ラマ教は、たしかにインドで成立したものだが、仏教というよりも、いわゆる左道密教なのである。左道というのは、邪道という意だが、インド仏教の衰亡期の寸前にあらわれた派で、人間の欲望を積極的に肯定し、性交を密教原理の具象的あらわれとし、かつ秘儀とするものであった。これがインドから北上して8世紀のチベット高原に入り、9世紀以後、定着した。 . . . 本文を読む
「ダ・ヴィンチはしゃれっ気のある人物でした。〈モナ・リザ〉とダ・ヴィンチの自画像とをコンピューターで解析すると、ふたつの顔には驚くべき類似点が認められます。ダ・ヴィンチの意図がなんであったにせよ、〈モナ・リザ〉は男性とも女性とも言いきれません。両性を備えたかのような微妙な趣があるんです。男女の融合というか」 . . . 本文を読む
プラトンが言いたいのは平たく言えばこういうことです。「おかしいじゃないか。リンゴはどれを見たって全部違う。なのに、どれを見たって全部違うリンゴを同じリンゴと言っている以上、そこにはすべてのリンゴを包括するものがなきゃいけない」。この包括する概念を彼は「イデア」と定義したのです。 . . . 本文を読む
昔の旧制高校生が愛唱した「デカンショ節(ぶし)」に、「孔子・孟子を読んではみたが、酒は飲むなと書いてない」という文句がある。はじめは勝手ないいぐさだと思ったが、のちに『論語』や『孟子』を読むと、確かに飲酒を禁じた言葉は見られない。「乱に及ばなければ」よいとは、酒飲みにはうれしい味方である。 . . . 本文を読む
「処々」は、ところどころ、ではなく、随処です。随処は時間空間を超えて、どこでも、いつでも、いたるところ、という意味です。随処ですべての存在が真理の当体そのものであるということ。随処に真理の当体が現れているということです。これは大乗仏教の思想で、法華経では「諸法実相(しょほうじっそう)」と言っています。 . . . 本文を読む
大脳生理学者であるカール・プリブラムは、「21世紀には科学(science)と精神(spirit)は一つになる」といいます。300年以上前には、物質と精神は別のものとは考えていませんでした。したがって、ガリレオの宗教裁判に見るように、科学は宗教による弾圧を受けました。それを救ったのが、デカルトの「物心二元論」です。そのお陰で近代科学はめざましい発展を遂げました。そうした科学の発展がいま、宗教と科学の融合を解き明かそうとしています。 . . . 本文を読む
この残虐さはロシア民族のせいではなく、共産主義というイデオロギーからくるものである。共産革命の起こったところは、人種に関係なく大量の処刑が行なわれるのが常である。戦後の例でも毛沢東の中国の革命、さらに同じ人間によって行なわれた文化革命など、その犠牲者の単位は100万ではなく、1000万になるらしい。ヴェトナムを見ても同じことである。
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戦争は負けたら終わりだという人がいます。違います。負けたときからが本番です。負けてもなお、ウチの国は正しかったと言い続けるのが国際法学者の仕事です。だから、「負けたのだから潔く受け入れよう」ではダメなのです。力関係で国際社会を認めさせられないのは仕方ないにしても、国際法学者は全世界を敵に回してでも、自国の正当性をいわなければなりません。 . . . 本文を読む
本人は悩んだという。苦力の実態を正しく書けば袋叩きに遭う。ヒットした南京大虐殺も改めて政治デマだったことも察しがついてきた。今度もまたウソを書かされるのか。彼女はある朝、車でドライブに出て、道端で拳銃自殺した。デマを強いる大国の前で、彼女はあまりに非力だった。アイリス・チャンは支那人としては珍しく良心があった。
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情報化社会になり、スマートフォンで自ら情報を確認できるのに、マスコミの報道に簡単に踊らされてしまう人がいます。いまだに福島の甲状腺がんに関するデマ情報を信じ込んでいる人もたくさんいます。甲状腺がんは極めて進行の遅いがんで、一生がんであることを知らずに亡くなる人も多い病気です。大半の人が放置していて、それでも何の問題も起こっていません。ところが、どうやら福島では子供たちに甲状腺がんの過剰検診を進める勢力がいるのです。 . . . 本文を読む
小泉純一郎内閣当時の有識者会議は平成17年、旧皇族の皇室復帰について明確な根拠もなく「国民の理解が得られない」と排除する報告書を出していた。つい数年前まで、旧宮家子孫の皇族復帰について「グロテスク」とまで言い放つ政府高官がいたことを思うと、隔世の感がある。17年前の有識者会議の報告書の旧宮家「排除の論理」は、一読してごまかしが目立つ。 . . . 本文を読む
第二次世界大戦においてアメリカとソ連は「正義の国」であり、日本は侵略を行った「悪い国」だとされてきた。だが、「ソ連、共産主義勢力の方が問題だったのではないか」という方向で近現代史見直しが進んでいるのだ。その背景には、2つの大きな要因がある。一つは、ソ連の解体と中・東欧諸国の「民主化」だ。もう一つの原因は、第二次世界大戦から50年を経た95年を契機として、欧米諸国が戦時中の、ソ連・国際共産主義の秘密工作に関する機密文書を公開したことだ。 . . . 本文を読む
米国の大学の状況は、ヘルメットを被った学生のアジ演説や立て看板はないものの、キャンパスの雰囲気は日本の半世紀前に酷似している。愛国的な発言は一切許されない空気が蔓延(まんえん)し、保守思想の学生は黙り込まないと、狂信的学生に危害を加えられる。日本の学生闘争は、本物のあるいは本物に近い共産主義思想にかぶれた学生が主体であった。彼らは、真剣にマルクスやレーニンの著作を読み漁(あさ)り、『毛沢東語録』を手にしていた。21世紀の米国の大学で蔓延するのは、文化マルクス主義である。
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米国政府が8年もかけて実施したドイツと日本の戦争犯罪再調査の結果(11月27日付朝刊既報)は、日本にとって慰安婦問題での貴重な教訓を与えた。まずはこの問題での国際的な日本糾弾が虚構であること、その日本糾弾の真の主役が中国系勢力であること、そして日本が次世代の国民のためにも冤罪(えんざい)を晴らす対外発信を欠かせないこと、などだといえる。 . . . 本文を読む