半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

NHKの解説スタジアム+勉強する意味

2015年09月03日 | 自分の時間
「知的格闘をもってでしか解決出来ない問題がある」

以前、読んだ本に書いてあった言葉で、このブログでも紹介したことがあります。

教育界では有名な国語教師「大村はまさん」とその教え子で大人になってから教授になった苅谷さんが、対談しながら「教えること」について、語り合っている面白い本でした。

その本の確か最後の方に、苅谷さんが書いていた勉強する目的について、書いていた言葉が、冒頭の言葉でした。

勉強する目的なんていうものは、自分を高めるためとか、世の中をよりよく理解するため、とか、本などから色々な知識や歴史を学んだりすることで人生を充実させるため、とか色々あるかと思いますが、心底、「これだ」と思ったものはありませんでした。

ただ、この「知的格闘をもってでしか解決出来ない問題がある」という言葉は「なるほど」と思わせるものでした。

原発事故以降、知り合いの知り合いに自費で野菜を送ったり、会社を辞めて放射能勉強会というのを開催してみたり、色々やってきましたが、結局、行き着いたところは「もっともっと勉強しなくてはならない」ということでした。

勉強しないと、世の中のことを学ばないと、議論も出来ない、問題さえ把握できない、問題の本質を見極める力が無ければ、どういったことをすれば良いか、といったことも浮かばない。

非力だと限界があり、どうにもならない。

ということで、とにかく、「大人こそ勉強すること」が大切だと思い、こつこつ勉強をしようと思ったのでした。


ここ数年は「経済格差問題」が深刻になってきていると思うし(経済的に標準以上の方、資産を持っている方はこの問題を体で感じられないからわからないと思いますが)、安保関連法案では安部さんのやり方に批判が集まってはいるものの、憲法9条改訂反対、といった声だけでは代替案ではないと思ってきましたし、果たして日本に軍隊を正式に認める必要があるのか?といったところも、個人の立場では反対だけど、自分が政治家だったら深く議論出来るほど自分が学び切れていないと思っていました。

その他に、体を壊してからは西洋医学に対する東洋医学、食べ物と体の関係ことを勉強して「なんで、こんな偏った情報しか広がらないのだろう?」とその社会構造に疑問をもったり。

普通に生きていると「世の中の既成事実とされたものに基づいた情報」しか入ってこないわけですから、1つ1つ自分で本当の事は何かを考えて探していかないと、世の中が分かってこないわけですよね。


そんな中、8月15日の深夜に放送されたNHKの「解説スタジアムスペシャル 戦後70年 日本の針路を考える」はとっても刺激になりました。

2時間と長かったので、録画を見たのですが、本当に無茶苦茶面白かった

NHKの各分野の解説員が集まって、自分の専門分野の知識を交えながら討論する番組なのですが、さすが知識も抱負、短く要点をまとめる話し方も上手く、民間の白熱あって中身なしの討論番組とは違って、無茶苦茶中身もありました。

特に第一部の「平和国家を考える」では、審議中の安保関連法案や今後の日本の役割など色々な意見が飛び交ったのですが、まず、中国・東アジア担当、ロシア担当、教育・沖縄・被爆者担当、アメリカ・東南アジア・テロ担当、といったNHKの各担当の割り振り方がわかって、「NHKってこういう割り振りでものをみているのか」ということがわかって面白い。


そして、例えばロシア担当からは「ロシアは日本をバランサー、つまりアメリカや欧米諸国との仲介者となりうると見ている。その上で経済発展成功国としても見ている。今後10年でロシアと中国が力を持ったときに、日本は特有のポジションを認識して、うまく世界の橋渡しをするべき」とか、中国担当からは、「最近、中国は東南アジア情勢問題に刺激を与えすぎているが、日本は中国と軍事で張り合おうとしては、それはいけない。またODAでも金出し競走というので張り合ってもいけない。お互いに刺激を与えすぎないように、外交で手を繋いでやっていくしかない。日本は今の延長でアメリカ寄りという立場を強くとりすぎるのではなく、アメリカや国連などの間に入って橋渡しになることもできる」など、その担当ならではの意見が飛び交っていました。

どれも「なるほどな~」と思わせる発言でした。

テーマが「平和国家として何を目指すか?」ということもあったのですが、実際的な「積極的平和外交」というのがとてもわかりやすくイメージできました。さすがNHKのキャリアを積んできた解説員でした。

憲法9条反対、平和国家である日本らしく外交で、といったスローガンだけでは、具体的な解決策にならないと思います。

一番危険なのは、こういった「さも正しいと思える単純かした言葉」を唱えることで思考停止をしてしまうと、いざ、具体的に論理的に感情的に説得されたら、すぐにひっくり返されてしまうと思うのです。

今回の解説員からの話しを聞いて、世界における日本の立場を考えると
・かつて欧米諸国以外の全世界が植民地支配されていった中で、独立を守れた国
・欧米諸国に負けじと、富国強兵で植民地支配をしたこともある国
・植民地支配をしたけれでも、一方で、欧米のように現地人を奴隷、動物として扱わず、国によっては「神様」とあがめられるほど、人道的な足跡を残した国
・「有色人種」と言われている国が、「白人」と言われている国に戦争をすることで、「有色人種」と言われ奴隷に甘んじていた国の人たちが独立を目指す勇気を与えたことがある国
・同じアジアの国々を支配下に置き、戦争にも巻き込んだことがある国
・戦争に負け、7年間、占領されていた国
・戦後、急速な経済発展で「奇跡のモデル」として注目を浴びた国
・アメリカと同盟を結び、アメリカの飼い犬とみられている国
・夢のエネルギー「原子力」を追い求め、大惨事を引き起こした国
・湾岸戦争で135億ドルを出したのにも関わらず、人を出さなかったために「感謝の言葉」さえももらえなかった国
・PKO活動で、多少なりとも評価をもらえるようになった国
・かつて支配したことがある中国や韓国から国境問題、戦後問題などで執拗に攻撃を受けている国
・ODAや復興支援で世界的評価をもらっている国
・2005年の日米同盟再評価で、アメリカに守られるだけでなく、一緒に国際平和活動をすることを確認した国
・憲法改定を本当はしたい、すべきと思っている安部さんが首相を擁する国
・超高齢化社会に突入し、経済力も低下し、「経済優先後」のことを模索している国
・世界中がアニメに注目し、「ジブリ」「トトロ」を知らない若者は先進国ではいない、というぐらいアニメが知られている国
・富士山、日本食など世界遺産に登録され、観光大国への道が開けている国
・平和国家として立ち振る舞いをいかようにも選択できる国

などなど。

歴史問題、国家のイデオロギー問題、経済問題など色々ありますが、解説員のように色々な立場の考えを持てるようになると、複視眼的に日本の立ち居地を見れるようになるし、そうすると面白いな~と思います。


そして、政治家にならなくても、市民という立場でも、これからの生き方として「THINK GLOBAL、 ACT LOCAL」が大切なスローガン、行動指針だと思っているので、世の中を知り、自分はどう在りたいのか、どう行動していくべきなのか、を深めていくために、「一生勉強」だと思います。


こんなことを子ども達、青年達にも伝えるために

「知的格闘をもってでしか解決出来ない問題がある」

というフレーズは、勉強する意味を伝えるのに、とてもインパクトがあると思います。















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