駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

ちょっと口が滑った?

2014年09月17日 | 診療

                    

               

 S氏は71才、パートで続けていた仕事も引退し4月から毎日が日曜日らしい。

 ちょっとへそ曲がりで、看護師のMさんが目の前で「**い さん」と大声で何度呼んでも知らん顔、あれおかしいなと受付に探しに行く。受付で「**え さんよ」と教えられ、「**えさん」と呼び直せば涼しい顔で「はい」と言う人なのだ。Mもなかなか気性の激しい方だから、あとで、「何よ、あの爺い」と息巻いていた。S氏は年相応で爺さん爺さんしているわけではない。

 毎日が日曜日になると、家に閉じこもって急に老け込む人が居るので「毎日何をされていますか、家でごろごろはいけませんよ」と話しかける。

 「月一ゴルフかな」。

 「月一回じゃあ、なにか趣味というか、興味のあることはないんですか」。

 「そうね。若い女の子には興味があるよ」。おやおやという返事につい

 「相手にされないでしょ」と言ってしまった。いつもは当意即妙のSさんもこれにはうっと詰まり、

 「言いにくいことを言いますねえ」とむっと?されたようだ。

 診察室を出てから看護師にひどいことを言われたと訴えていたようだが、同情が得られただろうか?

 寅さん、うっかり、口が滑ってしまったよ。

コメント
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