⑥有機農産物は何で広がらない?
有機農業、有機農産物は何で広がらないんでしょうね~?
私もあんまりきちんと考えた事がありませんでしたが、こんな感じでまとめてみました。
「価格の高さに対する必要性の薄さ」。。。どうでしょうか?
1つは、国外に対して、2つめは国内に対して、それぞれ必要性があんまりない。。。とういうのが現状なのでは?
まず、国外に対して。
世界の農業大国が、必死に「経済輸出商品」として農産物を売ろうとしています。コスト競争力からいって農産物が勝負できる国は、その作物の自給率も高く、国であまった農産物を国外に売りたいわけです。
でも、日本は既に農業分野は開国してしまっています。
外食産業や大手スーパーは「海外物」が無くては成り立ちません。だって安いから。
結果的に国産野菜は高い。でも、それは日本の農家が食っていけないレベルの値段で、実際は高くない。。。
海外が安すぎるんです。つまり、既に価格だけでいうと競争力が無い。
量としても、海外に輸出できるほどの量は作れていないし、作っても価格が高くて勝負にならない。
広大な大地からの栄養分や水の搾取をして、大地が砂漠化したとしても、経済優先で国際価格競争力があるものを作るのが海外勢。日本はそういった世界競争の中で農業をするには国土が狭くて、農業で戦うにはあっていない土地柄です。
それに対して、海外は、穀物を中心にどんどん競争を激化している。その中で「有機農産物」は一つの武器として、国が後押ししています。EUみたいな経済共同体も、それぞれが得意な農産物を作って流通しあっています。
日本は、お米以外は既に海外勢にほとんど明け渡してしまっているから、既に国産野菜は「高い」ものになってしまっています。
そんなところで、更に値段があがる有機野菜を後押ししても、海外にも売れません。
一部、海外の富裕者層に対して「日本のものなら何でも良い」というジャパンプレミアムがついているお客さんに、果物やら築地の魚を売るぐらいです。
一部、既にシンガポールや上海、香港などの富裕層に野菜を輸出している農業グループも日本にはいます。でも、全体で考えると大きなマーケットではないんですね。
国外だけでなく国内でも、需要と供給のバランスが取れていないと思います。
今のところ慣行栽培を含めた野菜で十分で、国内では需要より供給が上回っているんですね。
昨年の猛暑などで供給が減ったために野菜は高騰しましたが、それでも、「全くどこでも買えない」ということはありませんでした。
生産した畑で規格外品として1/3は廃棄され、消費者の食卓などでも1/3は捨てられるのが日本です。
今のところ、需要<供給、が国産野菜全体では成り立っていて、その中で更に高価な「有機野菜」を求める層は、一部の富裕者層だけです。
なので、「有機農産物の必要性」が、日本は国外に対しても、国内に対してもあんまり無いんではないか、と思うのです。
日本の人口が減り、家庭菜園をする人も増えていっています。
お米で言えば、東京なら2割が縁故米、東北などは4割が縁故米、と言われています。
こういった市場では、大規模で価格勝負をする以外は、小規模農家は、都会の一部の消費者と物凄い濃い「田舎の親戚」のような関係を結ぶなど、小さな提携をしていくしか、今のところ、適切な戦略は無いのではないか?と思ってしまいます。
あと10年で、日本の農家さんの大半が農業をやめていきます。
この中で、入れ替わりで20代、30代といった農家が少し入って、ようやく需要と供給のバランスがとれはじめてくると思います。
国産野菜が減り、値段なら海外産を選ぶ時代。でも、国産を買うなら安心感を求めているはず。それなら「どうせ国産を買うなら、有機が良い」といった消費者の感覚がもっと芽生えてくるはずです。
ただし、そこには有機JASといった「表示規格」ではなく、一部の農家さんと、その農家さん自身と一部の消費者が「田舎の親戚のような関係」のような信頼で結びついた、そんな関係性の中で野菜がいききする、そういった時代が来るんだと思います。
有機農業、有機農産物は何で広がらないんでしょうね~?
私もあんまりきちんと考えた事がありませんでしたが、こんな感じでまとめてみました。
「価格の高さに対する必要性の薄さ」。。。どうでしょうか?
1つは、国外に対して、2つめは国内に対して、それぞれ必要性があんまりない。。。とういうのが現状なのでは?
まず、国外に対して。
世界の農業大国が、必死に「経済輸出商品」として農産物を売ろうとしています。コスト競争力からいって農産物が勝負できる国は、その作物の自給率も高く、国であまった農産物を国外に売りたいわけです。
でも、日本は既に農業分野は開国してしまっています。
外食産業や大手スーパーは「海外物」が無くては成り立ちません。だって安いから。
結果的に国産野菜は高い。でも、それは日本の農家が食っていけないレベルの値段で、実際は高くない。。。
海外が安すぎるんです。つまり、既に価格だけでいうと競争力が無い。
量としても、海外に輸出できるほどの量は作れていないし、作っても価格が高くて勝負にならない。
広大な大地からの栄養分や水の搾取をして、大地が砂漠化したとしても、経済優先で国際価格競争力があるものを作るのが海外勢。日本はそういった世界競争の中で農業をするには国土が狭くて、農業で戦うにはあっていない土地柄です。
それに対して、海外は、穀物を中心にどんどん競争を激化している。その中で「有機農産物」は一つの武器として、国が後押ししています。EUみたいな経済共同体も、それぞれが得意な農産物を作って流通しあっています。
日本は、お米以外は既に海外勢にほとんど明け渡してしまっているから、既に国産野菜は「高い」ものになってしまっています。
そんなところで、更に値段があがる有機野菜を後押ししても、海外にも売れません。
一部、海外の富裕者層に対して「日本のものなら何でも良い」というジャパンプレミアムがついているお客さんに、果物やら築地の魚を売るぐらいです。
一部、既にシンガポールや上海、香港などの富裕層に野菜を輸出している農業グループも日本にはいます。でも、全体で考えると大きなマーケットではないんですね。
国外だけでなく国内でも、需要と供給のバランスが取れていないと思います。
今のところ慣行栽培を含めた野菜で十分で、国内では需要より供給が上回っているんですね。
昨年の猛暑などで供給が減ったために野菜は高騰しましたが、それでも、「全くどこでも買えない」ということはありませんでした。
生産した畑で規格外品として1/3は廃棄され、消費者の食卓などでも1/3は捨てられるのが日本です。
今のところ、需要<供給、が国産野菜全体では成り立っていて、その中で更に高価な「有機野菜」を求める層は、一部の富裕者層だけです。
なので、「有機農産物の必要性」が、日本は国外に対しても、国内に対してもあんまり無いんではないか、と思うのです。
日本の人口が減り、家庭菜園をする人も増えていっています。
お米で言えば、東京なら2割が縁故米、東北などは4割が縁故米、と言われています。
こういった市場では、大規模で価格勝負をする以外は、小規模農家は、都会の一部の消費者と物凄い濃い「田舎の親戚」のような関係を結ぶなど、小さな提携をしていくしか、今のところ、適切な戦略は無いのではないか?と思ってしまいます。
あと10年で、日本の農家さんの大半が農業をやめていきます。
この中で、入れ替わりで20代、30代といった農家が少し入って、ようやく需要と供給のバランスがとれはじめてくると思います。
国産野菜が減り、値段なら海外産を選ぶ時代。でも、国産を買うなら安心感を求めているはず。それなら「どうせ国産を買うなら、有機が良い」といった消費者の感覚がもっと芽生えてくるはずです。
ただし、そこには有機JASといった「表示規格」ではなく、一部の農家さんと、その農家さん自身と一部の消費者が「田舎の親戚のような関係」のような信頼で結びついた、そんな関係性の中で野菜がいききする、そういった時代が来るんだと思います。