走り回って 鬼ごっこをしている奴らが居る。

他の部屋を覗くと 持ってきていたのであろう トランプをしている奴と、色々だ。

僕の部屋に入ると 何人かが 着ていたスキーウエアーを 投げ合って遊んでいる。

僕は着替えてから 部屋の隅に行って 壁にもたれて座った。 もう一方の隅に座っていた奴に

「今日、そっちの練習どうだった?」 と聞いてみた。

周りがやかましくて 良く聞こえないのか 赤ちゃんのように ハイハイをしながら こっちにやって来て 

「何? 何て言ったの?」 やっぱり 聞こえてなかったみたいだ。 そして僕の隣で 僕と同じように 壁にもたれて 体育座りをした。

「今日、練習どうだった?」 もう一度聞いてみた。

「うん、割と疲れたの一言」 首の筋肉をほぐすかのように 左右に振った。

「どのランクの班だったっけ?」 確かこいつは 運動神経が鈍かったと思うが

「初心者ランク」 やっぱり。

「あはは、僕と一緒だ」 僕も鈍いもんな。

「それならそっちも 割と疲れたって感じ?」 今度は向こうから 聞いてきた。

「割とって言うか、ある意味疲れた」 思い出し笑いをしそうだ。

「どの意味?」 目がクエッションマークになってる。

「笑いをこらえるのに疲れた」 少し噴出しながら言った。

「へっ?」 そりゃ、意味が通じないだろう。

「そっちの班は 何をしてたの?」 僕の所と同じように リフトで一悶着あったのかなと思い 聞いてみた。

「そうだな、最初は下のゲレンデで 転け方と方向転換の練習してて それからちょっとの坂で ボーゲンの練習とかしたりしてたかな」 目が時々上を向く。 思い出しながら 言っているようだ。

「それで?」 それだけじゃ無いだろう。

「それでって、あの時間中 それをしてたんだよ。 まあ、メインは雪合戦だったけどな。」 嬉しそうに言うけど こっちは雪合戦なんかしてないぞ。

「リフトとかには 乗らなかったの?」 思い出してみろよ。

「乗らないよ、何せ初心者ランクだもん」 僕達同じ初心者ランク班は乗ったぞ。

「うそ、僕達の班はリフトに乗ったよ」 忘れてたわけじゃないのか。

「えー、信じられない それで滑ってきたの?」 体育座りの足を 前に伸ばした。

「うん、色々あったけど 取り合えず全員滑って降りたよ」 ああ、また思い出す。

「うわぁー、じゃあ俺達も明日きっとリフトだ 無理だー」 頭を両手で抱えて うつむいた。

「大丈夫だよ、結構何ともないよ」 最初自分の不安だった心を 棚に置いて言った。

「無理、無理、絶対無理、100%絶対無理」 

・・・やっぱり。





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