オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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2009年通信簿 シーズン総括 野手

2009-10-11 22:23:59 | 千葉ロッテ

打率はリーグ最低、しかし本塁打はリーグ2位、一方で盗塁はリーグ最下位と、攻撃面では粗さが目立った1年でした。
あの繋ぐ打線はどこへ行ったのか、まるで夢物語のようです。

打順を固定しなかったと言うべきか、はたまた固定できなかったと言うべきか、前監督のスタイルを考えれば前者なのでしょうが、相変わらずの残塁の山は役割を認識できていない選手たちの個人プレーによるものと言ってよいでしょう。
その最たるものが耳にタコ状態のバント軽視で、走者を進めるバッティングが出来なかったのと合わせて、数少ないヒットでは得点に繋がるわけもありません。
盗塁の数だけではなく次の塁を積極的に狙う姿勢も忘れられてしまい、鈍行列車に目を覆いたくもなりました。
日本一となった2005年は抜け目のない野球をしていたはずで、再建のためには何がチームをこう変えてしまったかの分析をすることから始める必要がありそうです。

序盤のトピックスはメジャー帰りの井口の大活躍であり、劇的なヒットに狂喜乱舞をしました。
チャンスに強いバッティングはチームをぐいぐいと引っぱり、黒船によるチーム改革に期待をしたものでした。
しかし心配をしていた35歳という年齢からくるスタミナ切れが勢いにストップをかけてしまい、故障もあって終わってみれば.280に15本という開幕前の予想とさして変わらない成績となってしまったことは残念の一言に尽きます。
言動不一致のちんたら走りは中盤以降は改善をされましたし、点差の離れた試合では交代をするなどの適度な休養さえ取れば来季も主軸として活躍をしてくれるでしょうから、全試合全イニング出場へのこだわりは立派ですが、自分とチームの現状を冷静に見つめることも大切です。
その井口に4番の座を奪われるスタートとなった大松ですが、序盤の絶不調を交流戦で盛り返して、その後の度重なる不調も左方向へのバッティングを意識することで復調をするという経験を積んだことは非常に大きく、来季はシーズンを通して4番を任せたいですし、務めてもらわなければ困ります。
何だかんだ言っても昨年とさほど変わらない結果を残しており、来季は30本塁打の覚醒に期待をしたいところです。
15年目にして覚醒の兆しを見せたのがサブローで、.314の22本塁打とキャリアハイのシーズンとなりました。
軽く合わせただけでライトスタンドに放り込むバッティングはどんな長距離砲よ、と言いたくなるほどで、何がサブローに起きたのかが気になるところです。
ただ緩慢な守備や走塁などサブローの良さも消えかけたシーズンでもあり、この変化を喜ぶべきかどうかに戸惑っている自分がいます。

開幕前に200本安打と首位打者獲得をぶち上げた西岡は、虚弱体質を爆発させて成績を一気に落としてしまいました。
首が痛い、足首が痛いなど故障が多すぎで、強い体幹を作り上げなければ才能を開花させることなく一流止まりで終わってしまいかねません。
横断幕騒動では男気を見せましたし、来季はキャプテンに任命をされて自らが手本にならなければとの意識から一皮むけることに期待をします。
昨年の骨折の影響から抜けきれなかった今江も、積極性と軽率をはき違えた初球打ちで失望を買うなど、背番号8が泣くような結果となってしまいました。
今江の救いは手抜きのプレーがないことで、いい指導者に巡り会いさえすれば大きく成長することは可能であり、金森コーチの手腕に託す、今はそんな気持ちになっています。
また西岡や今江とともにしっかりと内野の要となって欲しかった根元は井口の加入で出番を失い、2軍でもイップスになりかねない送球ミスを数多くやらかすなど、まさに2年目のジンクスにはまったかのようなシーズンでした。
ライバルが多い中で勝ち抜くためには来季が正念場で、しかし焦らずにポスト井口を狙ってもらいたいものです。

ベテランでは昨年に引退勧告をした堀が、それをあざ笑うかのような渋いプレーを披露してくれました。
成績としてはさほどのものでもありませんが、かなり印象に残るヒットが多く、最後のオリオンズ戦士として臨む2010年もベテランの意地を見せてもらいたいです。
理想は2005年の初芝で、代打の神様として君臨をする姿を夢想することにします。
その堀に中盤までは助けられた福浦は、中盤以降は福浦らしい力強いバッティングが戻りつつあり、復活への足がかりを築いた1年であったと思います。
その守備はチームを救いますし、やはり福浦には3番が似合います。
おそらくは球団は一塁を守る外国人選手を補強するものと思われ、まだまだ厳しい現状に変わりはありませんが、それでもピンクマリーンズが消えるには早すぎます。
一方でもうベテランと言ってもいい年齢にさしかかってきた里崎は、王様スイングで名を馳せました。
三振をしてもふてぶてしい姿は里崎らしいのですが、それにしても場をわきまえない「顔はレフトスタンド」が目立ちすぎで、脊髄反応以外では気の抜けたようなプレーも散見をされましたから、どこかやる気の無さがあったのかもしれません。
もちろんそんなことは不調の理由にはなりませんし、キャプテンを剥奪された意地を見せてもらわなければならなかったはずなのですが、空回りにすら至りませんでした。
来季はチーム事情から田中雅や金澤らの挑戦を受ける形になると思われますので、今度はしっかりとしたプレーで王様ぶりを見せつけてもらいたいものです。

外国人選手ではランビンとバーナムJr.は年俸からすれば充分な活躍をしてくれましたが、やはり力不足は否めませんでした。
ベニーも助っ人としてはパンチ力が不足をしており、3人揃っての戦力外は致し方ありません。
橋本将は春先の怪我からの出遅れを取り戻すことができず、捕手としてもキャッチングの粗さと肩の弱さを露呈したシーズンとなってしまい、ロッテでレギュラーを取ることが難しくなってきたことからFA移籍を考えなければならないところまできてしまいました。
早川もタイプをわきまえない強引なバッティングが目立ち、ミスで1軍から追放をされてしまった大塚とともに来季は最後の勝負となります。
2人とも守れる外野手としてチームにはまだまだ必要な戦力ですので、もう一踏ん張りに期待をします。

若手では早坂がようやく外野への転向を決意したことで出番が急増し、一気に来季のレギュラーを狙えるところまできました。
打率は低いですし牽制死も目立つなどまだまだのところは多いですが、積極的なプレーはチームに活力を与えてくれます。
来季は2番で西岡と盗塁王を狙えるぐらいの活躍を期待したいですし、決して無理だとは思っていません。
中堅どころでは塀内が覚醒なのか確変なのかは秋季キャンプ次第ですが、その素質の一端を見せつけてくれました。
高めのストレートと落ちるボールにからっきしな点は変わらないのですが、やはり魅力的な素材であることは間違いありません。
逆に竹原は井口に弟子入りをして序盤は結果が出たものの、結局はものにならなかった1年でした。
意外にも四球を選ぶ選球眼はありながらも、振り回すスイングに合わなかったことが今年の結果であり、このままのスタイルを貫き通すかの選択を突きつけられたとも言えます。
サブローの動向次第ではチャンスはあるでしょうし、巻き返しに期待をしたいところです。

その他でも田中雅、南、角中、神戸、ムニス、細谷、定岡、岡田、宮本、青野など、試したい野手はいくらでもいます。
ほとんど1軍ではチャンスを与えられなかったことで鬱憤もたまっているでしょうし、彼らが躍動をしてこその西村ロッテであり、下からの底上げ無くしてチームの上昇はありえません。
この中から1人でも2人でもいいので1軍に定着をする選手が出てくれば、前監督の入れ替えの少なさで安穏としていた選手たちの尻にも火がつきます。
競い合いがないところに成長はありませんので、来季は全員が1軍を経験するぐらいの争いになることを期待します。

2008年通信簿

 

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2009年通信簿 シーズン総括 投手

2009-10-11 00:38:09 | 千葉ロッテ

久保のまさかの放出で始まった2009年の投手陣でしたが、リーグ5位の防御率が示すとおり壊滅と言ってもいいぐらいの悲惨なシーズンとなりました。
守り勝つ野球を目指したはずが、その要である投手陣がまさかの炎上を繰り返してしまっては上位進出を望むべくもなく、そういう意味では諦めやすかったと言えなくもありません。

先発は交流戦などの一時期を除いて、清水、渡辺俊、小林宏、小野、成瀬、唐川、大嶺の7人で回す余裕のローテーションが健在であり、結果が出なかった渡辺俊や小林宏を頑なに先発で使い続けたことを考えれば、久保の放出は痛くも痒くもなかったことになります。
私を含めた多くのファンの非難や貴重な選手を失ったと悲嘆に暮れた前監督のポーズが、何だか虚しく思えてくるような現実を目の当たりにした気分です。
終盤の規定投球回数達成合戦を見ても分かるとおり、行き過ぎた平等主義が行き詰まったのが今季の先発陣であったと、そう評価をせざるをえません。

清水、渡辺俊、小林宏のミリオンダラーズは、年齢からくる力の衰えを隠しきれませんでした。
清水は肝であるストレートにキレがなく、多彩な変化球が活きなかったことがピッチングの幅を狭めてしまったと言えます。
好投をしても終盤で捕まる、あるいはリリーフ陣が打ち込まれるケースが目立ち、そこに昨年のエースの面影はありませんでした。
ストレートに力を取り戻すことはもちろんですが、最後まで自分で投げきるとの気迫を見せることが来季に向けての課題です。
渡辺俊はアンダースローの永遠の課題である下半身のスタミナ、そこを充分に鍛えられなかったことによる制球の乱れに尽きると思います。
私が渡辺俊のバロメーターとして見ているのが死球の数で、今季は13個も与えてしまったことからも、いかにすっぽ抜けが多かったかが分かります。
これまで死球の多かったシーズンは結果が伴っておらず、同じ13個の死球を与えた昨年も13勝はしたものの防御率は4点台でした。
自らが望んだことですからWBC出場による調整の遅れは言い訳になりませんし、来季に向けて粘りのある下半身を作り上げることが求められます。
そして小林宏ですが、2年連続しての不調は力の衰えと言われても仕方がなく、来季は正念場となります。
清水も渡辺俊も不調の翌年は持ち直しており、もし3年続けて結果が出ないようであれば夢のメジャーはおろか、戦力外となっても不思議ではない年齢にきています。
以前に比べてフォークの力が戻りつつあることは光明ですし、終盤まで粘り強く投げる試合も増えてはきているのですが、下半身を使ったフォームと丁寧にボールを低めに集める小林宏らしいピッチングは数えるほどしか見ることができませんでした。
やはり渡辺俊と同様に不安のない下半身を作り上げて、上体でコントロールをするフォームを矯正することが小林宏にとっては喫緊の課題となります。

若手の希望の星である唐川と大嶺は昨年よりは結果を残したものの、期待ほどの伸びは見られませんでした。
唐川は下手な継投のおかげで手に出来なかった白星もありましたので実質的には8勝ぐらいの評価はできますが、立ち上がりの失点に終盤の崩れという分かりやすい課題も浮き彫りとなり、やはりスタミナ強化が優先課題となります。
四球で崩れる心配のない安定感はあるのですが、ボールがやや高めに集まり気味で被安打が多いことは不安材料ですから、WHIPの意識が必要かもしれません。
大嶺は逆に序盤はスタミナ不足から80球の壁が話題となりましたが、中盤以降はその課題をクリアした姿を見せてくれました。
ただ打たれ出したら止まらない単調さを垣間見せてしまったこと、もちろんこれは捕手のリードの問題もあるのでしょうが、もう少しストレートに力を入れることで著しい成長のあったチェンジアップとの緩急の差を活かすことも考えたいところです。
コントロールとのトレードオフではあるのですが、そろそろフォーム固めのタームを卒業して、眩いばかりの輝きを見せてくれる大嶺に期待をしたいと思います。

頑張ったのはベテランの小野と若手の成瀬で、来季もこの2人には軸となってもらわなければ困ります。
小野は序盤は中継ぎへの転向も考えたくなるような逃げのピッチングが目立ちましたが、小宮山のアドバイスから見違えるような復活ぶりを見せてくれました。
小野らしいテンポのある、打者を焦らせて手玉に取るピッチングを心がければ来季も大崩れをすることはないでしょうし、最年長投手としての意地を見せてもらいたいです。
また成瀬はウエイトコントロールが全て、と言ってもいいぐらいで、体重が減ったことでキレが戻ったことがピッチングに大きな影響を与えました。
腰回りの肉が邪魔をしていた捻りを取り戻したことで球持ちが良くなり、ピッチングとしては2006年と遜色はなかったと言ってよいでしょう。
この2人に共通することは完投への意欲で、これこそが他の投手にも求められることです。
マウンド上での成瀬の怖いぐらいの顔つきに成長の跡を感じられましたし、気迫も充分でした。
先発投手は最後まで自分で投げきる、そのぐらいの気概を持ってもらいたいものです。

中継ぎ、抑えは昨年のポストYFKを乗り切ったかのように見えたのが嘘のように、ダメダメのシーズンとなってしまいました。
昨年と同様に出足が遅れた川崎が最後まで調子が戻らなかったこと、これが痛すぎました。
酷使による疲労過多もあるでしょうが、やや腕が横手から出ていたのも気になりますし、フェニックスリーグへの参加が危機感によるものであればいいのですが、これがまた疲労蓄積に繋がるようでは困りますので、そのあたりはきっちりと西本コーチと話し合ってもらいたいです。
また伊藤もシュートを封印したからでもないのでしょうが、昨年の前半を見るかのようにピッチングが単調となり、あの強気の伊藤が見せる弱々しい表情が全てを表していました。
伊藤の場合もストレートがすっぽ抜け気味で上体で投げている嫌いがありましたので、フォームを見直す必要がありそうです。
昨年は30セーブと活躍をした荻野は突然の守護神剥奪で方向性を見失ったのか、中継ぎに戻ってからは暫くはどん底状態になってしまいました。
未だにあの剥奪の意味が理解できていないのですが、そもそも中継ぎタイプだと見ている荻野ですから、私としては前向きに考えています。
終盤になってからようやく縦のカーブを投げることが増えてきたことと、少しずつではありながらも落差も戻ってきましたので、来季には復活を期待してよいでしょう。
シコースキーは中継ぎとしてはパーフェクトでしたが、守護神になった途端に持病である被弾癖が顔をのぞかせてしまい、せっかくの抑えタイプでありながら気持ちの弱さも時折に見せましたので、やはり来季は中継ぎとしての場を用意したいところです。
中継ぎであれば軸として充分に活躍をしてくれるでしょうし、絶対にリリースをしてはなりません。

若手では松本がオープン戦で大ブレイクの予感がありましたが、シーズン初登板で滅多打ちにあったことが全てでした。
序盤に各投手が登板をする中で1人だけなかなか出番に恵まれず、ようやくきたチャンスに失敗をしたことで、強気であったはずのピッチングが守りに入ったことが低迷に拍車をかけてしまったことは否めません。
2軍ではきっちりとした結果を残しながらもその後は1軍での活躍の場を与えられることはほとんど無く、松本にとっては政権が代わる来季は再チャレンジのきっかけとなるでしょうから、高木の戦力外もありますし、再びあのキャラクターを炸裂させてもらいたいものです。
ようやく戻ってきた内はプロ初セーブに初勝利と飛躍のきっかけになるシーズンではありましたが、制球難という課題が露呈をした1年でもありました。
イニング以上の三振を奪えるストレートに縦のスライダーを持っているので守護神として待望久しいのですが、やはり故障によるブランクを取り戻すことが先決かもしれません。
あのいかにも投げづらそうなフォームであれだけのボールを投げられるのですから、まずは来季に中継ぎとして3点台の防御率でシーズンを乗り切ることを目標にしてもらいましょう。
そして私が大の贔屓にしている上野ですが、黒木になれる存在だと持ち上げまくっています。
あの普段の穏やかな笑顔とは裏腹なマウンド上での強気なスタイルが好印象で、是非とも1軍で使い倒して欲しい投手ですし、またそうなってもらわなければ困ります。
まだリードをする捕手が上野を掴みきっていない気がしているのですが、数多くバッテリーを組むことで特徴を活かしたリードさえすれば充分に戦力になってくれることでしょう。

その他でも中郷は弱気の虫を抑えられるか、根本はロングリリーフか先発で起用をすべきであり、木村や香月らのデビューはいつになるのか、などの課題と期待が入り交じった若手をどう活用をしていくのか、投手陣を立て直すべく招聘をした西本コーチの手腕に期待がかかります。
仲良しクラブだけに白紙からのスタートで競争心を煽ることがまず必要になりますが、ベテランのプライドを傷つけずに、しかしジワジワとチーム改革を進める手管を西本コーチに求めたいところで、外様には酷な話であるのは分かっているのですが、期待と妄想は尽きません。

2008年通信簿

 

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