駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

終了時間を考えて

2022年02月18日 | 医療
          

 午前中の診療は十二時までになっているが、十二時までに来ればよいというものではない。勿論、いつもの血圧での定期受診なら問題ないのだが、朝からお腹が痛かったり胸が苦しかったりしたのが三、四時間様子を見たのによくならないので、まだ間に合うと十一時五十分に駆け込まれては困る。というのは、胆嚢炎や心筋梗塞など重い病気が疑われる場合は、総合病院へ送らなければならないからだ。
 そうした重症疾患かどうかを見極めるのに、急いでも十五分は掛かる。総合病院は十一時半までが目安で、それを過ぎると時間外扱いで「はいどうぞ」とは言ってくれない。救急の若い医師は私のことなど知らず、不勉強の老人医扱いされることもあり、説明交渉して送り込むのが一苦労なのだ。
 忙しい救急外来に気軽に送り込まれては敵わんという気持ちはよくわかるのだが、受けてもらえないとあちこち探さなければならず手間取る。
 病気は予想外に襲ってくるものではあるが、病院というのは日中いつでも万全というわけではない。手の揃っている時間帯に受診するのが賢い、礼儀と申し上げたい。勿論、やむを得ないこともあるでしょう、しかしそのために何某かの負担が掛かることを知っていただきたいと思う。
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