駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

虚を突くのはどうも

2016年04月16日 | 小験

                

 今年の桜は例年より紅が濃く見事な咲き振りだったと思う。日本人は桜が好きであちこちに植えてあり、以外なところでも咲いていた。街角の古木?が見事に花を咲かせていて、えっあんた桜だったのと驚いてしまう。桜とは思えない大きな木で大年増のはずだが花はどうして若々しく艶があり、見事なものだった。昨日今日は桜だった素振りも見せず緑の若葉を付けて、春を待っていた街路樹のような顔をしている。どうも桜餅を喜んで食べるくせに、新緑に混じる桜葉の見分けが付かない。

 朝、医院に来るとTさんと思しき患者が入り口で背中を見せて待っていた。そっと通用口から入ろうとすると背中を見せたまま「おはようございますと」大音声がして虚を突かれてしまった。あ、おはようございますと返しながら、えっなんで私が来たのが分かったのだろうと狐につままれたような気がした。多分、玄関のガラスに映ったか、私が気が付く前に気が付き、一番に入ろうと玄関に並んだのかも知れない。いずれにしても、振り向いて挨拶してくれれば良いのに、とても忍者にはなれない肥満体なのに、忍者のようだなと失敬なことを考えた。

 不愉快ではないがどうも人の虚を突くというか裏をかくのは、良い趣味ではないと思う。尤も相手が自然では、責めようもなくおっさんの場合はコンニャロメと思ってしまう。

コメント
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