半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

川エビ三昧

2019年10月28日 | 農的体験・生活

土曜日に学校があったために、月曜日は息子の振替休日でした。

で、先週、息子の担任の先生が銚子漁港のお話と共に海釣りの映像を流したようで、今まで、誘っても釣りに興味を示さなかった息子が「釣りに行きたい」と言い始めました

しかも、釣り堀みたいのは駄目で、「食べられる魚が良い」ということを所望。

「本当にやるか?本気でやるか?」と聞くと、「うん」と言うので、実は以前から行こうと思いつつ行けていなかった、市原の「海釣り公園」を調べたら、ネットでは営業中だったのが、念のため電話したらなんと「点検整備で休業」とのこと

富里市の屋内釣り掘りは、食える魚や伊勢海老がいるけど、1人2時間で4000円以上するところで、かといって、近くの普通の釣り堀はどうしても嫌、という。

あ~だこ~だ言い合いながら、協議の結果、最終的には近くの川で家にある使われていない釣竿を使って、まずは釣りの練習、ということで落ち着きました

で、近くの川に行って見ると、たまたま、地元の知り合いのおじさまにいて、ご挨拶をしたら「あそこがいいぞ」とスポットを教えてくれました

て、そこに行って見て釣竿をたらしていると、すぐ横で「ブワッコン」と変な音がやたらするのです。

しばらく見ていると、そこには、でっかい鯉が1匹が音を立てながら顔を出したり沈んだり。

「これはさすがに釣れないな~」と思いつつ、また釣り糸を垂らしていたものの、な~んにも魚が釣れません

私は釣り、息子は鯉の辺りを見ていると、鯉の出没しているところは、大量の川エビが気持ち悪いぐらい集まっていることに気づいたのです

最初はバケツや手でエビを捕まえようと息子も頑張っていたのですが、さすがに無理で、昼飯に一度帰宅して、再度、網をもってスポットにいくと、まだ鯉がバクバクやっていて、エビも相変わらず大量。

そこで息子は川エビを網ですくうと、まあ獲れること穫れること

何度すくっても、またどこからか集まって壁際には行列、鯉が近づくとぴょんぴょんトビウオのように跳ねるのです

で、あっという間に大量の川エビががとれました

一方で魚は釣れないので、さきほどのおじさまが教えてくれた別のスポットに移動しましたが、結局、そこでも全く釣れないのであきらめました

ただ、川エビは、おじさまも「食えるよ」という事だったので、「食えるものを釣りたい」という息子の願いは一応かなったということで、調理することに

一応、泥抜きを3時間ぐらいやって、洗って集めたらこんなザル一杯になりました。

ネットによると、生きているのは透明だけど、ひん死になると白っぽくなってくるんだって。

 

で、揚げたのがこちら。

 

最初は恐る恐る食べたのですが、これが無茶苦茶美味しい

獲ってきた息子もご機嫌で、自ら揚げ係りをやってくれました

これ、買ったら相当な値段に行くでしょうね~。

ということで、おかずに困ったり食料難になったら川エビを捕まえに行く、という選択肢が出来ました 

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台風後の「食と命の教室」

2019年10月26日 | 農的体験・生活

台風がやたらめったら来るこの秋、千葉県民は15号のダメージにさらに追い打ちがかかり、「まったくしょーもない年だ」とみんなどうも気がのりません。

ただ、河川の大氾濫や土砂崩れなどで亡くなった方もいる事を思うと、命があって家屋が無事なだけ良かった、と思うのは、多分、日本人の特質なんでしょうね。

 

さて、今月の「食と命の教室」は、人気の糀作りでしたが、台風19号とかぶったため延期。

そして今日になったのですが、前日は台風21号の大雨で、畑はぐちゃぐちゃで、出来ることをやる、といったことに。

まずは、色々お話をした後、今、収穫が出来る「小糸在来」の枝豆をたっぷりと収獲しました

広がる大豆畑でみんなはホイホイ抜いていって、結局、1人2kgぐらいは普通に持ち帰った感じです

 

ピントがずれてしまっていますが、小糸在来という品種の大豆で、木更津の小糸地区に伝来していた大豆です。

それを有機農研が広げて高柳さんの所にもきて、それ以来、種を取り続けている在来種です。

ただ、この伊能地区で10年以上、種を取り続けているので、小糸在来の伊能版、という感じでしょうか?

その地域に気候や風土にあったものが在来種と言われるものなので、本当の小糸地区の大豆とはちょっと変わっているかもしれませんね。

ただ、特質としては青豆系でちょっと小粒ですが香りと甘味が良く、とっても美味しい枝豆になります

 

という事で、一部をお昼ご飯に茹でてで食べました

もちろん、いつもの通り、お母さんの美味しいお昼ご飯も

 

特に凄かったのが、アジの甘露煮

アジ一匹、骨がホロホロになるまで煮込んでいます。家庭料理でこんなの初めて見ました

 

さて、お腹いっぱい食べた後は、金ゴマの唐箕がけなどです。

その前に、ハウスの入り口はいってすぐあるこれはサニーレタスの苗です。

小さな芽が出ていますよね?

これは大体2月ぐらいから出荷できるやつですね。

 

そしてこちらが金ゴマ。本当に見た目が金できれいですね~

 

ゴマのやり方は、まず、逆さにするとサーっとゴマが落ちてきますが、束の中の方にも残っているので、バンバン叩き落とす感じでゴマを出します。

 

次にゴミも沢山混じっているので、篩をかけます。

まず、ゴマより大きめの網目の篩をすることで、大きなゴミは網に残り、ゴマは下に落ちます。

次に、ゴマより小さめの網目の篩をすることで、ゴマは網に残り、ゴマより小さな砂粒などは下に落ちます。

 

最後に、前回のヒマワリの種と同様に唐箕をかけます。

 

すると、こんな感じで唐箕を通ったゴマがサーっと落ちてきます。

これを2~3回やると、大体のゴミが取れたゴマの出来上がり

 

これが頂いたゴマです。

まだこれは「生ゴマ」なので、放って置いたら虫が湧きます。

また、ゴミもまだあるので、高柳さんは「俺は食っちまうけどな」と言いますが、普通の人はこれを水でササっと洗って「洗いゴマ」にします。

そしてまだ生ゴマですので香りも何もないので、「煎る」ことで香りがある「煎りゴマ」にします。

 

そんな活動をしたのですが、参加者の1人が環境問題のイベントをやることになったけど、全く準備が進んでいない、ということだったので、みんなで応援することに

環境問題に関心がある方は、是非、ご覧ください。

https://www.facebook.com/events/2459557794329941/

 

また、私も「セカンドスクール」という学校を作ろうと考えてきましたが、当時は、環境問題なんて言うとオーガニック以上に変な人というか、あまり関心を持っている人は少なかったのですが、ここ最近、日本に大災害がやってきて、時代の節目が変わろうとしているのが感じます。

 

オーガニックと同じで、環境について語っても「変な人」とは思われない時代が日本にもようやく来たのかもしれません。

私の信念は「子どものためにまずは大人が勉強すべき」というもの。

ずっと独学ですが勉強してきました。

環境、戦争、経済、生き方などなど。

そういった事を公にしても良い時代なのかな~とも思います。

 

例えば環境で言えば、90年代のリオの環境サミットのセヴァンの話から30年近くたって、グレタさんがあの頃とは考えられないぐらい有名になりました。

アル・ゴアの「不都合な真実」は、当時は「温暖化は嘘だ」という「プロバガンダ合戦」だったのが、今はそういう人は、ほぼいなくなりました。

そして、日本でも、太平洋沿岸の深海の温度が徐々に上がり始め、これが一定ラインを超えると表面流も温度が上がり、気温が上がってもう戻れなくなる、というティッピングポイントを超えるのがもうすぐ、という事が数年前に言われていたのですが、いよいよ、海の温度が下がらなくなってきて、台風を含め、西日本豪雨を彷彿される大災害が東日本にももたされました。

今なら「環境問題」という事を訴えても、「おかしい」という人が少なくなる時代になった気がします。

東日本大震災の原発事故の際、私が独立して初めて行ったのが「放射能勉強会」でしたが、今年の台風で、恐らく「環境問題」について勉強する人が増えるしょう。

それでも、大被害を受けなかった地域、あるいは都市部を中心に、日常の忙しい日々に埋もれてしまって記憶が風化するとは思いますが、そろそろ人口問題が経済に直結して響いてくる時代に入りますし、日本も経済大国から環境を本気で考える国に生まれかわるタイミングが来ているのかもしれませんね。

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10月の「田んぼと畑の耕育教室」

2019年10月20日 | 農的体験・生活

台風19号が去り、ドタバタしながら「田んぼと畑の耕育教室」がやって参りました

先月は台風15号の翌週が教室。

今月は19号の翌週が教室。

つまり、台風の後片付けや対応をしながら1週間で教室が来る、というのが2カ月連続続いています

まあ、そんなこんなでドタバタしていますが、開催が出来るだけ有難いことです

10月の教室は最も美味しくお得な月で、過去の参加者もここだけ参加、という方も多いぐらいです

その理由は、お食事が「無農薬天日干しご飯」が出る事

そしてお土産が盛沢山なことです

 

まずは、丹波黒大豆の枝豆の収獲です。

丹波黒大豆は、いわゆるお正月に食べる黒豆で、大豆の王様と言われています。

粒が大きく、味わいも甘味も深いのですが、12月になると黒大豆として収獲出来るのを今の時期にとると「枝豆」として食べられるのです

これを食べた参加者から「帰りにドラ豆というのを直売所で買ったのですが、食べ比べたら全然味が違うのでびっくりしました」いうメールがわざわざ送られてくるほど、美味しいんですよ~

大豆の早どりが枝豆だということ、また、大豆は種で翌年蒔けばまた育つことを知らない親御さんも多く、そういったことを知れるのも良いお勉強ですね

 

枝豆は今年は通常に蒔いたものは不作なのですが、教室用に蒔いたのはなかなかの豊作で、私も予想外でびっくりしました

長梅雨でしたが、種まき時期で変わるものですね~。

 

そして、サツマイモ掘りはみんなやったことがありますが、人気のシルクスイートで、量がはんぱないので盛り上がります

1家族1コンテナだから、多分15kg以上はあります

さらに柿もぎ

街中では柿は買うものですから、柿もぎも今の子ども達にとっては貴重な体験なんですよ~

 

そして、里芋も収獲しました。

親御さん達には、親芋ー子芋の説明、あるいは種芋をとっておいて翌年使える、という事が「へ~」という感じです。

一方で、子ども達にとっては「里芋の葉っぱ」を「トトロの葉っぱだよ」といって渡すと大人気

毎年恒例ですが、水を入れてキラキラした雫を楽しむ遊びが流行ったのは今年の特徴でした。

 

そして年間会員さんにはお米をドーンと25㎏配布

9月に収穫した無農薬天日干し米も入っているのでお得ですよね~

そんなこんなで無事に終わった2日間ですが、また色々な人のお話が私の学びになりました。

そして8年もやっていると沢山のご家族と交わい、経験が出来ます。

教育業を営むのが目標で、この教室もその1つなのですが、子ども達だけでなく親御さんも含めて、家族みんなでこういった場に通う事にとてえも意義があるな~と主催者から見ても思います。

特に、今は8年前と違って色々な問題が出てきています。

信頼してくれているのか、田舎の人の良いおじさんだから話してくれるのかわかりませんが、障害のある子、多動、登校拒否など子供に何かある親御さんは、それはそれで大変な時代です。

そんな子供とここに来ることで、家族が少しほんわかできる。

月1回の教室ですが、自然や土や農作物に触れることで、子どもも大人も生き生きして、朝と帰りでは顔が違います。

そして何より前はお母さんのお腹の中にいたあの子がこんなに成長して

あるいは、最初は田んぼに入れなかった子が、今や頭から足先までドロドロになって

あるいは、虫やカエルを今では平気でわしづかみできるようになって、、、といった子ども達の成長や躍動を親御さん達と一緒に私も感じ、感動できるのは、子ども好きの私にはたまらないのです

まあ、運営にあたって裏では色々大変なことがあるし、何より「場を作る」というのはプロ意識が無いと出来ないと思っているので、伸び伸び主催者として楽しめるというわけではないのですが、「安全な場」をファシリーテートし、その上で、家族や子ども達が伸び伸び出来る教室になっていること、大きな事故が今のところなく運営出来ていることが有難いな~と思います

そんなこんなで、今月も無事終了

来月は手打ちそば教室です

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台風19号後

2019年10月18日 | 農的体験・生活

この秋はなんだかあっという間でした。

とにかく、台風15号が凄まじかったので、稲刈りとその後処理で時間が過ぎ、そして気づくと1カ月経っていて台風19号の襲来

千葉県民は15号で懲りていたので、例えばビニールハウスをあえてやぶって風が吹いても骨組みはやられないような前処理をしている農家さんが多かったのです。

街中は水やパンやらが売り切れで、またニュースが大々的にやっていたので、千葉県以外の台風経路にあるところも色々売り切れていたようです。

で、ずっと台風経路の予想をにらめっこしていたのですが、前々日は静岡ー山梨ルートとなっていて、「大丈夫かな?」と思ったら、前日には成田直撃ルートに

と思ったら、今度は東にさらにずれて銚子直撃ルートに変わっているなど、予想が微妙にずれていて、当日の朝は山梨方面に抜けていく予報になっていました。

そして、何故か朝8時過ぎに10分ほどの停電。。。

その後は停電も無く、ホっとしましたが、仕事場のおかげさま農場は翌日のお昼過ぎまで停電でした

ただ、前回は4日間停電でしたので対応も経験済み。

結局、半日で停電が解消されたので、抵抗力がついた千葉県民としては「大したことなかったな」というのが私の地域の人の感想でした。

ところが、河川地域は未曽有の大氾濫

 以下、先週の「朝採れ野菜BOX」に同梱した手紙から抜粋します。

「しかし、90年頃から始まったハリケーンや局地的豪雨、局地的干ばつなどの大災害が日本にもついに根付いてしまった、という感があります。

最近はグレタさんが有名ですが、それまで、アル・ゴア元アメリカ副大統領が地球温暖化問題を訴え始め、92年のリオの環境サミットで12歳のセヴァン・スズキというカナダの有名な環境学者の娘さんが、並み居る大人に「私たちの未来を壊さないで」と訴えていましたが、日本ではバブル崩壊後の経済復興優先で、ほとんど関心を持たれませんでした。

しかし、例えば、私が主催している大人向けの「食と命の教室」に今年来ている方の1人が、「広島にいる親友が大雨と洪水にあって、家の目の前が濁流になり、間一髪だった。その時、何も出来ない自分、何も学んでいなかった自分に反省をして、学び始めた」という事で参加してくれています。

「災害を身をもって体験しないとわからない」という事は私もそうで、原発事故があって初めて今までの生き方を反省して、農村コーディネーターになったという経緯があります。

今回も被災して家屋が破壊されたり、身内で亡くなられた方も多くいる状態で不謹慎かもしれませんが、日本の多くの人が「地球温暖化は本当で、このままだと自分はもちろん子孫の暮らす地球そのものが大変なことになってしまう」という危機感を心から抱いたのではないでしょうか。

幸い、家屋もあり、命も助かった私達は、生活を見直す必要がある時期が来ていると思います。

前回のお手紙に書いた「エコロジカルフットプリント」で言えば、地球が約3個必要な生活をしている日本人のエコでは無い暮らし。

これを出来るところが改善していきたいものですね。」

こんなことを思っていた今日この頃です

ちなみに当地は台風19号がそれほどではなかったのですが、19号で意図的にやぶったビニールの張り直し、また、15号で壊れた骨組みの撤去が未だに続いています。

もちろん、瓦がずれた家では未だにブルーシート状態です。雨漏りの家もあります。

ただ、千葉県以外の被害が大きくなったことで、相対化で千葉県の15号被害への注目は薄まった感じです。

でも、15号であれだけ被害が大きかったからこそ、19号の際は国も役所も国民も注意レベルが物凄くあがりましたし、初動が早く、また各自の備えもしっかりしていた気がします。

その上で、予想を超えた「河川の大氾濫」。

自然はそうやすやすと今まで積み重ねてきた私達人類の愚行を懲らしめる手を緩めてはくれない時代なのかもしれませんね

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改めて「エコロジカルフットプリント」

2019年10月04日 | 自分の時間

最近、グレタさんが話題になっています。

地球温暖化の環境運動家で、1人から始まった活動は、ネットの普及のおかげで世界各国に広がって、日本でも良く放映されていますね。

 

グレタさんを思うと、ちょっと前に、セヴァン・ズズキさんが有名になったのを思い出しますね。

生物学者で環境活動家のデヴィッド・スズキさんは日系カナダ人で、カナダでとても尊敬されている人物なのですが、その娘さんがセヴァンで、1992年にリオで開かれた環境サミットで、並み居る大人に対して12歳のセヴァンが「これ以上、地球を汚さないで下さい」と訴えたスピーチは世界的に有名になりました。

ただ、あの頃はアル・ゴアさんが地球温暖化の筆頭で動いていましたが、「地球温暖化」という言葉に対して「それはデータ的にも誤りだ」という論調もあり、「どちらがフェイクかわからない」といった状況が世間の考え方でした。

しかし、90年代にアメリカやオーストラリアの大陸で、ハリケーンや局部的集中豪雨、局部的大干ばつによる緑地の砂漠化が一気に広がり、2000年代に入ると、さらに各国にその環境問題が如実に現実となってきました。

そして日本もこの数年でようやくといったらおかしいのですが、世界と同じ流れで「局所的異常気象」が定着したように思えます。

 

そこでようやく、セヴァンが訴えたこと、あるいはアル・ゴアが「不都合の真実」という映画で訴えたことが、「本当らしい」という認知に変わり、今では「それは嘘だ」と言っていた各国々の代表も「それは事実としてある」と認めた上で、その前提の上で「でも経済発展の権利はある」と先進国vsいわゆる発展途上国の構造となっています。

 

日本は世界の潮流からすると遅れて異常気象がやってきた感じで、世界でトップレベルの環境破壊をしている国でもあるのにも関わらず、反省をする大人をあまり見る事はありませんでした。

ただ、少しずつ、ファッションなのかもしれませんが、環境問題にも動きだした企業や人が増えてきます。

じゃあ、私は?と言うと、私は原発から人生を変えた人で、環境問題についてグレタさんのような活動はしませんが、すべては「まずは己の生活をきちんとすることが、私の運動」という考えで生きています。

そういう思いを持った一番のきっかけは、「エコロジカルフットプリント」という言葉を知った時です。

この言葉を知った時に、私はものすごい衝撃を受けました。

もう何年も前のブログにも書いたと思いますが、今、私が主催している「食と命の教室」で配布している資料の一部を、以下、載せたいと思います。

「 「エコロジカル・フットプリント」という言葉はご存知でしょうか?10年ぐらい前に知ったこの言葉は、その後の私のライフスタイルに大きな影響を与えている言葉です。

 簡単に言うと「今の生活水準を保つためにどれだけ地球が必要なのか」を指標化したものです。

 食べ物を作る土地、それは野菜に限らず家畜を放牧する土地やそのエサを作る土地、そのエサを作るための肥料を作る土地。

 魚だったら川や海、あるいは紙や木材、あるいは生き物が吐いたり輸送や生産活動で出す二酸化炭素を吸収するために必要な森林の量なども全て含んで、どのぐらいの土地が必要か?を計算したものです。

 全世界で見ると、なんと既に地球を1.7個分を使っていることになり、既に地球の再生能力を超えてしまっているそうです。(ちなみにこの教室が始まった7年前は1.5個でしたので、どんどん増えています)

 つまり、子孫から前借りをしていて、既にこのままいけば破綻することがわかっています。

 そして、このエコロジカルフットプリントは、2030年には地球2個分になると言われています。

 また、今の日本人の平均的な生活スタイルを世界各国の人がやったとすると、地球は3個あっても足りないそうです。(7年前は2個でしたから、この7年で日本人のエコロジカルフットプリントは1.5倍にも加速しているのです)

 アメリカ人の平均的生活スタイルを世界各国の人がやったとすると、地球は5個あっても足りない計算となります。

 よ~く考えてみると、とんでもない状態なんです。

 もし、みなさんが「日本人の平均的生活水準レベルぐらいは、世界中の人もなるべきだ」、と思っているのであれば、地球は3個必要なぐらい破綻しても良いと考えている、ということになります。

 つまり、自分が「日本の平均の生活」をしているのであれば、「地球を破綻に追い込む生活をしている」ということなんです。私は衝撃を受けました。

 日本人の暮らしで言えば、例えば家畜飼料、小麦、大豆、石油、衣類の原料なども輸入品です。

 木材も価格が安い海外の森林をばっさばっさと伐採したものを輸入しています。

 これらの輸送に使うエネルギーも膨大になります。

 私は自然素材と言われるパームオイルを作る現場をマレーシアで見たことがありますが、車で30分行ってもパームヤシの木だけ!そこを20年に1回ぐらい植え替えのために焼き尽くすそうです!そのCO2排出量は想像できないほどです。

 日本の貨幣が他国より強いからといって、海外からたくさんの資源を使いながら日本の暮らしを作っているわけですが、貨幣の力の裏側で地球にものすごい負荷をかけている、あるいは他国の資源を安く買いたたいて自分たちは優雅に暮らしている、という事になるのです。

 私の師匠の高柳さんは、「電化製品などは最近は修理すると新品を買うのと同じぐらいかかると言われてけど、出来るだけ俺は修理するな」という考え方に私は賛同していまして、例えば、我が家は未だにガラケーやブラウン管TVです(笑)

 私たちの生活スタイルは子ども達のお手本になっているか自問自答すると、「物にも命がある」という思いを持ち、壊れたものは直し、新しいものより手元の物を最後まで使い切る、といった昔ながらの生活に少しでも戻ることはとても大切な気がします。」

 

 まあ、こんな文章を配っています。

 海外に行ったことがある人はわかると思いますが、日本ほど新品やきれいな物にこだわる国はありません。

 例えば、車ならガムテープで壊れたところを貼って走っている国なんて結構ありますよね。

 車だけでなく、何でも直して「使い切る」という生活を日本人は昔からしていたはずなのです。

 それが、70年代以降から変わってしまって、簡単に言えば「日本の国土だけでは賄いきれない物資や土地や空気を世界からかき集めて暮らす」ようになりました。

 例えば食べ物で言えば、畑で1/3捨てられ、流通で1/3捨てられ、食卓でも1/3は捨てられている、という、世界で最も廃棄が多い国になってしまいました。

 また肉食が流行ったり、ビーガンが流行ったりしていますが、これも知性ある人から見れば「はしたない」と言われています。

 ビーガンはベジタリアンより更に厳しい菜食主義者と思っている人がいるかと思いますが、そうではないです。

 本当のビーガンは「動物の命を奪って私達の命を生き永らえさせて良いのか?」という所がスタート地点です。

 高柳さんの所に来た22歳ぐらいの人で、「私は地球環境を考えた時、牧畜をするから広大な土地が必要という事がわかったのです。地球環境問題を考えた結果、自分の意志で肉食を止めたのです」という人がいました。

 肉食というのは、例えば牛さんを放牧する土地だけでなく、その飼料となる穀物を作る土地も必要です。

 そのために、アメリカで言えばサバンナが砂漠化したり、アフリカやアマゾンの土地が安く買われ、開拓され、不毛の大地となっていっています。

 それは日本でイメージする「農家」ではなく、投機目的の「資本家」がやっているのです。

 また、ビーガンでもっと突き詰めた人は「植物だって命なのでは?」という考えの結果、「木の実などしか食べない」という人達もいます。

 昔は宗教がかって嫌煙されていましたが、ここ数年は日本でもビーガンが「変な人」と言われるより「おしゃれな人」という風潮に変わってきました。

 ただ、本質的に「地球環境や人間の命優先で他の命を殺して良いのか」といった真理追及型の人は、日本では少ないと思います。

 

 私はビーガンでもベジタリアンでもありませんが、せめて「昔の日本人のように物にも魂があるという思いをもって、最後まで使い切る」という事をなるべく実行しようと思っています。

 テレビもそういう意味でブラウン管なのは、壊れないから買い替えないのです

 それはさておき、「エコロジカルフットプリント」という概念を本気で考えれば、「せめて日本人は日本国土の中で生産できるものの範囲で生きていくべき」という、当たり前といえば当たりまえの考えに行きつくはずなのです。

 そうすると、日本のものが安全安心という前に、地球や子孫の事を考えたら、グローバル経済にのっかって生きることよりローカル経済委の中で人は本来生きるべきだ、という「幸せの経済学」の思想に同感すると思うのです。

 そして、今は、その「ローカリズム」が一番良いライフスタイルだ、という事に気づく人も増えて来ています。

 「Think Global,Act Local」という恰好キャッチーな言葉がありますが、これが私の生きる指針の1つです。

 

 ただ、そうは思っていたものの、何年か前のTEDで私の好きな人が「世界70億の人口の内、洗濯機を使える生活を送っているのはまだ20億だ」という話には衝撃を受けました。

 世界の50億の人は、洗濯機が無い生活を送っている。

 そして、私は洗濯機の無い生活に戻るのはきついな~と思うのです。

 でも、全世界の人が洗濯機のある生活をしたら、それは「地球1個で人類が生活出来ない」状態を意味するのです。

 

 もちろん、「科学とテクノロジーが解決する」という人もいます。そっちに人生をかける人もいるでしょう。

 同じように「生活をスローダウンしよう。昔のように物を大事にする生活に戻ろう」という考え方も必要でしょう。

 そして、家庭菜園など自分で食べ物を作ることも初めてみる人がもっと増えるべきだと思います。

 

 いずれにしろ、今の環境破壊や地球温暖化はそうやすやすと問題解決策は無いのは誰もがわかっています。

 じゃあどうするか?

 グレタさんのように革命的に行動を起こせる人、つまりプロ運動家になれる人は世界を動かすインパクト力があると思います。 

 しかし、「私は、ああなれない」ではなく、世の中のほとんどの人が「自分の生活をどうするか」を自分なりに考えれば、それは立派な運動だと私は思います。

 私はそう思って、農村コーディネーターを仕事にし、教育者を志しながら暮らしています。

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