半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう⑥

2011年01月27日 | 自分の時間
⑥有機農産物は何で広がらない?

 有機農業、有機農産物は何で広がらないんでしょうね~?

私もあんまりきちんと考えた事がありませんでしたが、こんな感じでまとめてみました。

「価格の高さに対する必要性の薄さ」。。。どうでしょうか?

1つは、国外に対して、2つめは国内に対して、それぞれ必要性があんまりない。。。とういうのが現状なのでは?

まず、国外に対して。
世界の農業大国が、必死に「経済輸出商品」として農産物を売ろうとしています。コスト競争力からいって農産物が勝負できる国は、その作物の自給率も高く、国であまった農産物を国外に売りたいわけです。

でも、日本は既に農業分野は開国してしまっています。
外食産業や大手スーパーは「海外物」が無くては成り立ちません。だって安いから。
結果的に国産野菜は高い。でも、それは日本の農家が食っていけないレベルの値段で、実際は高くない。。。
海外が安すぎるんです。つまり、既に価格だけでいうと競争力が無い。
量としても、海外に輸出できるほどの量は作れていないし、作っても価格が高くて勝負にならない。

広大な大地からの栄養分や水の搾取をして、大地が砂漠化したとしても、経済優先で国際価格競争力があるものを作るのが海外勢。日本はそういった世界競争の中で農業をするには国土が狭くて、農業で戦うにはあっていない土地柄です。

 それに対して、海外は、穀物を中心にどんどん競争を激化している。その中で「有機農産物」は一つの武器として、国が後押ししています。EUみたいな経済共同体も、それぞれが得意な農産物を作って流通しあっています。

 日本は、お米以外は既に海外勢にほとんど明け渡してしまっているから、既に国産野菜は「高い」ものになってしまっています。
そんなところで、更に値段があがる有機野菜を後押ししても、海外にも売れません。
一部、海外の富裕者層に対して「日本のものなら何でも良い」というジャパンプレミアムがついているお客さんに、果物やら築地の魚を売るぐらいです。
 一部、既にシンガポールや上海、香港などの富裕層に野菜を輸出している農業グループも日本にはいます。でも、全体で考えると大きなマーケットではないんですね。


 国外だけでなく国内でも、需要と供給のバランスが取れていないと思います。
 今のところ慣行栽培を含めた野菜で十分で、国内では需要より供給が上回っているんですね。
 昨年の猛暑などで供給が減ったために野菜は高騰しましたが、それでも、「全くどこでも買えない」ということはありませんでした。
 生産した畑で規格外品として1/3は廃棄され、消費者の食卓などでも1/3は捨てられるのが日本です。

 今のところ、需要<供給、が国産野菜全体では成り立っていて、その中で更に高価な「有機野菜」を求める層は、一部の富裕者層だけです。

 なので、「有機農産物の必要性」が、日本は国外に対しても、国内に対してもあんまり無いんではないか、と思うのです。

 日本の人口が減り、家庭菜園をする人も増えていっています。
 お米で言えば、東京なら2割が縁故米、東北などは4割が縁故米、と言われています。

 こういった市場では、大規模で価格勝負をする以外は、小規模農家は、都会の一部の消費者と物凄い濃い「田舎の親戚」のような関係を結ぶなど、小さな提携をしていくしか、今のところ、適切な戦略は無いのではないか?と思ってしまいます。

 あと10年で、日本の農家さんの大半が農業をやめていきます。
 この中で、入れ替わりで20代、30代といった農家が少し入って、ようやく需要と供給のバランスがとれはじめてくると思います。

 国産野菜が減り、値段なら海外産を選ぶ時代。でも、国産を買うなら安心感を求めているはず。それなら「どうせ国産を買うなら、有機が良い」といった消費者の感覚がもっと芽生えてくるはずです。
 ただし、そこには有機JASといった「表示規格」ではなく、一部の農家さんと、その農家さん自身と一部の消費者が「田舎の親戚のような関係」のような信頼で結びついた、そんな関係性の中で野菜がいききする、そういった時代が来るんだと思います。
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TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう⑤

2011年01月26日 | 自分の時間
さて、五回目。

⑤安心安全な野菜って?

安心、安全なものって?正直、人それぞれだと思いますが。。。
一応、一般的な情報で整理してみます。

 まず、日本にある規格は「有機JAS」ですね。

 簡単に言うと、
 ・遺伝子組み換えでない
 ・じゃがいもの芽が出るのを止める放射線などを放射していない
 ・野菜など1回収穫したら終わりのものなら2年、果物のように毎年収穫できるのは3年、化学合成肥料や化学合成農薬を使っていない畑で収穫している
 ・第三者の認定機関の調査官が立ち入り、きちんと検査している
 その内容は結構厳しく、例えば農薬を使っている畑で使ったトラクターは、有機JAS認定の畑には入っちゃだめ、とかあります。

 で、必要最低限の農薬30種類ほどは、規定値までなら使ってよい、というルールです。

 じゃあ、海外はというと、ヨーロッパを中心に、中国、韓国なども含め、GAPという有機JASのような制度(もうちょっと流通全体が関わりますが。。。)があります。

 農産物は「輸出」する「経済作物」ですから、当然、マーケットに受け入れられるように国をあげて「農産物の競争力を上げる」ために、有機農産物やGAP取得農場をどんどん広げています。
 中国は一般的に悪いイメージ(?)ですが、一部の畑では、日本の管理レベルを超えた野菜が作られ初めています。

 だから海外からの輸入できちんとJAS認定のようなものがついていれば、一応、問題ない、と言えるようです。

 
 ただ、日本でいえば有機JAS以外は、何ともいえません。。。
 そもそも、有機野菜、とか、無農薬野菜、という言葉を様々な業者が使い始めて、日本では「何が正しい情報なのかわからない」という状態になったので、ようやく政府が動いて「有機JAS認定」が出来上がりました。

 なので、それ以外は基本的には「特別栽培農産物」であって、「無農薬」や「減農薬」はあくまで各生産者、各業者さんの「独自基準」なんですよね。
 大地を守る会、おいしっくす、らでぃっしゅぼーや、といった大手も「独自基準」で、どんな基準かは一般消費者には正直わかりません。
 とはいっても、一応、これら大手さんは、きちんと畑に行って土壌分析や農薬・化学肥料などの使用履歴をきちんと調べていて、その厳しさからおつきあいを辞める農家さんもいるぐらいです。

 また、各地方行政でも「安心・安全」をうたうべく、色々考えています。例えば我が千葉県には「ちばエコ農産物」という千葉県の独自の認定マークがあります。
 これは、農薬と化学肥料を通常の「5割以上減」という基準をクリアーしたものに認定されます。

 とはいっても「通常の5割減って、どのぐらい?」というものがあります。
 農協などで「防除暦」というものを出していて、その通り農薬を撒くことで病気や虫害を予め防ぐようにしています。

 でも、農薬や化学肥料は今は高騰していて、農家は「コストダウン」のために出来れば農薬や化学肥料を使いたくない、という気持ちが強いんです。

 だから、必ずしも防除暦通り、農協の言うがまま農薬と化学肥料を使っているわけではありません。

 なので少し使わなくなったら「防除暦に比べれば5割以上減」と言えてしまうので、それが果たして減農薬で安全か?というと、よくわかりません。
 何より、「ちばエコ農産物」というのがブランドにはなっていないので、売上げにつながらず、だったらわざわざ取得する必要も無い、、、という考えも農家さんにはあります。面倒臭いですからね。。。


 色々ありますが、結局「安心・安全」って、有機JAS認定農産物や、大手小売のもの意外は、あんまりよくわかりません。
 我が家が使っている「生活クラブ生協」も、農産物に関しては、JAと提携してJAに「生活クラブ基準」に合った野菜を作ってもらい、出してもらっているそうなのですが、正直「何が安心なのか、よくわからん。。。」という感じです。


 例えば、いちごは通常50回は農薬を使うんですが、それの半分は、25回ですよね?
 いちごのように、ハウスの密室で、少し曇りが出たらすぐ病気になるようなものは、農薬は必須です。
 じゃあ、25回農薬使っている、つまり毎週1~2回は使っているいちごは安心ですか・・・?
 これは人によりますよね?

 日本の農薬は、物凄いお金と時間をかけて実験をして「安全なはず」というラインをクリアーしたものだけが販売されています。一部の農家さんは

 「農薬が危ない、なんてありえない。そもそも農家は、お金がかかる農薬を出来るだけ使いたくない。それを仕方なく必要最低限使っている。しかも厳しい審査をクリアーしたものしか販売されいないのだから」
 
と言います。

 そうなんですよね~。農家さんだって「コストダウン」したいから、農薬や化学肥料を使いたくないんですよ。本当は。
 だから「コスト削減」を目的に「堆肥」を使いはじめている農家さんも多いぐらいです。

 だから、「安全なはず」なんですよね。

 でも「安心」ではない。何ででしょう?

 多分、「農薬の安全性」というのは「致死量」とか「健康を害する」みたいなことに対して、実験動物などで出しているだけで、「目に見えない何かしらの影響」がやっぱり怖いから、なんでしょうね。

 アトピーもそうですし、「環境ホルモン」なんてのもあります。農薬の「環境ホルモン」としての影響はどの程度か?というのは考慮されていません。だって環境ホルモン自体が明確に定義しにくいですからね。

 農薬、化学肥料以外にも、「遺伝子組み換え」があります。
 これまた「本当のところどうなの?」というのがわかりません。
 遺伝子の問題は3世代後に出る、と言われていますしね。。。

 アメリカは、遺伝子組み換え「有」の国。「有機じゃなきゃだめ!」といいつつ「遺伝子組み換えは有」みたいな国です。
 そして、日本のトウモロコシなんてアメリカ依存。小麦も大豆もほぼ海外依存ですものね。

 既にサラダ油などの原料の菜種や大豆は、基本的には遺伝子組み換えですし、その遺伝子組み換えされた菜花が港とかで落ちて、既に日本に広がっています。何が怖いって、アブラナ科は交配しやすい。。。小松菜とに普通に受粉しますからね。。。
 虫が媒介するから、もはやこれは防げません。。。

 もうこんな状態だから、お金がある人は有機JASの野菜や大手小売に頼るのが一番安心なんだと思います。

 一方で、有機JAS認定といっても、堆肥や有機肥料の状態を定義はしていません。例えば、牛糞や豚糞などを「生」で入れると、硝酸態窒素というのが出て、それを高濃度に含んだ野菜ができます。
 この窒素は血液の酸素を運ぶ役割を阻止してしまいます。ヨーロッパで、20年ほど前(?)に、こういった野菜を食べて酸欠になり、顔が青くなって死んでしまった、というブルーベイビー症候群事件がおきて、ヨーロッパでは「むやみに肥料を入れてはいけない。」ということから「窒素税」までかけるようになったそうです。

 抗生物質たっぷり、遺伝子組み換えたっぷりのエサを食べた家畜の糞を肥料にするぐらいなら、よっぽど化学肥料の方が安心だ、という人もいます。いわゆる「生物濃縮」というものが起きていますので。
 海でいえば、プランクトンに溜まった毒を小魚が蓄積し、その小魚を食べたマグロとか大きな魚には更に蓄積され、最後に食べる最終捕食者(つまり人間)には、濃縮された毒がいくって、いう話です。

 正直、日本の最大のゴミである「家畜の糞尿対策」として、有機農業を進めていこう、という方針が出されたとしています。格好よく言えば「循環型農業」、悪く言う活動家は「畑を窒素まみれの糞の処理場にしようとしている」と言います。
 環境破壊の最たるものが「肥料問題(化学・有機問わず)」です。
 田舎は水道ではなく井戸水ですが、その井戸水が農業の特に肥料のせいで汚染され、飲めなくなってきているのも事実です。

 ベテラン農家といっても、普通に畑でタバコ吸ってポイ捨てしている人もいますし、知れば知るほど、もうなんだか良くわからなくなります。

 となると、一番最後に「安全・安心」なのは、「知識、情報」をきちんと頭に入れた上で、「この人なら命につながる食を任せられる」という「信頼おける人」に頼るしかない、というのが私の個人的な結論です。

 その人の農法を聞き、知り、畑に行き、そしてその人の人間性から「この人なら、何かあっても大丈夫。」と思える人や畑と繋がること。
 
 これが一番の安心・安全な野菜の入手方法だと、私は個人的に思います。
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TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう④

2011年01月25日 | 自分の時間
③TPPでどうなるの?

 農業の問題を整理してみよう、と思って始めたものの、なんだか難しくてもっと勉強しなくちゃ、、、と思い始めた今日この頃です。。。

 さて、TPPの問題って何なんでしょうね?

 TPPに参加しないと世界における日本の競争力が著しく損なわれる、、、一方で、農業は大打撃を受ける。。。

 本当は何なのでしょうかね?

 私もわかりませんが、どこかのTVで「TPPといっても、日本にとってはほとんどアメリカが対象。TPPである必要はあんまりない」みたいなことを言っていた人がいました。

 そんなこんなでネットで調べていたら、一番辛口で面白い(!?)人がいました。
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/01/tpp_5.html

簡単にまとめると・・・
・TPPっていっても、結局はアメリカとの取り引きがメイン
 →参加意志があるアメリカと日本を入れたTPPのGDPシェアは、アメリカが7割、日本が2割強がほとんどで、あとの数%はオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、、、などの寄せ集め。
 →ということは、結局アメリカとの取り引きの話
 →そもそもアメリカがTPPに参加意志表明をしなければここまでTPPは問題にならなかった
 →日本は既に、WTO加盟国だしAPECにも入っている。なんで入る必要があるのか?

・アメリカの関税は既に低く日本からの輸出は増えない。それより通貨の競争力の方が問題なのに起きざりにされている
 →ドルは未だに安いし、アメリカはもっと安くしたいと思っている
 →そもそもアメリカの自動車の関税はそんなに高くない
 →かつ、日本の主要産業の自動車産業は、アメリカでの新車販売台数の6~8割は現地法人で作っているから関税をとっぱらったからといって、日本からアメリカへの輸出は増えない
 →一方、アメリカは日本の関税をとっぱらってもらった上でドル安で輸出をどんどんこれからも増やしていきたいと思っている

・そもそも自国が損をすることをアメリカ(普通の国)はしない
 →そもそもアメリカは不況の真っ只中で、TPPに入ってアメリカは自国への輸入より輸出をして雇用を増やしたい
 →当然、日本がアメリカへの輸出を増やすことはほとんど出来ない
 →アメリカは、日本の関税を下げてとにかく輸出をふやしたいだけ(当たり前だけど)

・関税をとっぱらうということは、日本の第一次産業がやられるがままにされるということ
 →TPP参加国はアメリカを除くとほとんどが「牧畜・農業」などの第一次産業が主要な国。
 →工業製品の輸出がメインの日本は輸出は増えず、一次産業が主力産業のオーストラリア、ニュージーランド、そして当然穀物大国でもあるアメリカなどからの「肉・穀物などの農産物」が一気にやってくる
 →そもそも「国内自給率40%」しかない「開国された国」である日本が、さらに関税をなくしたら、酪農家や農家がやられるがままにされるだけ

 といったことが書いてあります。

 韓国やシンガポール、その他の国のように食料は「世界市場」に委ねて競争力の無いものは捨てて輸入する、という方向に日本は転換するべきなのでしょうかね?

 私は嫌ですけどね。。。

 安心・安全なものが入ってくるのか?といった根本的なところが一番怖いところですし、また個人的に農業を守るということは「日本の文化」を守ること、と思っているので。。。

 もし、輸入物がたっくさん増えたら、私達の食卓には安心安全な農産物がきちんと乗っかるんでしょうか?(続く)
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TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう③

2011年01月21日 | 自分の時間
③海外はどうなの?

 さて、3回目。なかなか日本では、企業の新規参入は上手くは行っていないようです。。。

 じゃあ、海外の農業事情はどうなのでしょうかね?

 まず、海外の大きな話で行くと、昨日書いたように「ウクライナ」のような肥沃な土地を競って奪い合いが始まっています。 

 既にウクライナで先陣を切っている日本の農家さんがいます。
http://www.farm-biz.co.jp/2010/06/01-070002.php

 NHKスペシャルでも、ウクライナなど海外の土地の争奪戦が特集されたことがあるようです。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/100211.html

 大豆や小麦は外国に頼らざるを得ない日本。穀物こそ世界市場で一番激しい競争を繰り広げられている、かつ、生活にどうしても必要な農産物です。
 そして、世の中の大豆は遺伝子組み換えが爆発的に増えてきています。一方で、日本の消費者は遺伝子組み換えには嫌悪感があるので、どうやって非遺伝子組み換え大豆を確保するか、日本の大手は色々頑張っているようです。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/081019.html

 そんな中で、自国の自給率を上げること、あるいは海外と戦える農産物を作るために、例えば韓国は、いち早く簡単に言えば2カ国間で関税をとっぱらちゃいましょうと、いわゆるFTAを推し進め、農業も例えばパプリカとか、勝負できるものに特化して、競争力の無い野菜は国内自給は放棄し輸入する、といった方針を明確に打ち出しました。
 一時期、日本のパプリカの7割ぐらいは韓国産でした。いわゆる「競争原理にのっとって」マーケットを独占していたのです。まあ逆に言えば、国内だけではやっていけない「貿易依存国」であるため、競争に負けるととたんに大変なことになるリスクが多いのが韓国です。

 韓国やヨーロッパは、90年代から「農家の保護」はやめて、自由に競争をさせる代わりに、所得が足りない分は「直接支払いで補填」という方向を打ち出しています。
 だから、競争にさらされながらも頑張った農家はどんどん規模拡大が続いています。

 そして「有機農業」を推し進めることを政策できちんと決めています。

 日本の有機農産物のシェアは1%も無い中、韓国では
 「この国の10年先を担うのは子供達。そんな子供達に本物を食べさせるべき」
といった方針から、学校給食の材料は有機農産物にする、といった法律を決めることで、韓国の有機農業の面積は今は5%以上になっているそうです。
 イタリアでは9%以上。ドイツ・フランスは20%以上。

 ちなみに、日本では有機JAS認定の費用は農家が自分で出さなければいけません。一方、ヨーロッパは国が払います。

 中国も一部ですが日本以上の管理レベルで国際的にも十分通用する有機農業をやり始めています。

 なんでこんなに海外の政府は頑張っているのか?
 それは、有機農産物のように「国際的に安全性などが保障されている制度にのっとった農産物」を作らないと、これから熾烈になる「国際競争」で、自国の農産物が戦っていけないからです。

 早くから世界の動きの中で、自国の産業の1つである「農業」の10年後を考えている海外諸国。それに対して、国内の中でのみ、保護政策などを議論してきた日本。
 例えば、日本の米を守るために78%の関税相当の貿易障壁を作る代わりに、77万tのお米を毎年輸入を義務付けられているんですよ。海外からそんなに毎年輸入しているのに「価格統制の為の生産調整」といって減反を進めているんですよ、おかしな話じゃありませんか?

 結局、日本は農業を「産業」として見てこれなかったのが一番の問題のようです。

 既に海外諸国は着々と国内の農業の政策を整え、農家の支援政策を打ち出した上で、世界への競争をしかけてきています。
 
 そんな状態で無防備の日本がTPPに入るのって、いったいどうなっちゃうんでしょうね?(続く)


 
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TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう②

2011年01月20日 | 自分の時間
②企業が参入すれば大丈夫

 さて、2回目。農家の約7割が10年後には農家を止めているっていうことだけど、でも大手企業がどんどん参入しているから、いずれ大手主導の生産物が出回ってくるんじゃない?と私は思っていました。

ところが、そう簡単では無い様です。。。

 農業への企業参入は、1989年のセコムが植物工場を開始し、キューピー、オムロン、カゴメ、サイゼリア、ワタミファーム、セブンファーム、モンテローザファーム(白木屋とか運営)、イオンアグリ創造、などがこの20年で参入してきました。

 ところが、、、「どこも正直ほとんど儲かっていない。ワタミファームもしかり」と元ワタミファームの社長さんが言っていました
 この方、平成フードサービスという外食チェーンでいち早く有機野菜を扱っていたことを買われて、ワタミファームの社長となった方です。今は独立して活動されています。

 この元ワタミファームの社長のお話を聞いて「へ~、ワタミファームって販路=居酒屋や介護老人ホームとかあるのに赤字なんだ。。。」と思いました。
 個別にワタミファームの方に聞いたら、「販路は7~8割はグループ内」と言っていました。なのに赤字なんですね

 そういえば、ちょっと前にユニクロも農業分野に進出しては撤退しました。
 日本の大規模農業の聖地、北海道はいくつもの企業が参入し、撤退しています。
 
 イオンさんなどは、もともと地域の農家と産直で提携してやったりしています。それはそれで良さそう。でも自前の農場は儲からない。。。

じゃあ、何で儲からないの?

 農業は天候が相手なのでそんなに決められた計画通りはいかないから。ということはもちろんあります。
 企業が運営母体なので他の産業のように「PL」や「事業計画」をきちんと立てて始めるようですが、計画通りなかなかいかないのは事実です。
 また農産物は「相場制」で、一般の産業のように「小売価格あっての原価」というのが成り立ちにくい商品でもあります。

 そして、それだけでなく、農業参入の「初期条件」からして厳しいようなのです。

 例えば、土壌の良い農地は当然ほとんど既存の農家が持っており、悪い農地があてがわれるそうです。農家さんの中にも「あいつらにはあそこの悪い土地をやっちゃえ」みたいな感覚が残っているそうですし。。。(気持ちはわかります。。。)
 また日本の平地は小さいため、北海道以外はど~んといった平地は少なく、小さく分断された土地が多く効率が悪い。そんな中で一定規模の土地を探すとなると、なかなか良い土地は見つからないようです。
 結局、ワタミファームも国や地方行政と組んで補助を受けながら色々なところで農場を開拓したそうなのですが、まともな土が出来るまで5年~10年もかかった農場もあったそうです。その間、年1億の赤字を出しながら・・・
 逆に、最初から非常に良く立ち上がっているところは、「同志」の農家さんが命をかけてその土地の土壌つくりをし、管理をしていたところだそうです。
 
 なので、元ワタミファーム社長いわく、「もし企業が農業をやるなら、良い農地を確保して、投資を極力控えるために農業機械、トラックは中古、居抜き物件を探すこと。そして ハイリスクローリターンで、5~10年スパンで考えるべき」とのことでした。

 企業が参入するといっても、その参入する土地に経営効率が上がる一定以上の農地があって、その農地は地元の農家さんでも「良い土壌だ」と言ってくれるような土地でなければならない。その上で、初期投資を抑えるために農業機械や仕分け倉庫などが中古で付いている。。。
 な~んて物件、そうは日本には無いですよね。。。

 だから、元々生産者が集まった方々が農事組合法人を立ち上げるなど、元々農家さんが経営をしている、というパターンでないと、なかなか異分野の企業が新規参入で始めるのは、難しいようです。
 
 となると、以前、大前研一さんが「日本も他の外国がやっているようにコストが安く土地も安く、大地も肥沃なウクライナの黒土地帯に農業を展開するべきだ」といった話が一番効率が良く現実的?という風に聞こえてきます。 
 実際、ウクライナに日本の農業を広めている方々もいます。

 となると、国産野菜を求めるのは現実的に果たして厳しいのしょうか?
 既にスーパーの並ぶ鶏肉などはブラジル産だし、牛肉などもアメリカやオーストラリア産など、海外ものばかり。バナナやオレンジは基本は外国産。ネギやキャベツなどの野菜も中国産などの海外物が多い時代です。
 カロリーベースで自給率が40%といいますが、このままいけば、普通に考えれば日本産はますます減っていきます。

 TPP参加は、政府が「自給率を向上させよう」と以前定めた政策に反してしまう可能性が高い政策。

 でも、6月には「参加を決定する」方針らしいので、より海外の農産物はたくさん入ってくることになるのは間違いありません。
 
 じゃあ、日本より競争も激しいはずだけど日本より自給率が高いところも多い海外諸国は、どうしているんでしょうか?(続く)
 
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TPPって何?まあ、その前に農業の問題を整理してみよう①

2011年01月19日 | 自分の時間
 昨年から、TPPっていうのが言葉としては飛び交っています。私もニュースとか新聞とか見てもイマイチよくわからないのですが、表面的な情報からは「農業を犠牲にして経済をとるのかどうか?」みたいな議論になっているようです。

 昨日の日経に
「TPPに6月ごろには明確に参加することになるため、その影響がある農業分野において、政府は『新規就農者に年間100万円、最長5年を助成する』」
といった記事が載っていました。

 政府は「新規就農者を何とか増やそう」という助成制度を打ち出したり、戸別補填をしたりする一方で、農業分野をグローバルな競争にさらしてみようとしています。はて、今後は農業はどうなっていっちゃうんでしょう?

 農が面白く、この分野に何かしらタッチしながら生きていこう、と思っている私は、今後の農業の行く末をイメージできないと、自分のポジションも明確に出来ません。

ということで、ちょこっと農業の、特に有機農業について色々整理していきたいと思います。

テーマは、
■国産野菜、とくに有機野菜ってこれから食べ続ける事が出来るの?■
って感じかな?

各章はこんな感じ↓

①農家は激減中

②企業が参入すれば大丈夫

③海外はどうなの?

④TPPでどうなるの?

⑤安心安全な野菜って?

⑥有機農産物は何で広がらない?

⑦未来にむけて、こんなのどうでしょう?



さて今日のテーマは
①農家は激減中

 私の会社には毎日農家さんが野菜を納品しに来ます。その中には新規就農した若手農家や、後継者もいます。でもそういった若い農家さんは、、、どうでしょう、全体の3割もいないんじゃないですかね?
 有機・慣行関係なく、日本全体の農家さんの平均年齢は大体65歳ぐらい。つまり、あと10年もたてば、日本の農家のほとんどが「農業を止める」んです。

 もっと具体的な例でいうと、千葉県の農業が主にしている農家さんの70歳以上の占める割合は平成17年時点で35.8%、60歳代は28.9%あわせると、なんと64.7%になるんです平成17年時点ですよ。。。

 全国の農家が平成17年では1963万戸あったのが、この5年で33万戸も農家を止めてしまって、今は1631万戸です。世の中のほとんどが兼業農家で、専業農家だけでいうと平成2年は82万戸あったのが、平成21年でなんと34万戸まで減りました

 色々な数字がありますが、ほんとビビりますよ。。。でも、巷には野菜が溢れているのでそんなに危機感無いですよね?私も実際、そんなに実感がありません。

 しかし、先週、オイシックスさんとかがメインで仕入れている(?)「生産者連合デコポン」さん主催のシンポジウムに参加してきたのですが、業界の最前線で国に働きかけたり組織を作っている方々の危機感は強かったです。

 私の知っている田んぼを耕さないで無農薬で稲を育てる不耕起栽培の岩澤先生や、私が知っている方は「日本の食糧危機に備えて」と色々準備しています。これは単に後継者の問題だけでなくて、鉱物が中心の化学肥料の争奪戦が既に世界で始まっていて近い内に枯渇する、、、ということも懸念してでの危機感です。

 まあ、とにかく、シンプルに考えると「日本の農家の7割が、近いうちに農業を止める」と思って下さい。
 どうです?普通に食べている「国産野菜」、、、どうなっちゃうんでしょうね?

 既に日本の耕作放棄地を全てあわせると埼玉県ぐらいになる、そうです。どんどん農地は無くなっていっています。

 でも待てよ?あの居酒屋チェーンの「和民」とかが「ワタミファーム」やったり、イオンや7&iホールディングなどの「企業」が農業やり始めたから大丈夫なんじゃない?

 ・・・と私も思ったのですが。。。元ワタミファーム社長のお話だとそう簡単な話では無かったのです。。。(続く)

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畑に神崎周りに、大忙し♪

2011年01月15日 | 素敵な家族・子供との時間
土曜日、待ちに待った神崎周りの日です~

昨年末に引っ越してから、今年初めてのプライベートでの神崎周辺へのお出かけ

家族みんなで、たっくさんたっくさん色々なところを周りました。

まず朝は渡邉さんの畑へレッツゴー

渡邉さんとは昨日も会っていますが、畑には去年の11月に行って以来。

さすがに畑全体が寒さで作物が厳しそうな状態でしたが、たっくさん収穫させて頂きました

かぶは葉っぱが寒さでやられているような状態でしたが、私の奥さんに好きなように良いところを採ってもらいました。


赤紫色がきれいな「あやめ雪」とふつうの白いかぶをこんなに収穫しちゃいました


渡邉さんの野菜は彩りがやっぱりよくて、にんじんも黄色っぽいにんじんや紫色のにんじんなど、本当にカラフル見ているだけで楽しくなっちゃいます。そして1本も二股になっていたり割れていたりしないのでびっくりしました。


その他にもほうれん草などたんまり頂きました。渡邉さんにも「お客さんに畑に来てもらって、好きなだけ収穫してもらう売り方も面白いですね~」と話していました。雰囲気のせいか、うちの奥さんもたっくさん収穫しちゃいましたが、かなりお得なお値段で買わせてもらったようですよ

妻と渡邉さんの収穫風景。都会生まれのうちの奥さんが少しでも野菜生活にはまってもらえることを祈っています。。。



一方、子供達は凍ったバケツの水やトラクターにおおはしゃぎ

お兄ちゃんは弟を載せてあげようと手伝ってくれました優しいお兄ちゃんです
トラクターはやっぱり子供達には大人気でしたよ



さて、結構畑には長居させて頂き、時間はお昼前。渡邉さんの畑を後にして、さてお次は神崎へ移動

子供達が「お腹空いた~」と騒ぎ始めたので、いつもの定番の喫茶店「ゆうゆう」でカレーライスとケーキセットを食べ、ひとくつろぎ

その後、田んぼについてお聞きする約束をしていた寺田本家の優さんのところへ電話をしてみると、お母さんが出られて、なんと今日は40~50名の団体客のお蔵の見学会があって手が離せなそう、とのこと 凄いですね~。

ちょっと伺ってみると、本当にたくさんお客さんが来ているようで、次の土曜などの予定をお母さんに聞いてみたのですが、なんと来週の土曜日も再来週の土曜日も見学会があって埋まっているんだって。さすが寺田さん、大人気だな~と思いつつ、ここまで人に蔵を開放するなんて凄いな~、と感心すると同時に、優さんも大変そう。。。と思いました。

せっかくきたので、この後に行く藤崎さんへの手土産と自宅用にお母さんおススメの生原酒「しぼったまんま」→これを2本買わせてもらいました

また寺田さんから歩いて1分のところにある「月のとうふ」(ブログはこちら)さんで開催されている「新月市」なるものにちょこっと寄ってみました。
在来種の大豆+寺田さんのお水を使った美味しい豆腐を作っているところ。
店の前にテントが4つほど出ている小さな市ですが、揚げたてのとうふどーなっつや、暖かい豆乳(湯葉みたい!)とか、美味しかったですよ

さて、この次は、一昨年の秋に田んぼでお世話になった藤崎さんのところにご挨拶にまたまた移動

藤崎さんは、田んぼを耕さない方法で無農薬無化学肥料でお米を作っているベテラン中のベテラン農家さん。
藤崎さんのお米は、自然食品店や東京お茶の水のお医者さんの食事療法などでも使われているぐらいなんですよ

昨年末、引越しのご挨拶が出来なかったので、先ほど買った「しぼったまんま」をお持ちしてご挨拶。お茶受けに出してくださったソーセージのような大きさのさつまいもが滅茶苦茶甘くて美味しかった

そして田んぼの件で「苗を販売してくれます?」と聞いてみると、OKとのこと
田んぼは苗が超重要ですからね藤崎さんの苗であれば、間違いなし
1畝(30坪ほど)で手植えなら「育苗箱1箱で足りるでしょ」とのこと。1箱1000円だそうです。
これで苗は一安心。あとは田んぼ探しだけ、よし頑張って探すぞ

ちなみに藤崎さん、昨年HPを作ったとのこと。調べてみたらありました。
こちらです。
藤崎さんのお米は、むっちゃプレミアムものなんですが、HPをみると直売のせいか私が知っている限り一番安いですよ

そしてそして、水を抜くとメダカは生き残りにくくなるので、それを救おうと相変わらずメダカを救出して水槽に入れていました。 こんなことする農家さん聞いたこと無いですよね?藤崎さんって本当、素敵なお方
水面は氷が張っている水槽の中でもメダカは元気に泳いでいましたよ



さてさて、まだ終わらない1日です。藤崎さんにご挨拶をした後、今度は前の家の前の私の畑へ

年末、引越しをしてから約1ヶ月ぶりの我が畑。寒い中、野菜たちは頑張っているんだろうな~、と思いつつ色々見てみました。
すると、まず「へ~」と思ったのが、前の家の敷地に生えていた木は、もう芽を出していました。こんな寒い時期から春に向けて準備をしているんですね~。植物って凄い


スナップエンドウは、少し霜にやられて葉っぱが少しクチャっとなってしまっていましたまあ、一昨年の経験から言うと大丈夫だと思いますが。。。


1畝は不織布というものをかけているので、元気でしたよ


播種時期が遅れたそら豆は、逆に霜にもやられていなくちょうど良い大きさでいました



小松菜は霜にやられて枯れたり、厳しい寒さを物語っているようでしたが、食べれそうなところは収穫しました。



適期に撒いたものは収穫が終わっていて撒くのが遅かった大根は、まだ畑に少し残っていました。なんとかミニ大根ぐらいの大きさに育っていたので2本ほど収穫。


玉ねぎは、私は種からではなく普通に苗を買いました。今回のは買った時点ですごく太くて良いものだったので、この寒さでも問題なく根付いてくれているのでしょう、しっかりしていましたよ


最後に、畑を借りているでーもんさんの所に寄ったのですが、電話も繋がらず、畑の横の建物のところにも居なかったので会えず。。。残念。

私はもう一つ用事を済ませるのでここで子供達とはお別れ。子供達は電車に乗って嬉しそうに電車から手を振っていました

また来週末も行くので、寺田さんとでーもんさんには、来週お会いできればいいな~。

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にんじんのお話

2011年01月13日 | 食べもの
 車のフロントガラスが凍りつく季節になりましたね~。ほんと、寒い日が続きます

 畑も朝はガチガチで、作物を頑張って抜いても土が凍って固まりになってくっついてくるほどなんですよ

 さてそんな季節は、野菜が寒さに負けまいと、体に糖分をためて美味しくなる季節でもあります
 私が住んでいる成田周辺は、特ににんじんやさつまいもなどの根物にあった土だそうで、本当に美味しい野菜が食べれます。その中でも冬にんじんは最高においしいです

 私のにんじんは、昨年既に全て収穫しきってしまいました。パックリ割れたりと1年目と比べてあんまり出来が良くなかったですね~

 で、たまたま仕事の取材でこの道43年のにんじん農家さんのところに行ったのですが、素人とはやっぱり違うんですね~。

 例えば、にんじんといっても、種の種類はもうたっくさんあるんです。そしてプロの農家さんは、季節季節によって色々品種を撒き分けていることを教えてもらいました。

 具体的にいうと、初秋に収穫するにんじんと、晩秋のにんじん、越冬をさせるにんじんなど収穫する時期にあわせて品種を変えて種を蒔くんです。
 特に1月など寒い時期に収穫するにんじんは、にんじんの肩が地表に出すぎると凍害を受けて、そこからひび割れや腐敗が起きやすくなるんだそうです。だから、肩があまり出ず地面にもぐりこむ(これを「吸い込みの良い」と言うそうです)品種を蒔いたりするんだって。

 あと「やっぱりそうなのね。。。」と思ったのが味より優先するものがある、ということ。。。

 一般的に卸し先から求められる野菜は、形が揃い、堅くて割れにくく、見た目がきれいなものです。これにつけ加え、農家さんとしては病気になりにくく、作りやすい品種を選びます。まあ当然といえば当然なのですが。。。だから味は最後なんですね・・・。
 
 色々調べてみると「優良品種」といわれるものの評価項目に「味」っていうのが無いんです。それもそのはず、その判定を下すのは「大手の種苗メーカー」。そして、一番売れるのは「一番、流通のニーズにあっている、形や見た目を優先した種」だからです。

 それだけでなく、にんじんは1反(約300坪)あたり4t以上も普通は収穫できるそうです。Lサイズなど大きいほど全体の収穫量は増えるわけですが、大きいとそれはそれで、割れやすくなったり、中に空洞が出来やすくなったりするそうです。
 ただ、市場に卸す農家さんは、多少中に空洞が入るぐらいなら誰のにんじんかわかりませんから問題がありません。

 そしてこういった流通のニーズにあった「向陽(こうよう)」といういわゆる「F1」と言われている品種が、現在、市場で一番多いのはです。見た目が良く、堅くて割れにくく、形も揃い良く、味もそこそこ良いというにんじんです。

 今回お会いした農家さんも、初秋用は「向陽」を撒いているそうです。
 ただ、それは最初だけで直接お客さんに販売していることもあって「食味」も重視しています。美味しくないとお客さんが継続して買ってくれないから。これがやっぱり基本ですよね~。
 また時期にあわせて「らいむ」や「浜紅」「越冬黒田五寸」といった種を時期にあわせて撒いているそうです。可愛らしい名前のにんじんがあるんですね味も美味しいらしいですよ~そして収量も普通は4t以上とれるところを、あえて空洞とかが入らない程度の大きさで収穫をするようにしているので、2tもとれないそうです。


 品種だけでなく、収量も普通の半分以下となると、慣行栽培の農家さんと有機で直接消費者に売っている農家さん、そりゃ~値段も多少は高くなるのは仕方ないよな~、と思いました。

 
 市場にあった規格(見た目・色・形・大きさ・割れにくさ)だけでなく、美味しさや中に空洞が入りにくいちゃんとしたにんじんを、本当は全ての農家さんが作りたいんだと思います。でも、農家さんは、経済作物として野菜を作っているわけで、趣味じゃないですからね。。。
 消費者、ひいては流通が求めるものが変わらないとなかなか美味しさ優先の野菜作りって難しいんだな~と思いました。

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田んぼよ、田んぼ

2011年01月11日 | 農的体験・生活
 田舎に戻ってきてから、高熱を出す、といったような風邪にはかからなくなったのですが、この週末は、どうも気持ち悪くて、おなかに来る風邪のようなものにかかってしまったようです

 なので2日間ぐらい寝込んでいて、寝すぎで背中が痛い・・・

 そんなこんなな私に、更にダメージを受けるような連絡が。。。

 昨年、やっていた田んぼが色々あってお返しすることになってしまいました

 まあ、田んぼというものは本やかじった知識でなかなか大変ということは何となく知っていましたが、やはり実際自分がその立場に立ってみると、一番大切なのは顔をちゃんとあわあせたコミュニケーションであり、あくまで稲を作るのは地域や仲間との共同作業であり、畑とは違うものだ、ということがわかりました。

 大変残念ではありますが、一度仕切りしなおしたいという気持ちもありましたので、これを機に改めてお貸しいただく方の立場にたって、よくよく話をすりあわせてから新たに田んぼをお借りしたいと思います。

 私もイベント的に田植えとかをやりたい、と意向がありますので、

・無農薬無化学肥料でやってよい田んぼ
・水がきている田んぼ
・1~3畝ぐらいの広さ
・手植え、手刈りをイベントとして友人を呼んでやっても良いところ
・脱穀、籾摺りの機械を出来ればお貸し頂けること
・地代や年貢がそれほど高くないところ

といったことが問題ないところであれば、お貸しいただきたいと考えております。

現在、簡単な口頭でですがお借りできそうな田んぼは2つあります。これもご縁ですので、焦らず相手のご意向も聞いてきちんと今度は摺りあわせをしていきたいと思います

同時に、田植えする稲も重要です。きちんとした稲があれば、あとは田んぼが稲を育ててくれますので。稲についてはちょっと既知の関係とさせて頂いてる農家さんに打診をしてみようと思います

長い地域の歴史の上に成り立つ田んぼを、そう簡単に新参者が好きなように借りるというのはおこがましい、というか、ご都合主義なところもあると思いますので、時間をかけながら「my田んぼ」として長く使わせていただける田んぼをご紹介いただき、信頼関係を年月をかけて築いていきたいと思います

<お・ま・け>
 今朝、仕事で寺田本家さんにまたまた取材にお伺いしました。一昨年神崎に移ってきた岩本くんは、今は昨年12月から寺田本家で修行中。格好よかった!農に生きることを心に決めて突き進んでいる素敵な若者です


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自家製黄な粉♪

2011年01月06日 | 農的体験・生活
 今年の正月番組で
 「直伝 和の極意 新 養生訓 千変万化!大豆を尽くす」
というもののアンコール放送が明け方にやっていました。

 この正月、日の出の前には起きる生活をしていて、この番組をたまたま見たのですが、この番組は江戸時代の儒学者・貝原益軒が著し、いま注目される健康書「養生訓」をベースに料理をパパイヤ鈴木と料理研究科の先生が作る、というもの。

 この中で「黄な粉」を作っていました。物凄く簡単そうなので、私も「正月ならではの黄な粉を作ろう」と思い立ちました

 大豆は、昨年しこたまとれました。昨年の大豆収穫のブログはhttp://blog.goo.ne.jp/atsu1234/d/20101130


 私の大豆は生を乾燥させただけ。蒔けば芽がでる状態です。これでは食べれませんので、まずは大豆を煎ります。


 奥さんに「ゴマとか煎るものはとにかく、離れちゃだめだよ」という注意をいただき、少しずつ煎りました。
10分ほどで香ばしい食欲をそそる香りが立ち込めてきました

 熱々の大豆です
 香ばしくて、この時点で家族みんなに大好評やっぱり煎り立ては美味いっすね~

 
 これを袋に入れてすりこぎ棒でバシバシたたくのですが、そんな簡単に皮は向けません。。。
 

 なのでこのままミルにかけてしまいました
 するとあらま、みるみると黄な粉になっていくじゃあ~りませんか


 できた黄な粉は本当に香ばしく、香り高く、なおかつ何故か甘い
 子供達は競ってミルに残った黄な粉を指で集めてペロペロ集めていましたよ


 本当はふるいにかけると良いらしいんですが、このままでも十分細かくなって口にも残らない常態になりました。
 お餅にかけて黄な粉餅の出来上がり


 大豆はもちろん農薬も化学肥料もな~んにもつかっていないもの。これを煎り立て、摺り立てで食べると極上の美味さに

 こんな簡単に黄な粉ができるとは思いませんでした。

 すごく簡単ですが、海苔でも落花生でもゴマでも煎り立ては、市販品の時間が経っているものに比べて絶対美味しいですよね

 大豆はたっくさんあるので、これからは黄な粉は基本的に自家製にしようっと
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