モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

手を伸ばして触れているのは…

2022-07-14 20:11:44 | 学生


彩加 高3 アクリル

学校のレポートに唸っています、マユカです!今回は彩加の作品をご紹介します。

ビビットな色使いが目を引くこちらの一枚、体にぽっかりとあいたハート形の穴がとても印象的です。画面に描いてある人物は3人ですが、右端から伸びる腕を見るに画面外にも同じような人物が並んでいる事が想像できます。また、顔や衣服、背景などは描かないことで一番伝えたいであろう「相手のハートに手を伸ばす」という行動に、視線が自然と向かいますね。この行動にはいったいどんな意図があるのでしょうか。表情が無いことで、針に糸を通すような真剣な雰囲気だったり、友達とふざけているときのような楽しげな感じだったり、どことなく悲しそうにも見えてきます。もしかしたら無感情…かもしれません。様々な考察ができます。心情を表現したような雰囲気があり、なんだか現代アートに近いものを感じますね。

文字が入っていないのでポスターではないのですが、このデザインは『人権のポスター』などでも使えると思いました。パッと見て印象に残りやすい明るい色合い、シンプルでも伝えたいことはわかる整理された構成、そして立ち止まって考えたくなるような、人の記憶に残るアイデア。駅などに大きく貼ってあっても素敵ですね。しかも『他人の心を踏みにじる行為』にも『他人を思いやる行為』にも受け取れる、見る人にゆだねるデザインとはハイセンス!彩加の頭の良さがうかがえます。

考察してもらうデザインは広告にすると少しリスキーなのですが、ポスターや展覧会のような立ち止まって見てもらえるような場所に飾られると、とても輝きます。デザインが飾られる場所を想定しながら作品作りをしてみるのも良いかもしれません。彩加は今回の作品をどこに飾るのかな、今後の作品も楽しみにしています!

コメント
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