オリオン村(跡地)

千葉ロッテと日本史好きの千葉県民のブログです
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2009年通信簿 シーズン総括 ベンチ

2009-10-09 23:01:40 | 千葉ロッテ

開幕前にバレンタイン監督の2009年限りでの退任を発表したことで、こういったシーズンとなることは予想ができていました。
最後を飾るために頑張る、などという美辞麗句が現実にはありえないことを昨年のソフトバンクが証明をしていましたし、ただでさえ近視的な采配を繰り返すバレンタイン監督が目先にしかこだわらなくなるであろう嫌な予感が見事に的中をした、そんな1年だったと言えます。

まさに6年間のツケの集大成、そういう意味では分かりやすいベンチの采配でした。
先発投手は6人どころか今年は7人で回す余裕のローテーションで、しかし100球前後で交代をさせるやり口に変化はありませんでした。
そうなると必然的にしわ寄せがくるのは中継ぎ陣で、YFKの解体を乗り切ったかのように見えた伊藤、川崎、荻野らの失速も、酷使による疲労と無関係ではないでしょう。
先発が序盤に大量失点をしてみたと思えば、競っている試合の終盤に中継ぎや抑えが打ち込まれる、そんな歯車のかみ合わないケースが目立ちました。
打たれたら代える、という後手後手の継投はベンチのポリシーの無さを露呈しており、こうすれば勝てる、このケースで投げるのは誰々、と言った「型」を作れなかったこと、臨機応変と言えば聞こえはいいですが、思いつきで動いているようにしか見えなかったのもまた事実です。
機械的な継投により「ここは自分が何としてでも抑える」という気持ち、気迫を選手から取り上げてしまったこと、まさにここに尽きると思います。
もちろんこれらはベンチだけの問題ではなく、選手がベンチに逆らってまで自分を押し出す気概を持てなかったことも状況を悪化させました。
言ってみればサラリーマン化が進んでしまった、そういうことなのでしょう。

攻撃面ではバント軽視の一か八か野球は今年も健在で、大勝ちをしたかと思えば僅差での敗戦と、気がついてみれば借金で首が回らなくなっていました。
投手と同様に勝つための型を作れなかったことが、連敗はしても連勝ができないことに繋がっています。
見ている方からすれば勝つときは派手で面白いのですが、負けるときは歯ぐきから血が出るぐらいの悔しさを感じる、そんな試合が多かったシーズンでした。
かと思えば4番にバントをさせてみたりと、バレンタイン監督も自分が何をしたいのかが分からなくなって混乱をしていたようにも思えます。
序盤からバントを指示するケースが続いた時期もありましたが、結局は根付かなかったこと、これは選手のバント技術の下手さ加減に呆れたことによるものかもしれませんが、練習もせずに上手くなるわけもありません。
このあたりは2軍を任されていたサカタ監督も同様で、1軍ではきっちりとバントをして走者を進めることが求められる若手が失敗を繰り返したことは、実戦で鍛えていなかった2軍ベンチの責任でもあり、バレンタインイズムがチームを蝕んでいた証左とも言えます。
やり方はさておき、2軍のスタッフを総入れ替えしたことは正しい判断だと思われますし、下からの突き上げのあるチーム作りが来季に向けての課題となります。

そのためには体力作りが最優先、これは衆目の一致するところでしょう。
例によって下半身中心の故障が多かった野手に、終盤になるとボールがうわずる投手と、見るからにスタミナ不足が明らかでした。
たまに全力疾走をしたら故障をする選手がいること自体が笑いもので、他球団からも練習の少なさを指摘されているチームが勝ち抜けるほど、プロ野球界は甘くはありません。
先進的だった立花コーチの練習法がいつしか「楽な練習」という選手の逃げ道になってしまったこと、それを軌道修正できなかったことがこれらの根底にあります。
選手の自主性に任せるというきれい事は単なる放置となってしまい、ミスをしてもヘラヘラと笑う選手にそれを怒らない監督やコーチと、ファンの心が離れていく要素が満載でした。
一部のならず者以外はバレンタイン監督の退任に意外にも冷静だったことが、ロッテというチームの現状を如実に表していたと言ってもよいでしょう。
早く終わって欲しい、シーズンの終了をこれほどに願ったことは自分でも珍しく、新しい野球に渇望をしているファンは私以外にも多いと思います。
そういう意味ではこれらの課題を強く意識をした西村監督の言葉に拍手を送りたいですし、期待もしています。
このままではダメだ、という言葉を選手の口から聞けたことも前進ですし、新しくチームを作り直すことがやりやすい環境に追い詰めたことだけが評価をできる、そんな1年でした。

2008年通信簿

 

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扇の要

2009-10-09 01:59:13 | 千葉ロッテ

西村ロッテが船出をしたばかりのところへ、早速の問題が持ち上がりました。
チームの扇の要とも言うべき捕手が、最大のウィークポイントとしてクローズアップをされています。

橋本将FA移籍も、横浜などが調査 (10/8 スポーツ報知)

ロッテの橋本将捕手(33)が、今オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使しての他球団移籍を視野に入れていることが7日、分かった。
橋本将は昨年、国内FA権を取得。
日本シリーズ終了後に決断を下す。
今季は昨年を上回る94試合に出場し、打率2割3分4厘、2本塁打。
こだわりを持つ捕手での先発は、29試合に終わった。
打力を買われ、指名打者での起用が続いたが、打撃3部門で昨年を上回ることができず。
昨オフはFA宣言せずに残留したが、「もう1度、捕手で勝負したい。ふがいない成績だが、1球団でも欲しい、という球団があるなら、話を聞いてみたい」。
バレンタイン監督が今季限りで退団することもあり、FA宣言へ踏み切る可能性は高い。
今季の年俸は7500万円。
チームの年俸順では11番目以下にあたるとみられ、昨年から導入されたFA制度ではCランク選手に該当。
金銭や人的補償の制度は適用されない。
今季正捕手が固定されなかった横浜など複数球団が獲得へ調査を始めることになりそうだ。

バレンタイン監督の退団により、というフレーズはこれからも多く聞かれそうです。
仮にバレンタイン監督が続投をしたとしても橋本将がロッテでレギュラー捕手を勝ち取る可能性が無かったであろうということは、あれだけ里崎の調子が悪かったのに橋本将の出番が少なかったことを見れば明らかなのですが、マスコミとしてはその方が面白おかしく話題にできるのでしょうから、ここはじっと我慢をするしかありません。
それはさておき、井口の獲得によりチーム11番目の年俸となって補償なしで移籍をしやすい立場の橋本将ではあるのですが、果たして手を挙げるところがあるかは微妙です。
昨年の小野を見れば分かるとおり横浜はかけ声だけですし、何より橋本将が捕手としての能力の限界を見せてしまった2009年であったことが痛すぎます。
雑なキャッチングにフリーパスの肩、この点がどう評価されるかによって移籍の道が開けるかどうかが決まってくるでしょう。
打撃について言えばシーズンを通して出場をすることで今年以上の成績を残すことはできるでしょうが、やはり捕手として考えてこその橋本将です。
ロッテに残留をすれば15%程度の年俸ダウンは免れないでしょうし、また大盤振る舞いをして引き留めるのであれば田中雅や金澤らを使うべきだとも考えますので、もちろん残ってくれるに越したことはないのですが、後悔をしない判断をしてくれればそれでいいと、そう思っています。

新里賢選手引退のお知らせ (10/8 千葉ロッテマリーンズ・オフィシャルサイト)
新里賢選手が本日10月8日、引退をすることを決めましたのでお知らせします。
今後はスカウトとして球団に残ります。

橋本将のニュースよりショッキングだったのは、新里の引退です。
先日のフェニックスリーグの選手名簿に名前がなかったので心配をしていたのですが、今日の秋季キャンプのメンバーにも名前は見当たらず、やばいと思った直後に球団から正式に引退の告知がされました。
月初の戦力外通告から日が経っており、また任意引退であることを考えれば新里が自ら選んだ進退であり、球団としては引き留めていたものの決意が固く、そして今日の発表に至ったといったところではないかと思います。
2軍では捕手以外にも内野手としてレギュラー級の扱いを受けて、規定打席にも達して.280とまずますの結果を残したものの、それでも1軍出場は2試合にとどまったことで見切りをつけた、ということであれば悲しい結末としか言いようがありません。
ほとんど野手の入れ替えをしなかった前政権の犠牲者と言えなくもないのですが、政権が変わってチャンスが増えるかもしれない中での決断ですので、悔しくもあり寂しくもあるのですが、新里の判断を尊重したいと思います。
球団には残ってスカウトに転身をするとのことですから、これまでとは違った道からの貢献をしてくれることを願っています。

もし橋本将が移籍をすれば捕手は里崎、田中雅、金澤、青松、宮本の5人となってしまいます。
田中雅や金澤には大きなチャンスとなるでしょうし、青松や宮本も目の色が変わってくるのでしょうが、それにしても捕手の絶対数が少なすぎます。
そうなるとドラフトでの補強が必須であることは間違いありませんし、トレードや戦力外からの捕手獲得も視野に入れる必要があり、万が一にでもそれを怠るようですと溢れかえる投手からの戦力外が大量に出る来オフ、のシナリオが見えてきます。
西村監督がどういった判断を下すのか、のっけから大きな課題を抱えてのスタートです。

 

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西村座の幕が上がる

2009-10-09 01:03:52 | 千葉ロッテ

台風18号は私の生活圏では風台風であり、雨にはほとんど降られませんでした。
強風で鉄道のダイヤが大幅に乱れたものの早起きをしたことで影響はありませんでしたし、むしろ私にとっては野球観戦の大義名分を失ったことで眼前に吹き荒れる、狂ったような仕事の嵐の方が深刻だったりします。

昨日に2009年の全日程を終えたロッテは、来たる2010年のシーズンに向けて予定どおりに西村監督の就任を発表しました。
16年ぶりの生え抜き監督の誕生が、求心力となってチームに好影響を与えることに期待をしたいです。

ロッテ、西村新監督を発表 16年ぶりの生え抜き監督 (10/8 日経ネット)

ロッテは8日、ボビー・バレンタイン監督に代わる来季の新監督に西村徳文ヘッドコーチ(49)が昇格すると発表した。
ロッテでは八木沢荘六元監督以来、16年ぶりの生え抜き監督となる。
西村新監督は今月下旬、鹿児島での秋季キャンプに合流予定。
今季5位で2年連続Bクラスだったチームの立て直しに着手する。
西村新監督は宮崎・福島高から鹿児島鉄道管理局を経て1982年にドラフト5位でロッテ入り。
チーム一筋にプレーし、俊足巧打を武器に首位打者や盗塁王に輝いた。
97年の現役引退翌年からコーチを務めていた。

世間的に知名度が高いとはお世辞にも言えませんし、地味であることが観客動員にどう影響をするのか、球団としては一種の賭けのような判断をしたのだと思います。
ただロッテファンに限れば西村監督というロッテ一筋の人材に好印象を持っている向きが強いのではないかと思いますし、成績さえ伴えばあまり心配をする必要はないでしょう。

ロッテ・西村新監督に聞く…「細かいプレーやらないと」 (10/8 スポーツ報知)
ロッテは8日、バレンタイン監督に代わる来季の新監督に西村徳文ヘッドコーチ(49)が昇格すると発表した。
グレーの球団旗に似た色のネクタイを締めた西村新監督。
愛着あるチームの再建に意欲を見せた。
●ロッテ一筋28年目の就任。
 「いつかは監督になることを目標にしてきた。前監督はファンには大変な(人気の)方だった。同じようにはできない。不安はたくさんあるが、一切考えず、前向きに」
●背番号は同じ78。
 「(コーチ就任時に)七転び八起きということで決めた。そこを変えるつもりはないので」
●目指す野球は。
「今までの反省から細かいプレーをやらないと勝てないのが頭にある。そして打つ、走る、守るでアグレッシブな姿勢を前面に出していく」
●どこから着手する。
「1年間戦えるだけの体力を付ける。僕自身が練習で結果を残してきた。量的には多くなる」
●西岡をキャプテンに指名した。
「一番適切な人間。彼みたいな若い選手に引っ張ってもらうしかない」

その成績アップのためにはチームを根底から作り直さなければならないことは、誰の目から見ても明らかです。
そして大改革に向けて西村監督は、非常に心地よい言葉を連ねてくれました。

細かいプレーをやらないと勝てない。

バレンタイン前監督の一か八か野球を快く思ってはいなかった、ということであれば、来季からの采配に期待が持てます。
ヘッドコーチとして軌道修正ができなかったことには批判が集まりますが、あの特異な環境を考えれば同情の余地はあるでしょう。
何よりホリゴリ事件でも分かるとおり「友人」とはほど遠い関係であったであろうことは想像に難くありませんし、それらを反面教師とした西村イズムを見せてもらいたいものです。

1年間戦えるだけの体力を付ける。

あまりに当たり前すぎることなのですが、新鮮に聞こえるのはこれまでが酷すぎたからでしょう。
立花コーチの退団も決まりましたし、量的にも増えるという練習が選手を鍛え上げることに大きな期待が集まります。
健全な精神は健全な肉体に宿る、と言うわけでもないですが、高等な技術は鍛えられた肉体があってこそ活きてくるもので、上っ面のテクニックだけではシーズンを乗り切ることが出来ないという現実を、ここ数年で嫌になるほど見せられてきました。
秋季キャンプのメンバー割りを見ると若干の不安があるものの、まずはお手並み拝見です。

西村監督 バレンタイン流決別宣言 (10/8 スポーツニッポン)

前監督の野球を継承するかと問われたときだった。
慎重だった新監督が即座にこれを否定した。
「いや、来年からはわたしの野球をする。人間はいいところばかりではない」。
特異なバレンタイン野球からの決別宣言だった。
参謀役としてチームが抱える構造的な問題は熟知していた。
「細かいプレーを徹底してやってもらう」。
進塁打のサインすらなかった攻撃、決め事が少なかった守備に、まずは「セオリー」というメスを入れる。
そして不在だった4番とエースの確立だ。
日替わりオーダーは絶対的な中軸打者の台頭を阻んできただけに「メンバーは固定していきたい」。
既に打順が頭にあるそうで、フロントには長距離砲の補強を要望した。
エースは自覚を持たせ、修羅場をくぐらせることで育つ。
一定の順番を守ってきた先発ローテーションはカードの重要度に応じ、変えていく。
明らかな練習不足の解消に、投手には投げ込みの解禁、打者には「アーリーワーク」導入も視野に入れる。
乱れが目立つユニホームの着こなしや髪形への自由な方針も「変えることになるかもしれない」。
新監督が前任者から引き継ぐのは1年目から劇的に改革する意気込みぐらいか。

とは言え、自分の色を出すために前任者を否定するところから入るのはよくある手法ですが、こと今回に関してはそれは逆効果になることを認識してもらいたいです。
絶大なる人気を誇ったバレンタイン前監督だけに、取り扱いを誤ると火傷では済みません。
そこさえ気をつければ、これだけのしっかりとした考えを持っているのですから、チームを誤った方向に導いてしまう心配はないだろうと、そう思います。

エースは自覚を持たせ、修羅場をくぐらせることで育つ。

こいつと思った選手を使い込むことで一人前にする、これはチームを作っていく上で非常に大切なことです。
行き過ぎた平等主義は責任の所在を曖昧にする、といった典型的な例がここ数年のロッテでしたから、打順を固定することも含めて選手に自覚を促すことは成長へのエキスになると信じていますし、是非とも結果が出てくれることを願っています。

乱れが目立つユニホームの着こなしや髪形への自由な方針も変えることになるかもしれない。

あまり規則でがんじがらめにすることは賛成できませんが、あのだらしない裾足などを規制することは必要だと考えます。
アマチュア選手の見本となるべく、常に一挙手一投足が注目をされているとの自覚を持つことは非常に重要なことです。
見られることにより育つ、西岡をキャプテンに指名をしたことは西岡自身の成長をも期待してのことだと思いますので、西村監督はただ者ではないかもしれません。

一言で言えば「分かりやすいファン目線の監督」、これが現時点での私の評価です。
当たり前のことを当たり前にやれば勝つのは当たり前、そんな前例をきっちりと作ってもらいたいですし、そのためには球団の惜しみない援助が必要ですので、瀬戸山球団社長らにはマイナスを減らすのではなくプラスを増やすという発想を持つべきだと、強くここに主張をします。

西村監督に幸あれ!

 

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