「記憶力増進の秘訣」とは、覚えたいと思う事柄との間に、いかに多様にして数多い連想の網の目をつくるかということになる。だが、連想の網の目を張りめぐらすとは、結局、その事柄についてできるだけ深く考えるということに尽きるのではないだろうか。 . . . 本文を読む
今から約250年前、グリセリンが天然脂肪から初めて抽出されたころのことだ。グリセリンは当時も医療用に、またダイナマイトをつくるのに使用されていた。しかしそのときのグリセリンは今とは存在の仕方に違うところがあった。どこが違っていたのか? それは当時のグリセリンがけっして結晶にならなかった点である。 . . . 本文を読む
「人間は、集中して夢中になっているときが、一番楽しいんじゃないかな。それが幸せだよね。子供が遊んでいるときの、あの無心な顔は素敵だものね。声をかけても聞こえない、自意識がない感じ。あれが幸せというものなんだね」。父が映画の現場にいるときは、まさにそんな感じであった。 . . . 本文を読む
企業ブランドとは人々がその会社に抱くイメージを決定づける無形の個性である。企業ブランドを磨けば、顧客、従業員、株主すべての価値を高める経営、すなわち「トレードオン(共栄)」の経営が実現するという。その結果、「社員が沸き立つ組織」を構築することができる。では、高い企業ブランドを持つ会社というのは、どういう会社だろうか。 . . . 本文を読む
「精工舎の時計が7時をお知らせいたします」。1953年8月28日、日本テレビの時報と同時にテレビCMが始まる。「広告の神髄は人間の心を読むこと」。CMは、宣伝効果を最大限に高めるため、世の中の流れに敏感になっていった。高度成長が終盤にさしかかった70年の「モーレツからビューティフルへ」、バブル期では「24時間戦えますか」などが有名だ。しかし、テレビ広告需要は90年代をピークにここ数年は頭打ち。この間にネット広告が急成長しているという。 . . . 本文を読む
多くの偉人は、母の影響を強く受けて育っている。たとえば、「ジャック・ウェルチ わが経営」を読むと、20世紀最高の経営者といわれるジャック・ウェルチが子供の頃にどれほど母の影響を受けたかがよくわかる。井上ひさしさんも、母の聡明さと人生を楽しむユーモア精神が、自分の原点となったと語る。 . . . 本文を読む
スルガ銀行の不祥事は、手ぬるい内部調査と行員の処分や再教育、それに偉い人が数人辞めて幕引き、などということで許されていい問題ではありません。これまで不祥事が起こるたびに何度も同じような光景が繰り返されてきましたが、一向に改まる気配がないからです。 . . . 本文を読む
主な誤りの箇所は、グリーンランドを覆う氷が解けて「近い将来に」水面が6メートル上昇するかもしれないというところですが、IPCCはグリーンランドの氷が解けるのに「数千年」かかると報告しています。数千年後には、確かに6メートルになるでしょう。けれど映画を見ている小学生は、すぐ6メートル上がるように思うかもしれないので、そこを注意することです。 . . . 本文を読む
トランプの掲げる政策は、「グローバリズム(国際主義)こそ正義」とされてきたアメリカで、反グローバリズムを公然と掲げ、とりわけ第2次世界大戦後、アメリカという国を陰から支配してきたエスタブリッシュメント(支配階級)層に反旗を翻すものです。エスタブリッシュメント層とは、具体的に言えば、ウォールストリート(世界金融の中心の一つ)に巣くう国際金融資本や、外交、軍事に隠然たる影響力をもつネオコン(ネオコンサバティズム:新保守主義)と呼ばれる勢力などです。 . . . 本文を読む
つまり彼は、自分が日本人であるということにこだわるような、そんなケチなちんまりした小型の人間ではないのだぞ、と、例の間接話法でほのめかしています。さよう、久野収はいかなる国にも属さない独立人(インデペンデント)でありたいと願っているわけです。必要とあれば、自分の理想を実現するためにわが国についての情報をしかるべき国に提供するため、一働(ひとはたら)きも二働(ふたはたら)きもするつもりなので、そういう行為をスパイだなどと考えること自体、日本がオクレテイル証拠なのだという弁じ立てです。 . . . 本文を読む
日本の歴史に「鎖国」はなかった! 海禁政策があったにすぎない。それは最も厳しい出入国管理令の一つと考えればよい。日本人の心は外に開かれていた。燃えるような精神力をもって、遠いヨーロッパの最果てまでを見つめていた。あの時代には自己を守ることが日本にとって最高度の攻撃であったからだ!そして、それは今の日本人にとっても同じ重さをもって受け継がれねばならない貴重な精神態度の一つであるといっても恐らく過言ではないであろう。 . . . 本文を読む
大化改新は大宝律令(701年)、それを改修した養老律令(718年)によって、一応、その論理的帰結に至ったと見られる。今伝わっているのは養老律令のほうであるが、内容においては両者の相違はほとんどないと言われているので、「大宝以来の律令国家」などと言ってもよいであろう。そしてここで指摘しておきたいことは、日本においては、この大宝律令が明治18年(1885)に内閣制度ができるまで、実に約1200年間というもの生命を保っていたのである。 . . . 本文を読む
昭和5年から終戦まで陸軍が私権力を行使したのである。陸軍省は三宅坂にあったのでこれを三宅坂幕府と呼ぼう。統帥権干犯(とうすいけんかんぱん)という屁理屈(へりくつ)を押し出して、陸海軍は内閣の決定に従う必要のない、内閣から独立した存在であると言い立てたのであるから、実質的には国家運営方式からの離脱を意味する。政党政治に対する宣戦布告ではないか。 . . . 本文を読む
偉大な人物はそのほとんどが明朗で、人気や財産や権力を望まず、現状に満足し、人生をエンジョイし、喜ばしいことを敏感に感じとっている。彼らは、いつも忙しく働き、しかもどの仕事にも喜びを感じているために陽気で幸せである。 . . . 本文を読む