駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

一流ホテルの条件?

2018年01月05日 | 小験

             

 今朝は二三度の違いだと思うが昨日ほどの冷え込みはなく、いつものようにのんびりと駅まで歩けた。曇っているので放射冷却が少なかったせいだろう。毎年そうなのだが、仕事始めの4日はさほど患者さんは多くなく、今日からが本格的な始業で数日は五割増しの混雑が予想される。

 暮れに東京の一流とされるホテルに泊まった。朝食はブッフェにしたのだが、卵料理はどうぞご注文をというので半熟のゆで卵を頼んだ。出てきたのはこれでもかというほどのハードボイルド、これは何だとフロアのギャルソンを呼びつけた。申し訳ありませんとやり直したのだが、二回目の台詞がこんどは大丈夫と思いますが、開けてみないとわかりませんとは何とも情けない。結果は黄身は半熟だが白身は固く私好みではなかった。

 確かに半熟は難しいかもしれないが、一流ホテルのコックにできないはずはない。茹で時間を指定すればよかったかもしれない。三分半という白身も半熟の微妙なところが好みなのだ。大振りなら四分。ボイルド、ツーフォーのオーダーで通じるホテルもあった。

 内科臨床医にとっての風邪と同じで卵料理は実は奥が深く、そう簡単なものではないと知っているが、朝食がホテルにとってどんなに重要なものかがわかっていないようでは、とても五つ星は差し上げられない。帝国ホテルの村上シェフの下には半熟卵が茹でられないようなドジなコックはいなかっただろう。建て直して急に一流扱いになったホテルの地力が露呈していると申し上げたい。

 病院も然り、隅々まで行き届いているかどうかにレベルというか格が現れる。もう一つ、図体が大きければ格上というのは違う、むしろ下手に大きくなると締まりがなくなる恐れが出てくる。高々茹で卵だが、お値段だけが一流と言われないようにと書いておこう。

コメント (2)
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