NHK短歌5月号に「野球と相撲のどっちをよむ?」という企画の記事があった。その冒頭に「すまはむと東ゆ西ゆ揺るぎ出し阿修羅のすがた見るが楽しさ」という吉井勇の歌が紹介されていて、解題に「相撲」という語は「すま(争)ふ」から来ているとあった。そうなのか、これでまたひとつ賢くなった。あとはそれぞれの秀歌が掲載されていた。
①今やかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうち騒ぐかな
②シアトルのイチローの秋如何ならむ箴言のごときそのうつしみよ
①は正岡子規、②は水原紫苑
③土俵際身を撓ませて堪えたる一途のちから見るに圧(お)さるる
④初場所の角力絵にゐる百力士花やかにはだへ咲くかと思ふ
③は吉井勇、④は馬場あき子
秀歌も何のその、私もよんでみた。
◯ショウヘイがユニコーンと化し彼の地にて独り異界へあゆみ始める
◯ふるさとの海いろまわしの明生は小結ぐらいがちょうどいい