駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

端折らない議論を

2017年10月28日 | 政治経済

 

 憲法改正に反対する人は皆無と言ってもいいだろう。共産党も賛成するはずだ。改正というのはより正しくするという意味なのだから。唯、何がより正しいかに幅広い合意形成が必要になる。

 単に改憲と言えば、変えるということだから、その内容次第ということになるのはこれまた当然の話だ。しかるにマスコミは中身に踏み込まず、改憲賛成反対と表現してしまう。政治家も然りだ。どうかしていると思う。

 勿論、こうした短絡表現にはそれなりの理由があって、背後に存在する改憲を主張する側の意図と阻止しようとする側の怖れを端折ってしまっているのだ。内容に踏み込むと、議論が白熱するので避けていると思われる。しかし、こんな真正面の議論を避けた短絡した問題提起で、正しい判断が出来るとは思えない。

 九条第三項に自衛隊の存在を追加明記すると何がどう変わるのかをきちんと説明しないで、命を掛けて国民を守っている自衛隊をないがしろにしてよいものかあるいは武力が無くては国が守れないと感情に訴えても、憲法改訂理由の説明にはならない。一項二項との整合性を詳らかにしないで、感情に訴えるのは賛意を得るための戦略のようにさえ思えてしまう。

 憲法を蟻の一穴から漸進的段階的に変えようとする意図があるとすれば、私が端緒を開いたと歴史に名を残そうという気持ちがあるとすれば、正直に言って欲しい。政治家同士では騙された方が悪いそうだが、国民相手ではまやかした方が悪いのではないか。

 政治家同士で策略の巡らすのは結構だが、国民には分かり易く説明提示する義務があると思う、ニャロメ。

コメント
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