YFKの解体により中継ぎ、抑えがウィークポイントと言われ続けた1年でしたが、終わってみれば先発陣の不調の方が痛かった今年のピッチングスタッフでした。
リーク屈指と評価されていた面影もなく、12球団で11番目という散々な防御率で終わるという信じられないようなシーズンでした。
もちろん中継ぎ、抑えに苦労したことは間違いありません。
オープン戦でも抑えを決めることが出来ず、日替わりとまで言われた中でも期待されたアブレイユが落ち着きのない挙動が治らないまま故障で離脱し、消去法的に守護神を任された荻野が30セーブをマークしたのですからわからないものです。
荻野は目を見張るようなストレートや球威があるわけでもなく、ウィニングショットである縦の大きなカーブまで封印して、よくぞクローザーとしてやり通したとの驚きの方が大きいです。
その多彩な変化球と果敢に内角を攻める投球術で乗りきった感が強く、では来季も荻野で盤石かと問われればそうとも言えないのが実状だと思います。
私は久保の守護神をまだ捨てていませんし、究極の希望はヤクルトから五十嵐を獲得して54番を背負わせた上で抑えを任せることですが、普通に考えれば来季も荻野を抑えとしたスタッフで臨むことになると思われます。
そうはいっても荻野に不安を覚えているわけではなく、今年の頑張りは充分に評価していますが、やはり彼のベストポジションは中継ぎだとの考えを捨てられない自分がいます。
荻野とコンビを組む川崎も春季キャンプでの故障を引きずった春先は不調だったものの、最終的にはホールド王を獲得するなど今季も中継ぎ陣の中心としての活躍で、やはりOKコンビが軸となった中継ぎ陣があってこそのロッテであるとの考えです。
結果的にポジションの違いはありながらも不安視された2年目のジンクスもなく、OKコンビはYKの穴を埋めるに充分な結果を残してくれましたが、そのOKコンビの穴を埋める選手を育成できなかったことこそが、YK離脱の影響であったのだと思います。
候補としては伊藤がそれなりのピッチングをしたものの、何故かベンチは彼を信頼することがなかったこと、これが不可思議でもあり、納得のいかない采配であったと思います。
もう少し伊藤を信用して使っていれば、そう思った場面が多々ありました。
それでも伊藤だけではなく松本や根本の両左腕が経験を積んだことは、きっと来季に向けて活きてくると思います。
先発陣では「開幕投手の呪い」に小林宏がはまり、昨年の清水よりも酷いシーズンを送ることになりました。
開幕戦での足の痙攣が全てと言ってもよく、昨年からの課題であったにもかかわらず「今年1年をかけて治す」とのコメントを聞いた時点で今年の小林宏はダメだと予想しましたが、その予想どおりの結果に複雑な心境です。
成瀬は春先に抑えていた試合に打線の援護がなく勝ち星を伸ばせなかったことで勢いに乗れなかったのも痛かったですが、こちらも「スピードを求める」という勘違いな目標を立てたことがそもそもの間違いの始まりでした。
彼の持ち味は球持ちがよいためボールの出所が打者から見づらいフォームと、ボールの回転を意識することで130キロ台でも空振りがとれるストレートであったはずです。
渡辺俊も大活躍の2005年の翌年に同様の目標を立てて大失敗であったために、この成瀬の目標に私は懸念を表明しましたが、こういう悪い予想が当たってしまうのがロッテファンの業で、哀しいかな昨年の投手陣を引っ張った両輪の失速がチームを一気に奈落の底に突き落としました。
引きずられるように久保と小野も何度か2軍に落ちる体たらくで、昨年の先発6人衆のうちで気を吐いたのは渡辺俊と清水の2人だけという悲惨な状況となってしまいました。
そんな中で昨年はボロボロだった清水が、エースとしての気概を取り戻してくれたことは朗報でした。
何度もチームが転げ落ちそうな場面でも踏みとどまれたのは、まさにエースとしてチームを体で引っ張る姿を見せてくれた清水のおかげです。
成績だけではなく精神的な支えとしての清水の存在は大きく、正直なところ彼の復活は期待できないと考えていただけに、嬉しい誤算でした。
困ったことにその清水がFAで移籍するかもしれないことは頭が痛く、もし離脱するようだと相当な痛手を被ることになります。
代わりの投手を同じようにFAで獲得するなどの手当が急務となりますが、補償が不要のCランクの選手の獲得を目指すとの瀬戸山球団社長のコメントを聞けば、やはり若手の台頭に期待する方が現実的かもしれません。
その若手の筆頭は唐川と大嶺、この2人の今年の活躍には驚かされました。
唐川はその衝撃的なデビューが印象的で、ネガティブな私が新人王も獲れるのではないかと舞い上がったぐらいです。
さすがにそこまでプロは甘くはなく、課題の牽制下手をつかれたところからフォームを崩し、終盤はこじんまりとまとまってしまった感があったのが心配ではあります。
しかし本来は体作りに専念すべき時期に一軍に帯同したことで鍛錬不足もあったでしょうから、この秋季キャンプから体をいじめて一回り大きくなった体格を得れば、軸となるストレートに磨きがかかって来季の大きな飛躍が期待できると思います。
また唐川以上に驚かされたのが大嶺の成長ぶりで、打線の援護さえあれば唐川と同じぐらいの勝ち星は稼げたのではないか、そう思えるぐらいのピッチングを見せてくれました。
課題の制球難を克服し、しかし荒々しさはそのままに、完成された唐川よりも大きな可能性を感じられるのが大嶺だと思います。
もちろん大嶺の場合は0か100かという危うさをはらんではいるのですが、今のフォームを完全に自分のものにできれば、安定したコントロールに150キロのストレートという伊良部のような投手に育ってくれるのではないかとの期待が持てます。
気になるとすればその顔つきを見れば一目でわかるような気弱さで、精神的なタフさを養うことが大嶺にとっての課題ではないかと考えます。
この2人に続く投手が頭をもたげてくれるかどうかに、来季のロッテの行く末がかかっていると思います。
内と服部、このあたりの投手が1軍に定着して小宮山と高木に引導を渡すぐらいの活躍をしてくれなければ、来季のピッチングスタッフも苦しくなると思われます。
唐川と大嶺にそうしたように、ある程度は目をつぶって起用することも必要であり、2009年がドラフト1巡目の両人の飛躍の年になってくれることを願っています。
終わってみれば、やはり、まだまだプロの体ではなかったことがまず第一の課題ですね。
そして、クイックですが、クイックが上手でもホームにいい球を放らなければ、不調時の久保みたくなってしまいますので、まずは、ランナーがいても、バッターを牛耳ることに集中して欲しいです。
細かいところでは、どうも、カーブ・チェンジアップを投げるときに投げる前から球種が分かるみたいです。ストレートに差し込まれているバッターがまったく泳がずに叩きますから。その辺が今後の課題かと。
ご存知の通り、荻野のどんなに頑張っても140キロが一杯のストレートや、目立った変化球もない(大きなカーブはありますが)、「なんで抑えられるの?」と自分なりに考えたんですが、ストレートでもボールが揺れてるか、微妙にバットの芯を外す球を投げているのではないでしょうか?
そうでなければ、並み居る1軍の強力な打者を相手にセーブは挙げられないと思います。プラス思考で考えるなら、荻野は今までの「速球+フォーク」の一般的な抑え投手の概念を変えた「揺れる直球+芯を外す変化球」というジャンルを作りはじめたのかもしれません。
あくまで憶測の話を長々と失礼しました。
内はケガの影響だったと記憶してますが、服部は…。唐川や大嶺が抜擢されながら、オープン戦であれだけ投げていた服部が全く先発の機会を与えられなかったのは意外でした。先発でなくとも、高木さん・松本しかいない左の中継ぎで試してみるという手もあったように思いますが。
ファームを全然見ていないので的外れな憶測かもしれませんが、実際、若い素材型の選手が1軍でイキイキと投げてくれないと、来季も先が見えている気がします。
最後に遅くなりましたが、100万アクセスおめでとうございます。オフも楽しみにしています。
小林宏、成瀬、久保、小野…供倒れでした。
その清水直と渡辺俊にしても防御率を見ても分かるとおり、時に試合をぶち壊す投球もありましたし、先発投手全体の防御率が悪すぎました。
これだけ悪いと春期キャンプからの調整に問題があったんじゃないかと思ってしまいます。家庭の事情で別調整を強いられ調整遅れが懸念されていた清水が結果を残すわけですから。
荻野の抑えは正直、小林雅ほどではないですが、安心して見れません…。
現有戦力で抑えの適性としては久保が一番だと今でも思ってますが、これ迄のシーズンを見ても今季もそうでしたが彼は年間通して調子が維持出来ないといいますか、働けてないのが気になります。
俊介と直行はとりあえず2桁勝ってくれましたし、やはり軸の2人で稼げなかったのが痛かったです。
それに対して中継ぎですが、終盤につれて状態が良くなっていきましたが、序盤で何度も中継ぎで試合を落としたのも痛かったですね。でもその序盤の経験があったから終盤で状態が良くなっていったのだと思います。
そういえば川崎が見事に最優秀中継ぎになりましたね。
川崎で負けた試合は結構あったように思いますが、それでも勝負所で抑えてくれたので感謝したいです。
大嶺、唐川ですが、一度2軍に落ちて戻ってきてからは、大幅に制球力が良くなっていたのには驚きました(特に大嶺)。ただ、やはり年間通して見ると、スタミナ不足は明らかでしたね。私も、大嶺は将来かなり化けるのではないかと期待しています。
抑え問題ですが、久保の抑え適正には私も注目していました。今季はダメなところばかり目立ちましたが、制球力と球威を両立できる数少ない投手だと思います。彼の場合は、打たれ強いところも特徴だと思っています。荻野に関してはあるデータによると、決め球のカットボールの被打率は12球団のクローザーの中で一番悪いそうです。ただ、彼の強心臓っぷりは抑えに適している、とも考えているのですが。
五十嵐の獲得に関してですが、私は反対ですね。
ヤクルトの試合を後半よく見ていたんですが、やはり安定感が解消されていません。たしかに手術後の今でも最速156キロだせる点は魅力ですが、総合的に考えて、意外に気の弱い所が見え隠れするのが気になりますね。
五十嵐は故障がちなのに加え、ストレートの速いうちはストレートに拘りすぎるゆえに狙われ、球速が落ちた時にかわせるコントロールがあるとは思えません。技巧派になったとしてそれが彼の魅力にはならないですし。
今シーズンでいえば比較的抑えた後に落とされたりしてた相原をもう少し見てみたかったです。
まぁ現在内、服部、根本がハワイで頑張ってますので何かつかんで来季につなげてほしいですね