津野海太郎さんの「歩くひとりもの」は愛読書の一冊と言いながら実は三冊持っている。途中まで読んであれ何処に行った、読もうと思ったら見当たらずでアマゾンで重ねて購入したものと思う。何故この本に辿り着いたか記憶になく不明なのだが、何度も拾い読みをしている。最近と言っても一年半ほど前だが「最後の読書」という本を出された。最後のというのが気になるタイトルなのだが成程ああそうなんだそうだなと読んだ。ヴァイニング夫人が出てくるがこうしたことが書ける人は本当に最後かなと思った。
津野海太郎さんの「歩くひとりもの」は愛読書の一冊と言いながら実は三冊持っている。途中まで読んであれ何処に行った、読もうと思ったら見当たらずでアマゾンで重ねて購入したものと思う。何故この本に辿り着いたか記憶になく不明なのだが、何度も拾い読みをしている。最近と言っても一年半ほど前だが「最後の読書」という本を出された。最後のというのが気になるタイトルなのだが成程ああそうなんだそうだなと読んだ。ヴァイニング夫人が出てくるがこうしたことが書ける人は本当に最後かなと思った。
臥床している時間が長いと思い洋書のサスペンスを一冊持ち込んだのだが、結局碌に読まないうちに無事退院できることになった。碌に読めなかったのは術後数日思ったより体調が悪かったことと、どうも残虐な描写が多くて生理的に受けつけなかったせいだ。
この頃は人種の違いなどと書きにくい時代になったが、それでも人種的な差かなと感じたのは何度も残虐な方法で人が殺される場面が出てくることだ。いくらサスペンスでも、簡単に人が殺されしかも露骨な描写にちょっと辟易した。日本ではここまで具体的に書かない気がする。尤もシャーロックホームズなどには残虐な描写はほとんどないので時代の変化があるのかもしれない。体調が万全になれば感じ方が変わり、プロットに注目して続きを読めるかもしれない。
外交というものの実態をよく知らないけれども、こうしたミステリーに触れて懸念を感じた。金髪の野獣などというとクレームが入るかも知れないがそうした要素もある欧米人と互角に渡り合って粘り強い五分の交渉が出来ているだろうかと気になる。岸田さんはこの頃肩を揺すって歩いて強がっているようだが、力んで空振りしそうで心許ない。
このところ英国づいており、アリスン・モンクレアのThe Right Sort of Manを読んだ。単なる謎解きではなくアイリスとグエンという対照的な二人の女性の個性がなんとも言えず魅力的に描かれている。第一容疑者や刑事モースを見ているのと同じような感覚に囚われる。要するにイギリスを感じるのだ。何を持ってイギリス的なのかと聞かれても、簡単には答えられないが子供の頃読んだくまのプーさんやシャーロックホームズにどこか通じるものを感じる。同じ英語を母国語とするアメリカと比較してイギリス的と感じているところもあるし、フランスやドイツといった他のヨーロッパの国と比較してイギリス的と感じるところもあるようだ。
敬愛する小野寺健先生にイギリス的人生という御本があるので、読んでみれば氷解するかもしれないがまだ読まないでいる。
ジョンソン首相を辞任に追い込んだ国、大英帝国から長期低落と言われながら踏みとどまる国・・・イギリスミステリを楽しみたい。