大きな組織をつくれば、必ず左翼が乗っ取る。ここは保守として、しっかり押さえておく必要があります。 . . . 本文を読む
だから東京裁判をつかさどる連中は、心中ひそかに困っていました。そこで、彼らのために東京裁判を合法化してやろうという奇特な人が現われたのです。東京裁判は理に叶(かな)っているという理論を組み立てるという、途方もない曲藝(アクロバット)を演じる道化(ピエロ)の出現です。 . . . 本文を読む
聖徳太子の秀才性と関係あることは小野妹子(おののいもこ)を遣隋使としてご派遣になり、また留学生を送られたことである。太子はまことに日本的秀才であられた。つまり外国文化の優秀性をただちに見抜く力と、その外国の長所は輸入しうるという自信を具えておられたのである。これは、日本人にとってはあまりに当然のことなので、普通は意識にのぼらないことである。しかし、外国の例を考えると、これがまことに日本的稟質(ひんしつ)であり、しかもその原形が、太子によって作られたことが、よくわかるのである。 . . . 本文を読む
今の時代に必要なのは、社会的地位のある教養人の支持だけではない。貧しい人びとの人気も集めなければならない。選挙にはできるだけ多くの票が必要だからである。社会的地位の高い人も金持ちも教養ある人も、票を得るために無知な人の前で平身低頭してみせるのだ。人気を失うぐらいなら、いつでも信念を捨てて不正を働きかねない手合いなのである。 . . . 本文を読む
自主的な人間になるためには、いくつかの常識化してしまった神話を捨て去る必要がある。まず手始めは、知能はどの程度のレベルでの読み書き計算ができ、抽象的な等式が即座に解けるかという能力によって測定されるという考えである。知能をこのようにとらえると、正式な教育を受けることや読書力に優れていることなどが、自己実現を測る確かなものさしだということになる。そうして一種の知的偏重が助長され、ものの見方が歪められる結果が生じた。 . . . 本文を読む
火事になればだれもがあわてる。たいへんな非常事態で、だからなりふりもかまわず、他人の足をふんででも、まず火を消さねばならぬ。物を持ち出さねばならぬ。人の助けもかりねばならぬ。非常の場合には、非常の措置もやむを得ないのである。戦後数年のわが国は、この火事以上の非常事態であった。だから非常のなかの非常の振舞(ふるまい)方や考えが、次々とあらわれてきた。やむを得なかったともいえよう。 . . . 本文を読む
さとりを開いて縁起の真理を体得したシッダッタは、その真理を人々に伝え、しあわせにしたいとの願いを起こします。このことこそ今日までの苦しい修業を支えてくれた、すべての縁に対する報恩に外(ほか)ならないからです。そのとき釈尊の頭に真っ先に浮かんだのが、かつての五人の友です。彼らがシッダッタを堕落者と見限って、別行動を取ったことは前に記しました。 . . . 本文を読む