半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

大人の学び場と子供の学び場の差

2023年06月28日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です

 蒸し暑い日がつづきますね~

 さて、先週末は私の師である、おかげさま農場の高柳さんを教室長として、大人向けに開催している「食と命の教室」でした。高柳さんと参加者のやりとりを聞いていると、みなさん、目を輝かせて学んでいます。「何でこんなに子供の教育現場とギャップがあるんだろう?」と思うのです。

 うちの次男のお友達には中1から塾に毎日通っている子もいて、成田で一番有名な塾では3年生になると5教科を受けなくてはならず、夜7~10時まで塾、という子もいるそうです

 また、英語の寺子屋を私はやっているのですが、今年の子供達の地域は中1で塾に行かない子はいないそうで、保護者からも「塾が絶対行かせたいというわけではないのですが、将来の選択肢を狭めないために、勉強をある程度はさせておかないと」と、親御さん自身もプレッシャーを感じているようです。

 私が小6の頃で塾に行っていたのはクラスで2人だけ(しかも医者の息子)、高校受験も中3の部活が終わった夏から、というのが普通でした。私がそういった環境だったので、「中学生は授業をちゃんと受けさえすれば、あとはテスト前に頑張ればいいんじゃない?それより日頃はクタクタになるまで部活をやって、夜はスマホを見ていられず寝落ちするほど、一生を支える身体作り、あるいは仲間作りをした方が良いんじゃない?」と思っています。そもそも学校の授業を受けて部活もやった上で、夜にさらに塾で集中するなんて事、私には無理だな~と思うのです

 大人向けの「食と命の教室」の参加者は、みな自給的生活、農村の暮らしに関心があったり、身内が健康を害し食べ物の大切さを気づいた、という人達です。人生を考え、環境を考え、世の中の仕組みの問題を考え、高柳さんの「自立した人間になること。その上で人として役目を果たすこと」という話に感銘を受けています。

 コロナ禍になってからこういった人達が隠れた少数派ではなく爆発的に増えて、多くの方が「そういう事、大切だよね」と同感してくれる時代になりました。

 ところが子供達には社会問題や自ら考える時間はあまり無いのです。

 もちろん、時代に合わせて学校の勉強をきちんとやることも大切だと思うのです。遅れていると思うなら塾や自宅学習をする必要もあるでしょう。でも、勉強以上に部活や仲間とバカ遊びをしたり何かに打ち込む事を推奨しても良いんじゃないかな、と思うのです。年齢相応の事をやり切って、「さて、そろそろ勉強するか」という方が、健康的じゃないのかな~と個人的には思うのですが。

 また、高校2の長男の学校で進路講演会というのをベネッセがやっていたのですが、「昔のキャリア教育は、なりたい職業から逆算して大学や学部を選ぶという1パターンでしたが、今のAI時代は、目指す職業そのものが無くなる時代で、そういうやり方が必ずしも良いとは言えない時代になりました。一方で、今は社会問題や関心がある業界から逆算してそれを学べるところを選ぶというパターンもあります。親御さんは、そういったパターンでもお子さんと話し合ってみて下さいね」と言っていました。

 「そりゃそうだな」と思いました。前半のAIどうのはどうでも良い話なのですが、後半の部分は私にも当てはまります。私はなりたい職業はありませんでしたが、業界全体、あるいやその会社でどういったポジションであるのが一番の学びや成長になるか、で会社を選んだ口です。

 また、今の若い子達のいわゆる「優秀」と言われている学生は社会問題に関心を持ち、その解決策を考えて起業するがトレンドです。就職する子もその会社が社会問題にどう対応しているかを主たる選択理由にするそうです。

 そう考えると、今の中高も、もっと社会問題を学ぶ場にした方が良いと思うのですが、実際は私の子供時代以上に「学校の勉強をするのは当たり前」という大人の視線に幾重にも囲まれている場になってしまったな~と思います。

 こういった場に順応出来る子はいいのですが、合わない子は学校に行きたく無くなるのも普通の事だと思うのですが。みなさんはどう思われますか?

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今年のラッキョウ

2023年06月27日 | 農的体験・生活

今年もやってきました、手作りで最も過酷なラッキョウ漬け

ラッキョウは1粒1粒、根と茎を切り、泥を落とすために洗い、再び仕上げに根元と茎元を切る、という作業をするので、塩漬けするまでに5時間かかる、本当に最も過酷な手仕事の1つなのです

生命力があるから、放っておくとすぐにニョキニョキ伸びてくるので、掘り上げたら一気にやらないといけません。

ただ、やっぱり手作りは美味しいんですよ~

 

昨年はユリ科が大不作で、ニンニクやラッキョウは過去に無い程の小玉でした。

その中で大きめの物を選んで種にし、今年用に育てていました。「今年はどうかな~?」と思って収穫してみたら、見事に復活してました。掘り上げていると大玉が結構あるのです。

ということで、嬉しくて「さあ、気合いを入れるぞ」と頑張ってどんどん仕込んでいったら、「あれ?仕込み過ぎた?」。

大きめの種は来年用に外しておくのですが、思ったより仕込んでしまって、来年の種が少なくなってしまいました

また、毎年、5時間かかる仕込みが今年は3時間ちょっとで済んだのは、やはり去年の植え付けた種が少なかったためでしょう。計ったら3kgしかなかった。これでは1ヶ月持つかどうかだな~。

それでも毎年漬けるのは、やっぱり美味しいからなのです

2週間塩漬けで発酵させて、そこから砂糖&お酢&唐辛子で漬け汁を作り約1ヶ月。食べられるのは8月に入ってからだな~。あっという間に無くなる、我が家で売れっ子のラッキョウです。市販の物とは別格ですよ~

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田んぼと収穫と大工話の「食と命の教室」

2023年06月24日 | 農的体験・生活

龍ケ崎での水稲勉強会の翌日は「食と命の教室」。

今年は前回もそうだったのですが、今回も榮太郎本舗という東京の和菓子メーカーさんの田んぼ体験と重なってしまったので、もう車も人もぐちゃぐちゃになるほど

一緒に草取りを午前はしたのですが、まあ、あちらさんだけでも30人も来ているので、高柳さんも「あっという間に終わっちゃうな」という反応。本当に1反の草取りなんてあっと言う間でした

とはいっても素人ですからちゃんと取れているかというと、そうでも無いんですけどね~。

高柳さんからも「機械や除草剤が村に入ったのはたかだか40~50年前。日本に米が伝来してから1000年、2000年とこういったことをずっとしてきて、みなさんの先祖が生きながらえてきて、お米が今にある。ということをわかって欲しい」と語っていました。

しかし、榮太郎さん、30人も来るのであれば、普段から草取りに来て欲しいものです。受入れる側も大変なので、日常の田んぼの手伝いも来てほしいな、と。数年前の台風で倒れた天日干しのオダがを全部ばらして掛け直すの、本当に大変だったのです。「こんな時は榮太郎はこねえのだからな、手伝って欲しいよ」と、みんなで愚痴をいっていたのが懐かしい

さて、田んぼが終わったら美味しいお昼。榮太郎さん達のお昼は高柳さんのお姉さんと娘さんがメインで、こちらの教室の食事は奥さんがメインで作ってくれました。たいそう美味しいランチで、今回は珍しく肉ジャガ、つまり肉が入りました

美味しいお昼を食べた後は、午後はまずはゴマ畑の草取り。例年、梅雨の時期に湿気と雑草に囲まれて消えて無くなっちゃう事が多いのですが、今年は半分ぐらい残っている感じで久々にゴマが収穫出来そうです

ゴマの草取りをみんなで頑張っている中で、高柳家のトウモロコシを見つけた参加者が「あれ、売ってくれないんですか?」とおねだりをしていたので、高柳さんが「みんなご褒美だ」と言って、電話でお母さんに「みんな草取りを頑張ってくれたから、トウモロコシ、茹でておいてやってくんねぇか?」と依頼してくれたのです

こういう関係、良いですよね~。「馬の顔の前に人参じゃなくて、トウモロコシだな」って。

さて、草取りが終わった後は、収穫タイム。ミニトマトやジャガイモを収穫し、みんなほくほくの笑顔

そしてトウモロコシや高柳さんのお米を使った煎餅を食べながらお茶タイム。6月は昔の日本家屋のお話です。

昔は棟梁と施主が一緒になって、家を建てていました。

例えば、棟梁が「柱が110本必要だな」と言われたら、施主が自分の山から先祖が植えた木を切ってきて、製材屋さんに運んで柱や板にしてもらい、それを乾燥させて材料を準備し、その準備が出来たらまた棟梁を呼んで、棟梁はそこに仕込みを始める、という流れです。

また、施主は木を切った後に、その山に100年後の子孫のために木を植える、という循環があったそうです。

 

棟梁の依頼の仕方も、渡すのは間取り図だけ。あとは、細かいところは棟梁が親方から引き継いできた建て方、こだわり次第、という感じで、見た目がどうなるか、細かいところは大工さん任せ。

高柳さんの家が出来上がった時、瓦屋根が少し反った感じだったので、「なんだこれは?」と聞いたら、「うん、格好よいだろ?」で終わり、という感じだったそうです

近代の構造計算やベタ基礎などは無くとも、地震が来ても倒れない、シロアリが来ない、100年持つ、というのが当たり前に実現出来る建て方。それは長年の師匠から弟子に伝承されてきた経験によるものだった、など、様々なお話で盛り上がりました。


高柳さんも「こういった教室をしているのも伝承していくためだよ。大工や建具屋さんなどの技ももう途絶えるけど、もったいないな」と言いますが。大変だけど、やっぱり日本の田んぼ、日本の大工仕事、人の関係は素晴らしかった、と思います。

この教室は具体的な技は引き継ぎませんが、昔の日本の暮らしがどういったものだったか、まだ体験でわかる最後の世代の高柳さんとご縁を多くの人がもってもらうこと。それがきっかけで何か未来に残っていけばいいな~と思います

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無農薬で草1本も出ない!

2023年06月23日 | 仕事の中で

私は仕事で農業の最先端理論の1つ、Blof理論を提唱している小祝さんという方の勉強会に10年関わらせてもらっています。最近は農林水産省だけでなく海外からも引く手あまたな方です。


 で、その指導先の1つ、JA東徳島が農協単位で無農薬で草を生やさず収量10俵、かつ、美味しさや栄養化も数字でダントツの成果を出し、買い取り価格も相場の倍という状態になっています。

 その同じ指導を受けている龍ケ崎の勉強会に、田んぼ教室のパートナーの根本さんを連れて初めて行ってきました。「百聞は一見にしかず」とはまさにこのこと。本当に草1本生えていない。衝撃的でした


 稲の姿も素人が見ても凄い。田んぼ全体も均一の生育なんです

 

その秘密、というか手法は調べれば色々出てくるでしょうが、知識だけ、あるいは一面だけ切り取っても実現は出来ません。逆に指導を受けながら本気で信じて手間を惜しまず一生懸命やれば5年ぐらいで実現出来そう。

そうすれば、稲の根が真っ白で、中干し前の時期でそうは簡単に抜けないほどの根張りのがっしりした稲が出来ます。

稲の姿は全て扇形で、茎数はなんと35本です。

 今まで不耕起栽培や深水など多くの無農薬で草を抑える農法がありましたが、広く普及しないのは標準化&農家仕様に出来ないから。それがある意味、やる気と投資があれば出来る、というのがわかりました。ホント、無農薬で田んぼをやっている人がみたら、この凄さがわかると思います

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過去に無い6月と蜂蜜と梅干しのお話

2023年06月21日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です

 先週末は暑かったですね~。米農家の根本さんとやっている田んぼ教室だったのですが、梅雨時に30℃超えが3日続くなんて過去無かったんじゃ無いでしょうか?

 一方で、稲の生育は過去に無いほど低調です。3月から暑い日が多いので「今年は暑い」と思う人が多いと思いますが、今春は雨や曇りが多くそのまま梅雨入りしたので、今年はずっと日照不足なのです。

 さらにみんなで収穫をしたジャガイモは2割ぐらいが畑で腐っていました。ジャガイモ生育適温は15~20℃と言われており、本来は北海道のような冷涼な地域が適している作物です。今年は暑い日が多く、さらに梅雨時期にこの気温で高温多湿。そのためドロドロに腐ってしまったのでしょう、今までで一番ひどい状態です

 そして2年前までは1人5匹は釣れたザリガニが昨年から全く釣れなくなり、今年は更に不漁。教室を運営して今年で12年目ですが、「こんなこと初めて」という事ばかりです。

 さて、そんな大変な中で根本さんは蕎麦を無農薬で作っています。そこに、いすみ市の養蜂家がやってきてハチを飛ばし「そば蜂蜜」を作りました。今回、本当に多くの方からご注文を頂きました 

 海外の果樹農家は日本と比べて大規模なので、受粉させるためにハチは欠かせません。そのため、大陸をあちこち移動して受粉をする養蜂家も大規模です。日本のイチゴやスイカ農家さん達もハチを使いますが、規模が小さいため、養蜂家に頼むというよりハチを箱ごと購入して受粉が終わったら野に帰す、という人が多いです。しかもそのハチはマルハナバチといって花粉を主食とするハチで蜜はとれません。ということで、日本のミツバチ養蜂家は受粉用にハチを農家にレンタルすることはありますが、基本は蜜を採ったら販売しています。

 日本の蜂蜜の自給率を調べたら7%ぐらいで13%の小麦よりも低いんですね。でも、やはり国産をなるべくなら食べたいものですよね。一般的に蜂蜜は殺菌効果があったりミネラルが豊富と言われますが、そば蜂蜜はその中でも鉄分などのミネラルがかなり多く含まれているそうです。咳の症状を抑えるために舐めている人もいるそうですよ。そばの成分のルチンなども含まれているので、栄養満点。但し、そばアレルギーの方は食べないように。普通の蜂蜜と違い見た目は濃い麦茶のような色。香りも味わいも独特ですが、美味しいと思える人は体に合っているのだと思います

 そして梅干し用の梅のご購入も沢山頂きました。完全に熟した黄梅なので一刻も早く塩漬けして下さいね。フルーティーな梅で作ると、今まで食べた事が無いフルーティーな梅干しが食べられますよ

 ポイントはきちっと塩を振り重石を載せること。塩分濃度は本来は18%が適しているのですが、日常的に汗をかかない仕事をしている人は減塩しても良いかと思います。また重石は完熟梅なので梅と同量で良いと思います。塩と重石が足りないと梅酢があがってこずにカビてしまいますのでご注意を。

 重石を載せて数時間経ったら一度容器を振って梅酢が全体に回るようにするのも良いと思います。多少カビても梅酢が殺菌してくれるのですが、気になる方はホワイトリカーを最初に梅に振りかけて濡らしてから塩を振り、それから重石をしても良いです。

 梅酢が上がったら赤シソを塩で良く揉んでアク出ししたものを入れて下さい。なお、味噌と同じで、年を重ねる毎に塩角が取れてまろやかになり体に優しい味わいになっていきます。我が息子は10年物をつくるために毎年梅干しを自分用に漬けているんですよ

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過去に無いことだらけの田んぼ教室&桜餅

2023年06月18日 | 農的体験・生活

先週の(日)に続き、この(土)(日)は子供連れ向けの田んぼ教室2連チャン。

今回は農家の根本さんが姪っ子の結婚式に出るということで、(土)は完全一人運営。ということで、前日(金)から設営準備をがっつりしていましたが、子供が火曜日に熱を出し、その影響か私も(木)は体調不良で、午前は仕事をしていましたが午後はずっと寝ておりました

そして(金)は準備で朝起きて炎天下の中でハウスの遮光ネットを張ったりお掃除をしたりと14時半頃まで汗だくになりながら体力を使い果たし。家に帰ったら翌日の事を考えて即寝。

(土)は子供が朝6時集合の部活があり、また洗濯をイベントの当日なのに干せという無茶ぶりがあったり、色々ありながら1日イベント。(金)(土)(日)と3日連続見事に晴れ渡り梅雨ではなくもはや真夏の気温

(木)に体調不良、(金)に病み上がりっぽい中で体力を使い果たし、(土)はもう頭ふらふらで、(日)も熱中症気味でしたが、なるべく呼吸を整えながら、何とか乗り切りました


教室はもちろんみなさん楽しそうに体験してくれましたが、今年は日照不足のせいか稲は過去一番育っていませんでした。ちなみにこの教室は今年で12年目。12年で一番の不作の年になるかも

原因はあくまで推測ですが日照不足。今年は暑い日が3月からあるのですが、全体的には4月は地温が低い日が多く、5月は五月晴れがどこ吹く風で梅雨のように雨が多かったわけです。

一方で高温&多湿でジャガイモは過去に無いほど腐っていました

ジャガイモというと、みなさん北海道が一番と思いますよね?それもそのはず、もとはアンデス山脈の冷涼な雨の少ないところが原産地で、海外ではドイツが有名。つまり北海道が一番気候としては合う作物なのです。

一方、千葉県は梅雨が有り、大体梅雨で木は枯れ上がります。ジャガイモの生育適温としては関東の6月が限界なのです。そのため、本当はまだ霜が降りる可能性のある2月中に種を蒔くのが基本的な栽培方法。気候としては寒すぎるのだけど、6月までにものにするために早く種芋を植えているわけです。

ところが今年は6月にて30℃超えの日が続出。ジャガイモには耐えられませんから木が枯れ上がってしまいました。こんなこと、過去12年で初めて

しかも、その気温に梅雨ということで、高温多湿と、ジャガイモにとってはとても生育出来ない状況で、腐ってしまったのです。

 

さらに、2年前までは1人平均5匹は釣れたザリガニが、去年、突然釣れなくなってしまいました。そして今年は更に過去に無いほど釣れませんでした

ほんと「今までに無い」ばかりの6月だったわけです。大変な自然環境になってしまいました

そんなこんなで、色々あった教室ですが、炎天下の中、何とか乗り越えた病み上がりのような自分の体、良く頑張ってくれました


そこで帰宅したら、なんと次男がお手製桜餅を作っていました

見て下さい、もう、プロの出来映え

実は春に次男が「桜茶」を作りたいという事で、近所の八重桜を収穫しに行きました。葉も一緒に塩漬けにして梅酢を使うなど、次男が色々調べて仕込みをして「桜餅、そのうち作る」と言っていたのです。

それが今日、桜餅となって出てきたわけです

まず、その技、見た目に癒やされる

そして美味しさは100点満点でした

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石塚左玄と食育のお話

2023年06月14日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の朝採り野菜ボックスのお手紙です

 今、風邪が流行っているのですが、基本対策は免疫を高めるしかありません。良く言われているのが「薬には風邪を治す力は無く、症状を和らげる事で余計な体力を使わさせず免疫が働くのをサポートするのが役割」という話です。私もこの世界に入ってこの言葉を知ったときは「えっ、そうなの?」とびっくりしました。

 そして、未病の段階で防ごうとする時に、昔ながらの伝統的養生で良く使われるのが「梅肉エキス」と知りました。青梅を擦ってトロトロにまで煮詰める事で、超濃縮されたもの凄い粘りと酸っぱさを誇る梅の力が詰まっているものです。これを知ってからは、私も子供も体調が悪かったりちょっと風邪っぽかったら「梅肉エキスを舐めて早く寝なさい」というのが習慣となっています。

 そして食卓の守り神はやはり梅干し。今の日本人は肉食が多く体が血液が酸性に傾いていると言われますが、梅干しは強アルカリで体のバランスを整えてくれます。鉄分などのミネラルの吸収も促進し、胃腸を整え、その殺菌力で今の時期の病原菌を抑える力もあります。胃腸が弱った時におかゆと梅干しという組み合わせは、理に叶った食事なわけです。しかも本物は美味しい

 そんな梅干しといった伝統食を始め、江戸時代までは日本は漢方を中心にした医療だったのが、明治に入り、肉を中心にした西洋料理ばかり食べる人達の中で今までに無かった奇病が流行りました。また医学の世界でも「西洋医学を修めたものが医者だ」と漢方医を無くし、森鴎外のように西洋医学を盲信したばかりに脚気で多くの兵士を死に追いやるという事件も起きました。

 そこで登場したのが、漢方医学も西洋医学も修めたマクロビの起源と言われている石塚左玄です。先週もちょこっと書きましたが、彼は、いわゆる「身土不二」の元となる思想を元に、「人間と自然は一体で切り離せない。その地域の旬が人間にも最も適していて健康的な食べ物だ。そしてその地域で代々伝わってきた伝統的食生活を学ぶべきである」といった「食養生運動」という考えを広げていきました。

 「一物全体」といって、例えば白米は栄養素を取り除いた残り粕であり米は玄米として食べるべきだ、というように「食べ物は丸ごと食べるべき」と言ったのも石塚左玄です。そういった石塚左玄の残した考えで一番凄いな~と思うのは「食育」という考えだと私は思います。「体育、智育、才育は即ち食育なり」「子供の教育の礎は食育である」と日本で初めて説いたと言われています。特にそうだな~と思うのが、「子供の教育において、健康と命に関わる食育が最重要で、それは親が行う家庭教育である」と明言していることです。

 思い返すと私が食卓で言う事は親の受け売りが多いのです。例えば「肉をグー食べたら野菜はパー食べなさい」とか、「ご飯粒を残すとバチが当たるよ」とかです。もちろん、私は今の仕事が農に関わるので、食卓の野菜がどうやって出来たものか、とか、梅干しやラッキョウは世界最強だぞ、とか意識してたわけではないですが、伝えてきました。どうせ高校生ぐらいからマックとかコンビニ飯が増えてくるわけですが、私がそうだったように大きくなって体調を崩したり、あるいは子供が出来た時にどこに立ち返れば良いかわかっているということは、とても大切だと思うのです。

 そして、各家庭にも意識しているかどうかはさておき、それぞれの食育があると思うのです。みなさんの食卓ではどんな会話がされているか、覗いて聞いてみたいものですね~

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柳田国男の小話

2023年06月09日 | 自分の時間

今日は柳田国男さんのお話。

私は「どう生きていくべきか?」というシンプルな人生の問いから、農村に出会い、今の生き方になっていることもあり、その流れで「農村で日本人はどう生きてきたのか?」に関心があるわけです。当然、民族学が好きになるわけです。

となると、柳田国男、宮本常一などはやはり有名どころとして通るわけです。

で、この前、柳田国男の番組を見て、「へ~」と思ったことがあったので、備忘録も兼ねてつらつら書きます

 

1;「文明開化に対するアンチテーゼ」

民俗学の大家、というイメージでしたが、その背景には明治の文明開化があったそう。

明治になって、「昔からの古くさいものは切り捨てる」ということで、法律で妖怪や怪談の話は法律で禁止、盆踊りは禁止、といった時代で、日本人の生き方が不安定になったわけです。そういった時代に、民衆の中で長々と語り継がれてきた民話、近代化で切り捨てられた古いものにこそ価値がある、ということで民俗学が出てきたのです。へ~、知らなかった

 

2;「農民はなぜこんなに貧しいのか?」

貧しい家に生まれたため、既に開業医となっていた茨城の兄のところに預けられ、帝国大学に入り、農商務省に入った柳田さん。まず、新しく制定された「産業組合」という、地域の農家を集めて団体を作る仕事を任されたそうです。

ところが、上司はいわゆる富裕農を使ってどんどん作れという指示。一方で、柳田さんは貧しい農民のためにこそ産業組合を作るべきだ、と猛反発したそうです。

そこで生まれたのが「遠野物語」という流れがあったようです。今、妖怪を信じる人々の中に自助と共同の精神があったはずだ、ということ。そういった精神こそ大事だ、ということで農商務省から部署異動しても、農村を歩き続けたそうです。

その原点は、小さい頃に目にした茨城のお寺にあった徳満寺にあった飢饉の悲劇を描いた絵馬。それは、生まれたばかりの子供を抑えてつけて殺そうとしている絵。障子には角が生えた影が映っている。「子供心に農村の貧困さの恐ろしさを知った」という事だそうです。

そこから「農民はなぜに貧なりや?」という生涯の問いに繋がったそうです。その問いを考えるに当たって、過去を掘り下げてどのような経緯で今の暮らしになったのかを知る事が必要、それが経世済民に繋がる、という思いに至ったそうです。それが民俗学の原点だそうです。

柳田さんが農民のことを考えて、農民の貧しさをどう解決すべきか、を考えていたそう。知らなかった

何となく、宮沢賢治に通じますよね~

ちなみに、その後、大正デモクラシーにのっかって、普通選挙運動なども行っていた原点も、やはりここにあるそうです。

 

3;「今の社会科の授業のフィールドワーク」

社会という科目は戦後に出来たそうです。柳田さんは国語と社会の教科書に関わったそうで、足に社会科の授業に「郷土を調べよう」という事を入れたそうです。

郷土の産業や人口、待ちの歴史や伝承を子供達自身に学ばさせようとしたそうで、自分の町を調べるところ、つまり、地図を作ったり町の人にお話を聞くというフィールドワーク、ありますよね?あれって柳田さんが元々入れたそうなんです知らなかった

柳田さんとしては「自分のベースを深くしる事、それが力になる」という思いが、今も続いているそうです。

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地域の時節のものを食卓に

2023年06月07日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です

 月曜日は中学3年生の次男の体育祭でした。中3の出番は後の方なので、朝の洗濯を干して余裕をかまして行ったら、プログラムが前倒しで進んでいて息子の1つめの競技が終わっていました

「やってしまった」と思いましたが、今はすごい時代になったもので、学校がYou tube配信をしてくれていたので後から見れました

 また、応援団長の1人はクール&超イケメンの子で背が圧倒的に高く、もう1人は皆から好かれてきた背が低い子。2人とも小学校時代からなんとなく知っていた子達で、立派な応援団長を勤めていました。小さい頃から知っている子供達の活動を見るのもこれでほぼ終わり。みんな大きくなったな~、立派になったな~と感慨ひとしおです

 さて、6月と言えば梅の季節です 梅はスーパーでも売っていますが、私は知り合いの梅を毎年頂いています。

 青梅をたたき落としても良いのですが、やはり一番美味しいのは黄色く完熟した梅を使うこと。市販の梅干のほとんどは調味液につけたもので、本当に塩漬けにして重石をかけて梅酢を出し、赤しそを入れ、土用干しをしたものはなかなかありません。黄色くフルーティーな香りがし始めた梅を使った梅干は本当に美味しいのです

 ちゃんとした梅干を食べていれば、うちの息子のように高級はちみつ漬け梅干が「まずい」という味覚になりますよ

 また、「梅はその日の難逃れ」と言われるほど薬効が高く、特にお日様の力を頂いた梅干は、病原菌の殺菌効果が強く、かつ、胃酸過多、あるいは消化不良などの胃腸を整え、カルシウムや鉄分のミネラル吸収もお手伝いしてくれると言います。日本人は米と味噌と梅干、そして菜っ葉と時々の魚で十分に生きてこれたというのは、本当だと思います。むしろそういった食生活で生きてきた昔の人の方が健康で頑丈だったと思います。

 明治時代に入って「体が小さな日本人は力をつけるために、肉を食べなければならない」と肉食が推奨されました。その結果、逆に体力が落ち、奇病=「今までになかった病気」が広まりました。そこに漢方医学だけでなく医師でもあり薬剤師でもある陸軍薬監の石塚左玄が「民族の伝統食習慣を軽々しく変えるべきではない」と今のマクロビオティックに繋がる「身土不二」の考えを唱え、「三里四方で採れる旬のものを食べなさい」、という「食養生運動」が始まりました。

 自分の住んでいる地域の風土で育った食べ物を食べれば、暑いときは暑さに耐えて育った命を、寒いときは寒さに耐えて育った命を頂くことになります。そういった自然の食に反し、穀物菜食の日本人が体に合わない肉やパンや旬ではない遠方のもの取り寄せて食べることで胃腸内バランスを崩し、血液が汚れ、奇病、今で言うガンや成人病が広がっていったと言われます。例えば冬に体を冷やす南国のバナナやキュウリを食べ、1年を通して糖分過多、血液を酸性にしカルシウムを奪う肉中心の食生活をし、ミネラルや野菜不足であれば体が壊れていくのは仕方がありません。

石塚左玄の言葉で「学童を持つ人は、躰育も智育も才育もすべて食育にあると考えるべきである」というのがあります。今で言う「食育」の始まりですね。

 農の世界にいると、夏はキュウリやナスばっかりとれるので、「ばっかりのものをいかに調理して食べるか」という発想になります。レシピではなくその時々にある素材ありきで食卓を整えるんですね。

 その中で、梅干は健康の源となる胃腸を整え味覚や食欲も整える、1年間欠かせない家族の守り神のような存在です。梅ジュース、梅酒ももちろん美味しい。旬のものを食べるとともに、今、この時期はやっぱり梅干を仕込みましょう

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今年の梅、第一弾

2023年06月05日 | 農的体験・生活

6月は梅仕事の時期。

いつも梅をとらせてもらっている旦那さんが、トウモロコシ好きなので、早出し栽培をしているおかげさま農場のトウモロコシを持参して、毎年、物々交換させてもらっています

ところが、そのお宅の梅が今年は久々に不作。ということで、昨日拾わせてもらったのですが10kgに届かず。改めてお邪魔させて頂くようお願いしました。果実は年によって表・裏があるから仕方ありません。


 週末の大雨で泥んこのもあったので、昨日は黄色くなったのを選別して男子の次男に洗ってもらい、1回目の塩漬けに。そして1晩置いた青梅はだいぶ黄色くなってきたので、今日、明日に分けて漬け込みます。


 ゆくゆくは庭がある家に住みたいものですが、1番欲しい果実は梅、2番目は柿。3番目はビワ、4番目はイチジク、5番目はみかん、、、。う~ん、庭付き家屋が欲しいな~

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