電脳筆写『 心超臨界 』

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( ブリガム・ヤング )

天正17年(1589)5月20日には聚楽第で「金配り」を行った――渡部昇一

2024-05-06 | 04-歴史・文化・社会
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このとき秀吉は「多くの金銀を積むも、用いざれば瓦や石に同じ」だと言っている。だからみんなに分けて、その家をにぎやかにしてやろうということである。この頃の秀吉は輝いていた。


◆天正17年(1589)5月20日には聚楽第で「金配り」を行った

『戦乱と文化の興隆』渡部昇一「日本の歴史」(3)戦国篇
( 渡部昇一、ワック (2010/09)、p124 )

「金銀も用いざれば瓦や石に同じ」

天正15年(1587)、北野の大茶会が催(もよお)された(北野大茶(きたのおおちゃ)の湯(ゆ))。東山時代に足利義政が四畳半を考案し、「わび茶」を広めたが、秀吉の場合はその逆で、国民とともに華やかに茶の湯を楽しんだ。

公家、諸大名、茶人に茶会開催の案内状を出しただけでなく、洛中・奈良・堺に高札(こうさつ)を立て、「貴賎富貧に関係なし。町人であろうが百姓であろうが若党であろうが、釜一つ、釣瓶(つるべ)ひとつ、呑物一つ、茶道具がなければかわりになるものを持ってくればいいから誰でも参加せよ。自分もこれまで集めた名品を飾る」と参加を呼びかけた。話を聞いて田舎から出てきた者もいたという。

組み立て式の黄金の茶室を持ち込んで秀吉自らお茶を立て、当代きっての茶人である千利休(せんのりきゅう)、津田宗及(つだそうきゅう)、今井宗久(いまいそうきゅう)も茶を立てた。茶屋の数は1千5百あったと言われている。

こんなことをした者はそれまでいなかったわけで、当時の民衆がいかに喜んだか。いい意味の文化革命だったろう。この年に九州が平定されたのもきっかけだった。京都に平和が戻った象徴としての派手な行事としては信長のときは馬揃(うまぞろ)えがあったが、この北野の大茶会は平和的な大事件だった。誰でも彼でも集まってワッショイワッショイ騒ぐという習慣はこのとき始まったのではないだろうか。のちの江戸の花見の起源もここにあるのではないかと思われる。

また、秀吉は金銀をバラまいた。初めて大判の鋳造を行った秀吉は「黄金大名」と呼ばれたが、太田牛一(おおたぎゅういち)による伝記にも、「秀吉公出生以来、日本国に金銀山野に湧(わ)き出(いで)」とある。この頃は金銀の産出がものすごく多かった。秀吉は信長と同じく金山銀山に奉行を置いた。ほかの大名の所領でもかまわない。たとえば石見(いわみ)銀山は毛利家の領地にあるが、代官は毛利家と秀吉の両方でつかさどる。こうして、昔は金を見ることができなかった田夫野人(でんぷやじん=教養のない田舎者)も金を扱うようになった。

天正17年(1589)5月20日には聚楽第(じゅらくだい)で「金配り」を行った。2町(約2百メートル)にわたって金銀を台に積み、大名や公家に大判小判をどんどん配った。皇弟(天皇の弟)と信雄と家康には金1千両・銀1万貫、秀長に金3千両・銀2万貫、秀次には金3千両・銀1万貫、という具合で、配った金銀は総計36万5千両に達したという。このとき秀吉は「多くの金銀を積むも、用いざれば瓦や石に同じ」だと言っている。だからみんなに分けて、その家をにぎやかにしてやろうということである。この頃の秀吉は輝いていた。
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