駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

赤福問題

2008年03月14日 | 世の中
 好物の赤福が製造年月日を誤魔化して、一時販売停止になっていた。再出発したようなので、また味わえる機会を楽しみにしている。もう何十年も食べてきたが、五回に一回くらい餅と餡のなじみが悪くこれはちょっと古いのに当たったと思っていた。当日製造のみと知っていれば、味がおかしいと注意してやったのに、惜しいことをした。まき直しなどという妙な言い換えで誤魔化すのは、どうも日本の悪い習慣だ。もちろん、何にも悪くないと開き直るのはもっと質が悪いのであるが。その質の悪さを何時も指摘してきたどこかの首長が自分のこととなると開き直るからややこしい。
 なぜまき直しのような問題が起きるかと言えば、明日どれだけ販売できるかを正確に予測できないからだ。これは経済学の積年の課題で、さまざまな研究がされているが、天候(最近はかなり当たるようになった)と同じでピタリと予測できる所までは進んでいないようだ。実際、当院のような小規模の内科医院でも、明日どれくらい患者さんがくるかの予想は難しい。もちろん連休明けは忙しいし、曜日や天候によってある程度の傾向はあるが、しばしば外れる。医業は利潤を追求しているわけではないので、数そのものはさほど気にならないが、大きな変動は同質の医療を提供するのに支障が出てくるので好ましくない。というのは、赤字になっては困るのでスタッフは僅かに余裕がある程度しか配置して居ないからだ。ピーカンで暇なこともあり、雨で空いていると思ったのにと言われることもある。まあでも、当院にはまき直しはありませんので、ご心配なく。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする