半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

今月の「食と命の教室」

2024年06月29日 | 農的体験・生活

6月の「食と命の教室」、前日発熱で2人お休み。暑い日が続いているので体力も低下しますよね~

さて、高柳家は昨日は取引先の幼稚園との田んぼの草取り、明日は取引先との田んぼの草取りということで、この教室を中心に3日連続のイベントで大変そう。

また、「もっとみんなの意見を聞きましょう」という話になり、今回はみなさんのご意見やお話をよく聞く会で、参加者もいろんなお話をしてくれました。

午前は北アカリの収穫。お昼はいつもの野菜になんとカレーもついて贅沢

そして今年はゴマとヒマワリが上手く発芽しなかったので、「田んぼでもやるか」という事で、急遽田んぼの草取りに。

高柳さんの田んぼは紙マルチをはっているので、紙がはっていない田んぼの畔近くのみ草が結構でているので、その畔近辺の草をみんなで取りました。

田んぼは気持ち良かったけど、午後から晴れたので暑かった

一仕事終えた後はお話タイム。梅雨の時期なのでこの時期は「伝統的な日本建築」のお話。

今の家は西欧の考えを取り入れ、科学的ということで「構造計算」をし、「建築基準法」に沿った家作りが法律で定められています。また、エコということで外断熱が主流ですし、基礎はベタ基礎など。

一方で、昔の家は通気性を重視し木を中心とした家作り。乾燥して木があまり無く石作りが基本の西欧とはそもそも環境が違うわけです。

また、法隆寺が1000年持つように、高柳さん達、一般庶民も、家を建てる場合は、150~200年持つことを基本としたいたそう。だから6代、7代、8代と住んで、家が壊れてきた時の当主が「番」ということで、家を建て替えるわけです。

そして、今のように〇〇ホームの家、というのではなく、棟梁と施主が人三脚で、棟梁から指示出された木材を施主が自分の山から切り出し、木材にし、電気屋や建具屋なども棟梁の指示に従ってすべて施主が手配するのが当たり前だったとのこと。

高柳さんも棟梁に言われた木材を自分の山に行って切り出すだけでも半年、それを製材所に持ち込んで柱や板にしてもらい、それをまた家に持ってきて乾燥させるのに1年と、準備だけでも1年半かかっているようです。

そんなこんなで家が出来上がるのは5年ぐらいかかったそう。

 「こういった家作りは俺らの代で終わりだな。大工も昔は親方から伝承された経験の技だったが、今はマニュアル化で昔のような大工や職人はもうほとんどいない。何代もの経験が積み重なってきた技は1度消えたら元に戻らない。悲しいというか残念というか」

 毎年お聞きしているお話ですが、ほんと、昔と今は違いますよね~。コンビニエンスだけど何か大事なものが無くしている。面倒だけで家の木材は施主が自給し、建っていく過程にも携わっていたわけで、家作りも150年、200年持つ家を作る。

高柳さんが「家が30年保証とか今は言うけど、たった30年しか保証されない家って何なんだろうな?」という発言が、今の家の「1代住むのが当たり前、建て替えるのが当たり前」とは全く発想が違いますよね~。

 そんな教室が終わった後、なんと今年の参加者のうち3人が来年の申し込みを。これにて来年度はキャンセル待ちとなりました。最近、複数年通う人が増えてきたのは時代の変化なのかな~?

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青春ですね~♪

2024年06月26日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 蒸し暑い日が続いていますね~。今年は梅がどこもかしこも不作ということで、私がいつも頂いている知り合いのところでも大不作。ということで、私はこの十数年で初めて梅干し仕込みが出来ませんでした。スーパーで買っておけばよかったな~と反省しています。ということで、今年は今まで貯めこんだ梅干しで乗り切るしかありませんね

 一方でラッキョウは豊作。毎年1か月で食べ切ってしまうので、今年はちょっと多めに4㎏ちょっとを仕込みました。ただ、ラッキョウは収穫し、葉と根を切り、泥を洗い落とし、仕上げの皮むきと茎切りで5時間はかかるのです。毎回、ラッキョウを仕込むとヘロヘロになりますが、本格的なラッキョウは美味しいし食卓に必要なので頑張っています。塩漬けして2週間ほど乳酸発酵させ、その後、漬け汁に1か月ほど漬け込んだら完成です

 さて、先週末は2人の息子が通う高校の文化祭に初参戦しました。毎年必ず田畑教室の日程に重なっていたのが、今年は奇跡的にずれて初めて調整がついたのです

 うちは2人とも同じ高校に通っているので他の高校の事は知りませんが、次男は「控えめに言っても最高」というほど楽しいらしく、長男は勉強そっちのけで、所属する科の出し物の練習を春からずっとやってました。

 文化祭全体では来場者数3000人とのこと!そんなに来るものなの!?と思いつつ、チケット持参で行ってみたら、朝の入場時点で大行列で10分以上待たされ、入った後も1時間以上待たされる部屋があちこち。人・人・人で「ここは渋谷か?」という感じ。凄いもんですね~。

 おじさんは若者が沢山いるだけで圧倒されるので、長男が出しもの鑑賞。これが凄かった

 私も大学時代、ほんの少し劇をかじったので何となくわかるのですが、演劇部でも無い彼らがよくここまで仕上げたなというほど感動もの。そもそも100人以上が参加している大劇団なわけで、キャストも多かったですが裏方もむっちゃ頑張っていました。多分、この経験で毎年1人は演劇系の道に進む子が出るんだろうな~

 楽しい文化祭が終わり、受験生の長男はいよいよ勉強モードに切り替えるかな?と思っていましたが、いつも通りゲーム三昧

 そんな長男は数学だけ塾に行っているのですが、その塾から先日「息子さんの高校は進学校の中でも進学実績は最低」と言われ、びっくりしました。

 確かに息子たちが通う高校は巷でも「楽しいらしい」という噂が聞こえてきていたし、文化祭でも「あぁ、青春しているな~」とわかるほど活気に満ちていましたので、進学指導は今時の他の進学高に比べたらガチガチでは無いのでしょう。

 まあ、昭和のおじさんの私としてはやっぱり学生時代は青春した方が良いと思うわけです。なので子供たちが楽しいと思って通っているだけで、良かったな~と思います。

 ただ、長男に関しては大学に行きたいけど今まで遊びまくっていたので、これからやらなければいけない勉強量に怖気づいて勉強のスイッチが入っていません。親がとやかく言っても仕方ないものの、本当に目指すならそろそろ気合を入れないと間に合わないのも事実。親としての最後の支援、さて、どこまで介入するか?考えどころです。

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今年もラッキョウ仕事

2024年06月25日 | 食べもの

毎年、夏に欠かせないのが梅干しとラッキョウ。しかし、今年は梅が不作でいつもの農家さんのところは成っていないということで、スーパーに行ってみたものの時期遅れ

ということでこの時期では初の梅仕事なしで、ラッキョウ仕事のみです。


 しかし、ラッキョウは相変わらず大変

収穫して、葉と根を切り、洗って泥を落とし、仕上げの皮や茎切りなどをすると、大体5時間はかかります。蒸し暑い時期の仕事としてはなかなかハード。団地住まいなので仕上げは風呂場となり、蒸し蒸しで毎年熱中症気味になります

10年以上、種を取り続けていて、かなりの大粒で食感も抜群

ちゃんと乳酸発酵させて、漬け汁も手作りと昔のものに付足しながら使っています。そりゃ美味しいわけです

今年は1.5㎏ほどは来年の種に回し、仕込みは4㎏ちょっと。体に堪えますが、食うだけの息子たちは「がんばれ」の言葉のみ

まあ、美味いし夏の食卓には欠かせないので続けますが、来年は1日で仕込まず2日に分けて仕込もうっと。

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乳幼児だけでなく中学生にも

2024年06月19日 | 農的体験・生活

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 昨日は恵みの雨でしたが、また暑い日が続いていますね。先日の(土)(日)は田んぼ教室だったのですが、やっぱり田んぼはいいですね~

 今月は大人は草取り、子供は水生生物を捕まえるのが中心でした。無農薬田んぼにはたくさんの生き物がいて、子供たちのスーパーヒーローのカエルを筆頭に、おたまじゃくしやドジョウ、また「トンボに孵したい」とヤゴを探している親子もいました。子供達は広がる青空と大きな田んぼ、田んぼの泥どろで五感を刺激され大はしゃぎ

 虫かご片手に30匹ぐらいカエルを捕まえて自慢してくる子、「ケロケロ」と言いながらカエルの格好をしてぴょんぴょん跳ねる子、ワニのように稲をかきわけて泳ぐ子など、沢山の子供たちが田んぼを満喫していました

 中にはお腹に赤ちゃんがいるお母さんもいて、「田んぼの英才教育ですね」なんて言ったり。田んぼで大はしゃぎし、泥んこになっているのを親御さんから喜ばれている幸せそうな可愛い子供たち。そんな子供たちもやがて親から無条件に愛情を注がれる時期を過ぎ、学校の勉強を中心の生活になっていくんですよね~。

 例えば小さい頃から通ってくれていた子供が、今年は急に敬語を使い始めました。小学校高学年になると年上の人には敬語を使い礼儀正しくというのを教わるわけです。日本の学校教育の素晴らしいことの1つだと思いますが、一方、無邪気なままでいたいタイプの子供もいて、そういった子供はだんだん勉強中心の生活が嫌になってきます。

 しかし、世の流れは「勉強はするもの、できて当たり前」という価値観なので、塾に通い始め、高校受験、そして多くの子供たちが専門学校や大学へ進みます。

生命が一番ほとばしる中高時代ですが、同時に大人へと心と体も大きく変化する時期。この時期に命と触れ合う機会は大切だと思いますが、なかなかそうはいきません。せめて、小さい頃に田んぼや自然と触れ合っている事が、何かあった時に支えになればいいな~と思います。

 ちなみにモンテッソーリ教育では、中学生の年代の子を「大地の子」と呼ぶそうです。農園で野菜を作ったり動物を飼ったりすることが大切な年代とするだけでなく、同時に経済についても学ぶ一環で自分たちで販売まで行うそうです。

 それを聞いて、中学生時代に自然に触れることは大切だけど、それだけでなく自分の将来のイメージにつながることも大切なんだろうな~と思いました

 小さい頃は無条件に大地の恵みや自然からのエネルギーを感じる体験で良いと思いますが、中学生ぐらいになると論理性や将来という概念が育まれて、自分がやっていること、やっていくべきことに意味づけをしたくなってきます。また、自分の価値づけもし始める年頃でもありますよね。

 この年頃に、意味付けとして野菜を栽培するといっても結局自然の力にお任せするしかなく、人間は戴く側。だから感謝の念がわいてくる、とか。あるいは、誰かが作ったり動いてくれるから自分の生活が出来る、だからおかげさまなんだ、とか。そういった会話が食卓で出来ると、地球環境や食べ物の問題などを身近に考えられるようになるかもしれません。

 「食べ物はお得で美味しそうなものを買えばよい」「家で作るご飯より買ってきたご飯の方が良い」なんていう家庭も多い時代ですからね。

 また、自分たち作ったものを売ってみるという体験は、就職という抽象ではなく具体的な仕事のイメージを持つことにもつながりますよね。

 いずれにしろ、農や自然に触れ、その体験に価値づけが出来ることで、子供たちが自然を愛し、自分を愛し、大変なことがあるけど幸せに生きていける力になったら良いな~と思います

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平和な田んぼ教室♪

2024年06月16日 | 農的体験・生活

むちゃくちゃ暑い中での「田んぼと畑の耕育教室」2日間、前日準備の(金)から暑くてプチ熱中症になりながらもなんとか終了。

田んぼには成長してきた稲と共に雑草も育ち、大人は草取り、子供たちはカエルやオタマジャクシ、ヤゴなど夢中で獲っていました


カエルの物まねでケロケロ言いながらぴょんぴょん跳ねる子、1歳になって歩き始めたばかりのヨチヨチの子など、田んぼを満喫している子供たちを見るのはパラダイス。日本は平和で良かった

一方、ドタキャンも多く、嘔吐、発熱だけでなく、朝来て田んぼに入った直後に発熱して帰る家族も。暑くて体力が落ちている時期なんでしょうね~

1家族はお米の注文をくれたけどキャンセルだったので、お家の近くまでもっていってあげたら、なかはら牧場の飲むヨーグルトをくれました

grass fedでお優しくとっても美味しい。2日間がんばったご褒美を頂いた感じでした

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5年、10年かければ菌も定着

2024年06月12日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 みなさん、美味しく安全なお米を食べていますか?。田んぼ教室のパートナーの米農家の根本さんのお米はネオニコチノイドフリーで、令和3年度には農協の食味コンテストで千葉県1位を獲得した折り紙つきです。

 今はお米を食べない時代になったので、利根川沿いの根本さんが住む地域の田んぼは、半分以上が家畜用のエサ用になっています。人間が食べるお米を作っても値段がどんどん下がっているので、補助金目当てで農業法人がひたすらエサ用の作付けをしているからです。

 また、根本さんの地域で専業農家は根本さんだけで、全国的にもそういったところは増えてきています。今や稲を健康に育て、安心して食べられる美味しいお米作りを目指す農家は少なくなってしまいました。

 ただ、一部のまじめな農家はより良いお米を作ろうと頑張っています。根本さんもその一人で、私が龍ケ崎市で日本でトップレベルのお米を作っている関口さんという農家さんを昨年紹介してから、そこの勉強会に通い始めさらに技術を上げています。

 先週は稲作の世界では有名な薄井先生の勉強会でした

 薄井先生は福島出身で300年以上続く農家の8代目。味はもちろん1反で600㎏超えを悠々と達成している徳農家です。1反というのは田んぼの単位で1000㎡≒300坪です。

 通常、ここで8俵(480㎏)とれたら豊作なのですが、600㎏というと9俵以上ですから凄い量です。しかも87歳でかくしゃくとしていて、話すことも論理的。しかも田んぼを現役バリバリでやっていて「今の人達は稲を観察せずに、自分が楽をしようとばかりして働きませんね、あれでも百姓か?って。私は稲を見て必要なことをやっているんです」と、日の出と共に働き始めます。

 薄井先生を師と仰ぐ70歳代の関口さんは「薄井先生があの年で頑張っているんだから、俺もまだまだだ」と言いながら負けじと働いています。そんな姿を見て、根本さんも「あの年齢であそこまで動けるイメージがわかないよ。本当に昔の人は働き者だよね」と感嘆しています

 そんな薄井先生の田んぼには、光合成細菌が住み着いているそうです。

 光合成細菌というのは、例えば金魚の水槽内の腐敗物を食べてきれいにしてくれる菌としても知られています。田んぼはもちろん、水たまりや池などあちこちに住み着いていますが、10年ぐらい毎年入れ続けると土着菌として完全に定着するので、薄井先生の田んぼの色は光合成細菌の特徴で赤茶色っぽいそうです。

 また、関口さんは納豆菌や酵母菌を田んぼに入れているのですが、根本さんに対して「俺の田んぼのようになるには5年だな」と言っていました。

 長年かければ菌も土着する。面白いですね~

 先週も書きましたが、自然界はもちろん人間の腸内にも数えきれないほどの微生物が住み着いています。

 例えば、ヨーグルトなどの乳酸菌は日本の風土には合わず、牛乳を分解できず下痢してしまう人が多い日本人にとっては、風土に根差した漬物などの植物性乳酸菌の方が合っているという話があります。また外部からの菌は腸内に住み着かず日和見菌を善玉菌に傾かせるだけなので取り続けなくてはいけないとも。

 ただ、田んぼも5年、10年で変わるように、もしかしたら人間の腸も5年、10年とある特有の菌を取り続けたら腸内の常在菌のバランスも変わるのかもしれませんね。

 そう思うと、昔の日本人の食卓には、漬物、味噌汁は当たり前で納豆などの発酵食品も今の日本人の食卓よりはるかに多かったわけで、今の長老と呼ばれる年代の方々の腸内には、今の私たち、あるいは子供たちの腸とは全く違う微生物の生態系が出来あがっているのかもしれませんね

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今年はジャガイモ(^^)/、ザリガニ釣り(-_-;)

2024年06月09日 | 農的体験・生活

今日は6月1発目の「田んぼと畑の耕育教室」。この時期はまだ草が小さいので、子供たちはもっぱらカエル捕まえに夢中。中には水グモやおたまじゃくしなど何種類も捕まえているご家族も

泥んこと小さな生き物がたくさん、子供達には最高ですね~

ジャガイモは昨年は痛みが多かったけど今年はなかなかの豊作でした

しかし、ザリガニ釣りはここ数年の傾向がますます加速して釣れない

昔は糸を垂らしたら1分以内に食いつくのが当たり前だったのが、3年前ぐらいから一気に釣れなくなってきてしまいました

近くの道路工事のためなのか、あるいは温暖化なのか農薬の影響かわかりませんが、どんどん釣れなくなってきたのです。

小さいのばっかりで食いつくが網が無いと取れない状態で、今日はザリガニ1匹と手長エビ1匹と散々でした。来週はもうちょっと釣れるといいな~。

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稲作の薄井先生

2024年06月08日 | 仕事の中で

稲作りの先生は各世代、あちこちにいますが、福島の薄井先生は現在87歳。全国のお弟子さんのところを飛び歩き、ご自身でも動噴を背中にしょって畑に入るなど苦にしていない、実践派で有名な先生です。

聞いてるだけで驚愕の働き者で、そんな先生の勉強会がありました。

 

実 昨年、初めて講義をビデオで聞いたときは、理解が追い付かなかったのですが、今年は2回目でようやく腑に落ちました。

 論理の細かいことを避けますが、稲の生育をよくよくわかっているので、いかに光合成をさせるか、そのために初期は深水で草丈が高く幅広の葉を作ること。そして分げつを抑えることで光合成をできる隙間を作ること。


 この写真はきれいに苗が揃っていて、普通の農家では「良く育っている」が薄井流で言うと「茎数が多すぎる」状態。


 一方、苗が黄色っぽく疎植の方は、普通の農家なら「恥ずかしい」状態ですが、薄井流では「この時点でちょうど良い」。それが論理的で本当に稲のことをよく観察していて実績もあるからすごい。


 根本さんに紹介し師匠となった龍ヶ崎の関口さんは30年支持しているそうですが、今年はダメな方とのこと。稲つくりは奥が深いんですね

 そして無農薬で草が生えていない田んぼに昨年は驚愕しましたが、今年は根本さんも私も驚かなくなったことに気づきました


 ちなみにマニアックな人は気づくかもしれませんが、人が写っているこの写真の畦畔が黒マルチでかなり高くなっているのがポイント。最低でも25cmの深水をやるためで、写真の水の高さは、3段階で落としていっている1段階目。つまり、1/3の水を落としてこの高さというのだから普通じゃないのがわかります。


 とにかく100聞は1見にしかず。87歳で現役バリバリで論理的にも筋が通っていて、こちらが驚愕するほどの働き者。現場のたたき上げの先生はやっぱりすごい

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畑の土も人の腸内も同じ

2024年06月05日 | 朝取り野菜ボックスのお手紙

今週の「朝取り野菜ボックス」のお手紙です

 「木を見て森を見ず」という言葉は、「部分だけ見ることに心を奪われ全体を見通せない」という意味で使われています。子育て、生き方、何にでも当てはまる大切な考え方ですよね。

 で、先日観たテレビで漢方が効く理由の1つとして、成分が直接効くのではなく腸内の微生物のエサとなり、その微生物が出す物質が脳に働きかけて体内の炎症を抑えるそ事がわかったそうです。すごいですね~

 必要な成分を薬にして飲ませる西洋医学とは全く違う原理ですよね。これは近代農業と有機農業の関係にも当てはまりますよね。

 野菜は目に見える地上部に異変があれば、ほとんどの場合、目に見えない「根」に問題が起きています。そして「土」がしっかり出来ている、つまり肥料分やミネラルバランス、そして水があれば、よほどのことがない限り根はおかしくなりません。逆におかしいということは、土に何か問題があるのです。

 もう少し細かく言えば、土の中には生態系があります。植物の残渣や落ち葉など未分解の有機物があれば、ミミズ、カメムシ、ヤスデなどが食べて細かくしてくれます。またさらに小さなワラジムシの赤ちゃん、ヒメミミズがいて、そういった虫を食べるムカデなどの肉食虫もいます。植物の死骸、虫の死骸や糞尿の中には億を超える微生物がいます。

 酵母菌、カビ、バクテリアなどが住み着き、カビが増えれば抗生物質のようなものが出て抑制し、1種が爆発的に繁殖することは無く、それぞれの命がつながった生態系が出来上がっています。

 もし私たちが微生物だったら畑は無数の命が存在する宇宙なわけです

 つまり土は無数の命の集まりで出来上がっているわけです。

 「自然はバランスを取る」というのは真理だと思うのですが、畑でも自然に近ければ近いほど生物の多様性がありバランスが整っていきます。そこで育てた野菜は、病気になりにくく、健康に育つわけです。

 それをなるべく乱さないようにサポートしていくのが有機農業の土つくりです。人間が分析して必要と判断した化学成分を入れたら良い、という近代農業の発想には、土を命の集まりという視点が無いわけです。

 人間の健康も同じですよね。人間の腸内と畑は同じだと私は思うのですが、腸内には100兆の多種多様な微生物がいると言われています。善玉菌もいれば悪玉菌もいますが、それらのバランスがとれていれば健康と言います。

 人間の便の80%は水分ですが、残りの20%の内訳は、1/3は食べ物のカスですが、1/3は腸内を剥がれた粘膜、そして1/3は生きた腸内細菌だそうです。いかに大量の菌が腸内に住み着いているかがわかりますよね

 思い出すのは数年前に観た人体の不思議に迫るテレビ番組で、原因不明の難病の方への治療法として、健康な人の大腸から取り出した便を浣腸で注入するというのがありました。腸内の微生物バランスを整えるために、外部から良いバランスの菌群を注入するという治療法です。

 そして驚いたのは、病の人の腸内には健康な人の腸内には存在するクロストリジュウムという光合成細菌とバチルスという菌がほとんどなかったそうです。実は、この2つの菌は微生物農法をやっている人は良く活用する菌なのです

 野菜にとっても人間にとっても有効とされる菌が同じ。つまり、菌の種類バランスが良い健全な土で育ったものが人間の腸内にとっても良い理由がわかる気がします

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