二週間ほど前のことだが、宮台真司さんという社会学者が暴漢に襲われて重傷を負った。幸い命には別条なく、仕事に復帰されるようで良かった。
宮台さんが発言するのを何度も見たことがある。独特の視点で社会問題を捉えている人だとは思ったが暴漢に襲われるような過激な感じは受けなかった。言葉遣いは乱暴だが内容は学問的で難しく、反感はものの言い方にあったのだろうか。動機が不明だが、暴力で人を黙らせようとすることはあってはならないことだ。
宮台さんの仕事を詳しくは知らないが、日本人が何百年も変わっていないと指摘されていたのは首肯したい。というのは以前呉座さんの応仁の乱を読んで何だこれは今と同じことをやっていたのだと思ったからだ。宮台さんは頭脳明晰でよく勉強されており鋭い指摘をされるが、何でも分かっているように話されるので、病気で訪れるあらゆる人を診ている私にはどうもしっくりせず特にフォローしているわけではない。唯、宮台さんをはじめ日本社会の問題点を指摘する人達を不協和音と理解しようとせずに排除するのは歴史に学ばず折角の智慧を見過ごすことになると思う。