昨年の話ですが、有機農産物の老舗宅配会社「らでぃっしゅぼーや」の立ち上げメンバーだった方のお話で、「これから有機JASを流通が本気で売っていくかもしれない。特にイオンからも相談が来ているので、イオンが本気になれば、他も動かざるを得ない状況になると予想できる」という話がありました。
「へ~」と思いましたし、「イオンがどのぐらい本気なのかな?」とも思いました。
第二次世界大戦後、余った火薬や毒ガスなど化学兵器が、それぞれ化学肥料、農薬となって世界中にばらまかれました。
そして、アメリカの「レイチェル・カーソン」が書いた「沈黙の春」が世界的に大ベストセラーとなり、この本をきっかけに、有機農業運動というものが世界中で同時多発的に始まりました。
化学物質中心の、つまり無機の、そういった農業ではなく、戦前の生きるものが生態系の中で繋がり合いながらお互いに生きていける環境に戻そうよ、という考え方の農業です。
日本でも1970年代に「有機農業研究会」が立ち上がりましたし、世界救世教のMOAなど、有機農業が「化学物質主体の近代農業」に対抗するものとして、地道に広がっていきました。
しかし、90年代までは、農業はいわゆる「3k」と言われる業種に見られ、有機農業という言葉は、今でいえば「オカルトの世界」としてみなされていました。
何でもそうですよね。
今は「ヨガ」といって怪しい感じを受ける人はいませんが、90年代ぐらいまでは「インドかそっちの怪しい宗教の修行法」というイメージでした。
「ベジタリアン」というのも同じで、「肉食わないって何かの宗教?」と一般的に思われていました。
更にその先を行く「ビーガン」なんていう言葉は、「ベジタリアンはわかるけど、ビーガンまでいっちゃうともう怪しいよね」というのが一般的だったと思いますが、今や「ビーガン」は都会の人の「おしゃれなライフスタイル」みたいになってしまいました。
同じように、西欧から「オーガニック食材を日本に輸出したいのに、日本にはその規格が無いじゃないか」という「外圧」で、「有機JAS法」が2000年に入ってから成立しました。
そこからジワリジワリと「有機農業」という言葉が広がっていきました。
とはいえ、「有機JAS認定」をされた農産物だけを「有機農産物」として国は認める、となったので、その認証の手間などを考えると、30年も前から無農薬無化学肥料でやっている農家は「認証などやってられない」と、今でも生協など、「自主基準」として無農薬野菜を販売しているところが多々です。
有機JAS認証を取れるのは、いわば「経営体」としている所なので、必然的に経営効率が考えらえるハウス屋さんが中心になり、流通している有機JAS認証の有機農産物は、水菜、小松菜、ベビーリーフといった葉物が中心になっています。
ということで、市場の3%ぐらいしかない、と言われている有機農産物ですが、それが、「イオンが本格的にこの5年、先行投資で広げていくことにした」という話を昨年聞いたのです。
その事を先週思い出す機会がありました。
それは、「千葉県有機農業推進課」?なるところから、県下の無農薬で野菜を作っている団体にファックスで「イオンが説明会をするから、是非話だけでも聞きに来てくれ」という案内が来たのです。
例えば、セブンイレブンが行政と組んで人手不足を解決するために、「シルバー人材雇用制度」を広げています。
これは、行政が「高齢者の働き場所」として、人材採用や育成のシステムが揃っているセブンイレブンと組んで広げているものです。
成田市の「広報なりた」という行政の発行している冊子に、堂々と「セブンイレブンの人材募集」が載っているのを見て、最初はびっくりしたことを思い出します。
それと同様に、イオンが県と組んで「有機JAS認証を取得してイオンに卸してくれる農業団体を募集」し始めるのです。
昨年は「イオンが有機認証農産物を広げていく」という話を講演で聞いただけですが、今回は「千葉県が通達」を送ってきたわけです。
イオンは本気なのでしょうか?
有機JAS認証の一番良い所は、売る側が売りやすく、買う側も買いやすい、という所です。
一方、生産の現場で言えば、有機JASでなくても「無農薬野菜」というのは今は需要が少しずつ増えていて、どちらかというと「生産<需要」となっているので、あえてとらなくても良いというのがあります。
しかも高齢化で、今更70歳の農家さんが認証制度をとって、毎日シールを管理して、とかは手間なのです。
さてさて、イオンが本気になっていくのか?そして有機JASが日本で広がるきっかけになるのでしょうか?
「へ~」と思いましたし、「イオンがどのぐらい本気なのかな?」とも思いました。
第二次世界大戦後、余った火薬や毒ガスなど化学兵器が、それぞれ化学肥料、農薬となって世界中にばらまかれました。
そして、アメリカの「レイチェル・カーソン」が書いた「沈黙の春」が世界的に大ベストセラーとなり、この本をきっかけに、有機農業運動というものが世界中で同時多発的に始まりました。
化学物質中心の、つまり無機の、そういった農業ではなく、戦前の生きるものが生態系の中で繋がり合いながらお互いに生きていける環境に戻そうよ、という考え方の農業です。
日本でも1970年代に「有機農業研究会」が立ち上がりましたし、世界救世教のMOAなど、有機農業が「化学物質主体の近代農業」に対抗するものとして、地道に広がっていきました。
しかし、90年代までは、農業はいわゆる「3k」と言われる業種に見られ、有機農業という言葉は、今でいえば「オカルトの世界」としてみなされていました。
何でもそうですよね。
今は「ヨガ」といって怪しい感じを受ける人はいませんが、90年代ぐらいまでは「インドかそっちの怪しい宗教の修行法」というイメージでした。
「ベジタリアン」というのも同じで、「肉食わないって何かの宗教?」と一般的に思われていました。
更にその先を行く「ビーガン」なんていう言葉は、「ベジタリアンはわかるけど、ビーガンまでいっちゃうともう怪しいよね」というのが一般的だったと思いますが、今や「ビーガン」は都会の人の「おしゃれなライフスタイル」みたいになってしまいました。
同じように、西欧から「オーガニック食材を日本に輸出したいのに、日本にはその規格が無いじゃないか」という「外圧」で、「有機JAS法」が2000年に入ってから成立しました。
そこからジワリジワリと「有機農業」という言葉が広がっていきました。
とはいえ、「有機JAS認定」をされた農産物だけを「有機農産物」として国は認める、となったので、その認証の手間などを考えると、30年も前から無農薬無化学肥料でやっている農家は「認証などやってられない」と、今でも生協など、「自主基準」として無農薬野菜を販売しているところが多々です。
有機JAS認証を取れるのは、いわば「経営体」としている所なので、必然的に経営効率が考えらえるハウス屋さんが中心になり、流通している有機JAS認証の有機農産物は、水菜、小松菜、ベビーリーフといった葉物が中心になっています。
ということで、市場の3%ぐらいしかない、と言われている有機農産物ですが、それが、「イオンが本格的にこの5年、先行投資で広げていくことにした」という話を昨年聞いたのです。
その事を先週思い出す機会がありました。
それは、「千葉県有機農業推進課」?なるところから、県下の無農薬で野菜を作っている団体にファックスで「イオンが説明会をするから、是非話だけでも聞きに来てくれ」という案内が来たのです。
例えば、セブンイレブンが行政と組んで人手不足を解決するために、「シルバー人材雇用制度」を広げています。
これは、行政が「高齢者の働き場所」として、人材採用や育成のシステムが揃っているセブンイレブンと組んで広げているものです。
成田市の「広報なりた」という行政の発行している冊子に、堂々と「セブンイレブンの人材募集」が載っているのを見て、最初はびっくりしたことを思い出します。
それと同様に、イオンが県と組んで「有機JAS認証を取得してイオンに卸してくれる農業団体を募集」し始めるのです。
昨年は「イオンが有機認証農産物を広げていく」という話を講演で聞いただけですが、今回は「千葉県が通達」を送ってきたわけです。
イオンは本気なのでしょうか?
有機JAS認証の一番良い所は、売る側が売りやすく、買う側も買いやすい、という所です。
一方、生産の現場で言えば、有機JASでなくても「無農薬野菜」というのは今は需要が少しずつ増えていて、どちらかというと「生産<需要」となっているので、あえてとらなくても良いというのがあります。
しかも高齢化で、今更70歳の農家さんが認証制度をとって、毎日シールを管理して、とかは手間なのです。
さてさて、イオンが本気になっていくのか?そして有機JASが日本で広がるきっかけになるのでしょうか?