巣立ち

3月に入りアトリエの学生達の受験は、美術系も一般の学校を受けた子もようやく全て終わりました。
しかし落ち着く間もなく、来年度受験を控えた学生達の「次は自分」というドキドキ不安な声が聞こえ始めています。
「まだこんなデッサン（基礎の勉強）ばかりで間に合うの？」という焦りも出てきました。

でもね、スピードが大事なんじゃないんだよ。
すぐ役に立つことは、すぐに役立たなくなる。
基礎を固めておけば、一生の財産になるんだ。
そのことはいつか分かるから、騙されたと思ってやってほしい。

と言うと、「そんなこと言ったって落ちてから、間に合わなかったじゃ済まされないじゃん！」なんて答えが返ってくるんですが、

未来に先回りして自分自身を見ることはできないから、過去を振り返って見てよ。
無駄だと思ってたことが役に立ったりしたことあるでしょ？
もし何一つ見付からなくても（そんな人はいないと思うけど）将来に、今やっていることが何らかのかたちで必ず繋がっていくと信じなくてはならない。
そう信じることで力を発揮できる。
己を信じることで全てのことは、間違いなく変わる。
だから今は不安になっても立ち止まらないで。

という会話をする学生もいれば、怠けてるのかと思う程のんびりしてる子もいてこっちが焦ったりしちゃうんですけど、よくよく話を聞いてみると、表に出さないだけでやっぱり不安がいっぱいあるんです。
私はお尻ひっぱたくのが得意の愛情表現＆鍛え方ですが、もっと寄り添う思いやりを持たないとなーと感じています。　　　オバラ