駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

幻のじゃあじゃあ麺

2009年02月02日 | 旨い物
 子供の頃の忘れられない御馳走の一つにじゃあじゃあ麺がある。年に2,3回親父が満州の引揚者の方がやっている屋台で、お土産に買ってきてくれた。もう50年近く食べていない。兄貴もあれは旨かったといつも言っている。もうその屋台の影も形もなく、我々には幻の味になってしまった。
 時々、街角中華でメニューに見かけて頼んでみるが、出てくるものは似ても似つかぬ味でがっかりする。それじゃあ自分で再現してやろうと、ネットで検索したら盛岡がじゃあじゃあ麺の特異点なのがわかった。しかし、どうも盛岡のじゃあじゃあ麺は我々の食べた物と少し違うような感じがする。
 記憶では生姜が効いた甘辛い味噌味で、豚肉は挽肉ではなく短冊形に切ってあった。炒めてあったかどうか、茹でてあったような気もする。
 昨日取り合えず、味噌、砂糖、生姜、豚肉、胡瓜、葱を用意して、記憶を頼りに挑戦してみた。残念ながら記憶の味とは違う。たぶん屋台の親父さんは自己流になにか満州のレシペを改変していたような気がする。自作のじゃあじゃあ麺は味噌味が強すぎ塩辛く旨味がもう一つだった。子供の時食べたのは生姜の味が生かされほんのり甘くあっさりしていた。一体どんな工夫がしてあったのだろう。遠い昔で子供の舌のことだから、覚束ないがもう二三回挑戦してみたい。たぶん再現は無理だろうが、もしうまくいったら兄貴にも食べさせて、どうだと言いたい。
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5 コメント

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Unknown (きき)
2009-02-03 08:45:44
味噌はどんな味噌を使われました?
ジャージャー麺には甜麺醤(テンメンジャン)という中華味噌を使います。
八丁味噌+砂糖+胡麻油でも代用できます。
干し海老や干し椎茸を入れることも多いです。
私の大好きなお店のジャージャー麺には、鮑の端っことか白菜の白い部分とかを細かく刻んだのが入っていて、それはそれは美味しいんですよ~!
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了解 ありがとうさん (arz2bee)
2009-02-03 14:46:26
 なるほど、かすかな色の記憶から合わせ味噌を使ってみました。塩辛かったのであわてて砂糖を後からちょっと足しました。
 恬麺醤(知りませんでした)を探して、なければ代用品を使ってみます。
 ふむふむ干し海老干し椎茸とな、これも何とかなりそうです。
 なんだかかなり本物に近いのができそうです。再挑戦してみましょう。
 貴重な情報大変ありがとうございました。
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引揚者屋台についての質問です。 (島村恭則)
2010-01-29 22:07:04
満州引揚者がもたらした食文化(ぎょうざ、じゃじゃ麺など)について調査している関西学院大学教員の島村と申します。質問させていただきたいのですが、お父様がじゃじゃめんを買ってこられた引揚者の屋台は、どの地域(何県の何市(のだいたいどのあたりか)のもので、昭和何年ころのことか、についてお教えいただければ幸甚です。盛岡のじゃじゃめん(白龍)も、満州引揚者の方が桜山引揚者更生市場の周辺の屋台ではじめられたものです。ご教示、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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記憶では (arz2bee)
2010-01-29 23:04:21
 時期は昭和三十年前後です。場所は岐阜市徹明町から金宝町付近、今の文化センター周辺です。十数軒の屋台が出て土手焼きなども販売していたと思います。昭和三十四、五年頃まであったと思います。
 盛岡のじゃあじゃあ麺とは違う物で、我々兄弟には幻の味です。
 懐かしく再現を試みるのですがうまくゆきません。広がって定番にならなかったのは残念です。
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ご教示ありがとうございました。 (島村恭則)
2010-01-30 18:29:38
早速、貴重なご教示を賜りましてありがとうございました。承知いたしました。岐阜といえば、岐阜駅前には、満州引揚者によって形成されたハルピン街(せんい問屋街)がありますね。調査に行ったことがあります。ご教示、深く感謝申し上げます。
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