駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

仕事というもの

2022年12月10日 | 診療

              

 

 汚いとか不快と感じるのには個体差や民族差があるようだ。実際の経験はないが中国やロシアのトイレは日本人には耐えがたい汚さと聞いている。尤も最近はかなり?改善されたらしい。糞尿は汚なく不快なものだが、不思議なことに自分のものだとさほどではない。母親は赤ん坊の糞便を全く汚いと感じない様子でそれだけ自分に近い存在と感じているのだ。個人差はあるかもしれないが、父親の自分も赤ん坊の糞尿を汚いと感じなかった記憶がある。

 これが他人のものとなると鼻がもげるというか異物感で腰が引け、とてもいい気はしない。職業柄消化器系の医師は患者の大便に遭遇することがしばしばある。これに顔色一つ変えず対処できないと一人前とは言えないようだ。半世紀前研修医の頃、消化器の若い医者が直腸診の時大便に遭遇し腰が引けたら、婦長がこんなことでとたしなめたのを目撃した記憶がある。看護師は日常的に患者さんの下の世話をする機会が多いので、そうした訓練を徹底して受けているらしく嫌な顔をしたのを見たことがない。これは本当に凄いことだと思う。

 

コメント (2)
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