駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

勉強の方法で効果は

2023年10月26日 | 小考

                  

 

 定期購入する医学雑誌は日本医事新報だけになり後は所属する内科学会誌と日本医師会雑誌だけになってしまった。三分の一に減ったのだが、今の私にはちょうど良い分量だ。他に、時々丸善で内科学の教科書や専門分野の解説書を買う。中々の分量だが、既知のこと不要のことも多いので、読むのはそれほどの負担ではない。

 唯、新しい知識がどれほど日々の臨床に役立つかと言われると、五分の一否十分の一くらいかもしれない。最前線の臨床では稀な病気重篤な病気は少ないし、新しい情報の中にはまだまだ不確実なものも多いからだ。残念なのは新型コロナで勉強会講演会が減ったことだ。勉強会講演会は効率よく楽しく勉強できるし友人仲間にも合える。ネットでの講演会は専門医を維持するための講演会以外殆んど聴取しない。若い人は効率よく利用しているのかもしれないが質問がしにくく、友人との雑談もできないので、爺さんには面白くないのだ。

 果たしてネットでの講演会や会議が実際に顔を突き合わせてのものと比較してどの程度の効用があるか知りたい。新型コロナで折角の大学のキャンパスライフが壊された大学生が可哀そうでならない。自宅学習の大学生には大きな欠落があるのではと心配してる。文科省は調査しきちんと対策を考えているだろうか。

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役者冥利

2023年10月25日 | 趣味

                    

 

 芝居が趣味だった友人がいる。中々の偉丈夫で舞台映えがするが、イケメンではなく主役は殆んど回ってこない。二年ほど前、最後の舞台で悪代官を演じた。回り舞台で正面を向くと客の目が一斉に自分の方を向いて、何とも言えぬ快感を味わい、だから芝居はやめられないと感じたそうだ。私には想像しかねる感覚だが、役者とか歌手とかはみなそうした感覚を持っているからこそ、臆面もなく?大舞台で歌ったり見えを切ったりできるのだろう。政治家にもそうした感覚がありそうだ。私は不特定多数の人に顔を知られたり、舞台で口上を述べたりは苦手な質で、学会の発表は手元を見て会場には芋が並んでいると見做しながら時々顔を上げてしたものだ。

 そうした他人の注目に快感を感じられる人達は、スターと呼ばれ若々しく活動的な人が多い。対人に度胸があり面の皮が厚く、他人の視線をエネルギーにできるらしい。尤も、私は絵を描くのだが自分の絵を多くの人に見てもらえるのは嬉しく励みになるので、間接的であれば他人の注目からエネルギーを貰っているのかもしれない。

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いつもそう言ってすり替えてきた

2023年10月24日 | 政治経済

            

 

 所信表明演説で経済、経済、経済と叫んでしたり顔をしていたが二番煎じのヘボ芝居には騙されまい。経済でこっちの水は甘いぞと票を集め、集めた票で軍備増強、格差容認・・が見え透いている。そう言えば当たりが柔らかく狡賢しこく見えないのが岸田首相の優れた資質と麻生副総理が持ち上げていた。色々賢い投資家は騙されないようで株が下がっている、首相の経済政策はその道のプロには評価されていないのではないか。

 私は経済的には恵まれている方と思うが、外食する店が変わってきた。値の張る割烹、フレンチ、イタリアンへの足が遠のいた。三割の値上げはさすがに大きい。一枚でお釣りの来ない店には三か月に一回で十分、女房も異論はないようだ。国民の収入が増えるのが何よりなのは理解できるが、取って付けた今だけの御機嫌取りの演説は信用できない。単なる組み換えは一時的に終わる。その場しのぎの甘言には乗れない。一人一人それなりに実質収入減に自衛していると思うが、それはじり貧につながる恐れがあり、根本的な先見の明がある政策が必要だ。

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不明不安が動かす世の中

2023年10月23日 | 町医者診言

            

 

 困窮の時代には不平不満が世の中を動かし、充足の時代には不明不安が世の中を動かす。格差拡大と言っても今の日本では着の身着のままで飢え死にする人は居ない。世界に日本ほど電気ガス水道が行き渡り、外食が手軽に食べられる国はない。そうした日本では不平不満よりも不明不安が世の中を動かす基調になっていると観測している。補選で自民野党が一勝一敗と言っても、三十パーセント台の投票率では、不平不満が世に満ちているとは言えない。尤も選挙しか頭にない日本の政治家には一敗が一大事のように報道されている。

 いつの世にも先行きは不明だし、心配を始めればいつ何時不幸に見舞われるか不安は尽きない。日本人が勤勉で規則を守り、世界に冠たる安全で行き届いた社会を作り上げたのには、心配性で同調圧力を生み出す国民性が関与している。不平不満を先回りして和らげるのに長けているが、不明不安には弱いのでそこを突かれると動揺してしまう。これは要注意だ。折角、これだけ上を引きずり落とし下を引き上げる平均回帰力を持っているので、不明不安には泰然自若の心でなるようになるケセラセラと対応し、興味本位利優先無責任のマスコミ情報を眉に唾を付けて吟味し、不明不安には知恵を絞って理知的に対策を練れば、大失敗は避けられるのではと願う。

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秋風に紛れ込む夏

2023年10月22日 | 小考

            

 

 何度も漸く秋が来たと書いたが未だ日中は動くと汗ばむ日がある。何だかスーパーエルニーニョという現象が起きているらしい。これで異常気象が引き起こされる。既にオーストラリアではこの影響で干ばつが起きており、そのため小麦が不作になり輸入している日本にも影響が出るという。日本は暖冬になるという。寒さが苦手な人は温かくて良いと思われるかもしれないが、冬は寒くないと農作物などいろいろ悪い影響が出る。収まりつつあるコロナに続いて次々と自然と人為(戦争)の荒波がやってくる。生きている生きてゆくことは災難試練の連続で日本の戦後五十年は実は平穏だったということかもしれない。

 新型コロナが五類になり九波も収まりつつあり、街の賑わいも回復傾向にあるようだが、このまますんなり安定した生活が戻ってくるとは思えない。飲食店主や女将の笑顔の対応にはどこか微かな不安が読み取れる。

 老後は安泰は夢物語、後期高齢者も油断せず知恵を絞って生きていかねばと猫背矯正体操を続けている、少しだが効果があるようだ。

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