半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

今年最後の「食と命の教室」稲ワラ納豆作り

2019年11月30日 | 農的体験・生活

ここ最近、ずっと雨が続いて畑やぐちょぐちょ。

また何だか温暖な天気が続いていた11月でしたが、急に寒くなってきました

11月も変な気候が続きましたが、直近、数日は気持ちの良い晴れ間が広がり、今年最後の「食と命の教室」は楽しく開催出来ました

最終回となる今月は人気の「稲ワラ納豆作り」ということもあり、単発の方、年間コースの方のご紹介、昨年の振り替えの方などでワイワイガヤガヤと大人数

 

高柳さんも最近は作らなくなり、年に1回のこの教室で作るので、私が先生役になってしまいましたが、みんなでワラ仕事をしました。

まず、稲刈りの時にコンバインでやらず手刈りしてとっておいた稲ワラの余計な葉っぱをとって、茎だけにします。

これを「ワラすぐり」と言います。

 

そして、濡らしたワラの間に短く切ったワラを差し込んで手で編みこんでいきます。

 

するとスダレのようなものが出来るので、それをくるりとまいて「ワラつと」という納豆を入れる容器の出来上がり

 

高柳家の小糸在来の釜炊きした煮豆を入れて、あとは2日ぐらい保温して発酵させたら完成です

 

お昼ご飯はいつものとおり、お母さんの美味しい手作り

お肉は無く野菜ばっかりですが、毎回美味しく「この教室の主目的はこれです」という人もいます

 

午前のお話と納豆作りで時間が押したので、午後は三浦大根を抜いて終わりにしました。

みんな、やはり畑での収穫は楽しそう

特に三浦大根はなかなか抜けないので、キャーキャーはしゃいでいました

また、畑の端で自生している菜っ葉をむしって食べる女子陣など、穏やかで楽しい時間が流れました

 

畑から帰ってきたら、みんなで1年の振り返りをしました。

「ここに来る人はみんな大らかで優しいくて、自分もそういう気持ちになれる。普段の生活でもみんなそういう風になれたらいいな」といった声が特に印象的でした。

 

高柳さんも、最終回ということでレジュメを作ってくれましたが、話ている内容はいつもと同じ。

何度繰り返して話しても、なかなか今の人達には真意が伝わらないのが知識や情報で、この教室は高柳さんの知識としてのお話も価値がありますが、それは最初の数カ月の「刺激」だと私は思っています。

やはり人の学びは体で体験し、心にしみたものが残ると思うのです。

なので、田畑を通じて季節の移ろいや作物の成長、収穫の喜びを体験し、昔ながらの高柳家の生活に触れることで料理やみなで協力して仕事をすること、あるいは手作りの納豆などの農村文化の体験が、今まで生活に安らぎや潤いを与えるのがこの教室の良い所だと思います。

 

そして、何より、高柳さんの人柄や生き方に触れること。

日本人は本来、個人バラバラで生きていたのではなくて大らかに繋がりながら生きてきたという事を体感できることが、各参加者の生き方に大きなインパクトになるんだと思います。

それにしても、今年も素敵な人が沢山来てよかったな~、と思います。

そして来年度は2月15日(土)からスタートです

詳しくはホームページからご覧ください。

また素敵なご縁に巡り合えることを楽しみにしています

https://www.minson.jp/shyokutoinochi/

 

 

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田んぼのような畑&そば打ち

2019年11月24日 | 農的体験・生活

寒い日が続いた週で、私もどうも調子が出なく、(木)(金)と、日中も仕事が終わればひたすら睡眠して体力を回復してました

というのも土日が田んぼと畑の耕育教室だったからですね。

今年はとにかく週末が雨になる確率が高い

今週は、天気予報では教室開始時の10時には雨はまあまあ上がっているはずだったのですが、土曜日は10時過ぎが一番ピークで、日曜日も10時半ぐらいまでは雨が降っていました

8年やっていて、今年ほど雨にたたられた教室は無かったですね、ほんと

まあ、そんな年ですが、参加されているご家族のほとんどがテンション高く、小雨の中でもぐちゃぐちゃになった畑で落花生の収獲を楽しんでくれました

イベントの都合上、9月には収獲するべき落花生を11月まで引っ張っているのですが、今年は3度まき直しをしたためか、例年まれにみる収穫量でした

大体、今年はプロの農家さんも長雨で収量が半減、なんていうのが当たり前だったので、予想外でびっくりです。

 

しかし、場所によってはまるでプール、いや田んぼのようになっていて、足がはまるわ、で、まあ大変でした。

それが逆にみんなのテンションがあがり、特に子ども達は大はしゃぎ

お母さん達からすれば「着替えは1つしかないのよ」「もうそば打ちは裸足でやるのよ」と、大変な感じですが、子ども達は体いっぱいに楽しそうでした

まあ、こんな状態で落花生を掘っているのは、全国探してもここぐらいでしょうね

 

落花生はこんな感じで、まあ見た目では過去8年で最も穫れました

もちろん、実が入っていないのが半分ぐらい今年はあると思いますが、まあそれにしても良く穫れましてた

 

そして、田んぼのような畑で足腰を使った収獲をした後は、今回のメインの「そば打ちタイム」です。

根本さんのそばは本当に美味しく、8割ぐらいの人が「初めてのそば打ち」という事で、みんなでそばを打ちました。

 

ちなみに、これは小5の息子が自分で1人で作ったそば。

切る時も1回1回丁寧に時間をかけて切っていたので、よくぞまあ、手打ちそばでここまできれいに均一に切れるな~と感心します。

私はこんな上手にはとても切れません

 

思い返せば、8年やっていますが、うちの子ども達は物心ついた時からこの田畑や農家さんと触れ合っているわけで、団地暮らしとはいえ、農村を十分に味わえる少年期を送ってきたわけです。

そう思うと「農村コーディネーター」という仕事をやってきて、良かったな~と思います

 

また、毎月、こういったところに子ども達を連れてくるのはたいていお母さん達。

いろんなお母さんがいて、またちょっとした子育て話にもなったり、旦那の話になったり。

まあ、色々なご家庭のあり様、子ども達を8年も見ていると、お母さん達が奮闘している姿にエールを送りたくなります。

とはいえ、子どもは小さい時はあっという間。大変ではあるでしょうが、出来るだけ楽しんでもらえるよう、こちらも楽しめる場作りを引き続き頑張ってファシリテートしていきたいと思います

 

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フォルケホイスコーレ

2019年11月18日 | 自己紹介・このブログについて

先日、寺田本家のお勉強会に行ってきました。

というのも、私がずっと考えている「大人も子供も学べる寺子屋のような第2の学び場」の参考として、北欧にある「フォルケホイスコーレ」に関わるデンマークの人がやってくる、という事だったからです。

前置きですが、私は大学のサークル活動をやっている時ぐらいから、「誰でも、今は輝けなくても、その人が輝ける場が必ずあるはずだ」という思いを持つようになりました。

そして、勉強なりサークル活動なり何なりと、良くわからない問題を自分で理解し体得したものを、新しい人にわかりやすく教える事が、特技であり、自分が大好きであることにも気づきました。

サークルでも「パッション先生」と呼ばれていて、教育は自分の転職と気づいていました。
ただ、「好きなものはやらず苦手なものを選ぶ」という習性があるため、先生にはあこがれがあったものの、教育には進みませんでした。

しかし、大学時代に「誰でもその人が輝ける場が必ずあるはずだ」という信念と、社会人3年目ぐらいで出会ったcoactive-coachingの「誰1人間違っている人はいない」という鉄則を学ぶことで、自分の中の人に対する芯は固まっていきました。

その後、まあ色々ありましたが、自営業になり、疑問に思う事を自分なりに学び続けてきました。

そして、子どもの問題をとやかく言う大人がいる世の中で、「そんな子供を育てたのは大人じゃないか」といつも思っていましたし、そんな大人が出来てしまう理由は「社会のせいじゃないか」という思いになり、結局は、大人が学ばないと社会は良くならない、子ども達のためにもならない、という結論に達しました。

良く「勉強しなさい」という親が沢山いますが、ずっと思っていることは「でも、、そう言う親が子ども以上に勉強していないじゃないか。それならそう言う権利はないでしょ」という思いを持っています。

だから、私の場合は、自分が学んだ以上のこと、自分が努力してきた以上の事を子どもには絶対言わないようにしています。

子どもに言えるように、あるいはお手本になれるように、自分を磨くのが大人の責任だ、と思っているのです。

だから、「大人も子供以上に学ばないと」という思いに至っているわけです。

その形は学校とは違うオルタナティブ、日本語訳としては「代替となる」学校ということで、「オルタナティブスクール」というものが必要と思ってきたのですが、オルタナティブという単語は日本ではそれほど浸透していないので、「第2の学び場」「セカンドスクール」というコンセプトで、学び場を作りたい、とずっと思ってきたわけです。

で、体調も少しずつ整ってきたので、今年はその1歩としてちょっと家庭教師をやったり、「セカンドスクール」の形を具体的に考えてきました。

しかし、どうも「大人の学び場」というのがすっきりはイメージがつかない。

そんな時に出会ったのが北欧の「フォルケホイスコーレ」だったのです。

「フォルケホイスコーレ」は、北欧にある大人が行く民間大学みたいなところで、私の考えにまさにぴったりくるものでした。

具体的には寮生活をしながら勉強を学び直したり、陶芸や大工仕事など趣味や職業訓練も出来ますし、また、サマースクールのように2週間とか1週間といった短期滞在型の学びの場もあります。

海外によくある短期集中型の研修のリトリートのような感じで、集中してコミュニケーションを取りながら自分の変容を目指すものもあります。

あまりそういった研修を受けている人は日本では一部大企業や外資系の企業、あるいは人事の人しか知らないでしょうが、私が受けたco-actve-cochingの研修では、そういったことに関心がある人が沢山来ていました。

で、先日、成田で開かれた「オーガニックフェス」でお友達が寺田本家さんの今回の企画のチラシを私にくれたのです。

そこには「デンマークの食と学び」についてが書いてあったので、寺田さんのブースで当主の奥さんに「私、最近、フォルケホイスコーレに関心があるんですよね~」と話したら、寺田聡美さんが「凄い!ちょうど、今回来る人がフォルケホイスコーレをやろうとしている人が来るんですよ!」と教えてくれたのです。

そんな感じで参加してみた寺田さんの所の勉強会。

内容としてはデンマークの「民主主主義」がいかにつくられているか、という事がほとんどでしたが、よくぞまあ、そこまで民主主義を頑張って活かしているな~と思いました。

まあ、その内容はさておき、フォルケホイスコーレの事が少しわかりました。

予習として、たまたまネットでスウェーデンのフォルケホイスコーレの論文を見つけて読んだところ
・大学はエリート向けだったが、民衆にも学ぶ場が必要ということで始まった
・ところが、戦後、国が国民全体が勉強出来る場として学校を作り替えていったので、そういった民衆向けという位置づけのフォルケホイスコーレの位置づけは低下した
・今は、高校をドロップアウトした人、大学に行けなかった人、移民で言語教育が不足している人、あるいは就職に必要な技能が身についていない人が、社会できちんとした仕事を得るための「学び直しの場」としてフォルケホイスコーレがある

ということが分かりました。

あれ?これは私のお持っているのと違うな~と思って、今回の寺田さんの勉強会で聞いてみようと思ったのです。

ところが、聞いてみると「スウェーデンとデンマークは違うのです」という事でした。

デンマークのフォルケホイスコーレは
・もともとギャップイヤー、つまり、高校卒業後、あるいは就職や大学に行く前に1年間、自分で興味がある事に時間を費やす習慣が普通にある
・そういった文化の中で、社会人になっても退職後、例えば陶芸をやったり、と必ずしも就職のためではなく、自分がやりたいと思っていたことをやるという文化がある
・高福祉国家として、そういった時でも生活が保障されているから、好きなように出来る
・国としても、認可したらそのフォルケホイスコーレを設立した団体に運営費の半額を助成する、といったことがある
・そういった「誰もが好きなことを学ぶ権利がある」という民主主義が徹底している
ということでした。

これは日本と根本的な歴史や文化の違いで、国民の「学び」に対する民度も違うわけです。

日本という国家がそういった民度には、そう簡単にはならないだろうな~、と思ってしまいました。

ただ、誤解してほしく無いのですが私は日本の教育のレベルは高いと思っています。

海外の教育が素晴らしい、という人の中で、日本の教育を批判する人が多いですが、きちんと学べば、日本の教育は世界トップレベルだという事がわかります。

それは「誰もが広く学びを得れるよう」に徹底的に作られているからです。

例えば、集団行動、マナー、と行ったところで言えば、韓国のトップレベルのビジネスマンは日本の企業風土を学びに、お金ではなく企業経営を学びに転職してきます。

あるいは、アフリカやアジアの学校が、日本のカリキュラムを学んで学校を作っています。

海外は、人権尊重、民主主義で素晴らしい、というイメージがありますが、逆に言えば、「最初から仕事につくための目的的な学校」という位置づけが強く、「出来る子は上へ行きなさい。出来ない子は就職しなさい」と、身分が成績でしっかり決まる文化があります。

「出来ない子は出来ない子なりに自分で選択を考えて進めば良い」という感じですね。

日本は逆に「頑張って出来る子になりなさい」という文化です。

一長一短がありますが、「1億総中流社会」になったのは、このおかげです。

ただ、その締め付けがどんどん強くなっていっている気がします。

特にアメリカの影響のせいでしょうが、地域文化や歴史文化が壊されてきたために、「もっと学校で教えなくては」という流れになり、集団教育からしつけ、あるいは道徳まで学校で教える状態になりました。

学校に深入りしている私だから、その辺の人よりは詳しいと思うのですが、知れば知るほど「まあ、よくぞそこまでやってくれるな」と学校には頭が下がる思いなのです。

それだけ、今の日本は学校の依存しているのです。

逆に言えば、今の公教育が欧米と同じになったら、例えばサッカーやラグビーでゴミを拾ったり他国の国家を歌ったりして賞賛されている日本人らしさ、というのは無くなってしまうだろうな、というのが私の思いです。

と、話がずれましたが、大人が自ら学ぶような場、という意味で、デンマークのフォルケホイスコーレのようなものは日本ではまだまだ合わないな、と思ってしまいました。

ただ、ファシリテーターの人が「日本でも一応、3つ、フォルケホイスコーレがあります。また、そのままの形でなくても、例えば、国がお金を出して若者を地方で1年間、魅力を発掘させて起業させたりする『地域起こし隊』がありますが、あれも形はちょっと違えどフォルケホイスコーレみたいなものですよね?今の若者はきちんと情報を発信すれば反応してくると思いますよ」といった話をしてくれました。

なるほどな~、と思いました。

私も色々考えていますが、私の基盤は「農村」にあるわけだから、もともとやっている事業を中心に、カリキュラムやプログラムを追加して整備する形で設立した方が、筋が通るな、と。

この勉強会中、私は耳で刺激を受けながら頭は自分の「セカンドスクール」の作り方を色々考えながら構想を紙に書きつけていた時間になりましたが、「吸収する場」としてよりは、「刺激を受けて自分を活性化する場」として、しばらく久々に外に出てみるのもよいな、と思いました。

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根を張るニラちゃん

2019年11月08日 | 農的体験・生活

朝晩、だいぶ涼しくなりましたが、日中は体を動かすと暑いぐらいの日が続いています。

11月にしては日中は気温が高く、農家のみなさんも「もう11月なのにね~」と不思議がっています。

まあ、ここ10年は、毎年「何か変な天気だね」という感じでしたが、今年はもはや「普通の年」という言葉は農家ではなく一般の都市住民のみなさんも思う年ですよね

さて、秋の畑です。

私はプロの農家ではありませんが、自給用として50坪ぐらいの畑をやってかれこれ10年。

まあ、家庭菜園ではまあまあのキャリアになっております。

 

夏の野菜の後片付けが終わり、秋冬野菜の種蒔きなどが終わると、後の畑作業は収獲ぐらいなのですが、11月頭に残された種まき作業があります。

それはスナップエンドウ。

買うと高いけど、作ると簡単で美味しですよね~

サツマイモを収穫し、スナップエンドウを蒔くのが今日のメインの仕事ですが、今年は芋が過去で最低レベルの出来でした

収量も少なく、虫食いが酷い

プロの農家さんのところは出来が悪いとはあんまり聞こえてきませんが、自給用で作っている仲間の農家さんも「今年は長雨のせいか、量がとれないよね」と言っています。

畑によって違うのでしょうが、これでは毎年しているお裾分けができません。とほほ

 

ただ、その他はボチボチの出来です。

黒田五寸人参は、ちょっと私がミスをしたため発芽が1割ちょっとだったので、収量がほとんど無いのですが、きちんと育っています

 

こちらは9月下旬に植えたニンニク。種をとりつづけてもう何年になるのかな?

台風の影響もなく、カラスにもやられず、今のところ順調です

 

こちらは「日本ホウレンソウ大和」。

台風で壊滅するぐらいの被害を受けて、10株ぐらいしか残っていないのですが、味は抜群

流通しているのは西洋ホウレン草で葉っぱは丸みを帯びていますが、この「大和」は、昔ながらの赤茎で、葉っぱもギザギザしている、名前が素晴らしい日本のホウレン草です

 

こちらは春菊。

私の数少ない出荷物でもあるのですが、今年は例年より早く虫が出始めています。

 

プロ農家のみなさんも、「今年は虫がなんだか凄いよね」と言っていますから、台風で作物も弱ったところに、これまた生き残った虫たちが一斉に冬越の卵を産み付けて頑張っているのでしょう。

ただ、出荷物としては例年まれにみる虫の量であり、食害もあるし、糞も汚いので、初めて対策をすることにしました。

それが、「お酢」です

家で食べるお酢はちゃんとしたものですが、野菜にあげるのは醸造アルコールの安いやつで十分です。

(家庭菜園1年目は、「食べ物だから」と言って、高い純米酢を使っていましたが

 
 
お酢の効能は「虫よけ」というのは、何となく知っていました。
有名なのは「奇跡のりんご」の木村さんが、リンゴの木にお酢を与えていた、というお話。
お酢を虫よけに使う場合は、「臭い」が大事なので、大体50~100倍までの濃い目にして散布します。
例えば、50mmℓで5ℓ、という感じですね。
 
そして、これはあまり知られていませんが、お酢の効能のもう1つが「炭水化物肥料」の供給です。
小祝さんという農業界では知っている人は知っている農業コンサルがいるのですが、「木村さんがリンゴが出来たのは、お酢をあげていたからだよ。あれは肥料だから」と言っていますが、実は、植物は根っこからお酢を吸うのです。
 
もっと言うと、植物は葉っぱで光合成をして炭水化物を作るのですが、炭水化物というのは燃えると炭になるもの、つまりセルロース、植物の外皮となる部分です。
これは分解するとアルコールになり、お酢になり、ブドウ糖になります。
 
しかし、植物は光合成が出来なくても根っこからアルコール、お酢などを「炭水化物肥料」として吸う事が最近の研究でわかってきました。
これにより、外皮がきっちり形成され、虫がよってこない、虫がきても食害にあいずらい、そして何より野菜そのものの栄養が高くなり、味も美味しくなる、という事がわかってきたのです。
 
ということで、お酢をたっぷりかけることで、「虫よけ&食味向上&生育促進」という効果があるのです
 
昨日も実はお酢をかけていて、今日と続けて2日連続でやったので、これで虫は数日は寄ってこないでしょう。(まあ、雨が降ったらおしまいですが
 
そして、今回、一番、難儀だったのがニラの植え替えです。
今年のニラは絶好調すぎて、ちょっと販売したぐらいです。
ただ、これは南からの写真ですが、北側の3~4年前に最初に植えたあたりは混み合って葉も細くなってきたので、植え替えることにしました。
 
ニラというのは、ニンニク、らっきょうと同じで、球が分球していくので、何年か経ったら葉っぱが混み合ってきてしまうのでバラシて植え替えると良いと言われています。
 
ということで、春と秋の2パターンあるのですが、知り合いの農家さんと相談して、植え替えることにしました。
ところが、根っこを掘り返そうと鍬を入れたのですが、これがなかなか根っこの張りが凄くて抜けないんです。
仕方なく、ちょっと根っこを切る感じで掘り返したのですが、それでも絡み合ってしまって抜き取るのに一苦労。
そしたら、こんなに根っこが絡み合っていました
 
ラッキョウを2年植えっぱなしにすると「花ラッキョウ」と言って、3層ぐらいラッキョウの玉が重なっているのが出来たことがあるのですが、ニラもせいぜいそんなものと思っていました。
 
ところが、これはもう、どこが球なのかわからないぐらい
 
それにしても根っこがこんなにも張り巡らされるなんて、凄い生命力だわな~。
そして、これだけの根っこがあるんだから、そりゃ、葉もわんさかでてくるわ、と納得しました。
 
どんな野菜も根から、と言われます。
上に見える部分は、根と同じと言われていて、たいがい、野菜がだめになる理由は根が張れていないから。
逆に言えば、根が張れていればあとは上は伸びるだけで、暴風雨や病気など外部の刺激にも強くなります。
 
人間も「根が大事」「根無し草の人生は大成しない」と言われますが、植物も人間も同じですよね。
 
ここまで根が張れていれば、ニラちゃん、もう立派です
 
球を分けて植え替えましたが、この勢いだと、50坪、全面ニラ畑に出来るぐらいの勢いです
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秋の畑

2019年11月02日 | 農的体験・生活

秋深まると雑草の伸びも無くていいですね~

基本的生活として、やはり畑があると無いとではどうも違うのは、日本人が農耕民族の歴史が長いからでしょうか?

畑が嫌いという人はあまり聞いた事がありません

(まあ、好きな人が農村に来るわけですが

 

この辺りは台風15号の影響がすさまじく、ビニールハウスがある農家さんは全部ズタボロにされました。

特に骨組みまでやられてしまった農家さんが多く、中には70歳を超しているので、これにて農家を廃業、なんていう悲しい現実も

 

また露地野菜で大根が半分やられた、とか、苗を植えたばかりの白菜が今年は全部壊滅した、なんていう農家さんもいます。

 

私は40~50坪ぐらいの家庭菜園なので、ニラが倒されたり空心菜がズタボロになったぐらいで、自給用の野菜が少し減ったというレベルです。

 

で、今の時期は何をしているかというと、通常は秋野菜の収穫が始まると同時に、来年の春に向けて、ボチボチ畑の整理をしておく、という時期です。

 

例えば、夏野菜の空心菜はこんなになっていますが、これは2カ月ぐらい放っておいているやつで、このまま放っておけば寒さで枯れるのですが、ビニールマルチを剥がしたり整理をしておいた方が良いので、今回、全部刈り取りました。

 

空心菜は中国野菜なので、好きな人は超好き、そうでない人は良くわからない、という野菜なのですが、ヒルガオ科らしく、今回は朝に仕事をしていたので、こんな感じで花が咲いていました

 

そして今、私の畑の入れ食い状態が始まったのは春菊です。

春菊なんて、てんで美味しいと思わなかったけど、自分で作るようになって「こんなに春菊って美味しいんだ」とびっくりしています。

香り豊かでうまみもあって、土や作り方のせいかもしれませんが、美味しいですよ~

 

こちらは定番、日本ホウレン草「やまと」。

ギザギザした葉が日本ホウレン草の特徴で、収量は上がりにくいのですが、美味しくて茎も赤くて、昔ながらのホウレン草です

ネズミか何かに種を食われ、そして台風で追い打ちを食らったので、食えるのは10株あるかないか。。。

まあ、今年は仕方ないです。

あと食えるものないかな~、と探してみたら、ニラがまだ元気でした。

ただ、10月から刈り取らずそのままにしておきます。

というのも彼らはユリ科で根っこに栄養を貯める球根植物なので、冬越し前の光合成で養分を貯め込んでおいて欲しいからです。

あまり取り過ぎると来年のニラの収量が落ちちゃいますからね。

 

空心菜のマルチも剥がし、草もちょこっと抜いて、あと残っている大仕事はサツマイモの収獲です。

2畝で100kg近く穫れると思うのですが、半分は知り合いに配っています。

その芋堀が終われば、あとはスナップエンドウを蒔いて基本的な仕事は今年は終わりです。

例年、空豆も作っているのですが、最近は不作が多いので今年度は止めようと思っています。

 

9月の台風15号からどうも気がふわんふわんしていて、あっという間に10月も終わり11月。

あと2カ月、気持ちの切り替えが出来るのかわかりませんが、こういった時にルーチン仕事があると、それをすることで一応業務は前へ進みます。

農家さんはこういったことを何十年も続けてきました。

人間、歳を重ねていくとチャレンジ精神が失われていく、と言いますが、逆に言えば、壮年期には「確かな仕事」を積み上げていくのも大切なんでしょうね。

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2℃の温度差が…「地球を守ろう」勉強会

2019年11月01日 | 素敵な空間・イベント

 

先日の「食と命の教室」で、参加者の1人が「地球を守ろう」という勉強会を成田で開く、という話をしました。

しかし、土曜日の時点で2人しか参加者がいなくて、逆に私たちの方がびっくり

そして、私や高柳さんらみんなで応援することになりました。

結果、わずか3~4日で30人満席に

しかも「食と命の教室」の同窓会みたいになっていて。

嬉しかったですね~。

 

さて、この勉強会、私は仕事があったので17時~19時の催しだったのですが、18時頃と途中参加。

しかし、なかなか凄い話でした。

 

一番大切なキーワードは「プラス2℃の気温の上昇」です。

私は途中参加なので、全体はわからないのですが、後半から参加しただけでも、ドイツを始め、欧州では大変なことになっていることがわかりました。

 

みなさん、9月の国連の環境サミットは覚えていますか?

グレタさんという環境活動家の少女がボートでニューヨークに来たという事や、小泉大臣がセクシー発言した、という事が日本で取りざたされていましたが、それとはまったく次元が違う事がヨーロッパでは起きていたそうです。

そもそも、あのサミットは国連が首脳級を集めた気候変動のサミットをするのは5年ぶりで、ある意味、「臨時緊急会合」だったようです。

正確には「気候行動サミット」で、二酸化炭素排出量の大幅な削減をするために具体的な行動と発表を求めての緊急サミットだったのです。

だから、ドイツを中心とした欧州各国は「具体的な発表」が出来るように準備をしていたのです。

だから、小泉大臣が「日本もリーダーとなるべく頑張る」と自信を持って発表したあと、「具体的な策は?」と突っ込まれて「私は大臣になったばかりなのでまだわからない」と答えたくだりがありましたが、あれは各国からすると「日本は何なんだ?」となってしまっているわけですね。

 

というのも、欧州では8月頃に

「あと18カ月で何とかしないと地球の温度が2℃上がる局面に入り、もう気温上昇の歯止めが効かなくなる危機的状況」

というのがイギリスのBBCを始めとした各国の国営放送がトップニュースで流れて、「いよいよこのままだと地球がまずい」という状況が広がったそうです。

どういうことかと言うと、私が聞いた記憶が間違っていなければ、

「2019年からさらに2℃上がると温暖化は加速して止められなくなり、2100年には世界の平均気温が40℃を超え北欧しか人間はまともに住めなくなる」

という事だそうなのです。

 

補足説明すると、この5年で世界の平均気温は0.2℃ぐらい気温は上がってしまいました。

そして、二酸化炭素の排出量は加速度を増していて、このまま何もしないと平均2℃上がってしまう、という計算が出たのです。

例えば北極、南極の氷が溶けると、宇宙からの太陽光線を「鏡の効果」で反射しているのが出来なくなり、熱がこもりやすくなります。

さらに、膨大な氷が溶けることで「氷解熱」が出ます。

また、水には炭酸が溶けるように二酸化炭素が溶け込んでいますが、それが限界に近づいていて、飽和したらもう二酸化炭素を吸う余地が無くなってしまいます。

さらに、今、海流の底が急激に温度が上がっていて、ついに表流水の温度が上がってきてしまいました。地球のほとんどを占める海の温度が上がって表流水まで温度が上がってしまうと、直接、空気を温めてもう温暖化は止まらなくなります。

ティッピングポイント、その限界点を超えると一気に雪崩式に次のステージに行ってしまう、という言葉がありますが、その「もう後戻りが出来なくなる」という状態が「あと2℃の気温上昇」という事なんです。

 

こういうことが夏に発表されて以来、欧州は一気に温暖化対策に傾き、9月の「国連気候行動サミット」に向けて発表が出来るよう、特にドイツは6兆円の予算を組んだそうです。

(ちなみに、私が調べた限り、その6兆円は補正予算は組まず、カーボンオフセット、つまり、環境対策してⅭO2削減できたと計算出来た分を日本などにお金で売って得る計画だそうです)

そして夏から、子ども達が「学校に行っている場合ではない」という事で、グレタさんのような集会を各地で開き、学校に行かない児童が増えてきて、「気候行動サミット」に向けて大規模な集会を行うような動きになっていったそうです。

日本も含めて世界150か国がそういったストライキや集会がされていて、日本でも小規模のはあったようですが、何よりニュースになったのは小泉さんのセクシー発言ぐらいでした。

ところが、ドイツや欧州では、毎日、トップニュースとして環境問題が流されていたそうです。

そして、子ども達は「大人は、将来のために勉強しろというけど、このままだと私たちの将来は無い」という事で、「好きな学校に行かなくても仕方ない、そんなことより地球を守らないと」、という行動になったそうです。

ドイツでは「結婚して子供を産んでもしょうがない」という少女も出てきているそうです。

で、その話に感化された大人も多く、今回の「地球を守ろう」プロジェクトを立ち上げたドイツ在住の日本人の青年の谷口さんもその1人だったそうです。

「ドイツでは毎日トップニュースで環境問題が流されていて、環境サミットで各国が大胆な環境対策を発表しているのに対し、日本では何も具体的な対策を発表していないばかりか、メディアでは小泉大臣のセクシー発言ぐらいしかとりあげられない状態を見て、あまりの温度差があると感じた。ドイツの仲間とドイツ国内で集会を開いていこうと予定していたけど、自分は日本人だから、帰国して日本を9月から周り始めこの無料の勉強会を開いている」
ということでした。

凄い話ですよね~。

しかも、手持ち弁当で最初はやり始めたそうです。

「そもそも、話を聞いてもらって知ってもらいたい、という事で来たのでお金はいらず、無料でやることにしました。でも宿泊費や移動交通費が結構かかるので、寄付してくれる方にはお願いしている」と、手持ち弁当で全国を回っていて、その輪が広がり、9月~12月で47都道府県を全部回る予定が既に組まれているそうです。

で、彼の住むドイツのミュンヘンでは、教育委員会も最後は「学校に行かなくて集会に行って良い」という決断を下し、その大集会の日はバスの運転手も飛行機のパイロットも集会に参加し交通機関はストップしたそうです。

だから「あの日は、飛行機に乗りたくてもパイロットがいないから飛行機が飛ばなかったんですよ(笑)。バスにも「これから集会に行ってくる」という張り紙をして運転手がいなかったり(笑)」と谷口さんは話していました。

 

そして今では欧州の大企業の経営者は「飛行機に乗るのはⅭO2を莫大に出すので恥だ」となっているそうです。

欧州各国の飛行機会社も「飛行機を30%削減して電車事業にシフトする」と発表しているそうで、そんなこと、全日空や日航はどう思っているのでしょうか?

 

そして肉を食べる事が環境破壊や地球温暖化につながるという理由でドイツではこの1年でヴィーガンが子供を中心に300~400万増えたそうです。

特に子ども達を中心にヴィーガンが広がっているようで、今回の主催者の谷口さんという青年もこの1年でヴィーガンになったそうです。

 

補足説明をすると、森林伐採の多くは「農耕地開拓」のために行われています。

日本の商社がアマゾンの森林を伐採して大豆を植えていますが、大豆と言うのはほとんどが「家畜のエサ」のために作られています。

木を切ると当然ⅭO2の吸収が少なくなり温暖化につながります。

畑にするために燃やしたら、それも大気中にⅭO2が排出されます。

更に、野菜というのは1作ったら人間はその1を食べれば済みますが、肉だと鶏肉1kgに対してエサが3kg、豚肉1kgに対してエサが6kg、牛肉なら10kgのエサが必要、という感じで、必要な肉をとるために必要なエサの量が沢山多いのです。(すみません、比率は私の記憶がうろ覚えなので、大体です

ベジタリアンやヴィーガンの本質は、「他の命をとって自分の命を保つことは良いのか?」といったところから来る人が多いのですが、ここ数年の潮流では、「肉食があることで世界の貧困や地球温暖化が起っている。なら肉食はしない」という理性的な判断をしている人が欧州では増えているのです。その流れが加速した、という事だと思います。

ちょっと農林水産省のHPで調べてみましたが、例えば日本では、乳牛でも肉牛でも約90%の濃厚飼料が海外の輸入ものです。

「日本国内の耕地面積が462万8千ha(2008年)であるのに対し、飼料用穀物等の輸入量を生産するための面積は429万ha(2007年)」

と書いてあります。

つまり、最近私が書いた「エコロジカルフットプリント」で言えば、日本の家畜の「濃厚飼料」だけで日本の耕地面積全てを使ってしまうっているのですから、いかに日本は他国の土地を使って今の生活を保っているかがわかります。

 

さらに深刻なのが「牛のゲップ」です。反芻動物のゲップはメタンガスで、二酸化炭素の23倍ぐらいの温暖化効果があるのです。

例えばニュージーランドは人間より羊の頭数の方が多くて、本気で「ゲップ問題」は「二酸化炭素排出量抑制の重大問題」として扱われてきました。

 

それがアメリカや日本など「資本力」で他国の土地を買いあさっていると、もう北海道のレベルではない大開墾をしてしまいます。

 

日本人で現地を見たことが無い人には想像が出来ないでしょうが、海外の「家畜」「農業」は「大地の使い捨て」です。

開拓して大豆を蒔いて、育てて荒れ地になったらそこは捨てる。

水でくみ上げて地中の塩分が表土に浮き上がって塩害になったら、使い捨てる。

が当たり前です。

 

世界で、毎年、九州と四国の面積が1年で砂漠になっている、と言いますが、日本のような四季があって雨量があるのは珍しくて、欧州や中国、インドやアメリカなどは砂漠やサバンナが多いので、ちょっとした緑地を農地にしてしまうと、もうすぐに砂漠になってしまうんですね、

日本で思っている農業とは世界の農業は次元が違うんですね。

そして牛の頭数も半端ない。

 

大人たちが動かないなら、自分達でそういった地球温暖化につながる肉食を止めよう、という事でヴィーガンが欧州の子ども達で急速に広がっているわけです。

 

一方で、日本では小泉大臣のセクシー発言とかしか取り上げられなく、「2℃、温度が上がると、もう温暖化は止まらず、2100年には北欧しか人類は住めなくなる」という危機感が広がっている欧州との「温度差」が全く違う事が、今回の谷口さんのお話でわかりました。

ほんと「2℃」についての、欧州との温度差が全く違うんですね。

 

私から見れば欧州はパニックに陥っているぐらいの状態に聞こえますが、あちらからみれば、それだけ深刻な事態になっているのに「セクシー発言」とかがニュースになっているだけの日本、しかも先進国で唯一、ⅭO2排出が無茶苦茶多い石炭火力発電所を今から50基以上も作る計画を立てている日本を「何をやっているんだ?」と怒りや呆れた顔で見ているかもしれません。

だから、サミットが開かれた国連の前で、安倍さんの人形が作られて抗議されちゃうわけです。

と、沢山書きましたが、今回の「地球を守ろう」の運動は12月まで各都道府県で続きますし、東京でも開かれる予定があるので、都合がつけば是非一度行って見てください。

「まずは知ってもらいたい」という谷口さんの熱意を感じるだけでも、価値はありますし、また日本との「温度差」を感じますよ。

http://chikyuwomamorou.com/

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