オリオン村(跡地)

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2009年通信簿 17 成瀬善久

2009-10-27 22:58:01 | 千葉ロッテ

17 成瀬善久 投手 24歳 年俸7350万円

【2009年成績】 23試合 11勝5敗0S 防御率3.28 153回2/3 146被安打 14被本塁打 28与四球 3与死球 156奪三振 被打率.252

一発屋で終わってしまうかどうかの鍵となる2009年でしたが、しっかりとした存在感を見せてくれました。
来季はミリオンダラーズの仲間入りとなることが濃厚ですが、先輩たちがいるうちに開幕投手を奪うとの目標を達成しての15勝、これを最低ラインに頑張ってもらいたいです。

昨年の轍は踏まない、まさにそんな決意を持って春季キャンプに臨んだ成瀬の姿は減量の跡が見られましたので、むしろ成績は物足りないぐらいです。
ただそのキャンプで足を痛めたことでスタートが遅れたこともありますし、その影響からか前半戦は昨年の延長のようなピッチングとなってしまいましたが、夏前から調子を上げてオールスター以降は7連勝と見事な立ち直りを見せました。
ベンチの機械的な、そして本人だけではなく見る者をも不愉快にさせる継投の失敗で勝ち星をいくつか失ったために私が目標と置いた12勝には届きませんでしたが、それでも成瀬にとっては大きな意味のあるシーズンだったと思います。

ピッチングとしては特徴である打者からボールの出所が見づらい、腕が体に巻き付いてくるように出てくるリリースポイントが復活をしたこと、何よりこれが大きかったです。
昨年は腰回りについた肉が邪魔をしたのか回転にキレがなく、またリリースポイントも安定をしなかったのですが、減量によって一昨年の成瀬が戻ってきました。
伸びのあるストレートとチェンジアップ、スライダーのコンビネーションで打者を翻弄するスタイルも一昨年と同様で、これこそが成瀬だと言えます。

しかし今季の成瀬はそれだけではなく、更なる成長を見せました。
それは自分でピッチングを組み立てていることで、一昨年は里崎のリードのままに投げていた感のあった成瀬でしたが、今季は捕手のサインに首を振るなどして自分が投げたいボールを投げるといった感じが見られたことは非常に重要なことだと考えています。
もちろん捕手には捕手の考えがあるので我が儘とのラインをしっかりと見極めなければなりませんが、自分で考えることはとても大事なことです。
勢いだけでプレーをしている選手が最初にぶつかる壁がここであり、成瀬はそれを越えたと言ってよいでしょう。
地顔であったはずの気弱な表情が一転して厳しい顔つきとなった今季は、成瀬にとってターニングポイントとなったシーズンであったと思います。

来季は名実ともにエースとなる、そんな1年にしなければなりません。
そのためにはボールのスピードを上げるのではなく、また新しい球種を覚えるのでもなく、今の三種の神器を磨き上げることが求められます。
また一昨年に比べて唯一と言ってもいいマイナスポイントはコントロールで、もちろん標準以上の制球力は兼ね備えている成瀬ではあるのですが、それでもストレートがすっぽ抜けたりして無駄球が多かったことが球数を増やしてしまい、完投間際で降板をさせられる屈辱に繋がりました。
どんどんとテンポ良くストライクを取っていくことが成瀬の持ち味の1つでもありますので、いい意味で相手を見下すピッチングを目指してもらいたいです。
そのためには油断をすることなくウエイトコントロールを維持し続けること、これだけは絶対に忘れないようお願いをしておきます。

2007年通信簿
2008年通信簿


【オリオン村査定】 7350万円 → 1億円 (△36%)

 

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菊池に特攻

2009-10-27 00:30:44 | 千葉ロッテ

ドラフトへの希望を書いてから1日も経たないうちに、あっさりと真逆な方向性がニュースとして流れてきました。
候補として名前が挙がってくるのは投手ばかりで、来年も浦和に夢破れた投手たちの墓標が多く立ち並びそうな予感がします。

02年センバツV、トヨタの大谷投手を上位指名へ (10/26 スポーツ報知)

ロッテがドラフトの上位指名候補として、トヨタ自動車の大谷智久(24)をリストアップしていることが25日、分かった。
1位候補に花巻東・菊池を挙げているが、球団関係者は「早大では故障がちだったけど、トヨタで伸びた。今の力で十分に中継ぎ陣に入れる力を持っている」と、即戦力右腕として高く評価している。
大谷は02年のセンバツV投手。
早大ではリーグ戦制覇を4度経験し、トヨタ自動車では昨年の日本選手権でチームを2連覇に導いた。
スライダー、フォーク、シュートなど多彩な変化球を制球良く投げ分けるのが身上だ。
1位候補の花巻東・菊池は競合必至。
先発ローテの左腕は成瀬だけで、外れ1位候補にはトヨタ自動車・中沢、慶大・中林、智弁和歌山高・岡田ら左投手を挙げている。
投手力強化はV奪回へのカギとなるだけに、ドラフト直前まで入念に調査を進める。
◆大谷 智久(おおたに・ともひさ)
1985年2月14日、兵庫県生まれ。24歳。報徳学園高3年時の2002年春は、決勝の鳴門工戦まで全5試合完投でセンバツ優勝。早大では通算18勝を挙げた。トヨタ自動車では07、08年と日本選手権2連覇。176センチ、86キロ。右投右打。

大谷には悪いのですが、先日の中林(慶大)と同様に上位指名をしたくなるような輝きが感じられません。
ストレートは140キロ前後、多彩な変化球とマウンド捌きで報徳学園、早大、トヨタ自動車という名門チームの柱として活躍をしてきた実績は素晴らしいものの、良く言えば安定感がある、悪く言えば平均的で特徴がない、そんな投手だと思います。
何となく来年の斎藤や大石を視野に早大閥の選手を指名することが目的のようにも感じられ、それであれば同じトヨタ自動車の佐竹の方が魅力があります。
中位以降であればまだしも上位の枠を埋めるほどではない、仮に上位指名の力があっても今のロッテには必須ではない、それが私の大谷に対する評価です。

ロッテが雄星の1位指名を発表 (10/26 日刊スポーツ)

ロッテは26日、千葉市内の球団事務所でスカウト会議を開き、29日のドラフト会議で岩手・花巻東高の菊池雄星投手を1位指名すると発表した。
左腕の先発投手はチームの強化点で、石川晃球団副代表は「スカウト陣が菊池でいきたいということだった」と述べた。
そのほかの上位候補にはロッテ・大嶺の弟の翔太(沖縄・八重山商工高)が挙がった。
菊池については日本ハム、楽天、中日、阪神が既に1位指名を明らかにしている。競合は確実で、ロッテは抽選に西村新監督が臨む予定。

菊池への特攻も意外でした。
ここまで言い切ってしまえば入札をするしかなく、他球団を牽制したものではないでしょう。
10年に1人、20年に1人というフレーズは数年ごとに聞きますので話半分にしても、今年の候補の中では菊池がピカイチであることは間違いありませんので、逃げずにぶつかる球団の姿勢は好感を持って受け止めることにします。
また石川球団副代表のコメントも意味深と言いますか、好意的に受け止めれば「俺が、俺が」から卒業をして次のステップに進んだと見て取れますし、うがった見方をすれば確率が低いチャレンジへの責任逃れにも聞こえます。
これはスカウトにも言えることで、いかに獲得が困難であろうともチームに必要な選手に入札をするとの強い意志の表れか、あるいは球界がこぞって評価をしている選手であれば結果的に小野(元巨人、近鉄)や川口(元オリックス)のような期待外れでも自分の責任にはならないとの打算なのか、是非とも前者であってもらいたいものです。

何にせよ特攻をすると決めた以上は西村監督の運に賭けるしかありませんが、問題は外した場合のシナリオをしっかりと描き切れているかどうかです。
一昨年の大学BIG3に12球団が殺到をしたような展開になればいいのですが、意外に日和って一本釣りに走る球団が多いのではないかとも思っています。
そうなると菊池の交渉権を得る確率が高くなる反面、外した場合は地獄が待っていると言ってもよいでしょう。
今村、筒香はもちろんのこと、堂林や岡田、真下が消えていてもおかしくはなく、個人的には評価をしていない二神や今宮という1巡目もありえます。
8球団程度が菊池に入札をして、仮に外しても再入札で堂林らを獲得できればいいのですが、ここにきてネガティブな発想が炸裂をし始めました。
こうなったら小池の再来、字面も似ているし西村監督のビギナーズラックに期待をすることにしましょう。

ところで数少ない野手の名前の中で、大嶺(八重山商工)が真っ先に挙がっていることに違和感があります。
私は大嶺への指名はないと考えていたのですが、やたらと石川球団副代表が持ち上げていますので、話題作りもあっての指名がありそうな感じとなってきました。
大嶺は高い身体能力を誇る有力な候補ではあるのですが、捕手から投手、内野手を転々としているイメージが強く、センスだけで野球をやっているのではないかと見ていますし、実際問題として練度が低いことは否めません。
もちろん資質さえあればプロに入ってから大きく伸びる選手は枚挙に暇がありませんが、そういった選手を育てきれないのがロッテだったりもします。
本人に強い意志がなければいろいろなポジションをたらい回しにされた挙げ句にお払い箱、まさに藤井や柳田の二の舞にもなりかねません。
大嶺の場合は兄がいるので酷いことにはならないかもしれませんが、上位候補という言葉が引っかかりますし、果たしてそこが補強ポイントなのだろうかとの疑問もあります。
それでも兄の入団発表の際に上京をしてきて千葉マリンで一緒に写真に収まった中学生が、その3年後に兄と同じチームに入団をするという話は夢がありますので、上位指名はともかく他球団にさらわれるようなことがなければいいのだがと、そんなことを思ったりもしています。

野球は投手、とは言っても獲る前に育てろと言いたくもなりますし、数だけはいる左腕が浦和の肥やしとなって朽ち果てるのを見るのは忍びないです。
目先の投壊の手当てをする前にコーチ陣の充実を図る方が先だと思いますし、冗談抜きで投手が異様に多い今の選手構成を早期に是正をしなければ大変なことになるでしょう。
蓋を開けてみれば指名は投手ばかりで野手は大嶺だけ、そんなことだけにはならないことを切に願っています。

 

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