オリオン村(跡地)

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2009年通信簿 7 西岡剛

2009-10-17 22:27:13 | 千葉ロッテ

7 西岡剛 内野手 25歳 年俸1億7000万円

【2009年成績】 120試合 454打数 70得点 118安打 打率.260 24二塁打 5三塁打 14本塁打 41打点 26盗塁 72四死球 76三振 得点圏打率.244

開幕前に200本安打と首位打者獲得をぶち上げた2009年のシーズンでしたが、終わってみれば首位打者はおろか打率が4分も下がる期待はずれの1年でした。
打順や故障時の対応などベンチの迷走に足を引っぱられた感はありましたが、西岡自身の問題に大きな理由があることは否めません。
異例の3年契約も来季で最終年となり、2012年のFA権取得を視野にどういった契約となるのかが注目の的となる来季のオフに向けて、2010年の西岡からは目が離せません。

地元最終カードでのヒーローインタビューで男を上げた西岡ですが、その言葉の真価が問われるのはこれからです。
普段のプレーから真剣さが見られないとの指摘はこれまでも多くしてきましたが、ああいった発言をした以上は今後は手抜きのプレーをできるはずもなく、もしするようですと相当な非難が集まるであろうことは想像に難くありません。
自分のことを棚に上げて、とここぞとばかりに攻撃をする輩も出てくるでしょうし、失望をするファンも少なくはないでしょう。
そうならないためには、自らを厳しく戒める必要があります。
そんな西岡にさらに枷をかけるようにキャプテン就任を指名した西村監督は、実は意外な策士かもしれません。
何にせよ、無尽蔵なポテンシャルを遺憾なく発揮をするためにはいいきっかけだと思いますし、そういう意味ではあの騒動にも感謝をしなければならないのかもしれません。

その西岡の新たなスタートのためには、しっかりとした体作りが欠かせません。
今のままで気持ちだけで体を動かしても故障に繋がるだけですし、虚弱体質と手抜きという絶妙なバランスだった両者を、健全な肉体と全力プレーに置き換える必要があります。
やれ首だ太ももだ足首だと故障の嵐だった今季を反省して、しっかりと走り込んで下半身の強化をするのはもちろんのこと、強い体幹を作り上げることが必要です。
せっかくの才能が脆弱な体質によって開花をせずに失われること、これだけは絶対に避けなければなりません。
未だトレーニングコーチの後任が決まらないことが不安材料ではあるのですが、自覚を持ってやっていってもらいたいです。

そして来季は核弾頭としての自分を極めること、そこに目標を置くべきだと考えます。
西岡が目指しているのは松井稼頭央であると確信をしていますし、最終的に3番を打てるようになることはファンとしても期待をしていますが、まだ早いと思います。
今季の序盤にベンチの失態で3番を任されたことが西岡にとっては不幸でしたし、バッティングに狂いを生じさせた第一歩でもありました。
大振りに拍車がかかってしまった今季を反省して、確実性を増すことを目指すべきでしょう。
だからと言って足を活かすために叩きつけるようなバッティングをするべきだと言うつもりはありません。
その長打力は西岡の魅力の一つでもありますし、チームにとっても大きな力となります。
求めることはシャープに振り抜くことで、強く振ることとの違いを理解をしたときこそが西岡が3番を打つときです。
その足がかりとなる2010年になるよう、3割3分と40本の二塁打、10本の三塁打を目指して頑張ってもらいたいです。

盗塁王の奪還も西岡にとっては必要でしょう。
単に盗塁王という意味ではなく、次の塁を貪欲に狙う姿勢を養うことが西岡のプレーに好影響を与えるだろうと考えています。
幸いにも今季は昨年に比べて盗塁への意欲が高まりつつありましたし、以前のフリーなら50盗塁は軽いとの豪語を実現するにはもってこいの環境が来季には整っています。
足腰の鍛錬が実を結べば自己最多の記録での4年ぶりの盗塁王は夢ではないでしょうし、そうあって欲しいと願っています。

守備ではスローイングがやや安定をした感があり、これが福浦の後を意識したことによるものであれば考えてプレーをしていることになります。
ベンチのサインではない中で打者やケースに応じて守備位置を変えているのは西岡だけですし、そういった地味な動きは評価をしています。
ただグラブだけで処理をしようとしていることがたまにあったことは反省をしてもらわなければなりませんし、投手が滅多打ちにあったときの「なんだよそれ」という素振りは頻繁に投手に声をかけている西岡らしくはなく、投手にカツを入れるための特別なケース以外では封印をすべきでしょう。
ゴールデングラブ賞は打撃やチームへの貢献も加味をされる名ばかりのものですから過剰な意識は不要ですが、それでも文句なく選ばれる華麗かつ堅実な守備に期待をします。

8年目、25歳でのキャプテン就任は贔屓との見方もされるでしょうし、自らの言動がチーム内でどう受け止められるのか、そこを思い知らされる来季になるでしょうから、西岡にとっては正念場のシーズンとなる2010年です。
現代っ子の象徴とも言われる西岡がどこまでそのプレッシャーに耐えることができるのか、逆に言えば耐え抜いたときの西岡の輝きは半端ではないでしょう。
そのためには全てを西岡に負わせるのではなく、大松や今江らの中堅どころが自分らのことと思ってチームをまとめていく必要があります。
そしてそれをバックアップをする堀や福浦らのベテラン、そんな理想的な構図となる来季を夢想することにします。

2007年通信簿
2008年通信簿


【オリオン村査定】 1億7000万円 → 1億7000万円 (±0%) ※3年契約

 

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2009年通信簿 6 井口資仁

2009-10-17 01:45:09 | 千葉ロッテ

6 井口資仁 内野手 35歳 年俸1億8000万円

【2009年成績】 123試合 448打数 71得点 126安打 打率.281 24二塁打 3三塁打 19本塁打 65打点 4盗塁 81四死球 101三振 得点圏打率.273

まさかロッテに入団をしてくれるとは思ってもいなかった井口だけに、まさにズレータの入団以上の驚きでした。
しかし開花をしつつあった根元と結果を残していたオーティズとの兼ね合いをどうするのかと、彼らを上回る結果を残さなければ補強は失敗に終わるとの指摘どおりに、結果的には昨年からチーム力が上がったことに貢献ができたかどうかは微妙だったりもします。
とは言え、根元の現状やオーティズがロッテではあれほどの活躍ができたはずもないことを考えれば、井口がいなかったらどうなったかと、背筋が冷たくなったのもまた事実です。

それにしてもデビューは鮮烈でした。
開幕戦でいきなりの先制ツーベースを放ったかと思えば、その翌日も2本のタイムリー、4試合目には移籍初ホームランに5試合目で初猛打賞と、さすがはメジャーでレギュラーだったことはあると狂喜乱舞をしたロッテファンは私だけではないでしょう。
極めつけが4月中旬のサヨナラ満塁ホームランで、4月を終わって打率は.373とまさに井口ロッテの様相を呈していました。
逆に言えば4番を井口に任せたおんぶにだっこ状態だったわけで、その井口が故障でDHに回った後も奮起をしつつも徐々に調子を落としていくと同時に、チームも段々と勢いを失っていった責を井口に負わせるのは酷に過ぎるでしょう。

開幕前から竹原が弟子入りをするなどした「右に引っぱる」といった言葉が一人歩きをしていた感はありましたが、確かにツボにきたら引っぱるものの基本はセンターから右方向、というのが好調時の井口のバッティングではありました。
しかし調子が落ちるとともにズレータばりの外角低めのボールに無理に引っぱるようなスイングで空振りをするケースが目立ち始め、右方向はどうしたのよ、と言いたくなるような目を覆いたくなるバッティングが増えてきたのは、おそらくは疲れと無縁ではないでしょう。
全試合全イニング出場を目指す心意気は買うものの、35歳という年齢と動きの多いセカンドというポジションを考えれば適度な休養が必要であることは素人でも分かることで、故障をしながらも結果を残していたDHでの井口を見れば来季もDHで勝負をすべきではないかとすら思います。
もちろん本人はそんなことを是とはしないでしょうが、それであればチームと自らの現状を顧みる必要がありますし、得点差のある試合の終盤で交代をするなどの配慮をするであろう西村監督でしょうから、契約などを盾にとって意固地にならないことを願うばかりです。

正直なところ舞い上がった時期もありましたが、成績としてはこんなものだと思っています。
.280の15本ぐらいがせいぜいだと見ていましたから、よくやった方だと言ってもよいかもしれません。
むしろ井口として正念場なのは来季で、シーズン中盤以降は改善をしたもののマスコミ向けに口にしていた「1点を取りに行く野球」とは裏腹なちんたら走りをしていたのが当の井口でしたし、チーム全体が緩い野球の雰囲気に浸っていたこともあって活きることがありませんでした。
しかし来季は西村監督が堅実な野球を目指すと公言をしていますので、まさに井口が率先をして貪欲な野球をすることが求められます。
結局は口だけだったのかと言われるのか、さすがは井口だと言われるのかは来季の井口の言動にかかっており、恩師とも言われている金森コーチとの邂逅でさらに光り輝く井口を目にする2010年であることを願っています。


【オリオン村査定】 1億8000万円 → 1億8000万円 (±0%) ※3年契約

 

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