17 成瀬善久 投手 24歳 年俸7350万円
【2009年成績】 23試合 11勝5敗0S 防御率3.28 153回2/3 146被安打 14被本塁打 28与四球 3与死球 156奪三振 被打率.252
一発屋で終わってしまうかどうかの鍵となる2009年でしたが、しっかりとした存在感を見せてくれました。
来季はミリオンダラーズの仲間入りとなることが濃厚ですが、先輩たちがいるうちに開幕投手を奪うとの目標を達成しての15勝、これを最低ラインに頑張ってもらいたいです。
昨年の轍は踏まない、まさにそんな決意を持って春季キャンプに臨んだ成瀬の姿は減量の跡が見られましたので、むしろ成績は物足りないぐらいです。
ただそのキャンプで足を痛めたことでスタートが遅れたこともありますし、その影響からか前半戦は昨年の延長のようなピッチングとなってしまいましたが、夏前から調子を上げてオールスター以降は7連勝と見事な立ち直りを見せました。
ベンチの機械的な、そして本人だけではなく見る者をも不愉快にさせる継投の失敗で勝ち星をいくつか失ったために私が目標と置いた12勝には届きませんでしたが、それでも成瀬にとっては大きな意味のあるシーズンだったと思います。
ピッチングとしては特徴である打者からボールの出所が見づらい、腕が体に巻き付いてくるように出てくるリリースポイントが復活をしたこと、何よりこれが大きかったです。
昨年は腰回りについた肉が邪魔をしたのか回転にキレがなく、またリリースポイントも安定をしなかったのですが、減量によって一昨年の成瀬が戻ってきました。
伸びのあるストレートとチェンジアップ、スライダーのコンビネーションで打者を翻弄するスタイルも一昨年と同様で、これこそが成瀬だと言えます。
しかし今季の成瀬はそれだけではなく、更なる成長を見せました。
それは自分でピッチングを組み立てていることで、一昨年は里崎のリードのままに投げていた感のあった成瀬でしたが、今季は捕手のサインに首を振るなどして自分が投げたいボールを投げるといった感じが見られたことは非常に重要なことだと考えています。
もちろん捕手には捕手の考えがあるので我が儘とのラインをしっかりと見極めなければなりませんが、自分で考えることはとても大事なことです。
勢いだけでプレーをしている選手が最初にぶつかる壁がここであり、成瀬はそれを越えたと言ってよいでしょう。
地顔であったはずの気弱な表情が一転して厳しい顔つきとなった今季は、成瀬にとってターニングポイントとなったシーズンであったと思います。
来季は名実ともにエースとなる、そんな1年にしなければなりません。
そのためにはボールのスピードを上げるのではなく、また新しい球種を覚えるのでもなく、今の三種の神器を磨き上げることが求められます。
また一昨年に比べて唯一と言ってもいいマイナスポイントはコントロールで、もちろん標準以上の制球力は兼ね備えている成瀬ではあるのですが、それでもストレートがすっぽ抜けたりして無駄球が多かったことが球数を増やしてしまい、完投間際で降板をさせられる屈辱に繋がりました。
どんどんとテンポ良くストライクを取っていくことが成瀬の持ち味の1つでもありますので、いい意味で相手を見下すピッチングを目指してもらいたいです。
そのためには油断をすることなくウエイトコントロールを維持し続けること、これだけは絶対に忘れないようお願いをしておきます。
【オリオン村査定】 7350万円 → 1億円 (△36%)