電脳筆写『 心超臨界 』

苦労に対する最大の報酬は
その引き換えに得るものではない
苦労したことで形成される人物である
ジョン・ラスキン

向上心 《 シェークスピアが才能と同時に兼ね備えたもう一つの“力”――サミュエル・スマイルズ 》

2024-05-28 | 03-自己・信念・努力
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イギリスの初期の作家は、みな忙しい人ばかりで実務の技能もみっちり教え込まれた。聖職の階層はあったかもしれないが、文壇という分野はまだはっきり区別されていなかった時代である。シェークスピアは劇場の経営者であり、下手な役者でもあった。彼は、文学的な才能を磨くことより金もうけのほうに関心が高かったのである。こういった実務の習慣を身につけた活力あふれる人物の姿は、いつの時代にも偉大な作家の中に求められる。


『向上心』
( サミュエル・スマイルズ、三笠書房 (2011/5/21)、p91 )
第3章 自分を生かす働き方――日々、精一杯働いているか、やりがいはあるか
2 本物の実力者は「実務能力」の持ち主

◆シェークスピアが才能と同時に兼ね備えたもう一つの“力”

力は働く者だけに与えられる。怠け者は常に無力である。世界を支配するのは勤勉な働き者だけである。たとえ身分は高貴でも、骨身を惜しんで働かずに政治家となったためしはない。あのルイ14世でさえ、「王たる者は働くことを通してのみ国を治められる」という言葉を遺している。

休みなく働いて数多くの仕事を経験し、さまざまな人生のできごとを通して実際に多くの人とかかわり合うという血のかよった訓練こそが、いつの時代にも固い信念を持った人の活力あふれるバイタリティとして実を結ばせたのである。

洗練され鍛えぬかれた実務の習慣は、政治や文学、科学、あるいは美術と、あらゆる職業において役に立つ。

文学の傑作の多くは、体系的に自分の職業を追求した人によって書かれている。勤勉さや注意力、時間の節約などのような、ある職業で効果的な要素は他の職業でも同じように効果的なのである。

イギリスの初期の作家は、みな忙しい人ばかりで実務の技能もみっちり教え込まれた。聖職の階層はあったかもしれないが、文壇という分野はまだはっきり区別されていなかった時代である。シェークスピアは劇場の経営者であり、下手な役者でもあった。彼は、文学的な才能を磨くことより金もうけのほうに関心が高かったのである。

こういった実務の習慣を身につけた活力あふれる人物の姿は、いつの時代にも偉大な作家の中に求められる。エリザベス1世の時代は、文学活動が活発で数々の名作を遺した時代として特に際立っている。

確かに実務の習慣は、洗練された教養人を科学的もしくは文学的な職業に不向きにするどころか、かえってまたとないようないい訓練になることが多かった。ヴォルテールは「文学も実務も精神は同じである」と主張している。

活力と慎重さ、洗練された知性と実際的な智恵、活動的要素と思索的要素がそれぞれ一つにならなければ、すなわちベーコンが「凝縮された人間性の極致」と呼んだ結合が行なわれなければ、どちらも完成されるものではない。

たとえ豊かな才能に恵まれた作家でも、毎日真剣に実務にたずさわる生活をしていなければ、人間関係や日常のできごとを扱っても人の心を打つ作品は書けないのだ。

このように、現存する名作の多くは実務にたずさわっていた人によって書かれる結果となった。彼らにとって、文学は仕事というよりもむしろ気晴らしだったのである。批評誌『クォータリー・レビュー』の編集長ギフォードは、生活の糧を得るためにものを書くことがどんなに疲れるかを知っていたが、ある時、次のようなことを言っている。

「1日中働いて、ようやく手に入れた文章を書くための1時間は、文学を商売にしている男のまる1日の労働にまさる値打ちがある。この1時間は、まるで鹿が小川の水を飲んで渇きをいやすように、歓喜に満ちて魂をよみがえらせる。文学者のまる1日の労働は、息も絶え絶えにうんざりしながら、必要に迫られて惨めな道を歩いているだけのことなのだ」
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