タイトルが「世の団結の台になる人・分裂の役をもつ人」と凄いですが、本に書いてあって「なるほどな~」と思ったのです。
自然療法で有名な東城百合子先生の月刊誌「あなたと健康」を読み始めて何年になるかな、まあ、タイトルに「健康」とありますが、どちらかというと「人生を学ぶため」に読んでいまして、「致知」という本がありますが、偉人から生き方を学ぶ、そういいった部類に入る本です。
そして、東城百合子先生の師匠の1人である「常岡一郎」先生の話が、毎号、冒頭に載っています。
自然酒で有名な酒蔵の「寺田本家」の先代当主が、蔵がつぶれそうになった時に相談した相手でもあり、戦後、身寄りの無い子供や老人を100人引き受け、自分のためにお金は一切使わず、人のために生きることを貫き、多くの人の命を救って来た事で、最後は参議院(自分で選挙運動はしていません)に押し上げられた人ですね。
その常岡先生の言葉に毎号、勉強させて頂いていますが、今月号の常岡先生にお話に載っていた言葉です。
人間教育が乏しくなって、まともな大人が少なくなり、子供に大きな影響が出ているのが今の時代であり、私も反省しながら勉強していますが、「世の団結の台になる人・分裂の役をもつ人」のどちらに自分がなりたいか?自分の子供に育って欲しいか?と思ったら、やっぱり前者ですよね。
常岡先生の言葉はこうです。
「人にものを相談する。そこにわかりの早い人がある。そんな人はあまり自己の都合に囚われない人である。相手の話す事に溶け込んでいく。こんな人が多くの人の心を結びつける人である。『世の団結の台になる人』である」
そうですよね。
人の話をきちんと聞ける人は、人に好かれますし、人と人をつなげられるし、人を和ます人ですよね。
一方で、我執が強い人は、自分の意見を言いたがりますよね。
話を聞きながら相手の心も聴く、というより、話を聴きながら自分の言いたいことが沸いてきてしまう。
「相手を自分の言うことの方に引き込む。説き伏せる。自分に囚われて、自分を放さない人」は「これが世の中を難しくし、『分裂の役を持つ人』である」と。
自分なりに学んで来た事、あるいは経験してきたことで、「人に伝えたい」と思う事は良くあると思います。
その事によって「あ~、なるほど」と人が納得する。
宗教のリーダー然り、著名な人など、誰かの発言や本などが強烈で、その内容に「なるほど~」と影響を受けると、その人は学んだ知識からある一方に思考が偏ってしまい、それとは違う意見を持つ人をつい批判したくなる。
そういった影響力のある人は、話が強烈であればあるほど、影響力があればあるほど、人と人を分裂させる役を持つ人でもある、とも言えますよね。
ちょっと小難しい話ですが、話が上手な人ほど、堂々と話すけど、自我を「放さない人」と常岡先生は言います。
そして、「議会でも良く人の話を聞く。反対の人の意見も良く聞く。そんな人は話上手ではないが、人に尊敬される。そしてよくまとめる人である」と。
本当の凄い人、というのは、言葉の内容より、話の上手さより、やっぱり「何をしてきたか」といった行動であり、たたずまいや風格といった「品格」が凄いんでしょうね。
話が上手というより、言っている内容に重みがある。しかも言動一致している。
そして、人の話に上乗せしてくるのでなく、こちらの話もきちんと聴いて認めてくれる。
しかし、やはりその人の話には重みがあり、自我からではなく相手の立場に立って話してくれるから、またそういった事が出来る事自体、器が大きいから、その人の下で多くの人が和を為す。
そういった人が「世の団結の台になる人」なんでしょうね~。