半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

農村生活学会

2024年09月30日 | 自分の時間

日曜日、千葉大園芸学部に行ってきました

私は昔、千葉大生だったのですが、園芸学部は松戸にあり、一度も行った事がありませんでした。山の中というか緑の中で、良く言えば緑豊かな場所にありますが、駅からは徒歩圏内。「面白い所に作ってあるな~」と思いながらキャンパスへ足を始めて踏み入れてきました

で、なんで行ったかと言うと、「会ってみたい人」がいたからです。

前置きとなりますが、来年の「食と命の教室」に千葉大学園芸学部の2年生が「授業で食と命の教室の事を知って」申し込んできました。

今年も大学生が参加しているので、珍しいけど別にビックリする事ではないです。ただ、「大学の授業で『食と命の教室』が紹介されたので」という話だったのです。


 「ん?千葉大の園芸学部でなんで教室が紹介されているんですか?」と尋ねてみたところ、高柳さんの知り合いで、農村の暮らしを研究しているIさんという方が園芸学部の非常勤講師をしていて、その授業で「食と命の教室」の事を話題に挙げたそうなのです。


 「園芸学部の講師をしている方が『食と命の教室』の事を学生さんに紹介してくれた」。なんなのかわかりませんが、Iさん、お名前は高柳さんから聞いていたので、がぜん、何者なのか興味がわいて「会ってみたい」と思ったのです。

で、昨日が「食と命の教室」の開催日だったので、高柳さんに聞いてみたら「そのIさんからの依頼で、明日、なにかのシンポジウムのコメンテーターに呼ばれているんだ」とのこと。これはIさんに会えるチャンスと思い、「一緒に参加していいですか?」と、シンポジウムに私も参加する事になったのです。


 その開催場所が千葉大の松戸にある園芸学部でした。行ってみると、かなりマイノリティーの小さな学会だそうですが、「農村生活」を研究している学会の大会だったのです。こんな学会があるんですね

 個人的に柳田邦夫、宮本常一といった民族学はとても面白くて好きなのですが、学会で農村生活を分析したり議論をする人がいるなんて、農村コーディネーターの私としては「お~、それは面白そうだ」と関心が深まりました。

お会いしたIさんは特に学者といったお堅い方ではなく、とても気さくな方でした。その方コーディネーターとなって、小分化会が開催され、そこの1コメンテーターとして高柳さんも出席。

 こまかい話は割愛しますが、初の松戸キャンパス、初の農業関係の学会など、初体験が多く、色々勉強になりました

 それにしても「農村生活」で講義が出来るなんて、私もいつかやってみたい

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6人から3人へ「食と命の教室」

2024年09月28日 | 農的体験・生活

土曜日は「食と命の教室」。しかし、参加者が10名と少なめ、と思っていたら、ぎっくり腰、体調不良、そして仕事が重なったということで、なんと参加者が6名とこじんまりの開催となりました。

今年の参加者は忙しい方が多く、参加率は結構低いのです。そして、全員が集まったことが今まで1度も無いという年で、本当に年によって参加者の傾向は変わりますよね~。

さて、午前中はお米騒動の話やら色々話をした後、外でお散歩。

まずは枝豆見学。枝豆といっても12月に収穫する大豆の早採りをするもので、10月に収穫するというお話をすると、大体の方が「知りませんでした」とびっくり。

ほんと、私も昔知った時はびっくりしましたが、なんでも晩生の方が美味しいのです。夏の枝豆とは格が違いますよ~ということで、枝豆は来月までお預け。

次はゴマ。

9月は毎年ヒマワリとゴマを油絞り用に収穫して選別作業をするのですが、今年は壊滅

しかし、ハウスで去年のこぼれ種から出たゴマは生えていたので、先月に続き今月も見学。

今月はもう枯れあがって中身が十分入っています

鞘を逆さにすると、サーっと出てくるのがゴマ。国産のゴマは貴重ですよ~。

そして本題。今月は「お米の機械の見学」です。

お米を作るために「田んぼを作る」事が事前に必要で、耕すトラクター、田植え機で1000万とのこと

特にこの田植え機は紙マルチを張りながら田植えをする特殊なものなので、最近は値段もあがり400万もするでそうです

すくすく育ったお米は秋に収穫するのですが、収穫し脱穀するのがコンバイン、そのあとに倉庫に持ち込まれます。放っておくと生きているので熱を発して萌えたりかびたりするので、乾燥機で水分率15%まで乾燥します。高柳さんのお話だと、1%下げるのに2時間かかるそう。なので刈り取り時に20%だとすると、5%下げないといけないので10時間ほど乾燥させるわけです。電気代もかかりますね~。

そのあと、もみすり機、石取り機、米粒の大きさをそろえる網を通し、ようやく30㎏袋に玄米として保管できます。これを注文がある度に精米したりして、色彩選別機という色がついている米粒を弾き飛ばして見た目が良いお米にそろえて出荷です。トータルで機械代は2000万ぐらい必要。だから「大型化」にしないと稲作はもう採算が合わない時代になっているんですね。

さて、お米の機械の見学を終えて楽しいお昼ご飯

空心菜の和風味、カレー味のポテトサラダなど「こうやって食べるやり方もあるんですね~」と美味しいだけでなく、料理も学んでいました。

さて、お昼休憩をはさんだ後に柿の収穫。甘柿を中心にたっくさん頂きました

お昼後に1人が早退し、午後は田んぼの草刈。先月同様、木のように生えた外来種の草をガンガン刈り取り。その後、さらに2人が早退し、なんと残りが3人に

参加者が3人となると本当に少なく、逆に濃い話をたっくさんできました。もう書ききれないぐらいあれやこれや話が出来ましたよ

「大人の寺子屋」と一応銘打っているので、あれやこれや人生の事、地球の事、教育などなど。2時間充実した時間を過ごしました。秋は色々お話をしながら過ごすのに良い季節ですね~

 

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スマホ問題が騒がしいです

2024年09月25日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 9月は秋冬野菜の種まきの時期です。ただ、まだ気温が高くどのぐらい後ろ倒しするかの判断で頭を悩ましています。昨年は早播きの野菜が虫にやられ、特に10月出荷の大根がほぼありませんでしたね。北海道産が300円で売られていたのを思い出します

 また、今週は新米の配達の初回ですが、トータルで昨年の4倍のご注文が入り対応し切れずご迷惑をおかけしております。来年度以降、この米騒動がどうなるかわかりませんが、お米の予約の仕組みを何か考えないといけないと思っております。

 さて、最近、聞いたのが「オーストラリアの首相が子供たちのSNS使用禁止法案を提出する」というニュースです。フランスやアメリカの一部の州でも同様の動きがあるそうです。みなさんのお家ではスマホの扱いはどうですか?

 我が家は中2からスマホを持たせましたが、今や息子たちはショート動画やゲームにどっぷり浸かっています

 最近読んだ日経の記事に載っていたのですが、心理学者のアダム・オルターさんは「新聞やTVなどは終わりがあった。しかし、スマホは『止め時が無い』のが不幸の理由だ」と言い、無限スクロールを2006年に発明したエイザ・ラスキンさんは、「人生の多くを無駄にさせてしまっている。一生償わなければいけない」と自責の念を口にしているそうです。

 スマホゲームについては既にヨーロッパの多くの国で、いわゆる「ガチャ」は中毒性を理由に禁止、あるいは規制しています。農薬問題と同じで日本は規制がゆるく、企業からすれば「稼ぎ所」なんでしょうね。

 「自分の習熟度を可視化出来るスコア化」「ランキングなどの他者との比較」「集めたくなるコレクション」「タスクの連続達成によるボーナス」などがバランスよく機能させる事を「ゲーミフィケーション」と言い、これにより意図的に中毒性を発症させる事が出来るそうです。

 カジノなどでギャンブル依存症を創り出す仕組みと全く同じですね。

 スマホの世界ではトップレベルの頭の良い大人が「いかにユーザーを中毒にして稼ぎを最大化するか?」と、日夜、知恵を絞って競争をしているのですから、のほほ~んと遊んでいる子供たちが手のひらで踊らされるのは当然ですよね。

 スポーツなどで集中力が高まった時を「フロー状態だ」と言いますが、ゲームなどに集中している時は「ジャンクフロー状態」と言うそうです。中国でさえ、そういったゲームを「精神的アヘン」「電子薬物」と呼ぶなど強烈な批判して規制をしています。

 良く知られている話としては、スティーブ・ジョブズは自分の子供にiPhoneやiPadを触らせなかった、というのがあります。農薬を使う農家が自分の子供には無農薬野菜しか食べさせない、というお話と同じです。いくら商売の才能があっても、他人はどうなっても良いと思っているなら、全くもってけしからん大人ですよね。

 また、私としては、スマホ依存症は隙間時間を埋める生活習慣になるので、人生を通して本を読んだり物事を深く考える時間が無くなるのが問題だと思います。

 先日見たテレビで、最近の日本人の6割が月1回も本を読まない状態になったという話も。本屋が無い市町村も出てきています。

 物事を考える時間を持たず、与えられた情報に反応する生き方。それは流されやすくなる、極論を言えば洗脳されやすくなるという事です。人の悩みや生き方や問題は、簡単に○×で判断出来ず、状況や立場によって色々変わるものです。

 ネットにあふれる情報のほとんどは「問題の単純化」をします。そういった情報ばかりに反応する生き方、これこそが頭の良い大人に踊らされる生き方です。スマホの一番恐ろしいのは、自分の人生がコントロールされている事に気づかなくなる事なのだろうな~と思います。

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爆発的な米の注文

2024年09月24日 | 仕事の中で

今年初の米出荷。軽自動車に積みきれないので、まずは300kg超のお米を1回で集荷してきました

今年は米騒動の影響で、根本さんのお米はコスト分は値上げし、「年間予約の方のみ」と限定したところ、なんと昨年の4倍の注文が入ってしまいました

その結果、昨年度も買ってくれた方のお米が足りない状況になってしまいました

最初は「お~、沢山予約が入って凄いな~」と喜んでいたのが、だんだん怖いぐらいになり、最後は不可能な量になってしまい、今度はお断りのやりくりでこの2週間は手いっぱい

ほんと、お客様には大変ご迷惑をおかけして申し訳なかったのですが、私もここまでとは予想の上の上のさらに上を行ってしまい、本当に大変でした。。。

昨年と違いお米はとれているので、本当に今はパニックになっているだけの米騒動なわけです。なので、来月には米騒動は落ち着く予想が出ています。

話によると物価高で小麦に比べると主食として安値の米の需要が回復しているそう。

一方で、高齢化で米作り農家さんの引退が始まっているので、2~3年後を考えれば米は不足していくと推測。

来年度の事を考えると、「田植え前に予約をとらないといけないかな?」と根本さんと話し合っています。

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お彼岸です

2024年09月22日 | 農的体験・生活

お彼岸です。

昨日、畑仕事の帰り、肥料置き場近くでお墓の草刈をしている高柳さんと会い、夕方に少しお話をしました。

「お彼岸とお盆の年に3回ぐらいはきれいにしてあげないとな」と笑っている高柳さんとお話しながら、「あ~、今を生かして頂いている事を先祖に当たり前に感謝しながら生きているんだな~、昔の日本人と今の日本人の根本的な違いだな~」と思いました。

そして今日は中日。

家族で親父の墓参りをしましたが、年老いた母は「こうやって忘れずにみんなでお墓参りをしてくれて、有難いね。たまには出てきたら良いのに」と亡き父に語り掛けていました。

そういった事を思える場としてのお墓、そしてお彼岸と言うのは大切ですよね。

うちの息子たちは面倒でしょうし、まあお昼の外食につられてついてきてくれるわけですが、それでも良いのです。自分が大人になって、子供が出来て親になった時に、親子という縦の線を感じ、自分のルーツに関心をもった時、お墓参り、先祖参りというものに価値を感じるようになってくれたらいいのです。

とはいえ、うちの子供が大きくなった頃には、お墓参り、お彼岸という習慣は田舎でさえ廃れているかもしれません。

それでも心ある日本人の心、というか、先祖を思う気持ちがある人々が少しでも残って続けばいいな~と思います

 

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なかなか良きカフェ

2024年09月20日 | 自分の時間

個人事業主にとって、カフェは仕事場。別に珈琲が好きでなくても、仕事場として適するカフェを探すのは日常です


 で、私は珈琲が好きでも嫌いでもない人ですが、スタバを含め美味しいという思える場所が無く、結局はコスパでチェーン店に行く事が多いのです。そういう意味で都会の昔ながらのカフェがある街は良いな~と思ってました。


 ただ、今日はじめて入った京成成田駅前の「華や」というカフェ、良かった


 入店したらオーナー1人だけで、色々お話をしたら、なんでも数十年やっていた老夫婦から4年前に継いだとのこと。お店は昭和レトロで椅子も机も昔のものを継続して使い、BGMはお客さんからもらったラジカセで流していました。いいね~


 お勧めの「ナリーニョ・コンサカ(コロンビア産)」の珈琲も美味しかった


 「平日は基本的に空いていて読書やパソコンやっている人が多いから、長居しても大丈夫ですよ」とのこと。一等地なのに空いているのは一見入りにくい店だからかな?


 椅子が昭和レトロで硬いので長居は出来ないかもしれないけど、ちょっとした仕事をするのに良いかも

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人新世 ある村にて

2024年09月20日 | 自分の時間

ETV特集の「人新世 ある村にて」という番組を観ました。いつものごとく録画したのを時間が空いた日に観るパターンです。昨年に放映されたようですが、その再放送でした。

『人新世(じんしんせい)』という言葉は、「人新世の資本論」という本を書いた斎藤さんという人によって有名になった言葉だと思うのですが、私もそれで知った一人です。

ざっくり言うと、隕石が落ちて来たとか、大火山の噴火があったとか、大きく時代を区切る地球規模の出来事があると地質が変わります。地層にその痕跡が残るので、地質調査をすると「この時代には火山の噴火があって、それで大型恐竜の化石が沢山出来て、その後の地層には大型恐竜がほぼいなくなった」といった事がわかるわけです。

例えば、恐竜がいた時代は「中生代・白亜紀」という事になりますが、その「代」の下に「紀」があって、さらに下に「世」があるそうです。そういった「地質学的な時代の区切り」として近代を「人新世と呼ぼう」という学説が広がっているのです。

これは2000年代に入ってから使われ始めた言葉で、色々な時代区分の説がありますが、多くは1950年代以降に、世界中の地質調査をすると、明らかに地球規模で地質が変わった、という証拠が出てきたわけです。石油・石炭を燃やしたカス、重工業から排出された重金属、そしてマイクロプラスティックなどです。

未来の人達が現在の地質を調べたら、「人類が地球規模で大きな変化をもたらした時代として区切られるだろう」という事で「人新世」という言葉が盛んに議論されているわけです。地球規模の大きな変化を表す地質的な時代の区切りの1つを「人」が起こしている新時代、という事ですね。

最近広がった興味深いコンセプトなので、「人新世」という番組名を見て「おっ」と思うのですが、そこに「ある村にて」というローカルな小さな単語がついていたので録画してみたのです。

 

番組の内容は、「欧米諸国から輸入した廃棄プラスティックで生きているインドネシアのある村」のお話でした。

 

日本もそうですが、いわゆる先進国はプラスティックなど廃プラごみを「リサイクル原料」として「輸出」します。ちょっと前は発展途上国だった中国などが「輸入」していましたが、多くが農村に捨てられ、河川が汚れ環境問題にもなっていました。

私の昔の同僚がマックのマネージャーをしていた時(30年前ぐらい)の話としては、「ゴミの分別なんて実際はしていなかったよ。ゴミ箱は分けていたけど、全部あとで1つにまとめて業者に渡してたよ。たぶん、中国とかそっちに流していたと思うよ」と言っていました。

私が20年ほど前に乗ったピースボートという世界一周の船で、フィリピンに立ち寄った際に、「スモーキーマウンテン」といって、ゴミの山で暮らす人々を見ましたが、そういった人たちが世界に沢山いるのです。

そういった彼らは「ゴミを売って暮らす」という生計の立て方をしています。

当然、ゴミには有害物質も有り、また自然発火などで大気汚染もあります。

それで中国は「輸入」を禁止したので、今はインドネシアなどに欧米のゴミが流れ込んでいます。日本では輸出先が無くなってしまったので、数年前に急にゴミ処理費が高くなりました。特に農業用のプラゴミの規制が厳しくなったけど、実際は外食や中食などのプラゴミは国内で処理しきれているとは思えないので、どうしているんでしょうね?

 

まあ、それはさておき、今回の番組のインドネシアの村もそういった、先進国から出たごみの最終到着駅となっていました。

この村は、昔は低くて沼がある地域で、何も仕事がなかったそうですが、違法プラゴミが持ち込まれるようになって、「ゴミを売る」という生活が始まりました。これを「プラスティック農家」と呼ぶそうです。

「農家」という言葉を使う事に違和感を覚えましたが、彼らからみれば「農家」なのでしょう。しかし、国としては「違法」という扱いになっており、彼らも「違法だけどこれしか食う手段が無い」と頑張っています。

番組では「リサイクル古紙」として輸入されたものの内、実質4割はプラゴミが混ぜられていて、古紙リサイクル会社はおそらく安いから違法で仕入れ、余ったプラゴミを村に運び入れる映像を出していました。違法なのですが、村人達から見れば「仕事の種」なので、毎日、村の人々はゴミのトラックが来るのを待ち構えているのです。

それをみなで分け、分別して大きめのプラスティックや鉄線などは売ります。しかし、そういったものはごくわずかなので、残ったほとんどのクズプラスティックの山はまとめて、トラック1杯いくらで、さらに売るのです。その売る先は「豆腐工場」です。豆腐工場は「燃料」として使うのです。

なので、プラスティック農家の仕事は、クズプラスティックを薄く広げて天日に当て、燃えやすいように乾かすのが主な仕事です。

そして、プラゴミが捨てられた最終到着駅の村で分部され、最終的にはどうにもならないクズプラスティックの山は、「昔から続く豆腐工場が集まる村」にたどり着きます。

番組では「揚げ豆腐」を1日12時間勤務で作る村人の姿が映っていました。

プラスティックを燃やしたことがある人はわかるでしょうが、独特の煙と臭いが出るわけです。明らかに体に悪いやつです。ダイオキシンが実際に大量出ています。それでも経営者は「燃料に木材を使って赤字でやっていけない。実際、国は木材を使えというが、それでつぶれた豆腐工場もある。どうしようもない」と言い、従業員も「他に仕事が無いから仕方がない。これで食っていくしかない」というのです。

「人新世」という言葉をタイトルに使った番組ですが、そのほとんどが「プラスティックで生きる村人たち」の生活をずっと流しているのです。

凄い構成ですよね。というか、さすがETV、こういった番組を作れるのはNHKだけでしょう。

 

こういった作りは観ている人に考えさせるという番組で、短くわかりやすく伝える、という最近の番組とは違うわけです。かつ、大きな論調ではなく、超ローカルなある村の事だけ、そこの数家族の生活を切り取って映像にしているだけなので、どういった感想を持つかは人それぞれでしょう。

下手すれば「垂れ流しの番組」と言われかねないわけですが、こういった番組を流せるのはETVだけでしょうから、私はNHKは凄いと思うのです。

 

話しがまた横にそれましたが、私の感想は「あ~、昔の日本と同じだな。いや、昔の日本はこうだったんだな」という事に興味がそそられました。

まず、村の人達は「この村を離れたくない」という思いがあります。

次に、「仕事が無かったが、この仕事でお金を稼げるようになった。低賃金で違法だけど、有難い。無くなったら困る」という思いを持っています。

一方で、「体に悪い事はわかっているし子供たちが心配。でも今はこれしかない。だから頑張るしかない。ただ、子供には学校に行って自分たちのような仕事はして欲しくない」と言うのです。

その上で、一人一人が優しく、劣悪な環境でも我慢して笑顔で楽しそうに働いている。でも家に帰り、ふと「今の現状」について聞かれてしまうと、涙を流し、「涙を流してごめんね」と言うのです。

 

あ~、こういった考え、感情、社会の枠組みで生きてきたのは、日本人も同じだよな~、と。

日本で言えば東北の方なら冬は仕事が無く出稼ぎにお父ちゃんは出かけ、港町なら遠洋漁業で半年家を空けるというのはざらだったわけです。

農家の方々も戦後、「俺らみたいな仕事を子供達にはさせたくない」と言って、「学をつけて都会で会社員になれ」と山を売って子供の学費を出したわけです。

みんな我慢をし、しかし子供達には同じような生活をさせたくないので学校に行かせようと頑張ってきていたのです。

そして、それは社会の仕組みを作る中央の人達とは違った世界であり、取り残された世界であり、しかし、村という一つの共同体の内にこもりながら皆で協力しながら必死で生きて来た人達の生きざまでした。

番組の最後で学者さんが「今の社会の仕組みは、問題があったら先進国や富裕者層ではなく、貧困国や低所得者層など社会の仕組みの低い方へ低い方へ、しわ寄せが行き、最後の低下層の人達がそれを全部かぶるような仕組みになっているんです」と言っていました。

今回はプラゴミという環境問題の話を軸にしていましたが、その通りだよな~、と思いました。

 

何なんでしょうね?この仕組みって。

 

モヤモヤが残りますが、今は大人より子供たちの方が環境問題や貧困問題に真正面から取り組む時代なので、1つ思ったのが、小中学校で環境問題やゴミの分別の授業をする時間がとられていると思いますが、この番組をみんなで見てもらって、そして、実際にゴミの分別上でゴミの分別を体験してみる、というのをやったら良いんじゃないかな、と思います。

私もゴミをクリーンセンターという所に持ち込むことが年に数回あるのですが、ほんと、毎日、汗だくになってごみを分別している方たちを見ると「あ~、分別しなきゃダメだな」と思うのです。

昔、クリーンセンターに行ってあの現場を見てから意識が変わり、傘なら金属部分とプラ部分を分けるし、服なら金属ボタン部分と布部分は切り分けて布部分は床拭きに使ってます。

一番面倒なのが広告冊子などのホッチキス。あれが一番分別が面倒。世の中のホッチキスを全て芯無しホッチキスに変えて欲しいと昔から思っています。

でも、プラ無し生活は無理ですね。。。

 

また、話が細かいところにそれましたが、「プラスティック農家」を生み出す世界の仕組み、なんなんだろうな~と、モヤモヤが残ります。

そういえば、番組の最後の方に色々な世界の学者のメッセージが流れていましたが、その中の1つに「人新世ではなく資本新世と呼ぶべきだ」というのがありました。

「資本新世」、確かにそうだな~。むむむ~。

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慢性毒×複合汚染

2024年09月18日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 天高く馬肥える秋と言いますが、未だに暑い日が続いています。ただ、最近、農家のお友達と「暑いけど暑く感じないね、やばいね」という話をしています。

 7月頃は32℃までが限界温度で33℃を超えるとちょっと仕事をするだけで息が上がり「やばい、止めよう」という感じでした。しかし、最近はお昼過ぎの33~34℃でもちょっと風が吹いていれば、まあまあ仕事が出来るのです。

 体の順応力って本当に凄いな~と思いますが、一方で、それで大丈夫と思って仕事をしていた仲間が救急車に運ばれて、1週間ぐらいダウンしています。大丈夫とは思っても、実際、気温は高いのですからその見極めが大事ですよね

 さて、先日メールで連絡した通り、根本さんのお米の予約量が昨年の倍を超えてしまい、総収穫量が出ないとどこまで供給できるかわからない状態になってしまいました。ご迷惑をおかけします。

 もうしばらくすれば米価は落ち着くのでしょうが、いずれにしろ「先祖の土地を守る」という義務感でやっている年配の方の引退が始まっていますから、今年の価格が通常になり、今後は田植え前に秋の予約をしないと、きちんと栽培されたこだわりのお米は確実には手に入らない時代になるのかもしれませんね。

 といったお米の話が最近続いていたので、違うお話を。

 千葉県下ではナリタヤという地元密着のスーパーがあるのですが、3年前から食育の一環で農業体験教室のコラボと根本さんのお米を取り扱ってもらうというご縁が出来ました。

 先週、ナリタヤさん主催の生産者向け勉強会&懇親会に根本さんのお供として出席してきました。

 その講師が言っていたお話を少し共有すると

 「発がん性のあるグリホサート(除草剤)とネオニコチノイド系農薬(神経伝達阻害殺虫剤)、この2つは欧米では規制、使用中止の方向で進んでいるので、世界的にみると日本はアウトレット市場になっている」

 「ネオニコチノイドがハチの帰巣本能を低下させる事の確証は無いと言われてきたが、金沢大学の教授が証明した。最近では人間が認知症で家へ帰る事が出来なくなる原因の1つとしても疑われている」

 との事でした。

 ここまでは聞いたことがあるのですが、「ネオニコは急性毒のようにすぐに死ぬわけではないところが怖く、慢性毒としてハチがネオニコ散布の農産物を好んで食べるようになる傾向になり、最後は体内の蓄積量が一定量を超えると帰巣出来なくなる」というお話は初耳でした。

 ニコチノイドという名がついている通り、ネオニコはタバコのニコチンと似た形だそうですが、ニコチンとはそもそも別物質であり、毒の急性や中毒性は限りなく低いと言われています。ただ、「慢性毒」という辺りが厄介で、繰り返し摂取することで蓄積していくわけです。

 以前お会いした電磁波過敏症の方は、「今まで問題なかったのがある時、急に電子レンジやスマホがダメになった」と言っていました。花粉症やアレルギーも同じで、体の許容範囲を超えると突然発症すると聞きます。

 まあ、私は専門家ではないからわかりませんが、「人体への毒性について100%証明は出来なくとも、疑わしいのだから規制や一時中止を」という欧米の考えは正しいですよね、だって毒なんですから

 まあ、考えすぎも良くないと思いますが、1970年代の社会現象にもなった有吉佐和子:著「複合汚染」の考えは頭に入れておいた方が良いですよね。

 「Aという毒、Bという毒はそれぞれ動物実験では毒性が無いときちんと証明されている。しかし、A×B×C…といったように毒が複合した場合、どのような影響を人体に与えるかは誰もわからない」というお話です。

 今の世の中、農薬、電磁波、食品添加物、香料、洗剤と数えだしたら切りが無いですよね。

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貴重な梅干しもらいました♪

2024年09月12日 | 農的体験・生活

今年は梅が手に入らず、初めて梅干しが作れなかったのですが、赤しそは相変わらず畑で繁茂していました。うちの畑の赤しそは、10年ぐらいずっとこぼれ種。ある意味、もう在来種になっているちりめん赤しそで、毎年とぎれることなく、とても良く育っているのです。

それを見ていた知り合いの農家さんが赤しそを探していたようで、おすそ分けしました。

すると、なんと、完成品となって戻ってきました

ありがたや~

海の精を使っているなんて、貴重品ですね~

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主食穀物を守る意義

2024年09月11日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 いや~、残暑厳しき折、なんていう言葉がありますが、9月も熱中症アラートが出る日が続いています。この前の(土)(日)は稲刈り教室でしたが、暑かった

 この時期は根本さんは朝3時から出動して頑張っており、私1人で準備や運営をするのですが、本当に暑くて大変でした。ただ台風は直撃せず去年のような線状降水帯も発生せずに、無事に収穫が出来た事は有難い事です。

 そして先週メールで連絡した根本さんのお米について、びっくりするぐらいの予約を頂き有難うございました。異常な高騰が続いていますが、お米について問題意識を高める良い機会だと思いますので、今回もお米について書かせて頂きますね。

 日本の人口の最多数世代が戦後の1950頃に生まれた「団塊世代」であり、農家の中心も「団塊世代」です。2番目の人口が多い世代は昭和1970年前半生まれの「団塊ジュニア世代」です。ところが、高度経済成長期で「農業は時代遅れで儲からない、会社員になれ」と農家の多くは子供達に後を継がせず、「団塊ジュニア世代」のほとんどが会社員となりました。

 既にこの20年で農家は40%も減っていますが、残りの農家の70%が65歳以上なのが現実です。その中でも最大の「団塊世代」の引退が始まっています。特に畑作よりも稲作は大規模投資が必要で、しかし長い米価の低迷で後継ぎがいません。

 団塊世代農家が田んぼをやる最大の理由は「先祖代々の土地を守るため」です。戦後も農村ではお金よりお米の方が価値があったので、「お米によって生きてこれた」という思いが、私たち近代の都市型人間より強いと思います。

 お米が不作だと飢え苦しんだ、という話を同居するじいさん・ばあさんから聞いて育ち、大工の1日仕事は2升のお米、冠婚葬祭にはお米を持っていくという時代でした。また、機械が登場する前は鍬を使って田起こしをしていたので、正月明けから始めないと田植え時期までに準備が間に合わなかったそうです。

 そんな苦労をしてきた先々代、先代が守ってきた田んぼをそうやすやすと放棄するわけにはいかないのです。これが今、団塊世代と言われている75歳以上の農家さんが田んぼをやっている主たる目的です。

 しかし、みなさん体がもう動かなくなってきました。後継ぎがいなければ、いくら米価が倍になろうと体が持たないですし、体や機械が壊れたらもうやりたくてもやれない、という年代に日本の田んぼは支えられています。

 また、主食米価格の低迷が続いた結果、飼料米を作る方が効率が良く少なくとも安定した補助金が入る時代が続いてきました。根本さんの地域の田んぼの半分以上は飼料米で、根本さんも機械代を稼ぐために主食米より飼料米の作付けの方が多いのが現状です。

 昔から「農家を生かさず殺さず程度の補助金で働かせるのが農政だ」と言われますが、まさにその通りなのです。「補助金を出してまで田んぼを守る必要があるのか?」という議論も良くされてきましたね。

 しかし、欧米では「農業は国民を飢えさせないための国家安全保障の問題」と明示しています。小麦、トウモロコシは投機の対象にもなっていますが、相場が崩れた場合は収入補填をするのは当然の事となっています。

 中国は戦争に向けて湾岸部に国民が植えないよう1年半分の穀物を貯蔵する大規模施設を作っているそうですし、干ばつで収量が減る中で、海外の小麦やトウモロコシ農家は「高値」を狙って売り渋りをしています。

 そういった世界的な「穀物争奪戦」が行われている中で、日本では「有事に備えて国が指示を出したら全農家がサツマイモを作らなければいけない」という事を4月に決めました。米については触れずじまいです。

 主食を守る事は「国産を食べて自給率を上げよう」という次元の話ではなく、「何かあっても国民を食わせる」という安全保障問題なのです。ちなみにニュースで話題になる備蓄米は半年分ぐらいしか無いらしいですよ。

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