大福 りす の 隠れ家

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僕と僕の母様 第101回

2011年06月08日 13時48分35秒 | 小説
『僕と僕の母様』  目次

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僕と僕の母様 第101回



「とにかく寒いから 早く入ろうね」 そう言っておばさんが 中に案内してくれた。

あくまでも民宿であって ホテルではないので そんなにはパッとしない。 部屋も畳だ。 

僕達は割り当てられた部屋に入って行き 荷物を下ろす。 それからすぐに着替えて ゲレンデまで行き スキーの練習を始めるそうだ。

新幹線の中でも バスの中でも ずっと寝ていた僕は 体が重くてだるい 乗り気になれない。 それでも仕方がない。

みんなと同じように着替えて 民宿の外に出る。 ゲレンデまではそう遠くない。 

ゲレンデに向かう途中 他のクラスが泊まっている民宿の前も通り、合流し段々と人数が増えていく。

ゲレンデに着くと 番号を書いてある旗が立ててあって 自分のスキー班の番号の旗の所に集合するらしい。

そして班毎に分かれて スキーの練習に入る。

各班は大体五人前後で スキー場のインストラクターがついて 教えてくれる。

班の分かれ方は 事前にスキー経験があるかどうか 又、そのレベルについての 自己申告での質問プリントが配られていた。

僕は小さい時に 何度かスキーに行ったことがあったけれども 最後に行ったのが 多分、小学校の中学年くらいだったと思うので 経験ありにする自信が無かったのと 変に経験ありにしてしまうと とんでも無い試練が待っていそうだったのと どのみちだったら お気楽に雪合戦でもして 遊べればいいかという気持ちで 全くの経験なしと 申告しておいた。

学年での研修だったため 9クラスの人間が混ざり合うのだから 今まで話したこともない 色んなクラスの人間が 色んな班に混ざり合っている。

レベルの高い班が どんな練習をしていたのかは知らないが 終わる頃には ウン、この選択で良かったかな なんて心の半分で思えていた。

どうして半分は思えないかというと やっぱりウソでも経験があるから 結構滑るのが楽しかったりしたし インストラクターさんにも すごく褒めてもらったのも嬉しくて この上のレベルで練習もしてみたかったかな。 なんて、母様曰く 運動音痴の僕が 心の隅っこでちょっと 向上心にあおられたりしてしまったのである。

でもやっぱりこの班で ある意味正解。 とんでも無い大爆笑を 真の初心者の皆さんはやってくれました。



何時間も滑れば ほんの少しずつだけども 皆それなりの形になってきたから インストラクターさんが リフトに乗って上まで行ってみよう と言い出した。

自然とリフトに乗る順番が出来た。 僕は後ろから2番目だ。

この時は 自分のことで精一杯だったから みんながどんな様子で リフトに臨んでいたかは 全然気付かなかったのだが 後になって みんな必死だったんだろうと感じた。

実を言うと 運動音痴の僕は 以前に何度もリフトに乗るときに 上手く座れなくて 2~3メートル行ってから落ちている。

今回もそうなったらどうしよう 皆の笑い者になるじゃないか 笑いを提供されるのは良いけれども 自分自身で笑いを作りたくない。

ドキドキしながらも もう小学生じゃ無いんだから それに あの入学してすぐの合宿から 腕立て伏せと腹筋に目覚めて 毎日とは言わないが 時々寝る前に 布団の上で何回かやっている。

腕の筋肉も付けたくて 小さい鉄アレイも 母様に内緒で買って これは毎晩やっている。 小さいところがミソだ。 腹筋だって腕立てだって出来るようになったんだから 絶対に落ちないぞ、と言いきかして リフトにチャレンジした。

すると何でもなく当たり前に ブランコに乗るように乗れた。 

どうしてあの時に落ちたのか 解らないくらいだった。





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