オリオン村(跡地)

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2009年通信簿 19 唐川侑己

2009-10-30 22:33:32 | 千葉ロッテ

19 唐川侑己 投手 20歳 年俸1800万円

【2009年成績】 21試合 5勝8敗0S 防御率3.64 143回1/3 145被安打 11被本塁打 28与四球 6与死球 115奪三振 被打率.267

昨年と同じ勝ち星である5勝はシーズン前の期待からすると少なすぎるのですが、実質的には8~10勝ぐらいの貢献をしてくれたと言ってもいい今季の唐川でした。
来季は正真正銘の2桁勝利を目指して、右のエースとしての活躍が期待をされます。

出足は昨年と同様に快調なスタートを切った唐川でしたが、交流戦の途中から調子を落としてしまったのも昨年と同様でした。
しかし今季の唐川はそのまま失速をすることなく持ち直したことが成長の証で、ローテーションの軸として最後まで投げきったことは評価に値します。
プロ初完封もマークをしましたし、まさに大嶺とともにロッテの屋台骨を支える期待の星であることに変わりはありません。

唐川の一番の持ち味は真綿のような吸収力の高さである、私はそう見ています。
とても短期間でクリアをできるとは思えなかったクイックも、今季は他の投手と遜色がないレベルにまで上達をしました。
西武の渡辺監督をして「驚いた」と舌を巻かせるほどの成長ぶりで、このことはピッチング全般に言えることであり、高校BIG3で一番評価が低かった唐川が大学BIG3をも凌いで同期のトップを走っていることからも素材の良さが分かります。
その文句のつけようのないフォームから繰り出されるキレのあるボールは打者の手元で伸びを見せ、正確無比なコントロールと合わせて投手の理想型とも言ってよいでしょう。

とは言え、才能だけで乗り切るには3年が限度です。
今季の唐川は小野や成瀬と同様に球数制限もあってか終盤で交代となり、リリーフ陣が打たれて勝ち星を失ったケースが多かったとは言っても、それもこれも無駄なボールによりスタミナ切れを起こしたことと無関係ではありません。
メモリー効果を心配しなければならないベンチの起用法はさておき、昨年に比べれば全体的に高めにボールが浮いたことがピッチングを苦しくしたことは見逃せない事実で、7回あたりで急速に球威が落ちたことからもスタミナ不足の指摘は免れません。
本人もこの秋季キャンプでしっかりと走り込むと語っているようですが、その思いは昨年も同じだったはずで、足腰の鍛錬と合わせてある程度の球数を投げ込むことも必要です。
こちらも今年までは投げ込みが足りなかったとの自覚はあるようですから、もちろん精神論による無茶投げは論外ですが、納得のいくまで投げ込みをするべきでしょう。
150球以上を投げての完投勝利もあったわけですから、まだまだ唐川はこんなものではないはずです。

マウンド上で表情を変えないことについては小林雅2世とも言ってよく、このポーカーフェイスは他の投手にも見習って欲しいぐらいで、まさに投手らしい投手が唐川です。
立ち上がりに失点をすること、終盤にスタミナ切れを起こすことなどは大嶺と同様ですが、逆に言えばこれらは若手投手が共通に有する課題とも言えます。
その課題をクリアした投手がエースとして君臨をするわけで、大嶺とともに唐川には壁を乗り越える力は充分にあると信じていますし、きっとやってくれることでしょう。
おそらくは大幅に変わる登板環境の中で、無理をすることなく2桁勝利を成し遂げる唐川に期待をします。

2008年通信簿


【オリオン村査定】 1800万円 → 2400万円 (△33%)

 

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