電脳筆写『 心超臨界 』

嫉妬のナイフは詳細を極めて研ぎ澄まされる
( ルース・レンデル )

不都合な真実 《 実現しなかった現職外交官の語学試験――佐藤優 》

2024-07-08 | 05-真相・背景・経緯
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メディアが日本の外交官に対していくら「尊大だ」「国民の感覚とずれている」と批判したところで、あの人たちは屁とも思わないでしょう。でも「語学ができない」と指摘すれば、本気で怒るのではないか。外交官として使い物にならないと告げているのに等しいからです。人間は真実を指摘されると激怒するものですが、日本の国益に比べたら、外務官僚の歪(ゆが)んだ自尊心などとるに足らない。


◆実現しなかった現職外交官の語学試験――佐藤優

『賢慮(けんりょ)の世界史』
( 佐藤優&岡部伸、PHP研究所 (2021/3/17)、p174 )

国民のインテリジェンス能力を測るうえで、語学がその基礎に当たるのはいうまでもありません。ところが近年、日本の外務省の語学力が急速に落ちています。

たとえば2020年1月、モスクワ郊外の大統領公邸で行なわれた北村滋(国家安全保障局長)・プーチン会談における日本側の通訳のロシア語は、あまり上手ではなかった。あえて日本語で訳すと、「あんがとさん、今回は接見してくださって」とでもいうような言葉遣いでした。キャリア官僚の語学力が著しく低下した結果、通訳を担当するノンキャリアの誤訳や不適切な表現もチェックできなくなってしまった。

外務省の語学力低下の原因は、2001年度を最後にいわゆる外交官試験を廃止(国家公務員採用総合職試験に統合)したことが大きいと私は見ています。この問題について2014年9月、外務副大臣に就任した外務省出身の城内実(きうちみのる)さんから電話で相談を受けたことがあります。

私は韓国の外交部(日本の外務省に相当)に倣って3年に1度、語学試験を課す制度を提案しました。具体的には、テストで一定の成績をクリアしないと昇進もできず、在外公館にも出られないようにする。対象は課長級までの外交官のみとし、幹部クラスの指定職は外す。さもないと、省を挙げての反対が目に見えていたからです。

それでも案の定、省内の猛抵抗に遭って現職外交官に対する語学試験は実現しなかった。その代わり、国家公務員採用総合職試験の合格者を外務省に入れるにあたって、TOEFL iBTのスコアを申請させることになりました。

外務省が望むレベルは100点以上ですが、基準をクリアする人は3分の1程度しかいないのが実態です。外交官の英語力は落ちていると考えるほかなく、危機的な状況です。

メディアが日本の外交官に対していくら「尊大だ」「国民の感覚とずれている」と批判したところで、あの人たちは屁とも思わないでしょう。でも「語学ができない」と指摘すれば、本気で怒るのではないか。外交官として使い物にならないと告げているのに等しいからです。人間は真実を指摘されると激怒するものですが、日本の国益に比べたら、外務官僚の歪(ゆが)んだ自尊心などとるに足らない。
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