半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

「食と命の教室」稲わら納豆作り&しめ縄作り

2018年11月25日 | 農的体験・生活
11月の最後の日曜日は今年最後の「食と命の教室」

毎年恒例&大人気の「稲わら納豆作り」です

大豆を朝からコトコト煮ていてくれたので、朝から早速、納豆を入れる容器の「つと」と呼ばれるものの作成開始です

まず、高柳さんが秋にとっておいた無農薬のお米の稲わらをすぐります。
そして枯れた葉っぱをなるべくとって、茎だけにします。

それをこんな感じで1本1本丁寧に編んでいきます。
編むといっても原理は簡単。
編む縦のワラに対して横にワラを差し込み、縦のワラをねじっていくのです。


ただ、そのねじり方やワラの配置が微妙で、この辺りはやりながら経験で覚えていくしかありません。
それを一通りやるとこういう形になります。


みんなで、時におしゃべりしたり、時に集中してもくもくと「つと」作り


1人3~5本ぐらい「つと」を作りましたが、大体2時間ぐらいかかりました。

さあ、出来上がった「つと」に、高柳さんが釜で煮た「小糸在来」という美味しい豆を入れていきます。


こんな感じですね。もうこの時点で良い感じ
あとは、乾燥しないようにしながら保温して、2~3日で出来上がりです


あっという間にお昼を過ぎていたので、みんなお腹はペコペコ。
そして、今回のお昼はいつもより豪勢、最終回だから?


お腹いっぱいお昼を食べたら、午後は「しめ縄作り」です。

例年なら三浦大根をとるのですが、今年は台風で三浦大根が大打撃を受けたたため、高柳さんが思い付きで「しめ縄でも作ろうか?」と3日前ぐらいに提案があったので、作ることになりました。

6年目の教室ですが、初めてのことで、当然、私も初めて。
私も勉強になります

まず、しめ縄のワラは普通のお米のワラとは違い、丈が長いのです。
それを青々しい内に刈り取ってしまいます。

それを乾燥させておいたものを使います。

納豆のように、まずはワラをすぐります。


そして、ある程度の束にしたのを3つ作ります。

その3つのうちの2つをまずはねじりながら束にし、それに残りの1束をねじりながら大きな1本の束にしていきます。
神様の依り代となるしめ縄は、巻く向きが普通のワラ縄と違って逆方向というのも面白いところですよね。
1人では出来ないし、力を合わせる時にねじる具合を合わせなくてはいけないし、ねじりすぎても緩くてもいけないし、なかなか「塩梅」が難しいな~というのが感想でした


で、出来上がったのがこんな長さのしめ縄です


さて、午前、午後とワラ仕事、という6年目にして初めての体験でしたが、最後はいつもの通り畑で土を触ろう、ということで、長ネギ収獲をして終了です。


そして、最後に「今年最後のお話」。

といっても、例年、感慨深い時間になるのですが、今年は昨年の振り替えの参加の方が多く、また今年の方はお休みもあったので来年に振り替える方ばかりで、何だか「最後」という感じにはならず、普通の回が終わるような雰囲気に

まあ、それも良し、ということで、「また来年お会いしましょう~」で終わりました。

といっても、来年は来年でまた新規の方がご参加下さるわけで、気持ちはリセットして、新たに楽しくも学びある「大人の寺子屋」として、7年目の「食と命の教室」が始まります。

来年は2月17日(日)スタートです

今の生活が何か物足りない、このままの生き方で良いのか?
人間ってどういう風に本来は生きていくものなのか?
農の現場や田舎暮らしの技を知りたい。
野菜の作り方、有機農業の考え方を学びたい。

などなど、ご興味ある方は是非お越しください

「食と命の教室」
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今年1回目の「自然薯堀り」

2018年11月24日 | 農的体験・生活
寒くなってきた11月後半、今年1回目の「幻の天然自然薯堀」を開催しました

昨年は個人の方よりテレビ問い合わせラッシュがあり、実際に開催したものだけでも

・ぐるない 年末ゴチスペシャル(二階堂ふみさんとぶるぞんちえみの後ろにいる2人 WITH Bが来ました)
・いただきHi Jump(ジャニーズの平成ジャンプの3人が来ました)
・火曜サプライズ(ウエンツさん、西島秀俊さん、宮崎あおいちゃんが来ました)
・NHK-BSの番組「クールジャパン」という番組の企画

と4本が放映さたんですね。

特にぐるないは「おみや」に使われたので、自然薯が沢山掘り取ることになり、「掘り過ぎたら無くなっちゃう」ということで、個人の方は大阪からわざわざお越し頂いた1組で昨シーズンは終了となっておりました

今年もテレビの問い合わせがありますが、一般の方からのお申込みが多く、ただ日程調整や条件などでまず1回目が今回になったわけです。

関東に就職した学生の頃のお友達同士が、3年ぶりに自然薯堀りで再開する、といった面白い組み合わせで、二人で仲良く掘ってくれましたよ

ということで、いつもの通り、篠竹の藪の中をかきわけ自然薯があるところを探します。


実際には、名人が事前に探しておいてくれるので、そのスポットに行って掘り上げます。
見つける時の実際のポイントは自然薯の花。
この花にツルが繋がっていて、それが地面までたどれば、そこに埋まっているのが自然薯です。
ただ、素人には「苦いも」という自然薯の花にそっくりなものとの区別がつかないので、まあ、普通は見つけられないのが自然薯ですね。



さて、そのスポットまで行ったら、まずは掘り上げるスペースを確保するために、篠竹を切り払います。

30㎝ぐらいは篠竹の根っこなどが生えているので、そこは専門の穴掘り棒で切り崩します。


そうすると出てくるのが、この「たこ足」
自然薯が凄いのは、この腐葉土が積もった地表30㎝ぐらいの養分をこの「たこ足」と言われる根っこで吸い上げるのですが、その下に伸ばす根っこは実際は栄養を吸っていないそうです。
つまり、地表のこの「たこ足」が大切な根っこなんですね~。


穴掘り棒でザクザクやりながら、土をとったり、途中までは手が届くので、手で芋の向きを確認しながら掘り上げていきます。
そして、小さいものでも1m、大きいものだと1m60㎝ぐらいは穴を掘らないといけないので、自然薯を傷つけないように掘るのは至難の業で、素人がやると、指導に従いながらやっても2時間はかかるんですね。


今回、1本目は60㎝ぐらいのものでしが、2本目は推定25年ものの名人の予想を超える大物を掘り当てました

中でぐにゃりと折れ曲がりながら生えていて、かつ先っちょが平たくグローブのような形で広がっていたので、途中で何回か折れてしまいましたが、名人も「これは予想以上にでかくて大物で良いけど、曲がっているから折らずに掘るのは俺らでも無理だよ」という難易度の高いものでした。

しかし、まあ、恐竜の子供のような形で何とも不思議。
畑栽培の自然薯は1年で出来てしまうといいますが、自然のものですからこういう形になってもおかしくないですよね~


ちなみに一般に流通しているものは、大体が「畑もの」で、1本2000~4000円ぐらいで売っているものです。
畑ものは1年で出来てしまうので、味わいや濃さも天然ものに比べると当然薄く、希少価値はそんなにありません。

一方で、こういった天然自然薯ものですが、「三層抜きのが美味いんだよ」と名人が言う通り、土の層を3種類通り越して根っこを張っているものが、極上の自然薯になります。

まず、地表30㎝ぐらいの腐葉土層。ここは栄養がたっぷりあります。
この層を抜けると、次は赤土と言われる関東ローム層。
その下にさらに「へな土」と言われる砂地の硬い層があり、ここを自然薯は1年に1㎝といった具合に、ゆっくり時間をかけて根を下ろしていきます。

その「へな土」の層に入ったものは「えぐみが抜けて、畑ものとは比べ物にならない美味さになるんだよ」と名人が力説していました。

そして、今回は初回で余裕があったのか、なんと名人の奥様が「自然薯の磯辺揚げ」をご馳走してくれました
平成ジャンプの山田くんや宮崎あおいちゃんなど、数々の芸能人をうならせる「天然自然薯の磯辺揚げ」は、餅のようにもちもちふわふわしていて、極上なのです


参加した方々も「これは、美味いですね」と大絶賛

余裕があって奥様の時間があり名人のノリが良い時にしか出てこないのですが、今回はラッキーでした

ということで、年末年始だけの期間限定の「幻の天然自然薯堀」

今年は一般の方に都合がつく限り、開催していきたいと思います
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DMN(デフォルトモードネットワーク)

2018年11月23日 | 自分の時間
DMN(デフォルトモードネットワーク)というのがあります。

本で読んで「へ~」と思ったのですが、自分が何かを意識して考えていない、非意識下において脳が働く時、このネットワークが動いている、ということです。

つまり、ぼ~っとしている時、何かをしながらふといつの間にか思いが浮かんでは消えていく時など、そういった時はこのDMNが動いているそうなのです。

そして、これは脳の消費エネルギーのなんと60~80%を占めると言います。

人は全エネルギー消費の約20%を脳で消費するそうで、身体の中で最もエネルギー消費が多い臓器が脳と言われています。

その脳のエネルギー消費のだいたいがこのDMN、つまり意識していないのに浮かんでは消えていく事に使われているんですよね~。


運転しながら仕事の事が浮かんだり
掃除をしながらお客様のことを考えたり
草取をしながらむかつく相手のことを思い浮かべたり
歩きながらこのあとやるべきことを考えていたり

意識して、今の目の前のことに集中していない時、頭が勝手に働くわけですが、それは自分にとって実は生活の中に紛れ込んでいる錨を下ろしているものなわけです。

自分の言う通り動かない部下のこと
理不尽なことをいう上司のこと
関係が良くない他部署の人
クレーマーのこと
ギャーギャー騒ぐ子供たちのこと
お隣さんの噂話のこと
同じグループのだれだれさんのこと
私の場合は家庭内のことが多いですが

まあ、脳の半分以上をそういった非生産的な、あるいは人間力を高めるとか誰かのためになることではなく、悶々とした事に思考と時間とエネルギーを費やすのはもったいないですよね

逆に言えば、そういった「煩わしいこと」が脳に浮かばず、ぼけ~としている時、あるいは散歩やお掃除など単調な作業をしている時に浮かんでくることが、良い方向の妄想であれば、それは創造的な時間になるわけです。

そう思えば、精神的に生活が充実している人は、このDMNがより現実世界のなすべきことをレベルアップされるために使われているわけです。

脳は寝ている時も仕事をするというから、本当にそうなんでしょう。

1日8時間働くといっても、集中しているのは6時間ぐらいでしょうか?

それに対して、仕事以外の時間や、集中して何かをしている時以外の時間の方が多くて、その何ともない時間の方でも自分の人間性を高めたり誰かの役に立つことを意識しなくても前向きに考えているような人は、そうで無い人に対して何倍も脳を有効活用しているわけで、仕事の力、人としての力、そして健全な精神力が育まれているんでしょうね。

そう思うと、結局は、普段どんな生活をしているか、でその人がどう出来上がるかが決まる。と思います。

朝起きて、おはようという挨拶をし、身支度をして、ご飯をたべて、掃除をして、外に出てこんにちはという挨拶をし、仕事をして、家事をして、人と関わりご機嫌な会話をするか不機嫌な会話をして、本を読み、勉強し、帰宅してただいまという挨拶をし、家族と関わり、ご飯を作り、後片付けをし、明日の準備をし、風呂に入り、寝る。

生活を見ればその人の事がわかる。

ご飯1つ作るのも、心をこめるのか、やっつけで作ったり出来合いのものをチンして作るのかで、全く違うと言いますものね。

生活は日常だからこそ、日々積み上がるもの。

日々積み上がるものだからこそ、年を経れば経るほど大きな差となる。

例えば、学校教育だけでなく家庭教育が子供にとって一番大事だということがわかります。

大人もそうですよね。

空いた時間を余暇として遊んだりその場しのぎの事ばかりに費やして、きちんと積み上げることに意識や時間をむけられなければ、40を過ぎても精神は中学生と変わらない、という人が出来上がるのもわかります。

普段、自分がぼけ~っとしている時に頭に浮かんでくること、妄想していること、意識が飛んでいる対象が何かということに、あえて意識を向けてみるのも意味がありますよね。
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田んぼと畑の耕育教室はそば打ち♪

2018年11月18日 | 農的体験・生活
朝晩が寒くなってきて、ようやく11月らしい気候になってきました

そして、今月の「田んぼと畑の耕育教室」は、落花生の収獲とそば打ちです

農村は秋になると、作業がぐっと減ります。

というのは、春から夏にかけて、種まき、草取り、収穫が重なるのですが、11月ぐらいになると、もう種まきはハウスやトンネルでやっている人だけになりますし、何より草の始末をしなくても良くなるので、あとは収獲ぐらいなのです。

さらに、田んぼ地帯はそれほど野菜栽培には適していないので、田んぼをやっている稲作農家さんは大体が大豆とそばを作っています。

10月にそばやもち米を収穫し、それを乾燥し、11月はそば打ちをして、12月は大豆の収穫と餅つき、というのが農村で出来る事なんですね。

ということで、あまり農作業が無いのですが、5月に蒔いた落花生を収穫することにしています。
まあ、本来は9月~10月が収獲適期なのですが、イベントの都合上、この時期に収穫をしているのです

落花生の収獲はこんな感じ。
草ボーボーで、葉っぱも落ち葉になってしまっているので、一見、どこにあるかわからないのです
しかし、これが結構盛り上がるんです
というのは、実が完全に入ってしまっているので、引っこ抜いても実がついてこず、地中に潜ったままなので、それをここほれワンワン、と掘りだすのが結構楽しいんですよね~

みんな「あっ、ここにもあったぞ」と宝探しのように楽しんでくれました


さて、その間、久々に参加したうちの子は、参加者のために粉をカップに準備する作業をしてくれました。
その中で、農家の根本さんから個別にそば打ちの個人レッスン
宿題の自学にも、「そばの打ち方」を書いていましたよ


さてさて、参加者も落花生が終わったのでそば打ちタイムです。
根本さんのそばは、私が人生で最も美味しいと思ったそばです。
それもそのはず、低速の石臼で挽いた「挽き立て」を「打ち立て」「茹で立て」で食べるわけですから、どんなに腕が悪くても、どうやっても美味しいのです

小さいお子様連れの教室なので、「子どもにどこまでやらせるか、あるいは完成度を求めて大人がどこまでやるかは、お家の人の中で話し合って決めてくださいね~」と声をかけながらのそば打ちです。

まず、そば粉とつなぎの中力粉を良く混ぜます。
そして、水を少しずつ入れ、そぼろ状態にしながら、少しずつ玉にしていきます。
最後は、それを練り上げながらボール状にし、三角錐の形にします。


三角錐にしたものをピザのように丸くつぶし、綿棒で伸ばし、最後は折りたたんで包丁で切れば出来上がり



たっぷりのお湯で大釜で茹で上げたら、さあ出来上がりです
材料が良く、かつ自分で作ったそばだから、美味しいのは当たり前
「うちの子、たべずぎらいでそばをたべたことがないのですが、1人前、ペロリでした」というお母さんもいましたよ


そんなこんなで、美味しいおそばを食べ、あとはそこら辺をプレパークのように走り回り、どろんこになり、ザリガニを捕まえたりカエルを捕まえたり、みんな楽しそうでした

この教室もそろそろ終盤。

来月は餅つき、年明け味噌作りで年度が終わります。

今年は倉庫拡張につき、受入れ人数を増やしたため、多い時は100人来た時もありましたが、まあいつのまにか運営は慣れるもので、お食事は奥様と根本さんにお任せしながら、ほとんど運営は1人でやっているわけですから、我ながら、大したものだと思います(誰も褒めてくれる人がいないので、自画自賛

来月は高級食材の丹波黒大豆の収獲と餅つきです。

来月も、体調整えて、楽しい場になれるようがんばりまっす
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たっぷり秋冬野菜♪

2018年11月15日 | 農的体験・生活
久々に畑の風景を。

週に何回か畑に行っているのですが、どうも忙しく写真などとっている場合ではない、という感じで過ごしていました

10月末~11月頭は、空豆やスナップエンドウを蒔かないといけないのですが、私の畑は1年2作で回しているので、夏野菜の後片付けをしてからでないと、秋冬野菜の種が蒔けないのです。

そういった事をした上で、空豆、スナップエンドウを蒔き、豆類なので鳥対策をしつつ、毎週の収獲に追われる。

更に、サツマイモは寒さに弱いので、霜が降りる前に掘り上げる、ということで、何かと忙しい日々っだったのです

それもようやく落ち着きました

ということで、今の畑はこんな感じ。

まず、最後に残っていたものを掘り上げたサツマイモのベニハルカ

今年は夏の暑さが異常でしたが、飢饉の際の「救荒作物」となるだけあって、今年も例年通りの出来でした
収量としても米袋4袋いっぱい穫れましたので、上出来ではないでしょうか

ベニハルカは最近人気のしっとりした甘~いサツマイモで、1カ月寝かしてから出荷をするのがこの地の習わしです。
そして年越しをするとトロ~リとしてきます
とっても美味しいですよ~


また、蒔いた空豆も何とかカラスにやられずに発芽してここまで育ちました
ここまでくれば安心です


黒田五寸人参という在来種の人参は、6年目にして初めて今年の夏は発芽不良で、例年の1/10ぐらいしか育ちませんでした
いつもは販売もしていたのですが、今年は自家用で年始ぐらいまでしか持たなそうです


一方、この秋は暖かかったので、葉物が例年より圧倒的に早く育ってしまいました

これは「日本ホウレン草 やまと」です。
なんと良い名でしょう


日本ホウレンソ草は、市場に出回っている西洋ホウレン草と違って葉がギザギザしています。
その分、目方がとれないので流通していませんが、こっちの方が美味しいですよ~


あと、これはラッキョウです。これまた成長しすぎた感があります。
あまり大株にすると、冬を越す際に霜にやられると言います。
まあ、このぐらいなら霜にやられないとは思いますが。。。


大根とネギももう入れぐいです


と言うわけで、虫も出ず草も伸びない時期ですので、1年で最も野菜が豊富でかつ収獲だけを楽しめる時期が到来です
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深いお言葉

2018年11月11日 | 自分の時間
最近読んだ本で、深いな~という言葉。

「奪い、奪われるのではなく、与え与えられる人生を」

経済最優先であれば、必ずどこかで勝敗があり、商売がうまくいったどこかで敗者が生まれています。

だから、経済用語でブルーオーシャンというのがありますが、ライバルがいない自分だけしかやっていない独自の市場を作ろう、という話がありますね。


私のようなローカルビジネス?である農村コーディネーターという仕事は、そういう意味ではブルーオーシャンなのでしょう。

ただ、農家さんによっては、「自分の時間が取られる」と思う事もあるでしょう。

「時間がとる、取られる」という思いを農家さんが持っているだろうな、という事があって、私も最初は「でも、こっちの方が時間をかけているのに」と思った事がありましたが、なるべくそれは自制し、そんな時はあえて「ギブ&ギブ」でやってきたつもりです。

その結果か、関係が改善したかな、と思うことも。

また、お金も重要ですよね。

原則、私は農家さん側の方に多く支払って私の手取りの方が少なくしています。


私の仕事は、ホームページやチラシを作ったり更新したりしながらお客さんを呼ぶ「集客」。これが最も労力やコストがかかるものです。

そして、このお客様からの問い合わせや申し込み受付なども、日々、メールのやり取りが発生します。

そして当日に向けての出欠確認、やり取り、名簿作り、配布資料作り。

前日の準備、買い出し、掃除。

当日の受付、運営、後片付け。

農家さんには出来るだけ当日だけ体と場所を空けてもらえれば大丈夫なようにしています。

資料コピー代、保険代なども全部こちらがやって、参加費の大体半額は農家さんに私、食費は100%農家さんにお渡しする。

お米などの物販はほぼ農家さんへ。これも当日に力を入れます。


こんなことを企業では出来ないと思います。

だから、まあやっていけている。


また、仕事以外にも人間関係でも「奪う、奪われる」というのはあるかもしれません。

言葉を変えたら「傷つけ、傷つけられる」というのも。

嫌なことを言われ、嫌な態度をとられ、それに対して「何だよ!」と思うのが常ですが、だからといって相手に憎悪のような思いをもって、やり返そうという気持ち。

そういうのはあります。

会社の上司と部下。

同僚のライバル。

クレーマーのお客さんとの関係。

夫婦関係も大きな問題ですよね~。

相手の育ち、人間性、大人としての未熟さ、子どもに対する態度や言動。

しかし、それを1つ1つ言っていてもきりがなく、そこを「やり、やり返され」にならないよう、ぐっと耐え、自分の心や人間としての成長の糧にしようと努力しています。


でも、本当に人間が出来ている人は、そういったことからもう離れている。

お天道様からの恵みに感謝し、自分に起こることはすべて神様が与えた自分を成長するための試練と思って有難く受け止める。

人を許し、優しい言葉や気持ちを与え、モノやお金も与え、ひたすらそれが喜び。

そういった人だから、周りもその人が好きで、その人も優しい言葉や気持ちやモノや笑顔を与えられる。

どんな人も何かを乗り越えて、努力してそういった境地にたどり着くのでしょうが、そういった人間になりたいものですね。

「与え与えれる人間」

まさに「生き方」ですよね。

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根酸でミネラルを溶かす、というのではない?

2018年11月09日 | 仕事の中で
「根酸でミネラルを溶かす、というのではない?」というマニアックなタイトル、ほとんどの方が何を言っているかわからないと思います

農業の話です。

水曜日に有機農業の研修に行ってきまして、そこで小祝さんという方の話で「おっ」と思ったのです。

小祝さんというのは農業コンサルの人で、私は仕事の関係で、小祝さんの講義を文字に起こす、という仕事を何年もやってきました。

最近、東大や理研が研究に入って、有機農業の新しい成果を発表しているので、もしかしたら化成肥料を使った野菜ではなく、有機農業の方が日本で圧倒的優勢になる時代が来るかもしれない、と期待されるほどの内容です。

それはさておき、その小祝さんが言ったこの「根酸でミネラルを溶かす、というのではない?」というのが、何なのか、興味ある人は、以下、ご一読を。


一般的に、植物が育つには3大要素の「窒素」「リン酸」「カリ」が大切と言われています。

これは、昔、リービッヒというドイツの化学者が、植物を分析したら、この3つが主要元素だったため、以後、「農業の近代化」という名目で、化学的に作られた肥料、つまり化成肥料が主になりました。

特に、戦争後、余った火薬の原料を使って、たくさんの化学肥料が日本や世界にばらまかれました。

その後、植物は「ミネラル」も吸うという事になり、ミネラルも肥料の一部として使われました。
ミネラルと言うのは、一般的にはカルシウムで、石灰が主流ですね。

家庭菜園をやっている人ぐらいであれば、大体が、窒素、リン酸、カリ、そして石灰、というのが主要4大肥料という感じでしょうか。

ただ、もうちょっと詳しい人は、ミネラルに石灰だけでなく、苦土も使います。


一般的な農家さんの多くも大体がこの辺りまでです。


ところが、よく畑の土作りを勉強している人は、鉄不足、あるいはマグネシウム、マンガン、などが必要という事を知っています。

植物は光合成をしますが、その葉緑素の形成や働きにはマンガンやマグネシウムが必須なんですね。

鉄も酸素を取り入れるために必要。

特に、今の日本の野菜は60年ぐらい前に比べると、例えばホウレン草はビタミンAは9%、鉄分は15%、人参であればビタミンAは12.5%、鉄は10%、みかんはビタミンAは0.7%、鉄は5%と、格段に栄養素が違います。

それほど、昔の農産物と今の農産物は作り方が変わり、栄養素もけた違いに少なくなっているんです。

まあ、こんなことを知っている人は、よほどマニアックな人だけですが

で、野菜も鉄分不足、光合成に必要なマンガンやマグネシウム不足に陥って、こうなってしまっているわけです。

だから、人間の必須ミネラル、という考えと同じで、小祝さんは野菜の必須ミネラルとして、特にマンガン、マグネシウム、鉄などがいかに大事かを強調しているんです。


そして、この石灰をはじめとしたミネラルというのは、いわゆる鉱物で、不溶性、つまり土に入れても溶けないんです。
(中には一部、溶けるものも作られています)

じゃあ、植物はどうやって吸っているのか?というと、根から有機酸と言われている酸、根酸を出して、この不溶性のミネラルを溶かして吸っている、と言われてきたんです。

もうこれは、何十年もの常識中の常識なんです。


ところが、最近、小祝さんがずっとやってきたことに東大や理研が入ったことで、小祝さんが最近思う事として、「根酸でミネラルを溶かす、というのではないと思うんです」とポロっと言ったんです。

これに反応しているのは、おそらく150人ぐらいいた参加者の中で、私だけだと思いますが

何故かというと、今回の講演会の話をすべて知っているのは、仕事上、ずっとその講義を聞いてきた私ぐらいだと思うからです。
マニアックな勉強をしている小祝さんの本を全部読んだことがある知り合いの若手農家さんや、質問をしていた農業大学の先生まで、みんな、今回の講演会の内容を必死に理解しようとしていました。

私はそこは全て何回も聞いたので、こういった端っこの話に興味がもてたのです。


「ミネラルは直接吸えないから、根酸で溶かして吸っている」

こんな当たり前と思われていることに、「違うんじゃないか」と言った小祝さんの言葉に、私はとても関心を持ったのです。

おそらく、東大の教授でもこんなこと知らない、わからない。


じゃあ、どういうことか?


小祝さんがポロリと言ったのがこうです。

「昔は堆肥などの腐食(落ち葉や枯草が腐って腐葉土になった状態)の中では、つまり自然界の土の中では、ミネラルはそもそもイオン化しているはずなんです。だから植物の特性として、わざわざミネラルを溶かすために有機酸を出しているのではなく、そもそも自然界ではそのままミネラルはイオン化されているのだから吸えるんです」

マニアック過ぎてついてこれない人が多いと思いますが、とても重要です。

有機農業をやっている人も、「堆肥」を入れると、沢山の微生物がうごめいて、色々なアミノ酸やら栄養素があふれて、そこで健全な土が出来る、と思っています。

堆肥を入れていない有機農家さんもいて、そういった方は「有機肥料」を使います。

しかし、そういった一般的な有機農業では、「ミネラルも肥料の一部」という考えです。


植物は、窒素とミネラルのバランスが崩れると、つまり、ミネラルが少なくて窒素が多いと、病気や虫が大発生します。

人間でもミネラル不足だと病気になるのと同じです。

鉄不足、マンガン不足なのにタンパク質をとっていても、人間は健康にならないわけです。


自然界の森の腐葉土は絶対にミネラル優先だそうです。

しかし、農業は自然界ではありえない、窒素>ミネラル、ということが起きます。

小祝さんは、昔から窒素<ミネラルという自然界に近い状態に畑をすることが、虫や病気の発生を抑えるポイント、と言ってきました。

そのために「ミネラルを入れる重要性」を説いてきました。

ところが、「ミネラルを入れる」ことが大事なのではなく、「ミネラルをイオン化した状態で畑に入れること」が重要だ、という事であれば、「ミネラルは堆肥化させ微生物が有機物を分解した結果、ミネラルが溶け込んでイオン化させてから入れるもの」という事が常識になります。

堆肥を作る時に、たくさんの有機物から有機酸が出てミネラルはイオン化されるのです。


自然界と同じで、時間をかけて葉っぱや枯草が腐っていく時に、土になっていく過程で、色々な分子がイオン化されていくのです。

これは「堆肥を成分」としてみるのではなく、「堆肥は自然界の土のようにミネラルなどをイオン化させている」という考えになるのです。


今、小祝さんの最新のやり方を行うと、人参が1反3トン平均なのが、1トン10トン平均でとれるんです。
平均の3倍以上の収量です。

また、抗酸化力やビタミンや鉄分が圧倒的に高い「抗酸化&高栄養野菜」が出来るんです。
平均的な野菜より圧倒的に栄養価が高い。

そして、病害虫にやられない、自然界に育つ野菜以上に健康な野菜が作れるんです。

もちろん、そのやり方はとてもコントロールが難しいのですが、「ミネラルをイオン化した状態の土がある畑で野菜を作る」と言う言葉が、世の中に全く浸透していないのですが、もしこれが常識になる日が来れば、農業の世界は大きく変わるんだろうな、と思うのです。

感覚的にも私はこれがその通りと思っていまして、堆肥は作れないのですが、野山の腐食を畑に入れているので、良く通りがかりの農家さんが「よくこんな畑で育つね」と言うのですが、植物性堆肥と言うか、草を中心にした腐葉土が沢山ある畑にしています。

だから、ものによりますが、私の畑で作った野菜は、一般的な牛糞や豚糞ともみ殻で作ったたい肥を使っている有機農家さんの畑の野菜より、私は美味しいと思うのです。


ということで、何を言っているかわからない人がほとんどでしょうが、「ミネラルはイオン化している状態の土作り」は大切だな~、と気づいた研修の講演会でした。


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出版のお話

2018年11月05日 | 仕事の中で
本を出そうかと画策し始めました。

何の本かと言うと、おかげさま農場の代表で、私の師であり、「食と命の教室」をやっている高柳さんです。

何があったかわかりませんが、余命を考え、人生を振り返る発言が多くなったので、色々ある人生確認の1つとして「本を出す」という話を提案しました。

「そうか」程度の話だったのですが、教室の参加者から「高柳さんの話を本にしてもっと広めましょうよ」なんていう人も毎年いて、また私もゆくゆくは著作活動をしたい、という目標もあって、その2つが合い重なって、動き始めました。

まずは過去の教室の参加者や知り合いに声をかけ、出版へのプロセスをお勉強。


そしてまず、自然酒で有名な「寺田本家」の先代の著書「発酵道」のライターでもあった吉度日央里さんの知り合いに打診してみた結果、「2011年以降、出版不況だからまず無理なので、小冊子作りぐらいからにしておいた方が良い」という、けんもほろろなアドバイスで、出版社へ企画を持ち込む手順を教えて頂くまでもない状態でした

次に大学の先輩で、長いこと出版業界で社長業をやっていた人に相談。

色々お話を動きましたが、簡単にまとめると

・昔は取次に「とにかく本屋にばらまいて」という感じだったが、結局、手数料もかかるし倉庫代もかかるしで、よほどの売れると思われる著名人などの物でなければ、商業出版は難しい時代

・小学館や集英社など大手はさておき、中小出版会社は、業界団体など何か確実に一定量買ってくれるようなバックがついていて何とかやっていけている状態

・数人で回している零細出版社も、中堅から丸投げされた仕事か、あるいは人からの依頼で仕方なくやるとか、そういったものじゃないと、なかなかやらない

・1つの本を仕上げるに、ざっくりいってもギリギリコストを削って100万。粗利67%として、1500円の本を1000冊売って、ようやくトントン。トントンと言うことは利益が無いわけだから、出版しなくてはいけない理由がなければ、やりたいとは思わない。

ということで、2000部ははける算段が付くものでないとなかなか商業出版と言うのは難しいらしいのです。


そして、教室や寺田本家酒蔵見学会の参加者の方から、本日、農文協を紹介して頂いて青山に行ってきました

この面談に向けて、大学の先輩のアドバイスを受け、結構、何時間もかけて練りに練って資料を作っていきました。

もちろん、電話口で「出版にすぐにと言うのはなかなか難しいですが、お話を聞くだけなら」という事でお会い頂いたので、出版という話ではありませんでしたが、やはり話を色々すると、見えてくるものがあります。


もともと「食と命の教室」の内容を元にした本を出そうと思っていたのですが、その内容は「誰かの言葉や情報を語っている内容が多い」という事で、寺田本家さんの「発酵道」のように、パーソナルヒストリーのような話ではないわけです。

その時点で「なかなかまとめるのが難しいですよね」と言う言葉は、私も先方も言っていました。

そう思うと、そもそもの切り口を変えて「高柳功のパーソナルヒストリー」にした方が、読み物として成り立つのではないかと、気づきました。

また、組版(本のレイアウト)、装丁(表紙やカバーのデザイン)が出来る知り合いがいる、という事を知らせると、「それは強いですね」という反応。

「普通に作って150万がコストとしたら、組版が一番コストがかかるので、もし装丁も出来たら、あとは文章を起こす作業と、印刷代だけですよ。もし自費出版の方向で行くなら、あとは片岡さん次第ですね」

というお話に

その他、ちょこちょこお話を頂いたのですが、商業出版にしなくても良いと言えば良いのかな~、と、もともと「次の一手」で考えていた方にどうやら行きそうです。

あとは、ちょこっと他の中小会社にファックス送ってみて、ダメだったらそっち方向かな?


余談ですが、青山のセブンイレブンのイートインコーナーが13時半過ぎで満席で、女性も普通に食ってました。
成田のセブンにも当然イートインコーナーがあるのですが、車で来る人が多いわけで、車でみんな食うし、住宅地であればわざわざ店で食う人はいないわけです。
第一、通行人から丸見えなわけですから。

それが青山でああなっているとは、ちょっとびっくり。
むしろ、イートインコーナーはオフィス地域に需要があるんですかね?
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有機JASは広がる?

2018年11月01日 | 仕事の中で
最近のトピックで、「有機JAS農産物」が少し広がっていくのかな?と思ったので、ちょっと書きます。

有機JASといっても一般人には伝わらないもので、一般的には「オーガニック」で通るものですね。

「オーガニック食品は安心安全で体に良い」というのが一般的なイメージですよね。


オーガニックオリーブオイル

オーガニックコットン

など、「オーガニック」というのが一般受けしています。

農作物は、日本は人糞を主体に、堆肥を作り、という農法がずっと続いていきました。

一方で、ドイツのリービッヒという化学者が、「植物は窒素、リン酸、カリが主要3大主原料である」と見つけ、それが戦後の火薬などの余ったものや、鉄鋼を作る炉の残差物など、色々なものが混じって「化学肥料」というのが出来上がりました。

日本を下したアメリカ兵が日本に来た時、うんこで育てている野菜を見て仰天しました。

「お~!イエローモンキーは、うんこで野菜を作っている!狂っている!」

ちょうど戦後は日本に食料が無かった時代で、アメリカから畜産用の小麦などを輸入したり、また化学肥料を使った「近代農業」というものが導入されました。

それで、進駐軍は「この化学肥料できれいな野菜を作れ!」とレタスなど、今まで日本人が一般的には食べた事が無かった野菜を作らされました。
というか、進駐軍が買ってくれるので、それを作れる人は作ったのです。

だから、今でも70歳を超える農家さんが、レタスなどを「清浄野菜」と呼ぶのですが、「うんこで作った野菜」に対して化学肥料で育てたきれいな野菜、ということだったのです。


まあ、そんなことはさておき、その後、ヨーロッパなどを中心に化学肥料ばかり使っていて、土地がやせてしまう、という現象が起きました。
そして多かれ少なかれ、有機物を入れた土作りが必要、という考えや、自然回帰運動、自然に戻ろうよ、という運動が起きました。

日本も1970年代から「有機農業運動」が興りましたが、日本はそのままバブル崩壊ぐらいまでは「有機農業」とか「オーガニック」という言葉に国民的関心は無く、経済優先で、農家は3k、きたない、きつい、きけん、あるいはくさい、といった煙たがれる存在でした。

その間、ヨーロッパを中心に「オーガニック」というのが広がりました。

アメリカも富裕者には食べ物を選ぶ知識と金があるので、オーガニックが広がりました。

そして、西欧が日本に輸出したいのに、日本には「オーガニック」と言えるものがありませんでした。

一部、無農薬、減農薬、自然栽培、自然農法、など色々な呼び名があり、それを政府は放っておいたのですが、外圧がかかり工業規格の「JAS法」をあてはめ、「有機農産物」と認定する「有機JAS法」が成立しました。

2001年ぐらいだったと思いますが。

でも、それでも全流通量の5%もいかないまま、ずっと、日本では「有機農産物」は広がりませんでした。

だから、「有機JAS認定食品」は、外国から輸入されたオリーブオイルなど、加工品などがほとんどで、日本産の有機JAS食品はずっとマイナーでした。


ところが、東京オリンピックが決まり、政府は焦りました!

だって、各国のアスリートは食事に気をつかうわけで、「日本に行ったらちゃんとした材料を揃えたもので料理をしたい」という事になったのですが、日本は先進国ではオーガニック食品、まあ有機JAS認定のものが極端に少ないわけです。

前にこのブログにも書いた通り、ドイツに10年以上いた日本の方が帰国して、「日本が農薬大国」であることにびっくりして、オーガニック食材を買いたくても買えないで困った、という感じなのです。

それほど国も国民も「食べ物が安心できるもの、って当たり前じゃない?」という事を本気で考えず、有機JASは全くと言っていいほど広がりませんでした。


しかし、オリンピックで国が急に有機農業団体、無農薬野菜を作っている団体に「有機JASをとってくれ、あるいはGAPを取ってくれ!」と騒ぎ始めました。

当然、ほとんどが無反応。

すると、「環境対策の補助金なども、研修に来ないと出さない」といったり、まあハチャメチャになってきました。

しかし、この間に、オーガニックというのは実はそれほどなく、ほとんど自社基準ではあったのですが、「安心」をうたっていた宅配大手3社、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、そしてオイシックスが合併をしました。

そのらでぃっしゅの農産部長だった後藤さんという方のお話を先日聞いたのですが、その合併した会社は、今は大手流通との垣根を超えたやりとりも始まっているそうです。


特に、イオンが今までは大きな売り場は使っていなかったのですが、「トップバリュー グリーンアイ」というブランド戦略で、有機JASに本格的に力を入れ始めました。

イオンが動けば、他も徐々に動き始めます。

ベルク、という都内ではそこそこのスーパーが、そういった動きを始めたそうです。


私も流通にいましたが、今の消費者は、「安心安全そうなもの」を消費します。

今までは、日本の野菜はまあまあ安心安全でした。

そこに「有機JAS」という名で、中国で作ったものを輸入して、それを「安心安全」と思って買っている消費者もいました。


しかし、本当に日本産の有機JAS認定の農産物を「オーガニック」という名で売り始めたら、そりゃ、売る側も売りやすいし、買う側も買いやすいですよね?

基本的にはコストがかかるので、ベビーリーフや小松菜、ホウレン草のようにハウスで年間何回転も出来るものが中心ですが、今の消費者でオーガニックに関心がある人は、ベビーリーフとかスムージーを食べる人たちが多いでしょうから、まあマーケットにも合致します。

路地でもドカッと作ってドカッととれる人参、玉ねぎ、ジャガイモ、大根などもまあ作ろうと思えば作れます。単価が合えばですが、

いずれにしろ、「そういった動きが出てきているよ。好き嫌いは別にして、有機JASは広がるよ」というのが、その後藤さんのお話でした。


話は少しずれますが、ゴマ油の老舗、鹿北製油という所は、ずっと国産のゴマを使っていました。
それが「偽装」が発覚しました。

どんな偽装かというと、「外国の有機JASのゴマ」を輸入して混ぜていたのです。

外国でオーガニックというのが認定されている物の方が、国内産の認定が無いゴマより圧倒的に安いからですから、ちょっとおかしな話ですが。

有機JASだから良い、オーガニックであればよい、というわけではなく、認定をとっていなくても、むしろ有機JASよりしっかり作っている農家はたくさんいます。

ただ、それを証明できるものが無い。

だから、「有機JAS認定」という制度が活用されていくわけです。


さてさて、この流れ、オリンピックに向けて盛り上がるのはわかりますが、その後、イオンはマーケットを一定確保していくのでしょうか?

お金のある団塊世代を捕まえれば、ちょっとしたマーケットが出来るかもしれませんね。

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