旨いものが好きで生きるために食べるよりも食べるために生きているという方が正確な前期高齢の人生を送っている。高級店も家族や友人となら出かけるのだが、自分一人では出かけないというか出かけられない。根がB級グルメ体質なのだ。
出先で高級和菓子を少し買って行こうと名にし負う店に入ったはいいが、一個五百円以上する和菓子に恐れをなし後ろ足で店を退散した。きっと美味しいのだろうとは思うのだが、三倍の値のものが三倍美味しいとは思えない。身分不相応というか私の舌では味わい切れない気がした。
一体どういう方がああした高級和菓子をお求めになるのであろう。贅沢というのは一代では身に付かないのかもしれない。小僧の神様とは違うけれども、ちょっと寂しい気もした。