あっという間に今年も残りわずかになりました。
今年は未曽有の災害を千葉県が襲いました。
街に住んでいる私たちはもう忘れているかもしれませんが、未だに農村地区では屋根瓦をブルーシートで補修したままの家が沢山あります。
また、私は今も毎週、ビニールハウスの解体を手伝っています。裏道では倒れた木をチェーンソーで切って道は開通したものの、雨の日などはその木が山の斜面から落ちてきそうで怖いところもあります。
農作物は長梅雨で根をやられ、台風で風や雨の被害を受け、さらに台風後は過去に無いほど雨が降り続け、光合成が出来ず、根は傷み、畑が乾きません。
「大豆は例年の1/3以下の収量で、こんな不作は初めてだ」と言っている農家もいますし、70歳を超す農家さんも「さつま芋がこんなに虫食いにあったのは初めてだ」とか、「落花生が例年の収量の半分だ」と言ったり、葉物も育たず「秋はまともな年が無いから縮小して春の作付けを増やすしかないな」と言っている農家もいます。
農家人生で「これほど酷い年は初めてだ」と皆が口をそろえて言うほど、千葉県の農家は苦難の年でした。
そんな災害が多発した令和元年が終わろうとしています。
私であれば、2011年の原発事故をきっかけに「農村への架け橋を作る」ために「みんなの農村ネットワーク」を立ち上げて9年目に入りました。
コツコツと続けてきたおかげで、ご縁がある皆様に支えられて今年も無事に仕事が出来ました。有難いですね~。
そして今も感じますが、農業に対する世の中が大きく変わったな~とも思います
まず、私が農村にあこがれを抱き、東京からこちらに戻ってきた時と比べて、その「農村志向」は加速度を増し、未だに都市生活の限界を感じて農村に足を向ける若者の数が増え続けています。
一方で、成田という田舎なのに「勉強熱」が加速度を増していて、小中学生の塾熱も加速度を増しています。
今の若者にとって、会社は「永久就職の場」ではなくなっていていますが、キャリアアップを目指す子は転職を前提に、また中には起業をする子もいます。
中には昔以上に「公務員志望」も増えています。
その中でごく一部、最初から第一次産業に関心をもって農大に進んだり、農家を目指す子もいます。
20年ぐらい前までは「農家は3Kの代表格」でしたが、今はとても良いイメージがあります。
ただ、実際は「あこがれ」であって「仕事とは何なのか?」をわかっていない若者が多いので、離農する子がほとんどですが。
また、正社員が当たり前の時代から非正規雇用が増えていますし、貧富の差が大きくなってきています。
そこをどう考えるか、なのですが、塾に行かせ勉強して大会社を目指させても、結局、根付く力が無い若者は簡単にやめてしまいますし、農村にあこがれを抱いても同様です。
学校の勉強も知的格闘をする頭をする良いトレーニングの場ですが、小さい頃から自然が好きで土にまみれて育ち、学校の勉強はさておき勢いがあって生命力がある、あるいは、お天道様の下で仕事をするのが好きな若者を育てることも大事だよな~とも思います。
そんなことを思うと、「自分の人生を定める力」と「根付く力」というのが大切ではないか、と考えています。
その一助になれるよう、これからも自然の有難み、農家さんとのご縁をみなさまに繋げられるよう努力して参ります。
来年も応援のほど、どうぞ宜しくお願い致します