今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です
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あっと言う間に10月も終わりですね。実は高齢の母が10日ほど前から入院していまして、長引きそうなのです。
高齢者となると病院暮らしはあっと言う間に足腰が弱りますし、認知機能も怪しくなってきています。病院という行動範囲も対人関係も限られた場所は、何かあったらすぐに医療行為を施してくれる安心感はある一方で、生活する力はどんどん落ちていく場所なんだな、という事を感じています。
2,3日に1回はお見舞いに行っていますが、親の生活支援は私の世代が抱える共通の難しい問題ですね。
友達ともそういった会話が増えてきましたが、誰もがいずれ辿る道。我が師匠の高柳さんは「順番だな」と言うのですが、確かにその通りですね。
さて、10月下旬となると本来はカブや大根が出てくるのですが、今年はまだ出てきていません。こんなことは初めてですが、今年は気温が下がらず早播きの野菜のほとんどに虫の被害が出ているのです。
おかげさま農場の大根を追加で注文できるようにしていますが、その生産者は「虫が凄いから半分は捨ててるぞ」と言います。それだけ虫の襲撃が凄いのです。
「秋冬野菜なのにこの気温じゃ夏野菜だな。それじゃあ、ちゃんと育たないのは仕方ないよな」と言う農家さんもいますが、本当にそうですよね。
また、最近の蚊の攻撃力も凄いですよね
毎年、肌寒くなってくる9月中下旬の蚊は刺されると痒さがたまらないのですが、今年は今頃の蚊が一番凄い気がします。ただ、最近、虫も落ち着いてきたので11月には秋冬野菜が出せるかな、と思います。
毎週ご注文を頂いている方は、最近毎回入る生姜やサツマイモが余り気味かもしれません。
生姜は人気が高いのですが、さすがに毎週続くと大変ですよね。私のお勧めは酢漬けや紅ショウガです。レシピを検索すればすぐに出てきますし、作り方は簡単です。作れば梅干しやラッキョウのように長持ちしますし食卓に常にあげておくべき健康食品です
また、サツマイモは袋から出して紙袋などに入れて保管すれば、数ヵ月持ちますし熟成が進み美味しくなってきます。3月になるとジャガイモのように芽が出てきますが、それは掻き取れば良いだけです。
但し、生姜もサツマイモも原産地を考えれば寒い所が苦手であることがわかるように、冷蔵庫などに入れてしまうと痛んでしまいますのでご注意下さい。
ちなみに裏話ですが、実は最近の野菜ボックスはお得でもあるのです。
夏野菜が終わり秋冬野菜が出てくるまでの端境期(はざかいき)は、野菜が不足するので何とか努力して種類をそろえています。ただ、ベビーリーフ、サツマイモ、生姜などは本来は単価が高く、定額制の野菜ボックスに入れるとみみずの会としては採算が悪くなるのです。
確かにサツマイモより小松菜の方が安いのは一般的ですものね。
しかし、「生産者も消費者もお互いが理解し合い支え合うという関係を目指し、定期購入で野菜も定額にして末永くおつきあいをしていこう」という昔ながらの有機農業の精神に乗っ取り、野菜をそろえる事を優先しています。
そういう事もご理解頂き、工夫して食卓に出して頂ければと思います