モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

高度な感覚で完成された紋を使って

2014-03-12 00:33:00 | 小学生 工作
Urusi
オバラです。小学生クラスの2月のカリキュラム『漆工芸』が伸びに伸びて、3月も半ばに入った今頃ようやく完成となりました!
写真左上から3枚は、桐の小箱にヤスリをかけているところです。最初のクラスの子は室内でヤスリをかけましたが、木の粉で「目がかゆい!」「くしゃみが出る!」など子ども達からクレームが出て、次のクラスから寒空の下でやらせました。交差点を待つギャラリーにの視線にさらされ、いつにも増してハイテンション!全然寒そうじゃないところがうらやましいですね。
他の写真の集中力はなかなかのものでしょう?職人さんの妥協しない生真面目な仕事っぷりを説き、息を殺して塗るよう指導。やればできるじゃないか!
最後には蓋の一部に金粉を蒔絵にして、デザイン完了

細かく丁寧な作業が必要な職人技に憧れ、20年程前に漆作家の方(岩田先生の先輩・現在芸大の講師)のところへ弟子入りをしたことがあります。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を木地の上に乗せ、漆で接着し、その貝の厚さに近い高さまで塗りを施して、貝をとぎ出す螺鈿を施したブローチ1個作るのに、1年掛かりました。本来漆はヤスリではなく炭で研ぎますが、コンマ単位の均一な研ぎをしなければ鏡のような光沢は出せず、苦労しました。
Urusi2_3この作品はメキシコでの個展用に作った蒔絵のオブジェです。ドイツで集めて来た大振りな椎の木の葉を乾燥させたものに漆を塗り、和を感じさせる蒔絵を施しました。(100枚くらい作り、風に飛ばされた瞬間の様子を壁に貼り付けて展示しました。写真見付からずすみません。)使う為の道具『漆器』ではないところが、職人になりきれない腐れ芸術家といった感じでしょうか?

話しは戻りますが、家紋を調べると、繊細で大胆なアイデア、斬新なデザイン、これぞ日本の粋だ!と驚きました。高雅で格調高い紋から、思いがけない素材だったり、不思議な発想で作図された紋であったり、興味深いです。今回のカリキュラムが、日本古来から続く優れた文化遺産を滅ぼさずに残していく手掛かりなれば嬉しいです。

コメント
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