朝採り野菜ボックスのお手紙です
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■縁起物の「八つ頭」
セットに「八つ頭」が入りました♪最近の方はご存じ無い方が多いのですが、里芋は親芋に小芋や孫芋がつくので「子孫繁栄」のめでたい野菜なのです。八つ頭はその里芋の種類の1つなのですが、親芋に小芋がほとんどつかず、親芋1つが八つの塊で出来ているように見える事から八つ頭という名前になっています。八は「末広がりの八」で縁起が良く、また「頭」、つまりリーダーになる、といった色々な意味が込められて、関東を中心にお正月に食べる縁起物でした。料理方法は里芋と全く同じですが、通常の里芋よりぬめりが無くホクホクしていてとっても美味しいですよ♪
ただ、作り手としては栽培と出荷の際の手間が非常にかかること、料理する側も面倒で、最近はお正月に食べない家庭が増えてしまいました。お正月は何がめでたいのかというと、歳神様を招いて家族みんなで1つ歳を頂く、という節句でした。田作りや数の子など、縁起物を食べるのも、その家の繁栄や1年の家族の健康を願ってのことです。TVを観てダラダラするのも楽しいかもしれませんが、是非、新鮮な気持ちで有り難い縁起物を頂きながら、家族や子ども達の健康や活躍を願うお正月にしましょうね。
■激動の時代こそ農村に根を張って
いよいよ年末も押し詰まって参りました。コロナや環境問題の噴出で激動の時代のまっただ中にいることを感じますし、来年以降も劇的な変化が起きるということも感じます。私は東京でビジネスの最前線で働いていた時は、世界の潮流や経済動向などを学んでいましたが、今は70歳を超える農家さんから昔の日本人はどう暮らしてきたか、更にはどう死んで逝くのか、という事を学ばさせて頂いています。
日本は人口の大ボリュームゾーンの70歳の団塊世代と50才前後の団塊ジュニアを中心に作られています。団塊世代は戦後の高度経済成長による「一億総中流」という期間が「極めて特殊な時代だった」という認識が無い人が多い気がします。私達、団塊ジュニアは「マイホームを持ち、子どもは受験させ」という過去の時代の人生観を引き継いでいる中流層以上のグループと、貧困やその日暮らしといったグループに分かれている気がします。今の30代、20代、10代は日本や世界がどんどん変わってきているので、世代毎の価値観もどんどん変わってきていて、世界の捉え方の差も大きいと感じます。
今後はさらに外国のように経済的にも思想的にもさらなる分断が広がって行くでしょう。その中で、一部、「農村」や「昔の暮らし」に豊かさを感じる人達が急増しています。特にお受験や大企業信仰に染まっていないある程度の学ぶ力がある学生は、私の時代より何倍もしっかりしていて、世界や社会問題を自分事として捉え、農村に関心を持ってくれています。上の世代が亡くなった後に、そういった子達相手に農村の暮らしやかつての日本人の生き方を遺していけるよう、引き続き農村に根を張っていきたいと思います。また、来年は息子も高校生になり我が家も大きく変わる年になりそうです。私もそろそろしっかりせねば。
まあ、何があろうと心身が健康で食べ物があれば人は生きて行けます。ということで、みなさん、来年も新鮮野菜をお届けして参りますね。では、どうぞ良いお年を!