電脳筆写『 心超臨界 』

歴史とは過去の出来事に対して
人々が合意すると決めた解釈のことである
( ナポレオン・ボナパルト )

こころのチキンスープ 《 やればできるんだ――ロッキー 》

2024-11-02 | 03-自己・信念・努力
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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  何ごとも君しだいだ。
  心からできると信じれば、
  何だって実現できるし、
  できないと思えば、はじめから無理なのだ。
    ヘンリー・フォード


◆やればできるんだ

『こころのチキンスープ』愛の奇跡の物語
( ジャック・キャンフィールド & マーク・V・ハンセン、ダイアモンド社、p166 )

ニューヨーク・ジェッツは、有名なプロフットボールチームだが、中でもディフェンスのマーティー・ライオンズ選手をご存じの方は多いと思う。これは、彼の息子のロッキーが5歳の時の話である。

ある夜、母親ケリーの運転するトラックはアラバマ州の田舎道を走っていた。ロッキーは両足を母親の膝に乗せてぐっすり眠っていた。やがて曲がりくねった道にさしかかったので、ケリーは慎重に運転していた。

ところが狭い橋を渡ろうとしたその時、路面の大きなくぼみにハンドルをとられ、トラックは道からはずれてしまった。しかも右側の前輪が、他の車の残した深い轍にはまった。ケリーは何とかしてもとの位置に戻そうと、すばやくギアーをバックに入れ、アクセルを力いっぱい踏んで、ハンドルを左に切り始めた。でもロッキーが膝の上で寝ていたためハンドルが思うように動かせなかった。

一瞬のうちに、トラックは6メートルの崖を転がり落ちていった。その衝撃でロッキーは目をさまし、驚いて言った。「ママ、どうしたの? タイヤがみんな上を向いてるよ」

ケリーは顔じゅう血だらけで、何も見えなかった。顔にギアがまともにぶつかり、額から口まで大きく切れ、歯は折れ、頬骨も肩の骨も砕けていた。そして脇の下からは骨が飛び出していた。しかも、つぶれたドアにはさまれて動くこともできなかった。

「ぼくがすぐ出してあげるからね。ママ、もうちょっとの辛抱だよ」

奇跡的に、ロッキーはどこにも怪我はなかった母親の身体の下からやっとのことではい出し、壊れた窓から外に出るとありったけの力をふりしぼって、母親を引っ張り出そうとした。

でも、幼いロッキーの力では母親の身体を動かすことはできなかった。

「ママは眠いの。寝かせてちょうだい」。ケリーの意識は薄れかかっていた。

「ママ、寝ちゃダメだよ!」

ロッキーは必死だった。今度はトラックの中から母親を押すと、やっと外にだすことができた。何とかして崖の上の車道に出られれば、走っている車を止めて助けてもらえるとロッキーは考えた。

だが、暗闇の中ではこんな小さな子どもの姿など見えないに違いない。ケリーはロッキーを一人で行かせることはできなかった。

こうして、二人の辛くきびしい崖登りが始まった。体重が20キロにも満たない小さな男の子が、50キロ近くある母親を押し上げながら登っていく。一押しごとに2センチずつ動かすのがやっとだった。ケリーは激痛のあまり、何度も登るのをあきらめようとしたことだろう。

ロッキーは母親を励ました。

「ママ、『ちいさな機関車ティリー』のお話を思い出してよ。あんなに小さいのに、いっしょうけんめいお山を登ったじゃないの」。そして、絵本の主人公がけわしい山をへこたれずに登りながらつぶやくことばを、くり返し母親に言って聞かせた。

「シュッ、シュッ、ゴトゴト! できるさ。やればできるんだ」

二人はとうとう崖を登りきった。車道に出ると、母親の血だらけになった顔が外灯に照らし出された。ロッキーは大声で泣いた。やがて二人は、前方からやって来たトラックの運転手に助けられ、病院へと運ばれた。ケリーは8時間がかりの大手術を受け、344針も縫った。

しかし幸いなことに、今ではその傷跡はほとんど消えている。ロッキーのこの勇敢な行動は、ニュースに取り上げられ、すっかり有名になった。

でもこの無邪気なロッキーには、まわりがなぜそんなに大騒ぎするのかわからなかった。彼はこう言うだけだった。

「はじめっから、あんなことが起きなければよかったんだ。みんな、ぼくがえらいって言うけれど、もしそこにいたら、誰だって同じことをしたと思うよ」

     ミシェール・ボーバ
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