駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

不思議な患者さん達

2018年08月04日 | 医療

 

 この頃は話題性のある事件がないのか、モンスターペイシェントが週刊誌の記事にならない。居なくなったのだろうか、まさか。浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじと石川五右衛門は歌ったと伝えられる。盗人は勿論尽きていないけれども、問題人は尽きまじと脚色すれば、より普遍的な真実となるだろう。

 実は尽きまじではなくて、増えてきているように観測している。不思議というか問題があるというか、そうした患者さんの対応に追われる毎日だ。

 K氏六十六歳の高血圧症の患者さん。日焼けをして活動的で大声でよく話をされる独特な人だ。風邪なんか一晩寝れば治ると豪語され、五十代に見える。数年前、結婚して当地に越して来られた。嫁さんが来て嬉しいと喜んで居られたのだが、急に受診されなくなった。昨日三か月振りに受診されたので、あれ薬足りてましたかと聞くと前のが残っていた?と怪しげな返事をされる。血圧は158/95と上がっている、きちんと薬を飲んでくださいと注意しながら、相変わらずお元気そうですねと声を掛けると「丸山ワクチンを打ってきたんでね」と言う返事。「えっ、癌になったの」と聞くと胃癌だという。いつの話ですかには三か月前だよ。手術したんですか?。いや家内のことだよ。あっそれはいけませんね。ワクチンはどこでと聞くと**先生の所、F市まで行ってきたんだよ。**先生元気なんだよね、とても八十八歳には見えない。あんまりお元気そうなんで私もついでに打ってくださいと頼んで打ってもらったんだよ」!?。

 モンスターペイシェントとは違うかもしれないが、モンスター感覚の持ち主に思える。ちなみに失礼ながら**先生はモンスタードクターのような気もする。相乗効果が期待できるかも知れない。

コメント
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