今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です。
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週末から立春で暦の上では春になるとは言え、実際は2月は一番寒い季節です。
先週は北風が吹き「この冬一番の寒さ」という事で寒かったですね~。水たまりには氷が張り、寒さに強いホウレン草も葉先が枯れてしまいました。
そんな寒さの時期は「寒仕込み」という言葉がある通り味噌作りの最適期です。発酵食品作りは菌の力を借りるわけですが、人間にとって有用な菌もいればカビのように有害な菌もいます。寒い時期はそういった菌の動きがにぶく、雑菌が繁殖しにくいので仕込むのに適期というわけです。
この(土)(日)は味噌作り教室でしたが、年に1回、久々の顔に会えるという楽しみがあります。というのも、子どもが大きくなるとみなさん田畑教室を卒業していくのですが、「一度ここで手作りしたら、もう市販の味噌は食べられなくなってしまったので」ということで、この時期だけ味噌を仕込みに来られるご家族が結構いるのです。
中には10年以上毎年来られている方もいて、毎年「お久しぶりです。今年も美味しい味噌になりますように。では、また来年」なんていう言葉を交わすのが恒例となっています。
そんな味噌作り教室で1年分仕込む量は家族によって千差万別。初めての方は1kgだけというのが多いのですが、仕込んだ味噌の美味しさを知ってしまうと、翌年からは多くの方が5kg単位で仕込んでいきます。
まあ、我が家からすると1年で5kgではとても足りないのですが、リピーターの方でも大体半数が5kgなので、味噌汁が食卓に上る回数が減ってきているんでしょうね。
ただ、昨年、25kg仕込んだご家族がいて「凄いですね~」と言っていたのですが、今年は何と40kg。
「朝晩に味噌汁は欠かしませんし、野菜の味噌漬けとか作ると25kgでは足りなかったんです」とのこと。5人家族とは言え、40kgとは本当に凄いですよね。そのご家族のお子さん達は私の事を「味噌おじさん」と呼ぶのですが、「ママはお味噌汁に野菜を沢山入るから嫌だ」とかブーブー文句を言いつつも、家族みんなでワイワイ楽しそうに大量の味噌を仕込んでいました。
また、お母さんは「毎日、味噌汁を欠かさないせいか、私、風邪とかひいたことがないんですよ」と言っていました。味噌と手料理で家族の健康と安泰が保たれているんでしょうね。
日本の食卓が西洋化して長いですが、今はさらに「タイパ」と言って、いかに時間をかけずに調理をするかが料理のポイントになりました。手早く手際良く料理をする事は毎日する料理の基本の1つでもあるわけですが、そこからご飯を炊くより麺類やパン類、味噌汁よりスープ、あるいは牛乳やジュース、といった発想になってしまうのは、親父が昭和1桁生まれで「ご飯でなければ食事ではない」という環境で育った私からすると別世界のように感じます。
まあ、パンが楽なのはわかるのですが、子ども達の将来の健康を考えると、味噌おじさんとしては、味覚が決まる小さい内から「味噌汁が食卓に無いと嫌だ」という感覚に育てて欲しいな~と思います。
味噌汁は鍋に水を入れて湧かしている間に野菜や豆腐やわかめなどを刻んで、煮立ったらカツオ節などと一緒に入れて一煮立ちさせたら、はい、完成。3分で出来ちゃいますのでタイパも良いですよね。
寒い冬は体が温まり胃腸を整え風邪の防止にも役に立つ味噌汁を作りましょう。味噌汁は家族の健康の要。そんな当たり前が日本の食卓に残って欲しいな~