オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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金森コーチに期待

2009-10-15 23:48:48 | 千葉ロッテ

ようやく金森コーチの就任が発表となりました。
まさか難航をしているのかと心配になっていたのですが、来季のコーチングスタッフの大きな目玉ですからホッとしました。
同様に待ち遠しい西本コーチの発表も近日中に行われると、そう思いたいです。

ロッテ、金森氏の1軍打撃コーチ就任を発表 (10/15 サンケイスポーツ)

ロッテは15日、BCリーグ石川前監督の金森栄治氏(52)の1軍打撃兼野手チーフコーチ就任を発表した。
背番号は「75」。
金森コーチは球団を通じて「マリーンズの優勝のために選手、コーチ、スタッフ全員が一丸となって頑張りたいと思います。私も西村監督を補助するために全力を注ぎます。まずは秋季キャンプで選手達と会えるのを楽しみにしています」とコメントした。
金森コーチは現役時代、西武、阪神、ヤクルトで活躍。
引退後も阪神やソフトバンクでコーチを歴任、その打撃理論には定評がある。
チームには22日、鹿児島・鴨池で行われる秋季キャンプから合流する予定。

打撃コーチとしての評価はかなり高く、恩師と慕う選手も多いようです。
ダイエー時代にはズレータや井口の指導もしていましたので、そういうところでの効果にも期待が集まります。
球団としては「ズレータの復活を旧知の金森コーチに任せる」みたいな、安上がりの外国人選手補強のエクスキューズにするつもりもあるのかもしれません。
何にせよ、その指導を受けるのが待ち遠しい選手が多いのではないかと思います。

また例によって野手チーフコーチというわけの分からない肩書きを兼ねていますが、思う存分に手腕を見せてくれるためのお膳立てであれば歓迎をします。
ヘッドコーチと噂をされる青山コーチとの関係が微妙になりそうな気はしますが、そこは西村監督が上手く差配をするしかないでしょう。
コーチを御してこそ名監督、そう思ってベンチ内を支配してもらいたいものです。
とにかく金森コーチへの期待度は100%で、22日の鴨池と言わずに若手がキャンプをする川内から合流をしてもらいたいですし、教え魔のニュースが流れる日を心待ちにしています。

 

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2009年通信簿 3 サブロー

2009-10-15 01:48:22 | 千葉ロッテ

3 サブロー 外野手 33歳 年俸1億円

【2009年成績】 119試合 427打数 71得点 134安打 打率.314 24二塁打 2三塁打 22本塁打 68打点 4盗塁 49四死球 121三振 得点圏打率.320

まさに15年目の覚醒と言っていいぐらいに打撃ではキャリアハイとなる大活躍をしたサブローは、見事に打率、本塁打でチームの二冠に輝きました。
一方で手抜きとも思える守備や走塁とこれまでの良い点が消えかかったシーズンでもあり、何とも複雑な心境ではあります。

軽く合わせただけでライトスタンドに放り込むなど、ちょっと考えられないぐらいの長打力を発揮したのが今季のサブローでした。
昨年はズレータばりに外角のボール球に手を出していたのですが、今年も相変わらずながらも腰より上のボールであれば右方向に持って行くことができたことで、打率もリーグ3位の.314と安定感も兼ね備えていたのには驚くばかりです。
昨年よりは下がったものの得点圏打率も3割を越えて、堂々たるバッティングを見せてくれました。
しかしこちらもリーグ3位の121個の三振を喫して、三振の多いサブローにして過去の最悪を大きく上回る.283の三振率は驚異的であり、まさにバッティングスタイルが豹変をしたという言葉がぴったりな感じです。
この変化が何を意味しているのか、メジャーを目指してパワー野球を志向したのかもしれませんし、チームを思って何かを捨てたのか、あるいは天の声が聞こえでもしたのか正直なところよく分かりませんが、チームに大きな貢献をしてくれたことだけは確かです。

打撃では目立ったサブローでしたが、守備や走塁では別の意味で目立ってしまいました。
特にシーズン序盤の目に余る無気力プレーや、ベテランにありがちな先を見切って自分で判断をしてしまう姿に腸が煮えくりかえったことは一度や二度ではありません。
守備では捕球をする前から走者が次の塁を狙わないと決めつけて進塁を許す、走塁では三塁コーチャーの指示を待たずに勝手に走るのをやめてしまう、またファールグラウンドへの打球でフェンスを怖がって深追いをしないケースも数多くありました。
このあたりはシーズンを通して悩まされた下半身の故障と無縁ではないのかもしれませんが、しかしサブローらしさが失われつつあったことから目を背けることはできません。
背中にジッパーがついていて中には別の選手が入っているんだ、と書いたこともありましたが、それぐらいにプレースタイルが変わった今季のサブローでした。

この変化をどう評価をするのか、サブローに何を求めるかによって人それぞれだと思います。
個人的には.275の8本でも守備や走塁に躍動をするサブローであって欲しいですし、もっと足を活かしたプレーを見せて欲しいと願っています。
もしサブローが来季もロッテでプレーをするのであれば、是非ともサブローが以前のスタイルに戻れるように大砲を補強して欲しいですし、サブローを活かすためには6番ぐらいを打てる打順を組みたいところではあるのですが、今季の結果を受けてサブローに大砲としての役割を期待するチームになりそうな気がしないでもありません。
そのあたりをサブローがどう考えるのか、もしかしたらFA移籍をするかどうかの判断基準になるのではないかと、何となくそんな感じがしています。

2007年通信簿
2008年通信簿


【オリオン村査定】 1億円 → 1億5000万円 (△50%)

 

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虎印のストーブ

2009-10-15 01:28:42 | 千葉ロッテ

この時期のドラフトやトレードネタなどはマスコミの思惑でしかないのでしょうが、それでもオフに入ってニュースに飢えているので脊髄反応をしてしまいます。
相変わらず我田引水の阪神ネタが今日も紙面を賑わせて、虎印のストーブは早くも全開のようです。

真弓監督、トレードで新垣&俊介の獲得狙う (10/14 スポーツ報知)

阪神・真弓明信監督(56)が13日、大阪・野田の電鉄本社を訪れ、坂井信也オーナー(61)にシーズン終了報告を行った。
補強についての話し合いでは、右の先発投手を必要とする意見で一致。
Bクラスからの巻き返しへソフトバンク・新垣渚投手(29)、ロッテ・渡辺俊介投手(33)をターゲットに、トレードを模索する。
南球団社長は「具体的には右の投手がほしい」と説明。
格好のターゲットがソフトバンク・新垣、ロッテ・渡辺俊の2人だ。
指揮官が「中6日で投げる先発は、完投タイプのピッチャーがほしい」と重視する完投能力を、両投手とも備えている。
「来シーズンは優勝できるチーム作りをしたい」と訴えた真弓監督。
なりふり構わぬ血の入れ替えに活路を見いだす。

なりふり構わぬ、であれば交換要員の名前ぐらいは挙げてもらいたいものです。
とりあえず欲しいと言えば獲れるとでも思っているのか、そう思わせてしまった昨年の久保のトレードが大失敗でした。
これは他球団にも迷惑をかけてしまった愚行中の愚行で、ああいったトレードがあったことで西武ファンが唖然とする「G.G.佐藤-バルディリス」なんてニュースが平気で流れてしまう始末で、まったく困ったものです。
シーズン中の「水田-藤田」で貸しを作ったので成立に自信、なんて話が通るのであれば、「松本-桜井」というトレードが成立をしてもおかしくはありません。
左の中継ぎとして期待をしている松本を失うのはかなり痛いのですが、桜井の代償であれば我慢をしましょう。

小林宏「基本は残留」来オフメジャー挑戦 (10/14 スポーツニッポン)

ロッテ・小林宏之投手(31)が13日、来オフにFA権を行使してメジャー挑戦する考えがあることを明かした。
これまで訴えていたポスティング・システムを利用してのメジャー挑戦と今季取得した国内FA権の行使は封印。
阪神などが獲得に興味を示す中「ロッテが好きだし、基本は残留です。ポスティングはもうないでしょう」とした上で「できるだけ若い時に(メジャーに)行きたい」と語った。
3年連続2ケタ勝利を挙げた07年オフ、小林宏は球団にメジャー挑戦を直訴。
結局2年契約を結んだが今季で満了となる。
順調にいけば来季早々に海外FA権を取得するだけに単年契約が濃厚で、オフに権利を行使してメジャー移籍となる可能性は高い。
球団内では来季ストッパーへの配置転向プランがあり、先発と抑えで結果を出せばメジャーへのアピールになる。
「メジャーでは先発をやりたいけど、抑えが必要というならやらないといけない気持ちもある」。
西本新投手コーチからシュートを学んで投球の幅を広げたい考えも披露。
すべての思いが海の向こうへつながっている。

その流れで小林宏がFA宣言との報道をしているマスコミが多い中で、機関紙であるスポニチは落ち着いたニュースを流しています。
普通に考えれば妥当すぎる内容なのですが、不思議に新鮮に感じるのは他紙が浮かれすぎているからでしょう。
嬉しいのは抑えもやらなければならない、との意思を表明していることです。
自分の立場が分かっていることは重要で、この冷静さがあれば間違ってもFA宣言などをするはずもありません。
上原や川上の現状を見れば好待遇でメジャー移籍をするためにはキャリアハイぐらいの成績が必要なことも分かっているでしょうから、来季は胸を張って、そしてロッテファンから惜しまれながらも快く送り出されるようなシーズンにしなければならないとの自覚も覚悟もあるはずです。
先発であれば15勝、抑えであれば30セーブをノルマとして、復活の小林宏に期待をします。

 

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2009年通信簿 1 大嶺祐太

2009-10-13 22:42:51 | 千葉ロッテ

1 大嶺祐太 投手 21歳 年俸1250万円

【2009年成績】 16試合 5勝6敗0S 防御率5.78 95回 115被安打 11被本塁打 35与四球 5与死球 59奪三振 被打率.308

プロ初完投、そして初完封勝利と飛躍の1年となった大嶺ですが、開幕前の期待通りの活躍をしてくれたかと問われれば首を傾げたくなります。
しかしまだ高卒3年目であることを考えれば充分すぎる成長であり、厳しい言葉は期待の裏返しだと思って更なる飛躍に期待をしたいと思います。

明らかに素材型である大嶺がこれだけの短期間で1軍に定着をできるようになるとは、入団時には思ってもいませんでした。
実際にルーキーイヤーの登板を見た限りではストレートが速いだけの投手との印象も持ちましたし、故障がちなこともあって大丈夫かとの心配が先に立っていたことは否めません。
しかし大嶺はその予想をはるかに越えた成長ぶりを見せつけて、伊達に1巡目で重複をしたわけではないとことを証明してくれました。
成瀬や唐川とともに三本柱の一角にと、その期待はうなぎ登りとなっています。

その成長ぶりの最たるものが、何と言っても制球力の向上です。
しかも課題であった変化球の精度が格段とアップをしており、右打者の外角低めにコントロールをされたチェンジアップの素晴らしさはまさに涙なくして語れません。
そのトレードオフとしてストレートは140キロ台前半と魅力が半減をしてしまった感はありますが、力を入れれば150キロ近いボールを投げられるところも見せてくれましたので、フォームさえ固まればストレートを武器にするスタイルに戻すことも容易ですし、今はコントロール重視のフォーム固めを優先することでよいと思います。

とは言え、課題がコントロールであることに変わりはありません。
ちょっと力を入れてストレートを投げると高めにうわずってしまい、空振りをさせることができません。
もう少しストレートにまとまりがあれば三振はもっと奪えるはずですし、被打率が3割を越えることもないでしょう。
このあたりはもう少し辛抱強く見守る必要があるのでしょうが、来季はストレートの精度を上げることを目標にしてもらいたいところです。
序盤に課題であった80球の壁はクリアをしましたし、秋季キャンプでしっかりとした体作りをすれば来春には見違える姿を見せてくれるだろうと、わくわく感が止まりません。

2007年通信簿
2008年通信簿


【オリオン村査定】 1250万円 → 1800万円 (△44%)

 

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2009年通信簿 0 荻野忠寛

2009-10-12 23:22:43 | 千葉ロッテ

0 荻野忠寛 投手 27歳 年俸6000万円

【2009年成績】 53試合 3勝3敗9S 防御率3.65 49回1/3 48被安打 6被本塁打 13与四球 2与死球 39奪三振 被打率.251

昨年の30セーブを引っさげて今季は開幕から守護神を務めて序盤はそれなりのピッチングを見せていた荻野でしたが、6月上旬にまさかの守護神剥奪となってからは中継ぎでも低空飛行を続けてしまい、苦しみ抜いたシーズンであったと思います。
それまで18試合に登板をして失点をしたのは僅か2試合で防御率は2.00の荻野を中継ぎに戻した理由は何だったのか、まさにただ1度の失敗で配置転換を決断した理由が理解できませんし、納得もしていません。
結果的にこの判断が荻野だけではなくシコースキーまでをも不幸にしてしまい、こと2009年に限れば何ら得るものがなかったと言ってもよいでしょう。

ただ長い目で見れば悪い話でもないと、実はそう考えています。
そもそも荻野は中継ぎタイプであると見ていますので、本来の力を発揮できる場に戻ってきたことをむしろ歓迎すらしています。
本人としては昨年にスポットライトを浴びたことで未練も当然のことながらあるとは思いますが、過去を振り返らずに前だけをしっかりと見て、中継ぎを極めることこそが肝要です。
そのための鍵は縦のカーブの復活、これまでも言い尽くしてきたことですが、この伝家の宝刀なくして荻野の復権はありえません。

ストレート、スライダー、カットボールを駆使した前半戦は、ボール自体にキレがあるためにコントロールが乱れさえしなければ抑えることができました。
しかし荻野の弱点であるボールがうわずったときに修正が効かないこと、これは致命的でもあります。
その弱点を補うのが縦のカーブであり、悪いときに悪いなりに投げられるようになるためには緩急の差を利用するしか手はないと言ってもよいでしょう。
いずれも130キロ台前半の球種で四苦八苦をしながらカウントを悪くして、苦し紛れのボールを痛打される姿を何度見たことか、歯がゆい思いの繰り返しでした。
あの落差のあるボールで打者の目線を動かすこと、これほどの武器をなぜに封印をしてしまったのか、昨年からの疑問が未だに解けていません。

実際のところは封印をしたのではなく、封印をせざるを得なかったのかもしれません。
ようやく中盤から投げ始めた縦のカーブは、ルーキーの年ほどの落差はありませんでした。
何らかの理由があって試合で投げることを躊躇した、そのことが成瀬の轍を踏むようなストレート増速宣言に繋がったのかもしれません。
しかしいかにキレがあっても同じようなスピードのボールだけで何年も太刀打ちできるほどプロの世界は甘くはなく、それはそれでいい経験になったのではないかと思います。
投げているうちに徐々に落差も戻りつつありますし、ストレートは130キロ台でもキレと打者の内角に果敢に攻め込む気持ちの強さがありますので、カーブとのコンビネーションが復活をすれば自在のピッチングができることでしょう。
来季は中継ぎとして50試合で30ホールド、防御率2点台前半を目標に、再び荻野の名を轟かせてくれることに期待をします。

2007年通信簿
2008年通信簿


【オリオン村査定】 6000万円 → 5500万円 (▼8%)

 

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ストーブリーグ

2009-10-12 12:02:50 | 千葉ロッテ

実生活ではストーブを出すにはまだ早いですが、球界では既にストーブリーグが始まっています。
いち早くオフに入ったロッテでも、ドラフトにFAと機関紙がいろいろと報道をしてくれています。

ロッテ 慶大の防御率1点台エースを上位指名候補に (10/12 スポーツニッポン)

ロッテが29日に迫ったドラフトの上位指名候補に慶大・中林伸陽投手(22)をリストアップした。
巧みな投球術を高く評価する球団関係者は「左投手はどうしても欲しい。中林は力強さも増してきたし、上位じゃないと獲れない」と説明。
球団では1位指名の最有力候補に花巻東・菊池を挙げているが競合は確実な上、菊池がメジャー挑戦も視野に入れていることから、同じ左腕の中林の2位以上での指名を検討している。
東京六大学リーグ通算18勝の中林は最速147キロの直球に加えカーブ、チェンジアップ、スライダー、フォークなど切れのある変化球も多彩。
今秋は5試合に登板しリーグトップタイの4勝(1敗)、防御率1.88と春から大きく成長を遂げた。
複数の球団が上位候補に挙げる逸材だ。
チームの先発陣で左腕は成瀬1人だけ。
救援陣も駒不足とあって今オフの補強ポイントとなっている。
慶大選手の指名となればロッテでは01年・喜多隆志以来で、投手に限ればドラフト制以降初となる。
「東京六大学で鍛えられた選手は、プロでも結果を残している人が多い」と球団関係者の期待も大きく、イケメン慶応ボーイを指名する可能性は高い。

また今年も投手ですか、と溜息をつきたくなるようなニュースです。
先日に瀬戸山球団社長が菊池への特攻を口にしたようですが私は懐疑的で、一部に報道をされた岡田(智弁和歌山)に流れるのではないかと見ています。
さらに中林では今年も野手の補強は後回しとなるのが必至で、何ともやりきれない気分になりそうな話題であり、もし2巡目に中林であれば1巡目は堂林(中京大中京)でいって欲しいですし、中長期的なチーム作りを考えるのであれば上位2枠のうち1枠は野手でいかなければなりません。
鬼屋敷(近大高専)、堂林、秋山(西条)、清田(NTT東日本)あたりから確実に1人は抑えておきたいところですし、中位でも河野(九州国際大付)、陽川(金光大阪)、中田(亜大)、中原(亜大)、熊代(日産自動車)、荒波(トヨタ自動車)、川端(ホンダ鈴鹿)、小粥(ヤマハ)ぐらいから指名がないと来季も厳しくなります。

ちなみにジンクスと言うわけでもないのですが、どうも智弁和歌山や慶大はアマチュア球界では名を馳せてもプロではイマイチ、といった感じがしてなりません。
ロッテで言えば喜多ですし、一昨年に推していた加藤(ヤクルト)には失望をしています。
智弁和歌山で言えば高塚(元近鉄)、中谷(阪神→楽天)、武内(ヤクルト)などがそうですし、ここ最近で慶大で期待通りに活躍をしたのは高木(元西武)や高橋(巨人)ぐらいしか思いつかず、投手ではようやく山本(近鉄→オリックス)が何とかなりそうといった感じでしかありません。
単なる巡り合わせと言ってしまえばそれまでですが、PL学園あたりとは鍛え方が違うのかもしれませんし、実力以上に名前だけが独り歩きをする東京六大学ということもあるのでしょうから、慶大に限らず斎藤(早大)や大石(早大)らにも過大な期待はしない方がよさそうです。

件の中林は今年はまだ1度しか見ていないので評価は難しいのですが、ややスリークオーター気味のフォームから投じられるストレートは140キロ前後で、力でねじ伏せるタイプではなく、スライダーを軸にした変化球とのコンビネーションで抑えるスタイルだと思います。
コントロールは悪くはないものの制球で勝負といった感じではありませんから、平均的と言えば平均的、特徴がないと言ってしまえばそれまでですが、今年の候補の中では上位に名を連ねてもおかしくはないといった感じでしょう。
木村や服部らと比べてどうかと問われれば、化ける可能性はあるものの無理をしてまで獲るレベルではない、というのが現時点での私の評価となります。

右の柱が欲しい阪神 FA小林宏に興味津々 (10/12 スポーツニッポン)

阪神が5月に国内FA権を取得したロッテ・小林宏之投手(31)の獲得に動くことが11日、明らかになった。
今オフの補強ポイントに右の先発投手を挙げており、小林宏がFA権を行使すれば獲得に乗り出す。
CSを最後まで争った後半戦は能見、岩田の両左腕が先発陣の中核だった。
一方で2年連続開幕投手の安藤は8勝12敗、新加入の久保は9勝を挙げたが最後は中継ぎに回るなど、右投手が期待に応えられなかった。
球団幹部は「右で先発の柱となれるような投手が必要。FAなら小林宏に注目している」と評価。
小林宏は今季4勝ながら、05年から3年連続で2ケタ勝利を記録し、07年は自己最多の13勝をマーク。
通算71勝の実績は申し分ない。
今後は右腕の動向を注意深く見守りながら、獲得へ全力を挙げる方針だ。

そうでなくても欲しい欲しい病でマスコミを賑わす阪神が、今年はCS出場を逃したことで例年より早く発症をしたようです。
最初のターゲットは小林宏で、昨年は清水や久保を標的にしていましたので、どうにもロッテ好きが高じているとしか言いようがありません。
それだけ他球団からすれば魅力的な選手がいて、かつ獲りやすいとでも思われているのでしょう。
個人的には小林宏には来季の守護神にもと考えていますし、久保の件もあって阪神だけは嫌だというのが率直な感想です。
小林宏はチーム2番目の高給取りでAランクですから人的保障もあるのですが、赤字削減を目指す球団は差額が6000万だけに金銭補償だけにするであろうことは想像に難くなく、面白みが無いということもあります。
こう考えるとロッテに限らず実際に人的保障が選択をされるのはBランクのみ、なのでしょう。

現実問題として小林宏がFA権の行使をするかどうか、これはまた微妙だったりもします。
メジャー挑戦を諦めていないのであれば来季まで権利を温存するでしょうし、国内でプレーを全うするのであれば環境を変えることを考えてもおかしくはありません。
私は前者だと考えていますが、もし仮に後者であった場合でも阪神だけはやめて欲しいですし、6000万を捨ててでも人的保障を考えたくなる巨人に行ってもらいたいと、手を出すとしたらこの2球団ぐらいでしょうから、そんな願いを持っています。
もし両球団が手を挙げた場合には生活環境の変化を考えて小林宏は巨人を選ぶと思いますし、手を挙げる可能性としてのソフトバンクは考えないことにしています。
もちろん残留をして、復活をした上でメジャーに旅立ってくれることが球団としても本人としても最高のシナリオであることは言うまでもありません。

 

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律儀なポニーキャニオン

2009-10-12 01:30:20 | 千葉ロッテ
千葉ロッテマリーンズ サンクスボビー!

ポニーキャニオン

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2005年から律儀にロッテのDVDを発売しているポニーキャニオンが、今年もリリースをしてくれます。
毎度のことながら商売になっているのかが心配になるのですが、ありがたく頂戴をするのがロッテファンの正しい作法でしょう。
サブタイトルに「サンクスボビー!」とありますが、ポニーキャニオンの商品説明では「千葉ロッテマリーンズ2009年度の激闘の軌跡と、2004~2009年ボビー・バレンタイン監督の功績を収録した、ファン必携のオフィシャルDVD!」とありますので、いろいろな意味で記憶に残る戦いぶりを後世に残すことができそうです。
何と収録時間は140分ですから、寂しいオフの心強いパートナーとなってくれることと思います。

個人的にお願いをしたいのが、千葉マリンスタジアムでビジョンに映している映像のDVD化です。
今年で言えば40周年記念になりますが、それ以外でもいろいろなイベントの際に過去の資産からピックアップをした映像を流してくれていますが、あれをまとめて商品化をすれば売れるのではないか、あるいはゴールドやプラチナ会員の景品としてはどうかと何回か球団にリクエストをしたものの、残念ながら実現には至っていません。
版権などの問題があるのかもしれませんが、もったいない気がします。
もし球団関係者がこのブログを見てくれているのであれば検討をお願いしたいですし、球団関係者に知り合いがいらっしゃる方にもプッシュをお願いしたいです。
温故知新、改革を目指して新たなスタートを切った西村ロッテの最初の商品としては最適だと思いますので、実現を願ってやみません。

 

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2009年通信簿 シーズン総括 野手

2009-10-11 22:23:59 | 千葉ロッテ

打率はリーグ最低、しかし本塁打はリーグ2位、一方で盗塁はリーグ最下位と、攻撃面では粗さが目立った1年でした。
あの繋ぐ打線はどこへ行ったのか、まるで夢物語のようです。

打順を固定しなかったと言うべきか、はたまた固定できなかったと言うべきか、前監督のスタイルを考えれば前者なのでしょうが、相変わらずの残塁の山は役割を認識できていない選手たちの個人プレーによるものと言ってよいでしょう。
その最たるものが耳にタコ状態のバント軽視で、走者を進めるバッティングが出来なかったのと合わせて、数少ないヒットでは得点に繋がるわけもありません。
盗塁の数だけではなく次の塁を積極的に狙う姿勢も忘れられてしまい、鈍行列車に目を覆いたくもなりました。
日本一となった2005年は抜け目のない野球をしていたはずで、再建のためには何がチームをこう変えてしまったかの分析をすることから始める必要がありそうです。

序盤のトピックスはメジャー帰りの井口の大活躍であり、劇的なヒットに狂喜乱舞をしました。
チャンスに強いバッティングはチームをぐいぐいと引っぱり、黒船によるチーム改革に期待をしたものでした。
しかし心配をしていた35歳という年齢からくるスタミナ切れが勢いにストップをかけてしまい、故障もあって終わってみれば.280に15本という開幕前の予想とさして変わらない成績となってしまったことは残念の一言に尽きます。
言動不一致のちんたら走りは中盤以降は改善をされましたし、点差の離れた試合では交代をするなどの適度な休養さえ取れば来季も主軸として活躍をしてくれるでしょうから、全試合全イニング出場へのこだわりは立派ですが、自分とチームの現状を冷静に見つめることも大切です。
その井口に4番の座を奪われるスタートとなった大松ですが、序盤の絶不調を交流戦で盛り返して、その後の度重なる不調も左方向へのバッティングを意識することで復調をするという経験を積んだことは非常に大きく、来季はシーズンを通して4番を任せたいですし、務めてもらわなければ困ります。
何だかんだ言っても昨年とさほど変わらない結果を残しており、来季は30本塁打の覚醒に期待をしたいところです。
15年目にして覚醒の兆しを見せたのがサブローで、.314の22本塁打とキャリアハイのシーズンとなりました。
軽く合わせただけでライトスタンドに放り込むバッティングはどんな長距離砲よ、と言いたくなるほどで、何がサブローに起きたのかが気になるところです。
ただ緩慢な守備や走塁などサブローの良さも消えかけたシーズンでもあり、この変化を喜ぶべきかどうかに戸惑っている自分がいます。

開幕前に200本安打と首位打者獲得をぶち上げた西岡は、虚弱体質を爆発させて成績を一気に落としてしまいました。
首が痛い、足首が痛いなど故障が多すぎで、強い体幹を作り上げなければ才能を開花させることなく一流止まりで終わってしまいかねません。
横断幕騒動では男気を見せましたし、来季はキャプテンに任命をされて自らが手本にならなければとの意識から一皮むけることに期待をします。
昨年の骨折の影響から抜けきれなかった今江も、積極性と軽率をはき違えた初球打ちで失望を買うなど、背番号8が泣くような結果となってしまいました。
今江の救いは手抜きのプレーがないことで、いい指導者に巡り会いさえすれば大きく成長することは可能であり、金森コーチの手腕に託す、今はそんな気持ちになっています。
また西岡や今江とともにしっかりと内野の要となって欲しかった根元は井口の加入で出番を失い、2軍でもイップスになりかねない送球ミスを数多くやらかすなど、まさに2年目のジンクスにはまったかのようなシーズンでした。
ライバルが多い中で勝ち抜くためには来季が正念場で、しかし焦らずにポスト井口を狙ってもらいたいものです。

ベテランでは昨年に引退勧告をした堀が、それをあざ笑うかのような渋いプレーを披露してくれました。
成績としてはさほどのものでもありませんが、かなり印象に残るヒットが多く、最後のオリオンズ戦士として臨む2010年もベテランの意地を見せてもらいたいです。
理想は2005年の初芝で、代打の神様として君臨をする姿を夢想することにします。
その堀に中盤までは助けられた福浦は、中盤以降は福浦らしい力強いバッティングが戻りつつあり、復活への足がかりを築いた1年であったと思います。
その守備はチームを救いますし、やはり福浦には3番が似合います。
おそらくは球団は一塁を守る外国人選手を補強するものと思われ、まだまだ厳しい現状に変わりはありませんが、それでもピンクマリーンズが消えるには早すぎます。
一方でもうベテランと言ってもいい年齢にさしかかってきた里崎は、王様スイングで名を馳せました。
三振をしてもふてぶてしい姿は里崎らしいのですが、それにしても場をわきまえない「顔はレフトスタンド」が目立ちすぎで、脊髄反応以外では気の抜けたようなプレーも散見をされましたから、どこかやる気の無さがあったのかもしれません。
もちろんそんなことは不調の理由にはなりませんし、キャプテンを剥奪された意地を見せてもらわなければならなかったはずなのですが、空回りにすら至りませんでした。
来季はチーム事情から田中雅や金澤らの挑戦を受ける形になると思われますので、今度はしっかりとしたプレーで王様ぶりを見せつけてもらいたいものです。

外国人選手ではランビンとバーナムJr.は年俸からすれば充分な活躍をしてくれましたが、やはり力不足は否めませんでした。
ベニーも助っ人としてはパンチ力が不足をしており、3人揃っての戦力外は致し方ありません。
橋本将は春先の怪我からの出遅れを取り戻すことができず、捕手としてもキャッチングの粗さと肩の弱さを露呈したシーズンとなってしまい、ロッテでレギュラーを取ることが難しくなってきたことからFA移籍を考えなければならないところまできてしまいました。
早川もタイプをわきまえない強引なバッティングが目立ち、ミスで1軍から追放をされてしまった大塚とともに来季は最後の勝負となります。
2人とも守れる外野手としてチームにはまだまだ必要な戦力ですので、もう一踏ん張りに期待をします。

若手では早坂がようやく外野への転向を決意したことで出番が急増し、一気に来季のレギュラーを狙えるところまできました。
打率は低いですし牽制死も目立つなどまだまだのところは多いですが、積極的なプレーはチームに活力を与えてくれます。
来季は2番で西岡と盗塁王を狙えるぐらいの活躍を期待したいですし、決して無理だとは思っていません。
中堅どころでは塀内が覚醒なのか確変なのかは秋季キャンプ次第ですが、その素質の一端を見せつけてくれました。
高めのストレートと落ちるボールにからっきしな点は変わらないのですが、やはり魅力的な素材であることは間違いありません。
逆に竹原は井口に弟子入りをして序盤は結果が出たものの、結局はものにならなかった1年でした。
意外にも四球を選ぶ選球眼はありながらも、振り回すスイングに合わなかったことが今年の結果であり、このままのスタイルを貫き通すかの選択を突きつけられたとも言えます。
サブローの動向次第ではチャンスはあるでしょうし、巻き返しに期待をしたいところです。

その他でも田中雅、南、角中、神戸、ムニス、細谷、定岡、岡田、宮本、青野など、試したい野手はいくらでもいます。
ほとんど1軍ではチャンスを与えられなかったことで鬱憤もたまっているでしょうし、彼らが躍動をしてこその西村ロッテであり、下からの底上げ無くしてチームの上昇はありえません。
この中から1人でも2人でもいいので1軍に定着をする選手が出てくれば、前監督の入れ替えの少なさで安穏としていた選手たちの尻にも火がつきます。
競い合いがないところに成長はありませんので、来季は全員が1軍を経験するぐらいの争いになることを期待します。

2008年通信簿

 

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2009年通信簿 シーズン総括 投手

2009-10-11 00:38:09 | 千葉ロッテ

久保のまさかの放出で始まった2009年の投手陣でしたが、リーグ5位の防御率が示すとおり壊滅と言ってもいいぐらいの悲惨なシーズンとなりました。
守り勝つ野球を目指したはずが、その要である投手陣がまさかの炎上を繰り返してしまっては上位進出を望むべくもなく、そういう意味では諦めやすかったと言えなくもありません。

先発は交流戦などの一時期を除いて、清水、渡辺俊、小林宏、小野、成瀬、唐川、大嶺の7人で回す余裕のローテーションが健在であり、結果が出なかった渡辺俊や小林宏を頑なに先発で使い続けたことを考えれば、久保の放出は痛くも痒くもなかったことになります。
私を含めた多くのファンの非難や貴重な選手を失ったと悲嘆に暮れた前監督のポーズが、何だか虚しく思えてくるような現実を目の当たりにした気分です。
終盤の規定投球回数達成合戦を見ても分かるとおり、行き過ぎた平等主義が行き詰まったのが今季の先発陣であったと、そう評価をせざるをえません。

清水、渡辺俊、小林宏のミリオンダラーズは、年齢からくる力の衰えを隠しきれませんでした。
清水は肝であるストレートにキレがなく、多彩な変化球が活きなかったことがピッチングの幅を狭めてしまったと言えます。
好投をしても終盤で捕まる、あるいはリリーフ陣が打ち込まれるケースが目立ち、そこに昨年のエースの面影はありませんでした。
ストレートに力を取り戻すことはもちろんですが、最後まで自分で投げきるとの気迫を見せることが来季に向けての課題です。
渡辺俊はアンダースローの永遠の課題である下半身のスタミナ、そこを充分に鍛えられなかったことによる制球の乱れに尽きると思います。
私が渡辺俊のバロメーターとして見ているのが死球の数で、今季は13個も与えてしまったことからも、いかにすっぽ抜けが多かったかが分かります。
これまで死球の多かったシーズンは結果が伴っておらず、同じ13個の死球を与えた昨年も13勝はしたものの防御率は4点台でした。
自らが望んだことですからWBC出場による調整の遅れは言い訳になりませんし、来季に向けて粘りのある下半身を作り上げることが求められます。
そして小林宏ですが、2年連続しての不調は力の衰えと言われても仕方がなく、来季は正念場となります。
清水も渡辺俊も不調の翌年は持ち直しており、もし3年続けて結果が出ないようであれば夢のメジャーはおろか、戦力外となっても不思議ではない年齢にきています。
以前に比べてフォークの力が戻りつつあることは光明ですし、終盤まで粘り強く投げる試合も増えてはきているのですが、下半身を使ったフォームと丁寧にボールを低めに集める小林宏らしいピッチングは数えるほどしか見ることができませんでした。
やはり渡辺俊と同様に不安のない下半身を作り上げて、上体でコントロールをするフォームを矯正することが小林宏にとっては喫緊の課題となります。

若手の希望の星である唐川と大嶺は昨年よりは結果を残したものの、期待ほどの伸びは見られませんでした。
唐川は下手な継投のおかげで手に出来なかった白星もありましたので実質的には8勝ぐらいの評価はできますが、立ち上がりの失点に終盤の崩れという分かりやすい課題も浮き彫りとなり、やはりスタミナ強化が優先課題となります。
四球で崩れる心配のない安定感はあるのですが、ボールがやや高めに集まり気味で被安打が多いことは不安材料ですから、WHIPの意識が必要かもしれません。
大嶺は逆に序盤はスタミナ不足から80球の壁が話題となりましたが、中盤以降はその課題をクリアした姿を見せてくれました。
ただ打たれ出したら止まらない単調さを垣間見せてしまったこと、もちろんこれは捕手のリードの問題もあるのでしょうが、もう少しストレートに力を入れることで著しい成長のあったチェンジアップとの緩急の差を活かすことも考えたいところです。
コントロールとのトレードオフではあるのですが、そろそろフォーム固めのタームを卒業して、眩いばかりの輝きを見せてくれる大嶺に期待をしたいと思います。

頑張ったのはベテランの小野と若手の成瀬で、来季もこの2人には軸となってもらわなければ困ります。
小野は序盤は中継ぎへの転向も考えたくなるような逃げのピッチングが目立ちましたが、小宮山のアドバイスから見違えるような復活ぶりを見せてくれました。
小野らしいテンポのある、打者を焦らせて手玉に取るピッチングを心がければ来季も大崩れをすることはないでしょうし、最年長投手としての意地を見せてもらいたいです。
また成瀬はウエイトコントロールが全て、と言ってもいいぐらいで、体重が減ったことでキレが戻ったことがピッチングに大きな影響を与えました。
腰回りの肉が邪魔をしていた捻りを取り戻したことで球持ちが良くなり、ピッチングとしては2006年と遜色はなかったと言ってよいでしょう。
この2人に共通することは完投への意欲で、これこそが他の投手にも求められることです。
マウンド上での成瀬の怖いぐらいの顔つきに成長の跡を感じられましたし、気迫も充分でした。
先発投手は最後まで自分で投げきる、そのぐらいの気概を持ってもらいたいものです。

中継ぎ、抑えは昨年のポストYFKを乗り切ったかのように見えたのが嘘のように、ダメダメのシーズンとなってしまいました。
昨年と同様に出足が遅れた川崎が最後まで調子が戻らなかったこと、これが痛すぎました。
酷使による疲労過多もあるでしょうが、やや腕が横手から出ていたのも気になりますし、フェニックスリーグへの参加が危機感によるものであればいいのですが、これがまた疲労蓄積に繋がるようでは困りますので、そのあたりはきっちりと西本コーチと話し合ってもらいたいです。
また伊藤もシュートを封印したからでもないのでしょうが、昨年の前半を見るかのようにピッチングが単調となり、あの強気の伊藤が見せる弱々しい表情が全てを表していました。
伊藤の場合もストレートがすっぽ抜け気味で上体で投げている嫌いがありましたので、フォームを見直す必要がありそうです。
昨年は30セーブと活躍をした荻野は突然の守護神剥奪で方向性を見失ったのか、中継ぎに戻ってからは暫くはどん底状態になってしまいました。
未だにあの剥奪の意味が理解できていないのですが、そもそも中継ぎタイプだと見ている荻野ですから、私としては前向きに考えています。
終盤になってからようやく縦のカーブを投げることが増えてきたことと、少しずつではありながらも落差も戻ってきましたので、来季には復活を期待してよいでしょう。
シコースキーは中継ぎとしてはパーフェクトでしたが、守護神になった途端に持病である被弾癖が顔をのぞかせてしまい、せっかくの抑えタイプでありながら気持ちの弱さも時折に見せましたので、やはり来季は中継ぎとしての場を用意したいところです。
中継ぎであれば軸として充分に活躍をしてくれるでしょうし、絶対にリリースをしてはなりません。

若手では松本がオープン戦で大ブレイクの予感がありましたが、シーズン初登板で滅多打ちにあったことが全てでした。
序盤に各投手が登板をする中で1人だけなかなか出番に恵まれず、ようやくきたチャンスに失敗をしたことで、強気であったはずのピッチングが守りに入ったことが低迷に拍車をかけてしまったことは否めません。
2軍ではきっちりとした結果を残しながらもその後は1軍での活躍の場を与えられることはほとんど無く、松本にとっては政権が代わる来季は再チャレンジのきっかけとなるでしょうから、高木の戦力外もありますし、再びあのキャラクターを炸裂させてもらいたいものです。
ようやく戻ってきた内はプロ初セーブに初勝利と飛躍のきっかけになるシーズンではありましたが、制球難という課題が露呈をした1年でもありました。
イニング以上の三振を奪えるストレートに縦のスライダーを持っているので守護神として待望久しいのですが、やはり故障によるブランクを取り戻すことが先決かもしれません。
あのいかにも投げづらそうなフォームであれだけのボールを投げられるのですから、まずは来季に中継ぎとして3点台の防御率でシーズンを乗り切ることを目標にしてもらいましょう。
そして私が大の贔屓にしている上野ですが、黒木になれる存在だと持ち上げまくっています。
あの普段の穏やかな笑顔とは裏腹なマウンド上での強気なスタイルが好印象で、是非とも1軍で使い倒して欲しい投手ですし、またそうなってもらわなければ困ります。
まだリードをする捕手が上野を掴みきっていない気がしているのですが、数多くバッテリーを組むことで特徴を活かしたリードさえすれば充分に戦力になってくれることでしょう。

その他でも中郷は弱気の虫を抑えられるか、根本はロングリリーフか先発で起用をすべきであり、木村や香月らのデビューはいつになるのか、などの課題と期待が入り交じった若手をどう活用をしていくのか、投手陣を立て直すべく招聘をした西本コーチの手腕に期待がかかります。
仲良しクラブだけに白紙からのスタートで競争心を煽ることがまず必要になりますが、ベテランのプライドを傷つけずに、しかしジワジワとチーム改革を進める手管を西本コーチに求めたいところで、外様には酷な話であるのは分かっているのですが、期待と妄想は尽きません。

2008年通信簿

 

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まあ落ち着いて

2009-10-10 18:32:18 | 千葉ロッテ

船出をしたばかりの西村ロッテですが、その西村監督が動きすぎているような気がします。
メディア向けのパフォーマンスに秀でていた前監督を意識してのことかもしれませんが、どう動いても敵うわけもなく、こういった場合はむしろ逆を意識した方がよいと思います。

FA流出阻止へ西村新監督出馬 (10/10 スポーツ報知)

ロッテ・西村新監督が、FA大量流出危機を阻止する。
今オフはサブローら9選手がFA資格を満たしている。
選手の希望を尊重するのが球団方針だが、「全員に残ってもらうのが基本。必要があれば、自分からも言いたい」と、直接出馬で引き留める。
監督就任から一夜明け、マスコミ懇親会、地元テレビ番組に生出演。
「監督はプレッシャーが違う。ストレス発散法を考えんとな」と慌ただしい初仕事を振り返った。
◆ユニホーム変更 ボビー色払拭へ
西村新体制となる来季に向け、球団は2年ぶりにユニホームを変更する計画を進めている。
変更予定モデルは、胸元に赤をあしらった本拠地用と、黒のグラデーションのビジター用。
これまでは「ギザギザ模様」を入れるなど、バレンタイン監督の意向が取り入れられていた。
「新監督ということで、一新したい気持ちがある。検討中です」と球団関係者。
本拠地用の縦じまモデルは今季までのデザインを踏襲する。

気持ちは分からないでもないですが、よほど選手との繋がりがない限りは監督が出馬をすることで翻意できるようなケースはないと考えるのが妥当でしょう。
むしろ出馬をしたのにFA移籍をした、とのレッテルをマスコミは貼りたがっていますので、基本は球団に任せるスタンスを貫くべきです。
前監督と同じような動きを見せても差が際だつだけですから、ベクトルを逆方向に向けて自分の色を出す方が賢明であり、内情はともかく表面上は球団に任せて自分は現場指揮に専念をする、戦力整備の不手際の責は球団に負わせる、これも1つの政治力です。

そもそも9選手とは言っても複数年契約の清水と井口、FA移籍などは考えられない堀と福浦に大塚を含んでいるわけですから、実質的には小野と小林宏、橋本将とサブローの4選手と考えるのが妥当であり、そのうち小林宏と橋本将はほとんど今季の戦力とはなっていませんでしたから、あまり大げさに考えるのもどうかと思います。
もちろん来季は彼らの上積みを期待しなければならないものの、あくまでプラス要素に過ぎません。
戦力的に移籍をされて困るのは小野とサブローですが、何の根拠もありませんがよほどの不手際がなければ小野は残留だと思いますし、個人的にはスタンスの変わったサブローに大枚をはたいてまで残留を求める必要はないと考えています。
もちろん全選手が残留をしてくれることが理想ではあるのですが、妙な付帯条件がついた契約で西村監督に枷をかけるぐらいであればガラガラポンのスタートでよいのではないかと、所詮は5位のチームでかつ主力の流出があったのだから仕方がない、ぐらいの方が西村監督も手腕が振るいやすいでしょうし、かつチーム改革もやりやすいのではないかと、そう前向きに考える心の準備は必要でしょう。

そして気になっていた新ユニフォームですが、買ったばかりのグラウンドコートが旧モデルとなるのにはもう少し時間がかかりそうです。
またボビー色払拭とマスコミは面白おかしく書いていますが、版権などの問題を表に出せない事情が分かっていての確信犯でしょう。
こういった動きは前監督を熱烈に支持をする一部のファンの反感を買うことになるでしょうから、ここでも西村監督がデザインに関与をするなどの動きをとらないことが大事です。
チームをまとめるためには憎まれ役が必要、とは以前から主張をしてきたことではあるのですが、ヘッドコーチなどに適任者がいないのであれば球団をその役割に仕立て上げる、もちろん水面下では手を握りながらになるのでしょうが、そういったテクニックも必要です。
28年間もチーム、球団に関与をしてきた、逆に言えば生き残ってきた西村監督ですから、そのぐらいの才覚はあると信じたいです。

 

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2009年通信簿 シーズン総括 ベンチ

2009-10-09 23:01:40 | 千葉ロッテ

開幕前にバレンタイン監督の2009年限りでの退任を発表したことで、こういったシーズンとなることは予想ができていました。
最後を飾るために頑張る、などという美辞麗句が現実にはありえないことを昨年のソフトバンクが証明をしていましたし、ただでさえ近視的な采配を繰り返すバレンタイン監督が目先にしかこだわらなくなるであろう嫌な予感が見事に的中をした、そんな1年だったと言えます。

まさに6年間のツケの集大成、そういう意味では分かりやすいベンチの采配でした。
先発投手は6人どころか今年は7人で回す余裕のローテーションで、しかし100球前後で交代をさせるやり口に変化はありませんでした。
そうなると必然的にしわ寄せがくるのは中継ぎ陣で、YFKの解体を乗り切ったかのように見えた伊藤、川崎、荻野らの失速も、酷使による疲労と無関係ではないでしょう。
先発が序盤に大量失点をしてみたと思えば、競っている試合の終盤に中継ぎや抑えが打ち込まれる、そんな歯車のかみ合わないケースが目立ちました。
打たれたら代える、という後手後手の継投はベンチのポリシーの無さを露呈しており、こうすれば勝てる、このケースで投げるのは誰々、と言った「型」を作れなかったこと、臨機応変と言えば聞こえはいいですが、思いつきで動いているようにしか見えなかったのもまた事実です。
機械的な継投により「ここは自分が何としてでも抑える」という気持ち、気迫を選手から取り上げてしまったこと、まさにここに尽きると思います。
もちろんこれらはベンチだけの問題ではなく、選手がベンチに逆らってまで自分を押し出す気概を持てなかったことも状況を悪化させました。
言ってみればサラリーマン化が進んでしまった、そういうことなのでしょう。

攻撃面ではバント軽視の一か八か野球は今年も健在で、大勝ちをしたかと思えば僅差での敗戦と、気がついてみれば借金で首が回らなくなっていました。
投手と同様に勝つための型を作れなかったことが、連敗はしても連勝ができないことに繋がっています。
見ている方からすれば勝つときは派手で面白いのですが、負けるときは歯ぐきから血が出るぐらいの悔しさを感じる、そんな試合が多かったシーズンでした。
かと思えば4番にバントをさせてみたりと、バレンタイン監督も自分が何をしたいのかが分からなくなって混乱をしていたようにも思えます。
序盤からバントを指示するケースが続いた時期もありましたが、結局は根付かなかったこと、これは選手のバント技術の下手さ加減に呆れたことによるものかもしれませんが、練習もせずに上手くなるわけもありません。
このあたりは2軍を任されていたサカタ監督も同様で、1軍ではきっちりとバントをして走者を進めることが求められる若手が失敗を繰り返したことは、実戦で鍛えていなかった2軍ベンチの責任でもあり、バレンタインイズムがチームを蝕んでいた証左とも言えます。
やり方はさておき、2軍のスタッフを総入れ替えしたことは正しい判断だと思われますし、下からの突き上げのあるチーム作りが来季に向けての課題となります。

そのためには体力作りが最優先、これは衆目の一致するところでしょう。
例によって下半身中心の故障が多かった野手に、終盤になるとボールがうわずる投手と、見るからにスタミナ不足が明らかでした。
たまに全力疾走をしたら故障をする選手がいること自体が笑いもので、他球団からも練習の少なさを指摘されているチームが勝ち抜けるほど、プロ野球界は甘くはありません。
先進的だった立花コーチの練習法がいつしか「楽な練習」という選手の逃げ道になってしまったこと、それを軌道修正できなかったことがこれらの根底にあります。
選手の自主性に任せるというきれい事は単なる放置となってしまい、ミスをしてもヘラヘラと笑う選手にそれを怒らない監督やコーチと、ファンの心が離れていく要素が満載でした。
一部のならず者以外はバレンタイン監督の退任に意外にも冷静だったことが、ロッテというチームの現状を如実に表していたと言ってもよいでしょう。
早く終わって欲しい、シーズンの終了をこれほどに願ったことは自分でも珍しく、新しい野球に渇望をしているファンは私以外にも多いと思います。
そういう意味ではこれらの課題を強く意識をした西村監督の言葉に拍手を送りたいですし、期待もしています。
このままではダメだ、という言葉を選手の口から聞けたことも前進ですし、新しくチームを作り直すことがやりやすい環境に追い詰めたことだけが評価をできる、そんな1年でした。

2008年通信簿

 

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扇の要

2009-10-09 01:59:13 | 千葉ロッテ

西村ロッテが船出をしたばかりのところへ、早速の問題が持ち上がりました。
チームの扇の要とも言うべき捕手が、最大のウィークポイントとしてクローズアップをされています。

橋本将FA移籍も、横浜などが調査 (10/8 スポーツ報知)

ロッテの橋本将捕手(33)が、今オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使しての他球団移籍を視野に入れていることが7日、分かった。
橋本将は昨年、国内FA権を取得。
日本シリーズ終了後に決断を下す。
今季は昨年を上回る94試合に出場し、打率2割3分4厘、2本塁打。
こだわりを持つ捕手での先発は、29試合に終わった。
打力を買われ、指名打者での起用が続いたが、打撃3部門で昨年を上回ることができず。
昨オフはFA宣言せずに残留したが、「もう1度、捕手で勝負したい。ふがいない成績だが、1球団でも欲しい、という球団があるなら、話を聞いてみたい」。
バレンタイン監督が今季限りで退団することもあり、FA宣言へ踏み切る可能性は高い。
今季の年俸は7500万円。
チームの年俸順では11番目以下にあたるとみられ、昨年から導入されたFA制度ではCランク選手に該当。
金銭や人的補償の制度は適用されない。
今季正捕手が固定されなかった横浜など複数球団が獲得へ調査を始めることになりそうだ。

バレンタイン監督の退団により、というフレーズはこれからも多く聞かれそうです。
仮にバレンタイン監督が続投をしたとしても橋本将がロッテでレギュラー捕手を勝ち取る可能性が無かったであろうということは、あれだけ里崎の調子が悪かったのに橋本将の出番が少なかったことを見れば明らかなのですが、マスコミとしてはその方が面白おかしく話題にできるのでしょうから、ここはじっと我慢をするしかありません。
それはさておき、井口の獲得によりチーム11番目の年俸となって補償なしで移籍をしやすい立場の橋本将ではあるのですが、果たして手を挙げるところがあるかは微妙です。
昨年の小野を見れば分かるとおり横浜はかけ声だけですし、何より橋本将が捕手としての能力の限界を見せてしまった2009年であったことが痛すぎます。
雑なキャッチングにフリーパスの肩、この点がどう評価されるかによって移籍の道が開けるかどうかが決まってくるでしょう。
打撃について言えばシーズンを通して出場をすることで今年以上の成績を残すことはできるでしょうが、やはり捕手として考えてこその橋本将です。
ロッテに残留をすれば15%程度の年俸ダウンは免れないでしょうし、また大盤振る舞いをして引き留めるのであれば田中雅や金澤らを使うべきだとも考えますので、もちろん残ってくれるに越したことはないのですが、後悔をしない判断をしてくれればそれでいいと、そう思っています。

新里賢選手引退のお知らせ (10/8 千葉ロッテマリーンズ・オフィシャルサイト)
新里賢選手が本日10月8日、引退をすることを決めましたのでお知らせします。
今後はスカウトとして球団に残ります。

橋本将のニュースよりショッキングだったのは、新里の引退です。
先日のフェニックスリーグの選手名簿に名前がなかったので心配をしていたのですが、今日の秋季キャンプのメンバーにも名前は見当たらず、やばいと思った直後に球団から正式に引退の告知がされました。
月初の戦力外通告から日が経っており、また任意引退であることを考えれば新里が自ら選んだ進退であり、球団としては引き留めていたものの決意が固く、そして今日の発表に至ったといったところではないかと思います。
2軍では捕手以外にも内野手としてレギュラー級の扱いを受けて、規定打席にも達して.280とまずますの結果を残したものの、それでも1軍出場は2試合にとどまったことで見切りをつけた、ということであれば悲しい結末としか言いようがありません。
ほとんど野手の入れ替えをしなかった前政権の犠牲者と言えなくもないのですが、政権が変わってチャンスが増えるかもしれない中での決断ですので、悔しくもあり寂しくもあるのですが、新里の判断を尊重したいと思います。
球団には残ってスカウトに転身をするとのことですから、これまでとは違った道からの貢献をしてくれることを願っています。

もし橋本将が移籍をすれば捕手は里崎、田中雅、金澤、青松、宮本の5人となってしまいます。
田中雅や金澤には大きなチャンスとなるでしょうし、青松や宮本も目の色が変わってくるのでしょうが、それにしても捕手の絶対数が少なすぎます。
そうなるとドラフトでの補強が必須であることは間違いありませんし、トレードや戦力外からの捕手獲得も視野に入れる必要があり、万が一にでもそれを怠るようですと溢れかえる投手からの戦力外が大量に出る来オフ、のシナリオが見えてきます。
西村監督がどういった判断を下すのか、のっけから大きな課題を抱えてのスタートです。

 

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西村座の幕が上がる

2009-10-09 01:03:52 | 千葉ロッテ

台風18号は私の生活圏では風台風であり、雨にはほとんど降られませんでした。
強風で鉄道のダイヤが大幅に乱れたものの早起きをしたことで影響はありませんでしたし、むしろ私にとっては野球観戦の大義名分を失ったことで眼前に吹き荒れる、狂ったような仕事の嵐の方が深刻だったりします。

昨日に2009年の全日程を終えたロッテは、来たる2010年のシーズンに向けて予定どおりに西村監督の就任を発表しました。
16年ぶりの生え抜き監督の誕生が、求心力となってチームに好影響を与えることに期待をしたいです。

ロッテ、西村新監督を発表 16年ぶりの生え抜き監督 (10/8 日経ネット)

ロッテは8日、ボビー・バレンタイン監督に代わる来季の新監督に西村徳文ヘッドコーチ(49)が昇格すると発表した。
ロッテでは八木沢荘六元監督以来、16年ぶりの生え抜き監督となる。
西村新監督は今月下旬、鹿児島での秋季キャンプに合流予定。
今季5位で2年連続Bクラスだったチームの立て直しに着手する。
西村新監督は宮崎・福島高から鹿児島鉄道管理局を経て1982年にドラフト5位でロッテ入り。
チーム一筋にプレーし、俊足巧打を武器に首位打者や盗塁王に輝いた。
97年の現役引退翌年からコーチを務めていた。

世間的に知名度が高いとはお世辞にも言えませんし、地味であることが観客動員にどう影響をするのか、球団としては一種の賭けのような判断をしたのだと思います。
ただロッテファンに限れば西村監督というロッテ一筋の人材に好印象を持っている向きが強いのではないかと思いますし、成績さえ伴えばあまり心配をする必要はないでしょう。

ロッテ・西村新監督に聞く…「細かいプレーやらないと」 (10/8 スポーツ報知)
ロッテは8日、バレンタイン監督に代わる来季の新監督に西村徳文ヘッドコーチ(49)が昇格すると発表した。
グレーの球団旗に似た色のネクタイを締めた西村新監督。
愛着あるチームの再建に意欲を見せた。
●ロッテ一筋28年目の就任。
 「いつかは監督になることを目標にしてきた。前監督はファンには大変な(人気の)方だった。同じようにはできない。不安はたくさんあるが、一切考えず、前向きに」
●背番号は同じ78。
 「(コーチ就任時に)七転び八起きということで決めた。そこを変えるつもりはないので」
●目指す野球は。
「今までの反省から細かいプレーをやらないと勝てないのが頭にある。そして打つ、走る、守るでアグレッシブな姿勢を前面に出していく」
●どこから着手する。
「1年間戦えるだけの体力を付ける。僕自身が練習で結果を残してきた。量的には多くなる」
●西岡をキャプテンに指名した。
「一番適切な人間。彼みたいな若い選手に引っ張ってもらうしかない」

その成績アップのためにはチームを根底から作り直さなければならないことは、誰の目から見ても明らかです。
そして大改革に向けて西村監督は、非常に心地よい言葉を連ねてくれました。

細かいプレーをやらないと勝てない。

バレンタイン前監督の一か八か野球を快く思ってはいなかった、ということであれば、来季からの采配に期待が持てます。
ヘッドコーチとして軌道修正ができなかったことには批判が集まりますが、あの特異な環境を考えれば同情の余地はあるでしょう。
何よりホリゴリ事件でも分かるとおり「友人」とはほど遠い関係であったであろうことは想像に難くありませんし、それらを反面教師とした西村イズムを見せてもらいたいものです。

1年間戦えるだけの体力を付ける。

あまりに当たり前すぎることなのですが、新鮮に聞こえるのはこれまでが酷すぎたからでしょう。
立花コーチの退団も決まりましたし、量的にも増えるという練習が選手を鍛え上げることに大きな期待が集まります。
健全な精神は健全な肉体に宿る、と言うわけでもないですが、高等な技術は鍛えられた肉体があってこそ活きてくるもので、上っ面のテクニックだけではシーズンを乗り切ることが出来ないという現実を、ここ数年で嫌になるほど見せられてきました。
秋季キャンプのメンバー割りを見ると若干の不安があるものの、まずはお手並み拝見です。

西村監督 バレンタイン流決別宣言 (10/8 スポーツニッポン)

前監督の野球を継承するかと問われたときだった。
慎重だった新監督が即座にこれを否定した。
「いや、来年からはわたしの野球をする。人間はいいところばかりではない」。
特異なバレンタイン野球からの決別宣言だった。
参謀役としてチームが抱える構造的な問題は熟知していた。
「細かいプレーを徹底してやってもらう」。
進塁打のサインすらなかった攻撃、決め事が少なかった守備に、まずは「セオリー」というメスを入れる。
そして不在だった4番とエースの確立だ。
日替わりオーダーは絶対的な中軸打者の台頭を阻んできただけに「メンバーは固定していきたい」。
既に打順が頭にあるそうで、フロントには長距離砲の補強を要望した。
エースは自覚を持たせ、修羅場をくぐらせることで育つ。
一定の順番を守ってきた先発ローテーションはカードの重要度に応じ、変えていく。
明らかな練習不足の解消に、投手には投げ込みの解禁、打者には「アーリーワーク」導入も視野に入れる。
乱れが目立つユニホームの着こなしや髪形への自由な方針も「変えることになるかもしれない」。
新監督が前任者から引き継ぐのは1年目から劇的に改革する意気込みぐらいか。

とは言え、自分の色を出すために前任者を否定するところから入るのはよくある手法ですが、こと今回に関してはそれは逆効果になることを認識してもらいたいです。
絶大なる人気を誇ったバレンタイン前監督だけに、取り扱いを誤ると火傷では済みません。
そこさえ気をつければ、これだけのしっかりとした考えを持っているのですから、チームを誤った方向に導いてしまう心配はないだろうと、そう思います。

エースは自覚を持たせ、修羅場をくぐらせることで育つ。

こいつと思った選手を使い込むことで一人前にする、これはチームを作っていく上で非常に大切なことです。
行き過ぎた平等主義は責任の所在を曖昧にする、といった典型的な例がここ数年のロッテでしたから、打順を固定することも含めて選手に自覚を促すことは成長へのエキスになると信じていますし、是非とも結果が出てくれることを願っています。

乱れが目立つユニホームの着こなしや髪形への自由な方針も変えることになるかもしれない。

あまり規則でがんじがらめにすることは賛成できませんが、あのだらしない裾足などを規制することは必要だと考えます。
アマチュア選手の見本となるべく、常に一挙手一投足が注目をされているとの自覚を持つことは非常に重要なことです。
見られることにより育つ、西岡をキャプテンに指名をしたことは西岡自身の成長をも期待してのことだと思いますので、西村監督はただ者ではないかもしれません。

一言で言えば「分かりやすいファン目線の監督」、これが現時点での私の評価です。
当たり前のことを当たり前にやれば勝つのは当たり前、そんな前例をきっちりと作ってもらいたいですし、そのためには球団の惜しみない援助が必要ですので、瀬戸山球団社長らにはマイナスを減らすのではなくプラスを増やすという発想を持つべきだと、強くここに主張をします。

西村監督に幸あれ!

 

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来季への地ならし

2009-10-07 22:31:56 | 千葉ロッテ

ここ10年で最大級とも言われる台風18号の接近を明日に控えながらも、今日の船橋は穏やかに暮れていきました。
しかしまさに嵐の前の静けさ、なのかもしれませんので、明日の暴風雨を考えると気が滅入ってきます。
そんな中でロッテは無事に今季最終戦を消化し、2009年のシーズンは借金15の5位で幕を降ろしました。
この成績は満足のいくものではありませんが、今は選手やスタッフにお疲れ様でした、の言葉をかけたいと思います。

静かだったのは船橋の天候だけではなく、杜の都ではロッテ打線が僅か3安打と抑えられての零封負けを喫してしまい、最後を飾ることができませんでした。
投げては唐川が8失点でのKOですから、まるで昨日のセレモニーを盛り上げてくれた楽天にお返しをするような、そんな一方的な試合です。
それでも放棄試合のようなスコアで締めくくったことで膿を出し切り、暫しの休息の後に始まる秋季キャンプで傷口をふさぐことができるのであれば、悪い終わり方でもありません。

規定投球回数を達するためにチャンスをもらった唐川でしたが、今日も終盤に失速をしてしまいチャレンジは失敗で、借金を3も背負った形でシーズンを終えることになりました。
防御率が示すように勝ち運に恵まれなかった唐川ではありましたが、課題が如実になったシーズンでもあり、いい経験ができたのではないかと思います。
この課題をクリアすることができれば主戦への第一歩を踏み出すことになるのでしょうが、来季も似たような軌跡を描くようなことになれば、「素材はいいものがあるのだが」とのフレーズが常につきまとうことになりかねません。
正念場の3年目、来季の唐川には貯金が5以上の2桁勝利を期待します。

一方で規定投球回数に達したのが渡辺俊で、正直なところガッカリとしました。
こんなときにだけ連投をして得た記録にいかほどの価値があるのか、私は疑問に思っています。
周りの配慮での達成ではあるのですが、渡辺俊には断る勇気と気概が欲しかったです。
規定投球回数に達して喜んでいるレベルではないはずの渡辺俊の昨日今日に、輝かしい来季への光は見えてきません。

超前向きに考えるとすれば、これらは来季への地ならしなのかもしれません。
これで先発投手が中6日で100球前後などという緩い待遇を剥奪されても、誰も文句は言えないはずです。
都合のいいときだけは中3日や連投は辞さないものの、普段は楽ちんなどという過ごし方が許されるわけもありません。
ようやく普通の状態に戻ることができる、そのための陣痛だと思えば我慢もできます。
明日は嵐の中での西村ロッテの船出となりますが、ファンも乗り遅れることなく2010年のチケットを手に入れて、明日に向かって突き進んでいきましょう。



1 2 3 4 5 6 7 8 9
千葉ロッテ 0 0 0 0 0

0

0 0 0 0 3

1

楽天 0

4

0 0 1 0 3

1

X 9 11 1


◆10月7日(水) 楽天-千葉ロッテ24回戦(楽天13勝11敗、18時、Kスタ宮城、12,239人)
▽勝 永井 26試合13勝7敗
▽敗 唐川 21試合5勝8敗
▽本塁打 草野7号(唐川)

▽バッテリー
千葉ロッテ 唐川、渡辺俊、上野―里崎
楽天 永井、川岸―中谷

 

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待ってるぞ、小宮山

2009-10-07 02:09:40 | 千葉ロッテ

 

予想どおりに今日の試合は決行をされ、それなりの雨の中での久しぶりに傘を差しての観戦となったのですが、寒さもあってかなりの苦行となりました。
球場に向かう途中と家に帰るときには雨が小降りとなったのが不幸中の幸いでしたが、それでも雨天でのチャリはかなりの疲労をもたらし、熱い風呂が恋しいです。

近い将来、このユニホームをまとって、この場所に帰ってくることを願って、引退のあいさつとします。

まさか小宮山がこんな言葉を口にするとは思ってもいませんでした。
ロッテで指導者になるつもりはなく、まずは母校の早大監督を目指し、最終的には横浜あたりの監督を狙っていると見ていたのですが、リップサービスであっても嬉しいです。
西村監督の次の次、ぐらいが小宮山監督の誕生であれば、まだまだロッテも捨てたものではありません。
待ってるぞ、これが今の素直な気持ちです。

その小宮山の最後の1球です。
ナイターでかつ雨天ですから光源が足りずにシャッタースピードを落としたため、この程度の写真にしかなりませんでした。
それでも貴重な1枚で、あまりにあっけない最終登板ではありましたが、最後に史上最年長セーブという記録がついたことは小宮山にとってはいい餞になったと思います。
19年間、お疲れ様でした。

小宮山のセレモニーの次がバレンタイン監督の挨拶で、たどたどしい日本語で一生懸命に話していました。
大河ドラマがクランクアップをされたときに主人公が次作の主人公から花束をもらうのと同様な、そんなシーンもありました。
バレンタイン劇場が終了をした後に始まる西村座の興行がどうなるのか、鍵を握る秋季キャンプはすぐそこです。

ちなみに場内に千葉県警がうろうろとしている殺伐感があった一方で、心配をされた騒動は起きませんでした。
私は3回表からセレモニー終了後30分ほどしか球場にはいなかったのですが、おそらくは試合前なども何もなかったのだと思います。
これは球団の警備が行き届いていたからと言うよりは応援団が自重をしたのでしょうし、来季に向けてどう後始末をしていくかが注目をされますが、何もなかったような顔をして2010年が始まる、そんなオチが待っていそうな気がします。
一部のならず者が球場から去るのであれば、そんなオチでよいのかもしれません。

ところでセレモニーの最後にバレンタイン監督やベニー、バーナムJr.やランビンなどがスタンドに挨拶をするためにグラウンドをぐるっと回ったのですが、その中にシコースキーはいなかったようですので、すぐに解雇といった話にはならないのではと想像をしています。
契約交渉がもつれればどうなるかは分かりませんが、ちょっとだけ安心をしました。
これで全日程終了後にリリースの発表なんてことがあった日には、それなら何で一緒にセレモニーに参加をさせなかったのだと、それこそ暴動が起きるかもしれません。

試合のことを忘れてはいけません。
先発の成瀬はキレのあるボールを投げ込んだかと思えば甘いボールを痛打されるという、なかなか評価の難しい投球内容でした。
ただ珍しく四死球を4つも与えながらも全体的なコントロールはまとまっていたため、見ていて安心感があったのはいつもの成瀬で、この安定感は大きな武器になります。
ウエイトコントロールさえ失敗をしなければ来季も10勝は堅いですし、15勝も無理な数字ではありません。
2010年の開幕投手は100人に聞いても100人が成瀬と答える、そんなオフを過ごしてもらいたいです。

目指したのは単独最多敗戦?

成瀬の後に投げたのが規定投球回数まで2/3イニングと迫った渡辺俊でしたが、まるで小林宏を出し抜いて単独でリーグ最多敗戦を目指したかのようなピッチングでした。
アンダースローとしては辛い足場ではあったものの、送りバントによる1死だけでKOをされたのは酷すぎます。
残りの1/3イニングは明日の最終戦でクリアをするしかないのですが、しかしそこまで気を使う必要はないでしょう。
気の毒なところはありますがチャンスは1度で充分で、甘えは身を滅ぼします。

打線では「堀も引退?」と思わせるような久しぶりのセカンドでのスタメンに、ヒットを打った直後のベニーばりの交代と、何がしたかったのかがよく分かりません。
ドキドキしながら場内アナウンスを聞いていたのは、私だけではないはずです。
またせっかくフライを落球してくれたのにちんたら走っていてアウトになった橋本将は罰金ものですし、西岡のセーフティーバント失敗には腹も立ちません。
それでも久しぶりに石化が解けたサブローがホームランを含むマルチヒットで力を見せつけましたし、楽天の自滅守備にはしゃぎまくる里崎の笑顔に救われもしました。
1軍の観戦成績は57試合で.519と勝ち越しで終われたことで気分もいいですし、また来季にむけて充電を始めるためのエネルギーをもらったような今日の試合でした。

こちらはセレモニーの号外で、ほんの30分ほどで配り始めていました。
私がもらったのは裏面が共通の2種類ですが、もしかしたら他にもあるかもしれません。
こんなものが短時間で作れるんだと、妙な感心をしています。



1 2 3 4 5 6 7 8 9
楽天 0 2 0 0 0

0

0 0 0 2 6

0

千葉ロッテ 0

1

1 0 0 0 0

3

X 5 10 0


◆10月6日(火) 千葉ロッテ-楽天23回戦(楽天12勝11敗、18時15分、千葉マリン、29,392人)
▽勝 荻野 53試合3勝3敗9S
▽S 小宮山 12試合1勝1S
▽敗 福盛 37試合7勝1敗9S
▽本塁打 サブロー22号(岩隈)

▽バッテリー
千葉ロッテ 成瀬、渡辺俊、荻野、シコースキー、小宮山―里崎
楽天 岩隈、佐竹、福盛―中谷

 

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