半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

平和が一番

2024年08月14日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 「親子で乗り越える 受験戦略3つの柱」、Amazonから出版開始となりました

 https://amzn.asia/d/6nuNba8

 お友達にも声をかけて4冊も買ってくれた方もいて、有難いです。私は田畑や自然から学ぶ事の方が学校の授業で学ぶ事よりも多いと思っているのですが、とはいえ、今の時代に高校受験はほとんどのお子さんが避けては通れない道です。

 私も「やるなら全力で」と思い、本気で調べ、考え、応援しました。その経験をほぼ網羅しています。これから受験を迎えるみなさんにとって、少しでもお役に立てればと思っています

 それにしても受験が出来るというのは「平和だから」と思います。

 8月は日本にとっては戦争を考える月なので、多くの特番が組まれていましたが、あの戦争は学徒出陣、特攻隊など若い命を死地に送り込んだ戦争でした。当時は家族や故郷、あるいは日本のために役に立ちたいという滅私奉公の精神を持った学生が多かったと思いますが、その志を断念させられ、命を奪われた戦争でした。平和でなければ学生という身分は保証されなかったわけです。


 また「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、地震発生のリスクが数倍に高まっています。南海トラフ大地震はもちろん、仮に首都直下型地震が同時に引き起こされると、日本は人命はもちろん、道路・水道・電気などのインフラ、経済も壊滅的な打撃を受ける推測が出ています。

 また、2011年の東日本大震災でプレートや地殻が大きく破壊されたため、その余震は青森から千葉まであと10年は少なくとも続くと言われています。私たちは昨日と同じように今日を過ごしていますが、今、大地震が起きてもおかしくないところに住んでいるわけです。

 実際、能登半島地震は受験直前の惨事で、そんな中でもひたむきに受験をしている子供たちがテレビで映し出されました。あの時は我が子も受験直前だったので、「何事もなく受験を迎えられるだけでも有難いことなんだね」と話したものです。

 世界に目を向けると、難民キャンプや貧困国の現場で撮影された子供のインタビューがテレビで流されることがあります。

「勉強してお医者さんになってみんなを助けられる人になりたい」

「学校の先生になって、教育に携わりたい」

など、勉強するのはみなのため、国のためという思いが伝わってきます。

 実際は環境が整っていない国で勉強が出来る子は一部でしょう。そうだからこそ、勉強が出来る環境にいる子は、国の教育レベルを上げて貧困から抜け出す事に貢献したい、あるいは衛生管理が行き届かない中で病気やケガで苦しむ人を何とか救いたい、という具体的な勉強への思いが沸くのだと思います。

 一方、平和な国の現状はこうです。

 「勉強、面倒くさいな~」と言いながらも受験にチャレンジできるお子さん。「スマホばかり見てないで勉強しなさい」と、つい感情的になってしまう親御さん。毎日ご飯をちゃんと食べられるのに「美味しくない」といってご飯を残して捨てたり、自分の役割を全うしていないのに他人の事を批判する人。小さな戦争が家族内、職場内などあちこちで毎日起きています。

 でも、一生懸命働いたら帰ってお風呂に入り、ご飯を食べられて、ぐっすり眠る事が出来る。これこそが平和で幸せというものですよね。

 平和が続くと刺激を求めて、刺激が多いと休みが欲しくなる。人間は全くもって落ち着かない生き物ですが、まずは自分の平和、そして関わる人とは平和に暮らしたいものですね。

 余談ですが、国連で前例を覆して次々と新しい難民支援を行い多くの命を救った緒方貞子さん。アフリカでは「命を救ってくれた存在」として尊敬の念をもって我が子に「オガタサダコ」という名前をつけたお母さんがいるんです。凄いですね~。

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「受験というシステム」と親御さん

2024年08月07日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 「親子で乗り越える 高校受験3つの柱」というタイトルの本が、8/9(金)からAmazonで出版開始となります

 このお手紙をまとめた「農村コーディネーターからの手紙」より引き合いが多く、やっぱりお子さんの受験に対する関心は高いんだな~と思いました

 今回の本は「受験戦略」をまとめたわけで、子育てをしている親にとっては必ず通る受験をどう乗り越えるか、というガイドブックになると思っています。ただ、本質的なところは「子供が本気になってやることなら、親も本気になって応援しよう」というメッセージ本です。

 逆に子供が本気になっていないのに親が上から目線で「勉強しなさい」とか点数で子供を評価するのであれば本末転倒で、それなら勉強に関わらない方が良い場合が多い、とも思っています。私は受験やテストなど「点数評価」というのは「諸刃の剣」と思っています。

 そこで出版記念ではありませんが、ちょっと「受験」というシステムに対する親の在り方について書いてみたいと思います。

 日本は明治時代に「廃藩置県」が行われ、試験で選び出された優秀な官僚が国を動かす「中央集権型のシステム」が出来上がりました。

 それまでの日本は「村社会」ですので、民族学者の宮本常一の話だと、「長男は家を継ぎ、次男や3男は長男の下僕扱い、あるいは丁稚奉公や流浪の旅に出るような地位だった」そうです。そういう意味では、勉学が出来たら一気に官僚になれて逆転人生を起こせる時代に変わったわけです。

 しかし、実際、教育を受けられるのはお金がある家の長男だけで、戦後も「長男が家督を継ぎ家全体をまとめ、家族全員の面倒を見る」、「次男、3男は引き続き地位が低く、女性は嫁に行く」というのが大前提でした。

 ところが高度経済成長時代に入り、今の団塊世代ぐらいから中学卒で働き始める人は減り、高校進学は半分ぐらいになったと聞きます。さらにその子供達、団塊ジュニア世代には「受験戦争」が起きました。なぜならその親である団塊世代の間で「大企業の会社員」と「地方の農家の息子」の間で経済格差や安定性の差が拡大し、地方に残った長男の方が貧富差や社会的地位を嘆く時代になったからです。

 10年ほど前ですが、「こんなところにいたら俺らのようになる。お前は都会に出ろ」と言って、山を売った資金で息子を大学に行かせた人の話を今も覚えています。

 こう考えると「努力次第で道が開ける受験」というシステムは、長男、次男あるいは女性であろうが、生まれた地位によって職業などを選べなかった昔に比べれば、平等で「夢のようなシステム」でしょう。一方、度を超すと一昔前の日本の受験戦争時代、あるいは今の韓国のような子供も大人も巻き込む社会の軋轢を生む原因にもなるわけです。

 結局、「人を点数で評価する」というのは何なのか?という所に行き着くと思うのです。

 そもそも点数評価は「単なる受験」の話であって、人間性とは全く関係ありません。お医者さんには人間としてダメな人が多いと聞きますが、それは1日10時間以上机の前で勉強に没頭出来る能力は、人間性とは全く関係が無いからでしょう。

 受験はあくまで「システム」であって、親がそれに飲み込まれていては、もし子供が勉強に向いていなければ、親が社会と同じ視線で子を点数で評価する事になり、親も悩むでしょうが、子供は家庭でも逃げ場が無くなりもっとかわいそうです。 また、どんな子だって自己肯定感が下がってしまいますよね?

 親は社会の評価など関係なく、我が子を絶対肯定するべきだと私は思っています。その前提にたった親なら、何があっても子供にとっては「親は味方」と思ってくれるでしょうし、受験も一緒に乗り越えられると信じています。

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暑くても順応できるのかな?

2024年07月24日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 超暑い日が続いていますが、皆さん元気にお過ごしでしょうか?

 先週(土)(日)は米農家の根本さんとの教室でしたが、本当に暑かったです。前日はハウスの遮光ネット張りで汗だくだく、(土)の当日は猛暑で本当に気を抜くとフラフラしそうで危なかったです

 たまたま、7年間と長いお付き合いのお客さんから、実家からのお土産として「タケノコの水煮」を頂いたのですが、それがキンキンに冷えていたのです。そこで「使い道が違いますが」と許可を取った上で、脇に挟んだりと体を冷やす物として使わせて頂き、何とか命拾いしました

 今月の教室の最初のプログラムは倉庫下でのメダカすくい。しかし次のプログラムは日の当たる田んぼでの草取り&生き物捕獲。「お日様の下でぶっ倒れるんじゃないか?」と恐る恐る倉庫下から足を踏み出した途端、なんと涼しいのです

 なるほど、倉庫下は空気がモワ~っと滞留していて、だからあんなに暑かったのか、と納得。急に元気になってしまいました。外は風が吹き空気が流れていたので、全く体感が違いましたが、特に、田んぼの前は格別でした。田んぼは水が張ってあり、かつ、稲が蒸散をしているので、その上を通る風はとても気持ちが良いのです

 風が通るとトトロの猫バスが通ったように波打つ稲はまた見ていても気持ちが良い。本当に暑い日の風はありがたいですね

 教室がの翌日は体調を整えるために在宅ワーク。そこで冷蔵庫にあったMonsterというエナジードリンクを飲んでみました。口に含んだら、もう甘くて変なとろみもあって、とても飲めませんでした

 ただ、小さい頃、オロナミンCを牛乳割りして飲んだ事を思い出して、やってみたら、コップ1杯は何とか飲めましたが、あとは廃棄。

 なぜこんなものが家にあるかというと、息子達の高校の校長先生が夏休みに入る前にプレゼントしてくれたからです。校長先生からは受験や部活を応援する気持ちで渡したのでしょうが、エナジードリンクはカフェインや糖分、化学抗生物質の塊です。とても高校生が飲むべきものではありません。

 健康を考えたら、逆に「こんなものを飲んだら体を壊すぞ」と教育して欲しいものですが、おそらく校長先生は普段から飲んでいるのでしょうね。まあ、私も東京でバリバリ働いていた時は、ユンケルとか飲んでいましたから、頑張っている大人には流行るのかもしれませんね。

 1日休んで、昨日はまた畑で草取り。15時過ぎに事務仕事が終わったので畑に行こうとしたのですが、気温は34℃。「キュウリとか収穫だけしようかな」と思いつつ、やはり仕事をし始めると草取りなどしたくなってしまうのです。

 最初はつらくて休み休みやっていましたが、16時過ぎからはボチボチ。後で気温を調べてみたら33℃ぐらいだったようです。

 人間の体は真冬から真夏まで自律神経が体を調整してくれるうから耐えられると言います。ニュースとかで37℃の中を歩いている人が映ると「良く外を歩けるな~」と思ってしまいますが、なんだかんだいって人間の体は順応していくのかもしれませんね

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草取り、コンサート、そして受験本

2024年07月17日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

■草取りとそのご褒美♪

 猛暑からひとまず梅雨らしい季節に戻りました。ジメジメすると洗濯物も乾きませんし、汗も乾かないので日差しが無い割には蒸し暑く体力を奪われて行きますね。それでも今日までは最高気温が30℃以下ということで、「暑さが戻る前に」と気合を入れて畑の草取りをしました。

 今年に限らずここ数年の梅雨は空梅雨傾向なので畑はパサパサで作物が良く育ちません。逆に雨が降ると作物は一気に育ちます。特に水が好きな果菜類、また空心菜なども水が大好きです。また今は枝豆が大きく実を太らす時期なのでこのタイミングでの雨はとても有難いのです。

 一方で野菜よりたくましい雑草は、雨がくると野菜以上に繁茂します。少しでも残しておくとあっという間に元通り。という事で、暑さが来る前にと一通り取り切ろうと頑張りました
 
 話は全く変わるのですが、15(月)の海の日に成田に手嶌葵さんがきました。成田の駅前に300席ほどの小劇場があり、「あそこならどの席でも良いな」と自分へのご褒美としてチケットを買ったらC列と当たりで表情も見える距離でした

 そして、みみずの会の代表の菅澤さん一家も来ていました。以前、Queenの映画話でも盛り上がったこともあり、「好きなものが結構似ていますね」と。

 また、野菜ボックスのお客さんも2人、「食と命の教室」のお客さんにも会いました。オーガニック系の方は手嶌葵さんが好きな方が多いのかな?

 ちなみに手嶋葵さんはジブリのゲド戦記「テルーの歌」や、ドラマの「明日への手紙」が有名ですが、高校生の我が子供達は全く知らず、ただ「森の小さなレストラン」は良く聞くとの事。というのはYou tuberが食べ物を扱う際にBGMによく使うそうなのです。

 確かにコンサートは40~70代が満遍なく来ている様子だったので世代が違うんでしょうね~。

 

■受験の戦略と親の関わり方など、あれこれ本

 今年の4月に下の息子が高校に入学し4か月が過ぎますが満喫しています。我が家は長男、次男とも高校受験では塾に行かず、スタディサプリ中心で頑張りましたが、私もコーチとして頑張りました。

 また、色んなお母さん方と話をしてきましたが「中学受験は親次第というけど、高校受験も親次第だな~」と思っています。

 中学生は生意気を言ってもまだ子供なので、初めて自分で人生の選択肢を選び、挑戦をするというのはかなり大変なチャレンジなのです。そこに上手に大人がサポート出来れば良いのですが、子供の自尊心を落とすような介入をすると、勉強が嫌になるだけでなく親子関係にもヒビが入る可能性もあります。そういった親の在り方の参考にもなればと思って、色々まとめています。

 例えば、千葉県公立高校受験の平均点は長男の受験前年は5教科で286.2点、1教科平均57.2点でしたが、2年後の次男の受験前年の平均点はなんと257.7点でした。1教科平均51.5点、しかも主要3教科の国語・数学・英語は全て47点台と「難し過ぎた」のです。

 令和6年は英語は改善されましたが国語は相変わらず難問です。受験は「合格すれば良い」のであって、その子のやる気と現時点の学力に合わせて「やるべき事を取捨選択」したり、子供の伸びに合わせて学習スケジュールを組み替えて行く「受験戦略」が大切です。その「受験戦略」を理解できる親は子供にとって最高の支えになる、と思っています。

 そういったあれこれをまとめた本を執筆中です。

 中3に限らず小学校の子を持つ親御さんも含め、是非、私の普段書いていることに関心をお持ちの方は、手にとってみて下さいね。8月頭に出せるようかなり気合を入れて書いています。お子さんがいなくても、最近の子供たちがどういう環境にいるのか、読み物としても面白いと思いますよ

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暑い夏のエトセトラ

2024年07月10日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

   ↓

 いや~、暑い日が続いていますね

 今は梅雨の時期なので本当はドバっと雨が降ってたまに晴れというのが本来の姿なのですが、曇天なのに30℃超えという蒸し暑さの極みのような日々が続いています。例えばジメジメした30℃なら晴天の33℃の方がまだましだな、と思います。最も、33℃を超えたらどんな天気でも嫌ですが

 さて、暑い夏には本来ならキュウリも入れ食いのはずが、実がついても落ちてしまう現象が続いています。水をあげられる畑であればバンバン採れる時期なのでしょうが、今年は5月から水不足で畑はパサパサ。野菜は体を冷やすための蒸散を必要とするのですが、この暑さの中での水分不足なので木が弱っているのでしょう。

 また、暑すぎるとハチやハエなどの受粉を促す虫があまり飛ばないので、受粉不良も原因かも知れません。しかし、この暑さで梅雨というのですから、梅雨が明けたら最高気温35℃超えが当たり前の夏がやってくるのでしょうね。お~、恐ろしい

 このぐらい暑くなると、畑仕事は朝夕が中心になります。この前も朝6時半から10時まで草取りをしてきました。人間の体は季節の大きな変化に順応するには2週間ぐらいかかると聞いたことがありますが、ようやく暑さに体が順応してきた気がします。

 6月までは、毎日が熱中症のような感じでしたが、最近はドバっと雨を浴びたような汗をかくような体になってきました。私はサウナで整うというのが良くわからないのですが、ドバっと汗をかいたら仕事を切り上げてシャワーを浴びると、とても気持ちが良いのです。あれが「整う」という感覚なのでしょうね。

 最も「ほどほど」が大切です。若い頃は草取りや収穫など仕事があるとそれをやり切ろうとして熱中症になっていました。しかし最近はようやく仕事より自分の体を優先する事が出来るようになってきました。ちょっと苦しくなったら休憩をとる。もう少し頑張れるかな、と思っても、翌日の事を考えて切り上げる。それが暑い夏を乗り越えるコツですよね。

 とはいっても、どうしてもやらなければいけない時は、つい頑張ってしまうのですが。今年も倒れないようやり過ごしていきたいものです。

 話は変わりまして、先週、成田市農政課の方から「オーガニックビレッジ」の話を聞いてきました。農水省が「みどりの食料システム戦略」という有機農業を広げるために作った事業の一環で、「オーガニックビレッジ宣言」をした行政に補助金を交付するというものです。

 でも、その定義が曖昧で、農政課の人も有機農家の意見を聞いて計画を立てようとしているのですが、理想や熱意を持っている人がいないのでどうにも的を得ないのです。

 例えば、既に宣言をしたお隣の佐倉市や神崎町は若手有機農家は結構いるのですが、成田市は高齢化が進んでおり生産量が減り始めています。空港拡張により空港近くにあった有機農業の研修施設が数年前に閉まってしまったので、パッとしない事業を何となく進めるなら、改めて新規就農者を育成する施設を作って欲しいなと思います。

 最後に、今回入った「すずカボチャ」というのは、普通の煮炊きするカボチャと違い生食で食べるカボチャということで、あえて熟す前に収穫しているそうです。そのため甘さやうま味はなく、サラダやマリネなどにしてコリっとした食感や彩りを楽しむカボチャとのこと。そのため、日持ちもあまりしませんし、置いておいても熟成することは無いそうですのでお早めにお食べ下さいね

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お米も高級品になる?

2024年07月03日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 お米が高いという話がここ数ヵ月良く聞こえてきますね。理由は昨年の猛暑のためにお米の出来が悪く、収穫してみたものの選別しなくてはいけない粒が多いなど歩留まりが悪いためです。一方で外食需要なども増えていることもあり、相場が少し高くなっています。

 2年前は60㎏で平均1.2万円台で、米価が低すぎてもっと生産を減らせと騒がれていました。しかし、昨年度産の最近の価格は1.5万円台となっています。ただ、ものによっては2万円を超すものもあり、農村地帯では米泥棒も出ているので「倉庫にはカギをして下さい」と言った指導が入っています。

 私もこの道に入ってから知ったことですが、戦後、日本の食糧不足とアメリカの小麦の過剰生産が重なり、「洋食推進運動」が繰り広げられ、パン食が推進されました。

 1958年の慶応大学の林教授が「米を食うと馬鹿になる」と書いた本はベストセラーになり、パンを試食されるキャラバンが全国を回り、TVではパン食の映像が流れパンが文化人の食べ物、というイメージ戦略が展開されました。その結果、日本人の米離れは急速に広がったと言われいます。

 マクドナルドの日本法人の社長の藤田さんが言った「10歳までの子供にハンバーガーの味を覚えさせろ。そうすれば大人になっても食い続ける」という話は今も有名です。ということで、今の団塊世代はすでにお米よりパンを食べるのが当たり前になり、その子供である私のような団塊ジュニア世代もパンの方が多くなってしまいました。

 一方でアメリカでは深刻な肥満、ガンの増加などがあり、世界中を調査した結果、「玄米中心の日本の昔の食卓が一番健康に良い」と結論を出し、寿司や豆腐などの日本食ブームが起き、ガンの死亡率も低下。一方で日本の食は欧米化し、小麦、肉を中心とした病気国家になっています。

 日本人の腸は米粒を食べて来たため粉食文化の外国人より腸が長いというのは、まだまだ生物学的には米粒の方が合っているという事ですし、何より今の海外産小麦の残留農薬率はほぼ100%です。かつ、日本のような真っ白な製粉された小麦を使った柔らかく糖質ばかりのパンは海外のパンとは全く違います。

 こういった話から、日本人はもっとお米を食べるべきだとずっと思ってきました。しかし、そろそろお米も高級品になって来そうです。

 例えばJA東とくしまは有機米を市況の倍近くの値段で買い上げて来ましたが、高齢化になりここ数年で作付け面積の約4割が減ったそうです。お米を高く買えば米農家が続けられるという話が通じないほど、高齢化が進んできてしまったのです。

 また、なんだかんだいって日本の農業で使われている肥料などの農業資材は海外産で、自給率は3%無いと言われています。シーレーンが止められたら海外の食べ物を輸入できなくなるだけでなく、国産農産物も作られなくなります。そういった時代がひしひしと迫ってきている事を感じます。

 そう考えるとお金があっても食べ物が買えない時代がいつ来てもおかしくありません。政府が「食料危機が来たら、農家は政府の指示でサツマイモを作らなくてはいけない」という無茶苦茶な事を決めましたが、もしそういう事になっても400~500万人分ぐらいのサツマイモしか作れないそうです。

 いろいろ考えると、自分の家族ぐらいは食わせられるよう、畑だけでなく田んぼをやった方が良いのかな~という思いが湧いている今日この頃です。まあ、昔2年間やったことがあるのですが、田んぼって本当に大変で、素人が思い立ってもそう簡単には出来ないのですけどね

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青春ですね~♪

2024年06月26日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 蒸し暑い日が続いていますね~。今年は梅がどこもかしこも不作ということで、私がいつも頂いている知り合いのところでも大不作。ということで、私はこの十数年で初めて梅干し仕込みが出来ませんでした。スーパーで買っておけばよかったな~と反省しています。ということで、今年は今まで貯めこんだ梅干しで乗り切るしかありませんね

 一方でラッキョウは豊作。毎年1か月で食べ切ってしまうので、今年はちょっと多めに4㎏ちょっとを仕込みました。ただ、ラッキョウは収穫し、葉と根を切り、泥を洗い落とし、仕上げの皮むきと茎切りで5時間はかかるのです。毎回、ラッキョウを仕込むとヘロヘロになりますが、本格的なラッキョウは美味しいし食卓に必要なので頑張っています。塩漬けして2週間ほど乳酸発酵させ、その後、漬け汁に1か月ほど漬け込んだら完成です

 さて、先週末は2人の息子が通う高校の文化祭に初参戦しました。毎年必ず田畑教室の日程に重なっていたのが、今年は奇跡的にずれて初めて調整がついたのです

 うちは2人とも同じ高校に通っているので他の高校の事は知りませんが、次男は「控えめに言っても最高」というほど楽しいらしく、長男は勉強そっちのけで、所属する科の出し物の練習を春からずっとやってました。

 文化祭全体では来場者数3000人とのこと!そんなに来るものなの!?と思いつつ、チケット持参で行ってみたら、朝の入場時点で大行列で10分以上待たされ、入った後も1時間以上待たされる部屋があちこち。人・人・人で「ここは渋谷か?」という感じ。凄いもんですね~。

 おじさんは若者が沢山いるだけで圧倒されるので、長男が出しもの鑑賞。これが凄かった

 私も大学時代、ほんの少し劇をかじったので何となくわかるのですが、演劇部でも無い彼らがよくここまで仕上げたなというほど感動もの。そもそも100人以上が参加している大劇団なわけで、キャストも多かったですが裏方もむっちゃ頑張っていました。多分、この経験で毎年1人は演劇系の道に進む子が出るんだろうな~

 楽しい文化祭が終わり、受験生の長男はいよいよ勉強モードに切り替えるかな?と思っていましたが、いつも通りゲーム三昧

 そんな長男は数学だけ塾に行っているのですが、その塾から先日「息子さんの高校は進学校の中でも進学実績は最低」と言われ、びっくりしました。

 確かに息子たちが通う高校は巷でも「楽しいらしい」という噂が聞こえてきていたし、文化祭でも「あぁ、青春しているな~」とわかるほど活気に満ちていましたので、進学指導は今時の他の進学高に比べたらガチガチでは無いのでしょう。

 まあ、昭和のおじさんの私としてはやっぱり学生時代は青春した方が良いと思うわけです。なので子供たちが楽しいと思って通っているだけで、良かったな~と思います。

 ただ、長男に関しては大学に行きたいけど今まで遊びまくっていたので、これからやらなければいけない勉強量に怖気づいて勉強のスイッチが入っていません。親がとやかく言っても仕方ないものの、本当に目指すならそろそろ気合を入れないと間に合わないのも事実。親としての最後の支援、さて、どこまで介入するか?考えどころです。

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5年、10年かければ菌も定着

2024年06月12日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 みなさん、美味しく安全なお米を食べていますか?。田んぼ教室のパートナーの米農家の根本さんのお米はネオニコチノイドフリーで、令和3年度には農協の食味コンテストで千葉県1位を獲得した折り紙つきです。

 今はお米を食べない時代になったので、利根川沿いの根本さんが住む地域の田んぼは、半分以上が家畜用のエサ用になっています。人間が食べるお米を作っても値段がどんどん下がっているので、補助金目当てで農業法人がひたすらエサ用の作付けをしているからです。

 また、根本さんの地域で専業農家は根本さんだけで、全国的にもそういったところは増えてきています。今や稲を健康に育て、安心して食べられる美味しいお米作りを目指す農家は少なくなってしまいました。

 ただ、一部のまじめな農家はより良いお米を作ろうと頑張っています。根本さんもその一人で、私が龍ケ崎市で日本でトップレベルのお米を作っている関口さんという農家さんを昨年紹介してから、そこの勉強会に通い始めさらに技術を上げています。

 先週は稲作の世界では有名な薄井先生の勉強会でした

 薄井先生は福島出身で300年以上続く農家の8代目。味はもちろん1反で600㎏超えを悠々と達成している徳農家です。1反というのは田んぼの単位で1000㎡≒300坪です。

 通常、ここで8俵(480㎏)とれたら豊作なのですが、600㎏というと9俵以上ですから凄い量です。しかも87歳でかくしゃくとしていて、話すことも論理的。しかも田んぼを現役バリバリでやっていて「今の人達は稲を観察せずに、自分が楽をしようとばかりして働きませんね、あれでも百姓か?って。私は稲を見て必要なことをやっているんです」と、日の出と共に働き始めます。

 薄井先生を師と仰ぐ70歳代の関口さんは「薄井先生があの年で頑張っているんだから、俺もまだまだだ」と言いながら負けじと働いています。そんな姿を見て、根本さんも「あの年齢であそこまで動けるイメージがわかないよ。本当に昔の人は働き者だよね」と感嘆しています

 そんな薄井先生の田んぼには、光合成細菌が住み着いているそうです。

 光合成細菌というのは、例えば金魚の水槽内の腐敗物を食べてきれいにしてくれる菌としても知られています。田んぼはもちろん、水たまりや池などあちこちに住み着いていますが、10年ぐらい毎年入れ続けると土着菌として完全に定着するので、薄井先生の田んぼの色は光合成細菌の特徴で赤茶色っぽいそうです。

 また、関口さんは納豆菌や酵母菌を田んぼに入れているのですが、根本さんに対して「俺の田んぼのようになるには5年だな」と言っていました。

 長年かければ菌も土着する。面白いですね~

 先週も書きましたが、自然界はもちろん人間の腸内にも数えきれないほどの微生物が住み着いています。

 例えば、ヨーグルトなどの乳酸菌は日本の風土には合わず、牛乳を分解できず下痢してしまう人が多い日本人にとっては、風土に根差した漬物などの植物性乳酸菌の方が合っているという話があります。また外部からの菌は腸内に住み着かず日和見菌を善玉菌に傾かせるだけなので取り続けなくてはいけないとも。

 ただ、田んぼも5年、10年で変わるように、もしかしたら人間の腸も5年、10年とある特有の菌を取り続けたら腸内の常在菌のバランスも変わるのかもしれませんね。

 そう思うと、昔の日本人の食卓には、漬物、味噌汁は当たり前で納豆などの発酵食品も今の日本人の食卓よりはるかに多かったわけで、今の長老と呼ばれる年代の方々の腸内には、今の私たち、あるいは子供たちの腸とは全く違う微生物の生態系が出来あがっているのかもしれませんね

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畑の土も人の腸内も同じ

2024年06月05日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 「木を見て森を見ず」という言葉は、「部分だけ見ることに心を奪われ全体を見通せない」という意味で使われています。子育て、生き方、何にでも当てはまる大切な考え方ですよね。

 で、先日観たテレビで漢方が効く理由の1つとして、成分が直接効くのではなく腸内の微生物のエサとなり、その微生物が出す物質が脳に働きかけて体内の炎症を抑えるそ事がわかったそうです。すごいですね~

 必要な成分を薬にして飲ませる西洋医学とは全く違う原理ですよね。これは近代農業と有機農業の関係にも当てはまりますよね。

 野菜は目に見える地上部に異変があれば、ほとんどの場合、目に見えない「根」に問題が起きています。そして「土」がしっかり出来ている、つまり肥料分やミネラルバランス、そして水があれば、よほどのことがない限り根はおかしくなりません。逆におかしいということは、土に何か問題があるのです。

 もう少し細かく言えば、土の中には生態系があります。植物の残渣や落ち葉など未分解の有機物があれば、ミミズ、カメムシ、ヤスデなどが食べて細かくしてくれます。またさらに小さなワラジムシの赤ちゃん、ヒメミミズがいて、そういった虫を食べるムカデなどの肉食虫もいます。植物の死骸、虫の死骸や糞尿の中には億を超える微生物がいます。

 酵母菌、カビ、バクテリアなどが住み着き、カビが増えれば抗生物質のようなものが出て抑制し、1種が爆発的に繁殖することは無く、それぞれの命がつながった生態系が出来上がっています。

 もし私たちが微生物だったら畑は無数の命が存在する宇宙なわけです

 つまり土は無数の命の集まりで出来上がっているわけです。

 「自然はバランスを取る」というのは真理だと思うのですが、畑でも自然に近ければ近いほど生物の多様性がありバランスが整っていきます。そこで育てた野菜は、病気になりにくく、健康に育つわけです。

 それをなるべく乱さないようにサポートしていくのが有機農業の土つくりです。人間が分析して必要と判断した化学成分を入れたら良い、という近代農業の発想には、土を命の集まりという視点が無いわけです。

 人間の健康も同じですよね。人間の腸内と畑は同じだと私は思うのですが、腸内には100兆の多種多様な微生物がいると言われています。善玉菌もいれば悪玉菌もいますが、それらのバランスがとれていれば健康と言います。

 人間の便の80%は水分ですが、残りの20%の内訳は、1/3は食べ物のカスですが、1/3は腸内を剥がれた粘膜、そして1/3は生きた腸内細菌だそうです。いかに大量の菌が腸内に住み着いているかがわかりますよね

 思い出すのは数年前に観た人体の不思議に迫るテレビ番組で、原因不明の難病の方への治療法として、健康な人の大腸から取り出した便を浣腸で注入するというのがありました。腸内の微生物バランスを整えるために、外部から良いバランスの菌群を注入するという治療法です。

 そして驚いたのは、病の人の腸内には健康な人の腸内には存在するクロストリジュウムという光合成細菌とバチルスという菌がほとんどなかったそうです。実は、この2つの菌は微生物農法をやっている人は良く活用する菌なのです

 野菜にとっても人間にとっても有効とされる菌が同じ。つまり、菌の種類バランスが良い健全な土で育ったものが人間の腸内にとっても良い理由がわかる気がします

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自然のリズム、人のリズム

2024年05月22日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝採り野菜ボックス」のお手紙です

 日本の社会では4月が新シーズンの始まりとなっています。大人なら部署異動や転勤、子供なら入学、新学期などです。

 自然界も同様で4月は草花が新しく萌える季節です。草が芽を出し、それを求めて越冬していた虫たちが卵を産んだりサナギが羽化しチョウチョやバッタが出てきます。

 農家もその流れに呼応するように夏野菜の植え付けや田植えを開始します。そして5月から6月に入る頃は気温が上がり雨も増える時期。作物は一気に体を大きくし、実をつける時期に向っていきます。

 と同時に肉食のクモやカマキリなども孵化し、エサとなる虫が満ちあふれる時期にツバメの子供も巣立ちを迎えます。季節が盛りに向うに従って自然界が一体になって命に満ち溢れていきます。

 ただ、作物は種を蒔いて芽が出た頃は鳥や虫に食べられる危険があります。また、苗を畑に移植した際も、今までハウスなどで大切に育てられた苗が急に雨風や太陽の光にさらされるので、根付くまでは注意が必要なのです。しかし、そこを乗り越えると一気に根を張り体が大きく育っていきます。

 私たち人間も同じですよね

 我が家の事ですが、4月に高校生になった息子が先週1日だけ発熱しました。風邪の症状が無かったので「疲れが出ているんだよ、とにかく寝てな」と言ったら、昼から次の日まで寝て翌日にはすっかり復調しました。

 本人は自覚はなかったのでしょうが、新しい場所、慣れない人間関係、小中とは違った学校システム、そして怠けた体に急に激しい部活動が始まったので疲れが溜まっていたのでしょうね。ちなみに部活の顧問は「夏場の練習で体重を落とさないように」と、今から基礎体力をつけるトレーニングをしているようです。今のトレーニングを乗り切ることで、夏に技術や体力が向上させられるのでしょうね。

 春に新しいスタートを切り5月を乗り切れば大きく成長出来る。そしてエネルギーがほとばしる夏を迎え、花を咲かしていくというのが自然の流れ。そう考えると日本の人間社会が4月にスタートを切るというのは、日本の自然のリズムに合っている気がします。

 人間も自然の一部。新しい命が生まれエネルギーが増していく流れに乗って、私達も新しい生活を軌道に乗せていく。もし9月スタートだったら、落ち葉が散り気温も下がっていくのと同様に、気持ちが落ち気味で新しい生活の流れに乗れない人が今より多くなる気がします

 また、1年という単位でだけでは無く1日の流れも自然に沿った方が良いですよね。

 例えば人間の体は、朝、眠りから覚めたばかりは内蔵も静かだそうです。だから朝から肉などモリモリ食べるよりはお味噌汁や納豆など消化が良いものを良く噛んで食べ、腹8分目。昼は働き盛りになるので魚や肉など油も摂取。夜は再び落ち着いてくるので食事もゆっくり腹8分目が良いと言われています。

 今の私達は「朝ご飯を食べた方が午前の勉強や仕事がはかどる」といった理屈で朝ご飯を食べる人も多いと思いますが、昔の日本人は、朝起きたら排泄をし、一仕事をして腹が空かせてからご飯を食べるのが普通でした。

 野生の動物に目を向けても、目覚めてすぐにご飯を食べる事は無く、腹が減ってからエサを摂りますものね。

 人類学者の話では、人類が生まれてから600万年は狩猟採集生活で、農耕・牧畜が始まってからわずか1万年。つまり遺伝子レベルでは狩猟採集時代のままだと言います。自然のリズムに合わせると何となく心地良いのは、人間も生態的には未だに自然界の動物と大して変わらないからなのでしょうね

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