モノ作り・自分作り

東横線 元住吉 にある 絵画教室 アトリエ・ミオス の授業をご紹介します。
美術スタッフが、徒然に日記を書いています。

子供の絵

2013-01-13 07:32:00 | 小学生 絵画
Dsc_0067酒井です。本日授業中に生徒さんが生まれたばかりのお子さんを連れてきて下さいました。新年始めの日曜クラスはとてもおめでたい空間になり、ほっこり幸せ気分です。

そろそろどの曜日でも本格的に授業がスタートしますね。年明け最初に小学生が取り組むカリキュラムは、「ごちそうを食べている絵」です。お正月休み、お節料理やお雑煮など、それぞれの家庭で違ったごちそうをお腹いっぱい食べてきたはず!家族と一緒に、もしかしたら親戚が大集合してすごく賑やかだった、というお家もあるかもしれません。一見休み明けによくある「休み中の思い出を描く」というベタな課題にも思えますが、これがなかなか、小学生たちにとっては難しいテーマなのです。

例えばものを食べるときに必ず描くであろう食卓机。子供が机を描くとき、上の絵のようにパースのついた机を描くという意識はなかなか理解しづらく、俯瞰で見たように真ん中に四角を描いてしまったり、真っ直ぐな台と足だけが見える真横からの構図になってしまうことがほとんどです。向こう側にも足があるけれど、見えないのはおかしい、と後ろの足だけを横に描いてしまったり、レントゲンのように重ねて描いてしまう子もいます。「四角い板に足が四本ついている」という形状はわかっていても、それを表現するとなるとうまくいかない・・・。パース、奥行き、といった思考は子供にとっては難しい概念なのです。

加えて、「ものを食べる」という行為は体の動きが複雑で、関節、顔の向きなど人体をひとつひとつのパーツとして理解を深めていかないと描けないポーズです。今回はそういった絵の基礎に対する理解を深めてもらおうという課題で、「とにかく作品として面白ければ!」という方向に向きがちなミオスとしては珍しいテーマかもしれません。もちろん今回の指導によって子供のうちから「描き方」を強制するということではなくて、それを知ることよって表現の幅が広がる子たちもいるのではという考えからのカリキュラムです。私たち大人の物の見方は、どうしても視覚が優位になってしまいます。子供のうちにしか描けないものを消すことなく、ちょっぴり大人な絵の描き方を知ってもらえたらいいなと考えています。


皆さんはご自分が小学生、幼稚園の頃に描いた絵をとってありますか?ちょっと押入れの奥から引っ張り出してみるのも面白いかもしれませんよ。

コメント
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